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書名 | 発行 | 名人 | スコア | 挑戦者 | 備考 |
名人戦物語 実力世名人発足から藤井聡太名人誕生まで | '23.12 | 次の一手 | |||
愛蔵版 第81期将棋名人戦七番勝負 | '23.9 | 渡辺明 | 1−4 | 藤井聡太 | 毎日版 |
愛蔵版 第80期将棋名人戦七番勝負 | '22.9 | 渡辺明 | 4−1 | 斎藤慎太郎 | 毎日版 |
愛蔵版 第79期将棋名人戦七番勝負 | '21.8 | 渡辺明 | 4−1 | 斎藤慎太郎 | 毎日版 |
第78期 将棋名人戦七番勝負 全記録 渡辺 初の名人位 | '20.11 | 豊島将之 | 2−4 | 渡辺明 | 朝日版 |
愛蔵版 第78期将棋名人戦七番勝負 | '20.11 | 〃 | 〃 | 〃 | 毎日版 |
書名 | 発行 | 名人 | スコア | 挑戦者 | 備考 |
愛蔵版 第77期将棋名人戦七番勝負 | '19.8 | 佐藤天彦 | 0−4 | 豊島将之 | 毎日版 |
第77期 将棋名人戦七番勝負 全記録 豊島新名人誕生 | '19.7 | 〃 | 〃 | 〃 | 朝日版 |
愛蔵版 第76期将棋名人戦七番勝負 | '18.8 | 佐藤天彦 | 4−2 | 羽生善治 | 毎日版 |
第76期 将棋名人戦七番勝負 全記録 佐藤名人3連覇衛 | '18.8 | 〃 | 〃 | 〃 | 朝日版 |
第75期 将棋名人戦七番勝負 全記録 佐藤、名人初防衛 | '17.8 | 佐藤天彦 | 4−2 | 稲葉陽 | 朝日版 |
愛蔵版 第75期将棋名人戦七番勝負 | '17.7 | 〃 | 〃 | 〃 | 毎日版 |
第74期将棋名人戦七番勝負全記録 | '16.8 | 羽生善治 | 1−4 | 佐藤天彦 | 朝日版 |
愛蔵版 第74期将棋名人戦七番勝負 | '16.7 | 〃 | 〃 | 〃 | 毎日版 |
第73期将棋名人戦七番勝負全記録 | '15.8 | 羽生善治 | 4−1 | 行方尚史 | 朝日版 |
愛蔵版 第73期将棋名人戦七番勝負 | '15.7 | 〃 | 〃 | 〃 | 毎日版 |
将棋名人戦 −昭和・平成 時代を映す名勝負− | '14.8 | ムック | |||
第72期将棋名人戦七番勝負全記録 | '14.8 | 森内俊之 | 0−4 | 羽生善治 | 朝日版 |
愛蔵版 第72期将棋名人戦七番勝負 | '14.7 | 〃 | 〃 | 〃 | 毎日版 |
第71期将棋名人戦七番勝負全記録 | '13.8 | 森内俊之 | 4−1 | 羽生善治 | 朝日版 |
愛蔵版 第71期将棋名人戦七番勝負 | '13.8 | 〃 | 〃 | 〃 | 毎日版 |
愛蔵版 第70期将棋名人戦七番勝負 | '12.8 | 森内俊之 | 4−2 | 羽生善治 | 毎日版 |
第70期将棋名人戦七番勝負全記録 | '12.8 | 〃 | 〃 | 〃 | 朝日版 |
第69期将棋名人戦七番勝負全記録 | '11.8 | 羽生善治 | 3−4 | 森内俊之 | 朝日版 |
愛蔵版 第69期将棋名人戦七番勝負 | '11.8 | 〃 | 〃 | 〃 | 毎日版 |
第68期将棋名人戦七番勝負全記録 | '10.8 | 羽生善治 | 4−0 | 三浦弘行 | 朝日版 |
愛蔵版 第68期将棋名人戦七番勝負 | '10.7 | 〃 | 〃 | 〃 | 毎日版 |
書名 | 発行 | 名人 | スコア | 挑戦者 | 備考 |
愛蔵版 第67期将棋名人戦七番勝負 | '09.8 | 羽生善治 | 4−3 | 郷田真隆 | 毎日版 |
第67期将棋名人戦七番勝負全記録 | '09.8 | 〃 | 〃 | 〃 | 朝日版 |
愛蔵版 第66期将棋名人戦七番勝負 | '08.9 | 森内俊之 | 2−4 | 羽生善治 | 毎日版(第66期から朝日・毎日共催) |
第66期将棋名人戦七番勝負全記録 | '08.8 | 〃 | 〃 | 〃 | 朝日版( 〃 ) |
第65期将棋名人戦七番勝負 | '07.8 | 森内俊之 | 4−3 | 郷田真隆 | |
第64期将棋名人戦七番勝負 | '06.8 | 森内俊之 | 4−2 | 谷川浩司 | |
第63期将棋名人戦 | '05.8 | 森内俊之 | 4−3 | 羽生善治 | |
第62期将棋名人戦 | '04.7 | 羽生善治 | 2−4 | 森内俊之 | |
第61期将棋名人戦 | '03.7 | 森内俊之 | 0−4 | 羽生善治 | |
第60期将棋名人戦 | '02.7 | 丸山忠久 | 0−4 | 森内俊之 | |
第59期将棋名人戦 | '01.8 | 丸山忠久 | 4−3 | 谷川浩司 | |
第58期将棋名人戦 | '00.8 | 佐藤康光 | 3−4 | 丸山忠久 | |
書名 | 発行 | 名人 | スコア | 挑戦者 | 備考 |
第57期将棋名人戦 | '99.7 | 佐藤康光 | 4−3 | 谷川浩司 | |
第56期将棋名人戦 | '98.8 | 谷川浩司 | 3−4 | 佐藤康光 | |
第55期将棋名人戦 | '97.7 | 羽生善治 | 2−4 | 谷川浩司 | |
羽生善治名人位防衛戦の舞台裏 | '96.12 | 第54期 | |||
第54期将棋名人戦 | '96.7 | 羽生善治 | 4−1 | 森内俊之 | |
第一期名人戦・自戦記 | '95.12 | 土居市太郎 | |||
第53期将棋名人戦 | '95.7 | 羽生善治 | 4−1 | 森下卓 | |
第五十二期将棋名人戦 | '94.8 | 米長邦雄 | 2−4 | 羽生善治 | |
第五十一期将棋名人戦 | '93.8 | 中原誠 | 0−4 | 米長邦雄 | |
第五十期将棋名人戦 | '92.10 | 中原誠 | 4−3 | 高橋道雄 | |
第四十九期将棋名人戦 | '91.8 | 中原誠 | 4−1 | 米長邦雄 | |
第四十八期将棋名人戦 | '90.7 | 谷川浩司 | 2−4 | 中原誠 | |
書名 | 発行 | 名人 | スコア | 挑戦者 | 備考 |
第四十七期将棋名人戦 | '89.11 | 谷川浩司 | 4−0 | 米長邦雄 | |
第四十六期将棋名人戦 | '88.10 | 中原誠 | 2−4 | 谷川浩司 | |
第四十五期将棋名人戦 | '87.9 | 中原誠 | 4−2 | 米長邦雄 | |
中原誠自然流名人戦激闘譜 | '87.5 | 自戦記 | |||
第四十四期将棋名人戦 | '86.10 | 中原誠 | 4−1 | 大山康晴 | |
第四十三期将棋名人戦 | '85.8 | 谷川浩司 | 2−4 | 中原誠 | |
第四十二期将棋名人戦 | '84.10 | 谷川浩司 | 4−1 | 森安秀光 | |
第四十一期将棋名人戦 | '83.9 | 加藤一二三 | 2−4 | 谷川浩司 | |
第四十期将棋名人戦 | '82.10 | 中原誠 | 3(1持)4 | 加藤一二三 | |
第三十九期将棋名人戦 | '81.8 | 中原誠 | 4−1 | 桐山清澄 | |
第三十八期将棋名人戦 | '80.10 | 中原誠 | 4(1持)1 | 米長邦雄 | |
書名 | 発行 | 名人 | スコア | 挑戦者 | 備考 |
第三十七期将棋名人戦 | '79.8 | 中原誠 | 4−2 | 米長邦雄 | |
第三十六期将棋名人戦 | '78.8 | 中原誠 | 4−2 | 森けい二 | 主催が毎日新聞に移行 |
中原・森の第36期名人戦写真集 | '78.7 | 写真集 | |||
将棋名人戦全集 | '77.11 | 大山康晴/編、12冊セット | |||
第三十五期将棋名人戦 | '76.9 | 中原誠 | 4−3 | 米長邦雄 | |
第三十四期将棋名人戦 | '75.10 | 中原誠 | 4(1持)3 | 大内延介 | |
第三十三期将棋名人戦 | '74.9 | 中原誠 | 4−3 | 大山康晴 | |
思い出の観戦記 名人戦名局集(4) | '74 | 金子金五郎 | |||
第三十二期将棋名人戦 | '73.8 | 中原誠 | 4−0 | 加藤一二三 | |
思い出の観戦記 名人戦名局集(3) | '73 | 東公平 | |||
第三十一期将棋名人戦 | '72.8 | 大山康晴 | 3−4 | 中原誠 | |
思い出の観戦記 名人戦名局集(2) | 田村孝雄 | ||||
思い出の観戦記 名人戦名局集(1) | '72 | 吉井栄治 | |||
第十期名人戰記 | '51 | 木村義雄 | 4−2 |
升田幸三 |
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名人戦物語 実力世名人発足から藤井聡太名人誕生まで |
鈴木宏彦 日本将棋連盟/発行 マイナビ出版/販売 ISBN:978-4-8399-8530-1 2023年12月 \1,848(10%税込) 216p/19cm |
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・序にかえて 名人と名人戦の歴史 第1部 偉大な名人の物語 第2部 天才たちの順位戦 ◆内容紹介 1935年(昭和10年)に始まった実力制名人戦。第1期は木村義雄八段が2年半にわたるリーグ戦を制して、名人の座に就いた。それから現在まで、長い歴史を持つ名人戦は大きく分けて2つの時代に分かれる。 前半は大名人時代。木村義雄が8期、大山康晴が18期、中原誠が15期と、それぞれが圧倒的な強さを見せて長期政権を築いた。 後半は群雄割拠時代。谷川浩司新名人誕生に始まり、羽生善治や森内俊之を中心に、多くの棋士が激闘を繰り広げた。 そして名人戦が盤寿を迎えた令和5年、藤井聡太新名人が誕生した。名人戦は新しい時代に入るのかもしれない。 本書は名人戦の歴史と対局を紹介するものです。序章、「名人と名人戦の歴史」に始まり、第1部では「偉大な名人の物語」と称して、第1期〜第81期名人戦の名勝負を次の一手形式で紹介。さらに第2部では「天才たちの順位戦」と称して、順位戦の名勝負も一部、紹介しています。 最も歴史ある名人戦は、いろいろなドラマを生んできました。ぜひ読者の皆さまにも対局者になったつもりで、名人戦の名勝負を堪能してほしいと思います。 |
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愛蔵版 第81期将棋名人戦七番勝負 |
毎日新聞社 毎日新聞出版 ISBN:978-4-620-50501-5 2023年9月 \2,640(10%税込) 280p/19cm |
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◆内容紹介 七番勝負の熱戦を棋譜と局面図・観戦記、臨場感あふれる写真で再現。あわせてA級順位戦全45局の棋譜・終了図を収録。 |
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愛蔵版 第80期将棋名人戦七番勝負 |
毎日新聞社 毎日新聞出版 ISBN:978-4-620-50500-8 2022年9月 \2,530(10%税込) p/cm |
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◆内容紹介 渡辺名人が3連覇を達成した 七番勝負の熱戦を棋譜と局面図・観戦記で再現。臨場感あふれる写真も満載。 |
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愛蔵版 第79期将棋名人戦七番勝負 |
毎日新聞社 毎日新聞出版 ISBN:978-4-620-50499-5 2021年8月 \2,530(10%税込) p/20cm |
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◆内容紹介 5月28・29日、渡辺名人が第2局から4勝1敗で斎藤八段を降し初防衛。 七番勝負の熱戦を棋譜と観戦記で再現! |
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第78期 将棋名人戦七番勝負
全記録 渡辺 初の名人位 |
朝日新聞文化くらし報道部/編集 朝日新聞出版 ISBN:978-4-02-100293-9 2020年11月 \1,650(10%税込) p/19cm |
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◆内容紹介 豊島将之名人に挑戦するのは、順位戦を全勝した渡辺明三冠。2勝2敗から連勝した挑戦者が悲願の名人位を獲得。 プロ入り20年、36歳でついに頂上を極めた。史上4人目の中学生棋士と注目された渡辺のこれまでのタイトル獲得は通算25期にのぼるが、名人挑戦は今回が初めて。対局中に藤井聡太棋聖に敗れて二冠となるが、名人奪取で3度目の三冠を達成した。 現役最強といわれる渡辺が七番勝負を振り返るロングインタビューのほか、各対局を写真でも紹介。コロナ禍で開幕が遅れ、対局場を東西将棋会館に変更するなど、異例ずくめとなった今期をまとめる記録集。A級順位戦特選譜も書き下ろし収載。 |
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愛蔵版 第78期将棋名人戦七番勝負 |
毎日新聞社/編 毎日新聞出版 ISBN:978-4-620-50498-8 2020年11月 \2,530(10%税込) 294p/20cm |
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◆内容紹介 「魔王」の異名で呼ばれる実力者がついに頂点に立った。七番勝負全棋譜・局面図・観戦記で熱戦の模様を詳しく解説。A級順位戦45局の全棋譜・終了図を収録。 |
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愛蔵版 第77期将棋名人戦七番勝負 |
毎日新聞社/編 毎日新聞出版 ISBN:978-4-620-50497-1 2019年8月 \2,376(8%税込) 232p/20cm |
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◆内容紹介 豊島、佐藤名人を圧倒!4連勝で令和最初の名人に。七番勝負全棋譜・局面図・観戦記で熱戦の模様を詳しく解説。A級順位戦45局の全棋譜・終了図を収録。フォトアルバム:対局から前夜祭までスナップ写真満載。 |
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第77期 将棋名人戦七番勝負
全記録 豊島新名人誕生 |
朝日新聞文化くらし報道部/編集 朝日新聞出版 ISBN:978-4-02-100284-7 2019年7月 \1,620(8%税込) 240p/19cm |
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◆内容紹介 4連覇を狙う佐藤天彦名人に、三冠を目指す豊島将之二冠が初挑戦。圧巻の4連勝で平成生まれの新名人が誕生した熱闘の記録をまとめる。 特別観戦記のほか、新名人インタビューはロングバージョンを掲載、おやつや着衣、各地で歓待を受けた前夜祭の様子など、臨場感あふれる写真の数々でも対局を紹介。 また、A級順位戦は豊島戦のほか羽生戦の特選譜も収載し、熾烈な挑戦権争いを振り返る。 将棋ファン垂涎の一冊。 |
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愛蔵版 第76期将棋名人戦七番勝負 名人 佐藤天彦 挑戦者 羽生善治 |
毎日新聞社/編 毎日新聞出版 ISBN:978-4-620-50496-4 2018年8月 \2,376(8%税込) 316p/19cm |
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【名人】佐藤天彦(防衛) 【挑戦者】羽生善治 ◆内容紹介 佐藤名人、斬新な手次々。4勝2敗で羽生竜王を降し3連覇!七番勝負全棋譜・局面図・観戦記で熱戦の模様を詳しく解説。A級順位戦55局と6者プレーオフの全棋譜・終了図を収録。フォトアルバム:対局から前夜祭までスナップ写真満載。 |
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第76期 将棋名人戦七番勝負
全記録 佐藤名人3連覇 |
朝日新聞文化くらし報道部/編 朝日新聞出版 ISBN:978-4-02-100276-6 2018年8月 \1,620 240p/19cm |
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【名人】佐藤天彦(防衛) 【挑戦者】羽生善治 ◆内容紹介 佐藤天彦名人に羽生善治竜王が挑む、2年ぶりに立場を変えての対戦。第1局で羽生竜王は史上2人目の通算1400勝を達成した。タイトル通算100期の史上最多記録をかけた挑戦者を退け、4勝2敗で名人が3連覇を遂げたその熱闘をまとめる。 作家・柚月裕子さん、あさのあつこさんの寄稿、畠山鎮七段・斎藤慎太郎七段の師弟観戦など、特別観戦記も収載。また藤井聡太七段の来訪など、対局の様子を写真でも紹介する。史上最多の6人でのプレーオフとなったA級順位戦の特選譜も収載。将棋ファン待望の一冊。 |
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第75期 将棋名人戦七番勝負
全記録 佐藤、名人初防衛 |
朝日新聞文化くらし報道部/編 朝日新聞出版 ISBN:978-4-02-100264-9 2017年8月 \1,620 240p/19cm |
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【名人】佐藤天彦(防衛) 【挑戦者】稲葉陽 対戦者の横顔と七番勝負への抱負(新時代へ、21年ぶり20代対決) 第75期将棋名人戦七番勝負(稲葉が開幕戦を白星で飾る/佐藤、新時代の作戦で快勝/ほか) 名人戦を振り返って(佐藤名人が初防衛/佐藤名人、光った積極策/ほか) A級順位戦(8回戦/特選譜 ほか) ◆内容紹介 初の防衛戦となる佐藤天彦名人。挑戦するのは名人戦初登場の稲葉陽八段。21年ぶりの20代対決となった今期、4勝2敗で名人が防衛した熱戦の全記録をまとめる。 各局総括記事と特別観戦記のほか、対局の様子を写真でも紹介。書き下ろしのA級順位戦棋譜では名局賞受賞の対局を中心に、今期でフリークラス転出を決めた森内俊之九段の対局も収載。 充実した内容はファン垂涎の一冊。 |
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愛蔵版 第75期将棋名人戦七番勝負 名人 佐藤天彦 挑戦者 稲葉陽 |
毎日新聞社/編 毎日新聞出版 ISBN:978-4-620-50495-7 2017年7月 \2,376 286p/19cm |
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【名人】佐藤天彦(防衛) 【挑戦者】稲葉陽 第75期将棋名人戦七番勝負 フォトアルバム(2017年4月6日〜6月6日) 第1局 両者得意の横歩取り―観戦記・関浩 第2局 急戦矢倉から前例ない展開へ―観戦記・上地隆蔵 第3局 佐藤、居飛車の力戦型に誘導―観戦記・椎名龍一 第4局 今期初の角換わり戦―観戦記・加藤昌彦 第5局 横歩取りの流行形―観戦記・甘竹潤二 第6局 今季初の相掛かり戦―観戦記・上地隆蔵 佐藤、激戦を振り返る 第75期将棋名人戦 A級順位戦 全棋譜 ◆内容紹介 いま大注目の藤井聡太四段もあこがれる、将棋界最高峰の決戦! 21年ぶりの20代対決は佐藤天彦名人が2連覇!関西棋界の雄・稲葉陽八段、善戦するも2勝4敗で涙をのむ。 54時間におよぶ熱戦の模様を棋譜・観戦記・局面図に加え豊富な写真でリアルに再現。挑戦権を勝ち取るまでの1年間の戦い、A級順位戦の全棋譜と終了図も収録。 |
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第74期将棋名人戦七番勝負全記録 佐藤新名人誕生 |
朝日新聞文化くらし報道部/編集 朝日新聞出版 ISBN:978-4-02-100258-8 2016年8月 \1,620 256p/19cm |
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【名人】羽生善治 【挑戦者】佐藤天彦(奪取) ・対戦者の横顔と七番勝負への抱負 ・第74期 将棋名人戦七番勝負 第1局 「空中戦制し、羽生が白星発進」(小暮克洋=剣) 佐藤、果敢に得意戦法 「頂点争う戦い「場が持つ力がある」」(小説家・磯崎憲一郎) 第2局 「羽生、まさかの詰み逃し」(鈴木宏彦=青) 「心に残るまさかの幕切れ」(憲法学者・木村草太) 第3局 「鹿児島での濃密な長考合戦」(後藤元気) 大長考、佐藤の充実感 「夢見ているみたい」(佐藤の師匠・中田功) 第4局 「佐藤、一気の寄せで奪取に王手」(諏訪景子) 「混沌に光、佐藤の独創性」(作家・大崎善生) 第5局 「絶対王者破り、佐藤が新名人に」(君島俊介) 引かぬ 過激な封じ手 ・名人戦を振り返って ・第74期 将棋名人戦A級順位戦 ◆内容紹介 通算10期目の名人位を目指す羽生善治名人に挑戦するのは、順位戦初参加にもかかわらず、8勝1敗という好成績で挑戦権を獲得した佐藤天彦八段。 勢いが止まらない28歳の挑戦者が4勝1敗で第一人者を倒し、史上4番目の若さで20代の名人が誕生した。 将棋界衝撃の全5局をまとめる。各局の総括記事や特別観戦記、対局の様子を写真でも紹介。また、新名人の人となりや囲碁・井山裕太名人との特別対談も収載。 A級順位戦の全棋譜、佐藤八段にスポットを当てた「特選譜」解説も書き下ろしで収載する。将棋ファン待望の1冊。 |
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愛蔵版 第74期将棋名人戦七番勝負 名人 羽生善治 挑戦者 佐藤天彦 |
毎日新聞社 毎日新聞出版 ISBN:978-4-620-50494-0 2016年7月 \2,376 288p/19cm |
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【名人】羽生善治 【挑戦者】佐藤天彦(奪取) ◆内容紹介 初挑戦の新鋭28歳・佐藤天彦八段が奪取!羽生名人、通算10期ならず!熱戦のドラマを観戦記と棋譜で再現。A級順位戦の全45局の棋譜も収録。 |
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第73期将棋名人戦七番勝負全記録 羽生、9期目の名人位 |
朝日新聞文化くらし報道部/編集 朝日新聞出版 ISBN:978-4-02-100250-2 2015年8月 \1,620 255p/19cm |
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【名人】羽生善治(防衛) 【挑戦者】行方尚史 ◆内容紹介 歴代単独3位となる名人位通算9期目の獲得を目指す羽生善治名人に挑戦するのは、大混戦のプレーオフを勝ち抜いた行方尚史八段。名人戦初挑戦の行方八段を4勝1敗で下し防衛した羽生名人が見せた円熟の駆け引き、その全5局をまとめる。対局各地の前夜祭での様子や対局中の両者の表情などを写真でも紹介。丸ごと名人戦を楽しめるファン待望の一冊。A級順位戦棋譜も書き下ろし特別収載。 |
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愛蔵版 第73期将棋名人戦七番勝負 名人 羽生善治 挑戦者 行方尚史 |
毎日新聞社 毎日新聞社 ISBN:978-4-620-50493-3 2015年7月 \2,376 248p/19cm |
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【名人】羽生善治(防衛) 【挑戦者】行方尚史 ◆内容紹介 羽生名人が防衛、通算9期目!将棋界に新たな歴史が刻まれた。 羽生善治名人が名人初挑戦の行方尚史八段を4勝1敗で圧倒、2期連続通算9期目を達成。8期で並んでいた木村義雄十四世名人、森内俊之九段(十八世名人資格者)を1期上回った。名人戦に一時代を築いた大山康晴十五世名人(通算18期)、中原誠十六世名人(同15期)に着々と近づく羽生。棋士になって間もなく30年を迎え、さらに羽生将棋は進化を続ける。 七番勝負全棋譜のほかA級順位戦4者プレーオフ全棋譜を収録。熱戦の模様を伝える巻頭フォトアルバム。 対談:羽生善治+国枝慎吾(車椅子テニス世界ランキング1位)。 観戦エッセー:黒川博行「『終盤のひと』の逆襲に期待」。青山七恵「消えた時間が支える思考」。 |
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将棋世界ムック 将棋名人戦 −昭和・平成 時代を映す名勝負− |
将棋世界編集部ほか 日本将棋連盟/発行 マイナビ/販売 ISBN:978-4-8399-5311-9 2014年8月 \1,598 128p/cm |
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・写真で綴る80年のあゆみ ・対談 中原誠十六世名人×河口俊彦七段「名人の名に命を懸けた男たち」 ・名人戦プレイバック―将棋世界傑作選集― ・歴代名人・挑戦者名鑑 ・名人戦データ集 ◆内容紹介 八十年の歴史を誇る将棋名人戦は、さまざまなドラマと、魅力的な人物の宝庫である。 “常勝将軍”木村義雄、“昭和の大巨人”大山康晴、“新手一生”を標榜した升田幸三、そして中原誠、谷川浩司、羽生善治、森内俊之…。 長い歴史を持つ月刊誌・将棋世界から当時の棋士の生の声を拾い、当時の興奮そのままに伝えます。中原誠十六世名人と河口俊彦七段の対談を新たに収録。 名人戦の魅力がこの一冊に。 |
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第72期将棋名人戦七番勝負全記録 羽生、3度目の返り咲き |
朝日新聞文化くらし報道部/編集 朝日新聞出版 ISBN:978-4-02-100241-0 2014年8月 \1,620 256p/19cm |
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【名人】森内俊之 【挑戦者】羽生善治(奪取) ◆内容紹介 森内俊之名人に4年連続で挑戦する羽生善治三冠。 4連勝で名人位を奪還、羽生名人返り咲きとなった第72期の全記録を収載。 特別観戦記として、俳人・長谷川櫂、歌人・佐佐木幸綱、永田和宏の3氏が詠句歌とともに熱い対局の様子を寄稿した“名人戦競詠”も収録。 各地での前夜祭や、対局中の名人・挑戦者の表情、さらには昼食・おやつメニューなど、臨場感溢れる対局の様子を写真でも紹介する。 また今回初めて、名人戦順位戦A級の全棋譜を特別収載。 第72期の将棋名人戦七番勝負を丸ごと楽しめる一冊。 |
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愛蔵版 第72期将棋名人戦七番勝負 名人 森内俊之 挑戦者 羽生善治 |
毎日新聞社 毎日新聞社 ISBN:978-4-620-50492-6 2014年7月 \2,376 216p/19cm |
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【名人】森内俊之 【挑戦者】羽生善治(奪取) 第72期将棋名人戦七番勝負 フォトアルバム(2014年4月8日〜5月21日) 鼎談 棋は対話なり 第1局 飛角交換の激しい変化 第2局 相がかり戦から羽生が急戦挑む 第3局 急戦矢倉から一転、持久戦の展開 第4局 新たな「平成伝説」の誕生 羽生善治新名人「4連勝」を語る 第72期名人戦A級順位戦羽生善治王位全対局 第72期名人戦A級順位戦最終日一斉対局 ◆内容紹介 羽生4連勝で名人位奪冠!光った強烈な攻め、ライバル寄せつけず。七番勝負全棋譜のほかA級順位戦「羽生善治王位全対局」、A級順位戦「最終日一斉対局」全棋譜を収録。 |
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第71期将棋名人戦七番勝負全記録 森内、歴代3位の8期目 |
朝日新聞文化くらし報道部 朝日新聞社 ISBN:978-4-02-100225-0 2013年8月 \1,575(5%税込) p/cm |
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◆内容紹介 森内俊之名人VS羽生善治三冠。3年連続8回目の顔合わせとなった第71期は、4勝1敗で森内名人が防衛を果たし3連覇。その全記録を収録する。 「見る将棋ファン」代表として、第1局観戦記は『もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら』(※『もしドラ』)を手がけた編集者の加藤貞顕さんが担当。将棋が強くない人たちにもその魅力を伝える。各開催地前夜祭の様子も写真で紹介。名人戦順位戦A級の特選譜も特別収載する。 |
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愛蔵版 第71期将棋名人戦七番勝負 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:978-4-620-50491-9 2013年8月 \2,310(5%税込) 208p/19cm |
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◆内容紹介 森内、盤石の強さで3連覇!!序盤リード守り、羽生将棋を封印。熱戦の様子を全棋譜と豊富な写真で振り返る豪華版。森内名人と井山本因坊の対談、作家・西村京太郎氏、貴志祐介氏の観戦記も特別収録。 |
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愛蔵版 第70期将棋名人戦七番勝負 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:978-4-620-50490-2 2012年8月 \2,520(5%税込) 272p/cm |
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【名人】森内俊之(防衛) 【挑戦者】羽生善治 ◆内容紹介 森内名人防衛!名人戦ならではの緊張感を迫力ある写真で再現。現代将棋を象徴する両雄の棋譜を採録。将棋愛好者にはこの一冊。 |
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第70期将棋名人戦七番勝負全記録 名人400年目の防衛 |
朝日新聞文化グループ/編 朝日新聞社 ISBN:978-4-02-100209-0 2012年8月 \1,575(5%税込) 247p/19cm |
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【名人】森内俊之(防衛) 【挑戦者】羽生善治 ◆内容紹介 森内俊之名人に挑戦するのは、名人位返り咲きを狙う羽生善治二冠。昨年の対決を再び繰り広げることになった第70期の今年は、徳川家康が名人制度を創設してから400年、という節目の年でもある。 それにふさわしく両者互角の戦いが繰り広げられた白熱の全記録を収録。また、記念の年に相応しく各開催地で行われた前夜祭の模様も紹介する。 |
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第69期将棋名人戦七番勝負全記録 森内、名人位奪還 |
朝日新聞文化グループ/編 朝日新聞出版 ISBN:978-4-02-100198-7 2011年8月 \1,575(5%税込) 255p/19cm |
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【名人】羽生善治 【挑戦者】森内俊之(奪取) ・対戦者の横顔と七番勝負への抱負 25年ぶり、永世名人対決 ・第69期将棋名人戦七番勝負―将棋名人戦、対局始まる 第1局 震災直後の開幕、挑戦者完勝 第2局 絶妙手「5三金」に名人沈む 第3局 鉄板の受け、羽生の構想砕く 第4局 痛恨の緩手で包囲網崩壊 第5局 大局観の産物「討ち入りの銀」 第6局 香の打ち場所が明暗分ける 第7局 驚嘆の攻めで名人復位 ・名人戦を振り返って―決着時の朝日新聞記事から 「羽生さんが自分を引き上げてくれた」―記者会見から 「熱戦、余韻引きずっている」森内新名人、奪還から一夜 将棋の森内名人が就位式4期ぶり 「力いっぱい満足いく将棋指せた」―森内新名人にきく ・将棋名人戦/過去の成績 ◆内容紹介 25年ぶりの永世名人対決。羽生の4連覇か、森内の返り咲きか。 |
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愛蔵版 第69期将棋名人戦七番勝負 名人 羽生善治 挑戦者 森内俊之 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:978-4-620-50489-6 2011年8月 \2,310(5%税込) 272p/19cm/H.C. |
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【名人】羽生善治 【挑戦者】森内俊之(奪取) ◆内容紹介 羽生名人と挑戦者森内九段の名人戦の様子を、棋譜、写真、本人たちの感想をまじえて届ける。熱気が伝わるほどに臨場感あふれる、名人戦解説本。 |
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第68期将棋名人戦七番勝負全記録 羽生、2度目の3連覇 |
朝日新聞文化グループ/編 朝日新聞出版 ISBN:978-4-02-100185-7 2010年8月 \1,575(5%税込) 239p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜向き |
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【名人】羽生善治(防衛) 【挑戦者】三浦弘行 ・【対戦者の横顔と七番勝負への抱負】第68期A級リーグ表/「節目の年、正攻法で」(羽生善治)/「読み切って指したい」(三浦弘行)/「研究合戦、終盤勝負か」(藤井猛)/「飛車のゆくえ楽しみ」(里見香奈)/戦型は様々、近年は羽生連勝/将棋名人戦、きょう開幕/充実の2人、健闘誓う/将棋名人戦、対局始まる
・名人戦を振り返って |
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第68期名人戦七番勝負の観戦記・朝日新聞社版。 今期の挑戦者は三浦。約15年前の1996年に「羽生七冠の一角(棋聖)を崩した男」として知られている。また、一日の研究時間が10時間とも12時間とも言われるほど研究熱心。しかし、藤井らの見立てによれば、「相手の研究にハマって負けないように研究しているのであり、三浦は実際は終盤型」とのこと(さらに藤井は「そこが自分と違うところ」とやや自虐的なコメントも(笑))。 一方、迎え撃つ羽生は、言わずと知れたオールラウンダーで、相手の研究を避けることは少ない。よって、今期は横歩取りを中心としたシリーズになった。……レビューの続きを読む(2010Nov07) |
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愛蔵版 第68期将棋名人戦七番勝負 名人 羽生善治 挑戦者 三浦弘行 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:978-4-620-50488-9 2010年7月 \2,310(5%税込) 256p/19cm/H.C. |
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【名人】羽生善治(防衛) 【挑戦者】 三浦弘行 ◆内容紹介 羽生善治名人に三浦弘行八段が挑んだ第68期将棋名人戦七番勝負。羽生が負けなしの4連勝で防衛を果たした熱戦の軌跡を再現。 |
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愛蔵版 第67期将棋名人戦七番勝負 名人 羽生善治 挑戦者 郷田真隆 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:978-4-620-50487-2 2009年8月 \2,310(5%税込) 304p/19cm/H.C. |
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【名人】羽生善治(防衛) 【挑戦者】郷田真隆 ◆内容紹介 羽生善治名人に郷田真隆九段が挑んだ第67期将棋名人戦七番勝負。最終局までもつれた激闘の末、羽生が名人を防御。その全記録を熱戦譜と豊富な写真で解説。 |
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第67期将棋名人戦七番勝負全記録 羽生、名人位死守 |
朝日新聞文化グループ/編 朝日新聞出版 ISBN:978-4-02-100172-7 2009年8月 \1,575(5%税込) 239p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜向き |
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【名人】羽生善治(防衛) 【挑戦者】郷田真隆 ・【対戦者の横顔と七番勝負への抱負】第67期A級リーグ表/「違うカラー出したい」(羽生善治)/「ファン意識して戦う」(郷田真隆)/「波長合えば派手な展開にも」(第1局立会人・谷川浩司)/直近は郷田が勝利
・名人戦を振り返って |
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第67期名人戦七番勝負の観戦記・朝日新聞社版。 第1局は相矢倉。先手が▲3七銀と上がらずに▲3五歩と突っかける形で、郷田は序盤27手目にして3時間26分の大長考(しかも昼食休憩を挟んでいる)。しかし玉側の端歩を突いた手が緩手となり、構想が瓦解、長考は実らなかった。 第2局は相矢倉▲4六銀3七桂。先手の攻め、後手の受けという展開になりやすいが、本局はなんと後手が端から先攻。これに対応(?)して、中盤で▲9六玉と上がる珍形になった。非常に難しい攻防が続き、先手が優勢を確保したものの、秒読みに追われた羽生が終盤に受け間違えて郷田勝ち。 第3局は横歩取り△8五飛。▲6八玉型に対し、△5五飛と角筋に回る「松尾新手」の進行で、2001年の第59期名人戦第7局▲谷川vs△丸山で△4五桂の桂損攻めを敢行した将棋、といえばコアなファンならピンとくるだろう。この将棋は羽生が優勢から決め損なって逆転したものの、郷田が詰みの有無を錯覚したために再逆転した。 第4局は相掛かり。▲引き飛車棒銀に△8五飛と高飛車に構える作戦で、実戦例が少ない。羽生の構想に少し問題があり、郷田も自信のない局面が続いたものの、最終盤まで互いに居玉の戦いを郷田が制した。これで後手番の4連勝になった。 第5局は横歩取り。先手が▲8七歩を打たずに▲5八玉と上がる力戦志向に対し、△8四飛と引く手が成立するかどうか、という研究最前線の将棋。封じ手直前の▲2三歩で郷田優勢が決定付けられたが、羽生もこの▲2三歩は知っていたそうで、どうしてこの局面にしてしまったのだろうか?その理由はインタビューp219にて。▲2三歩に対し、羽生は封じ手時刻を1時間も越える長考で粘りを選んだが、二枚の馬でがっちり押さえ込んだ郷田が勝ち切った。個人的には、こんなに馬をたくさん動かした将棋(馬の指し手が先手だけで25回!)を観たのは初めてだと思う。 第6局は△陽動振飛車。郷田はたまに指しているとのことだったが、週刊将棋で「一刀流」と評されている郷田が、名人位に王手をかけた対局で陽動振飛車を採用したのは意外。郷田が先手玉の矢倉入城を牽制していたのに、羽生は堂々と入城した。羽生がペースを握ったまま終盤に入ったが、羽生に勇み足があって逆転。しかし郷田も玉を逃げ間違え、再逆転で第7局へ。 第7局は相矢倉。ただし流行形ではなく、後手の郷田が左美濃の変化球。互いに3筋と7筋を角で歩交換したあと、羽生の▲4六歩の構想が秀逸で、後手にチャンスらしいチャンスはなかった。ここまで混戦で二転三転した将棋が多かったのに比べると、郷田がやや淡白なように見えた。 今回は文人の寄稿はなく、代わりに羽生のインタビュー(防衛1週間後)が倍増している。前半は七番勝負を一局ずつ振り返り、後半は羽生の将棋観や今後の大方針について。なかなか濃い仕上がりになっていて、本書の中で一番読み応えがあったと思う。 今期はがっぷり四つあり、研究の披露あり、序盤から実戦例の少ない形での構想合戦あり、などバラエティに富んだ七番勝負だった。逆転、再逆転が多かったのも印象的。それだけ複雑な将棋が多かったということだろう。(2009Nov06) |
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愛蔵版 第66期将棋名人戦七番勝負 挑戦者 羽生善治 名人 森内俊之 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:978-4-620-50486-5 2008年9月 \2,100(5%税込) 304p/19cm/H.C. |
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「宿命の対決」いよいよ 両雄、5度目の激突 堅忍流vs.勇断流 執念の大逆転 辛抱重ね、素早い寄せ カド番の森内、果敢な攻め すごく長い道のり 羽生新名人、一問一答 羽生新名人の戦績 羽生十九世名人が振り返る激闘6局〔ほか〕 ◆内容紹介 森内俊之に羽生善治が挑む注目の黄金カード。激戦の記録を一冊に。“共催”の舞台裏や、勝負を制した羽生永世名人の語り下ろし企画を収録。 |
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第66期将棋名人戦七番勝負全記録 羽生十九世名人誕生 |
朝日新聞文化グループ/編 朝日新聞出版 ISBN:978-4-02-100155-0 2008年8月 \1,575(5%税込) 209p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜向き |
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【名人】森内俊之 【挑戦者】羽生善治(奪取) ・【対戦者の横顔と七番勝負への抱負】第66期A級リーグ表/「地に足をつけて」(羽生善治)/「自分が試される」(森内俊之)
・「小宇宙の清冽な空気・輝き」(作家・奥泉光さんが見た名人戦第1局)=4p |
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第66期名人戦七番勝負の観戦記・朝日新聞社版。 すったもんだ(2006年名人戦問題−Wikipedia)の末、今期から名人戦は朝日新聞と毎日新聞の共催となった。それに伴い、同じ対局に二社の観戦記者が付くようになり、観戦記も別々に掲載されるようになった。 さて、前期で第十八世名人の資格を得た森内に挑むのは、あの羽生である。羽生は、やはり永世名人にリーチをかけながら、2度も森内に跳ね返されている。 第1局は後手のウソ矢倉に森内がすばやく反応して▲右四間飛車に。羽生の上手い序盤戦で後手がわずかなリードを得るが、仕掛けから控え室もビックリの飛車切りが少しやりすぎで、森内が正確に反撃を決めた。しかしこの飛車切り、ほとんどの棋士には通ってしまうだろうと思う。さすがは森内と思わせた。 第2局は後手一手損角換わりに▲早繰り銀。3五での歩交換から引いたばかりの銀を、またすぐに▲3五歩と合わせた手に驚いた。羽生は、過去の指し手に影響されず、常に新しい視点で局面を見ているのだと思った。将棋は互いに難しい局面が続いたが、後手森内のごく当然と思われた歩の成り捨てが失着となった。なお、この歩の成り捨ては「私が後手でも歩をなりますけどね」(p191)と勝ったほうの羽生が語っている。森内に運がない将棋だったのかもしれない。 第3局は相掛かり▲棒銀。先手の右銀が、3八→2七→3六→4五→5六→6七→7六と驚きの動きを見せ、完璧な押さえ込み態勢となった。 駒得も入玉もほぼ確定的な状況で羽生は粘り、ついには森内が打ったばかりの銀を素抜かれてしまい、逆転。「100年に一度の逆転」などと言われた(前期の頓死は「何年に一度の逆転」なんだろう?)。しかし、敗着とされた▲8四成桂も入玉党から見れば自然な感じの手である。羽生がすごかったとしか言いようがない。 第4局は、△角交換ダイレクト向飛車にに▲6五角を決行。先手は手損がひどいが後手の形を乱した格好となったが、森内の力強い△5四金がそのバランスを後手の主張点に変える手となった。このあとは息詰まる駒組み戦となり、2日目夕食休憩時にまだ戦いが始まらないというスローペース。後手から仕掛けたもののわずかに無理気味で、先手が勝ち切った。 第5局は相掛かり▲引き飛車棒銀で、森内の完勝譜。…と、第一譜でいきなりネタばれされた(笑)。そりゃ確かに新聞読者は結果も棋譜も知ってるだろうけど…さ。41手目▲6五歩ですでに「まずい」と羽生が語るほどだった。 第6局もまた相掛かり▲引き飛車棒銀。一手得を図る▲6六歩に△8二飛が突っ張った手。これは確か、この名人戦後に発行された『最強棒銀戦法』(飯塚祐紀,創元社,2008.07)に載ってたか。△3九歩成とと金を作ったものの、中盤で△6五歩の位を得る代償にと金を捨てる展開にしてしまい、これが災いした。これにて羽生十九世名人の誕生となった。 p192で羽生が語るように、今回は序盤から定跡を外れる力戦調になった将棋が多く、形勢も構想もものすごく難しかったと思う。わたし自身も、ネットで中継を見ていたときと、週刊将棋で解説を読んだときと、本書で観戦記を読んだときとで、棋譜から受ける印象がまったく違って見えた。自分で棋譜を並べたとき、次の一手がほとんど当たらない難しい局面が多かった。 さて、今回から名人戦は朝日新聞と毎日新聞の共催になり、観戦記集も両社から出版されるようになった。やはり朝日版と毎日版の比較が気になるわけだが、わたしはまだ第66期の毎日版を読んでいない(すみません)。というわけで、前期(第65期)までの毎日版との比較をしておきます。 まず、わたしにとっては本書の観戦記の印象は割と良いほう。全体的に指し手の解説が多めになっている。第1局〜第3局は投了図の解説が不十分なのが残念だったが、第4局〜第6局では簡潔ながら触れてある。できれば、朝日が以前主催していたときのように、「投了のあと」を追加しておいてほしい。(私の周りには、級位者で棋書も買ったことがないが、新聞の観戦記だけは毎朝読んでいるという人は案外多くいる。彼らにとっては、プロの投了図は難しいので解説はマストだと思う。本書の購入者はほぼ有段者だと思うが、新聞のほうの読者の大半は級位者であると思ってほしい) また、観戦記や記事を読んでいて不快になることはほとんどなかった。本来は当たり前のことなのだが、以前の毎日観戦記ではそれが多かった。さらに今回は6人の記者が観戦記を書いているが、特に“個性”を感じたものはなかった。これは記者の文章の“クセ抜き”ができているということであり、わたしはむしろ好意的に捉えている。 あとは、一局あたりの観戦記量が増えたことと、開幕前の新聞記事、決着後の新聞記事、さらに新名人へのロングインタビューを掲載していることも大きな改善点だ。 褒めている割にはあまり総合評価が上がってないじゃないか。うーん、良くはなったがBってほどじゃぁないよな、というのが正直な感想。(2008Nov05) |
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第65期将棋名人戦七番勝負 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:978-4-620-50485-8 2007年7月 \1,890(5%税込) 223p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【名人】森内俊之 (防衛) 【挑戦者】郷田真隆
森内名人が振り返る全7局=7p |
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名人戦の観戦記。 十八世名人になるのは羽生善治だろうと、誰もが思っていた。しかし今期、現実に十八世を賭けて戦うのは森内である。 第1局は、後手森内の力戦向飛車。近年、特に後手番ではいろんな戦型を試している森内だが、第1局でいきなり変化球は以外だった。この対局中、いわゆる「扇子パチパチ事件」が発生。郷田が扇子を開閉する音が気になる、と森内がクレームをつけたのだ。立会人の中村が裁定をつけるまで、対局は30分中断という異例の事態となった。結局は中村が郷田に配慮を求めることで決着。しかしシリーズに因縁を残すことになった。将棋のほうは、優勢と見られた森内にミスが出て郷田の逆転勝ち。 第2局は相矢倉。先手森内が玉頭(7五、6五)に位を張った銀立ち矢倉に組んだが、中盤の競り合いの中で2つの位は消え失せ、いつの間にか歩の向きが逆になっていた。このちょっと不思議な将棋は郷田の完勝で、2連勝。 第3局は、純粋居飛車党の郷田がなんと石田流に出た。確かにこの頃、▲石田流は復活を見せていたが、それでもあまりにも意外。森内は相振飛車で応じた。両者とも不慣れな戦型となったが、郷田の駒組みにわずかな不備があり、それを力強い金上がりで森内がとがめてリードを奪う。中盤、飛車切りから金打ちというやや暴発気味の勝負手に森内が対応を間違えてしまうが、すでに郷田の気持ちが萎えていた。結果論だが、この第3局でシリーズの流れははっきり変わったと思う。 第4局は再び相矢倉。終盤に詰めろ(頭金)飛車取りがかかって郷田が投了し、森内の快勝とみられた将棋。ところが打ち上げ後に森内はなんと「投了後はどう指したらいいんですか?」調べてみると難解。この“早い投了”は第6局にも影響する。 第5局は相掛かり。流行の▲棒銀ではなく、先手は腰掛銀を志向したが、後手は早繰り銀で対抗。先手の作戦にやや問題があって後手が優勢になったが、そこからの森内の踏み込みと、丁寧に読んだ寄せの構図はすばらしかった。普通は△5八金と開き王手するところをあえて△6九金とし、それが控え室の検討を完全に上回っていたのだから…。 第6局は、今期3局目の相矢倉。森内先手のときは全て相矢倉だった。森内は上手い指し回しで勝勢となり、決め手の▲5五角は王手飛車+龍取りで、郷田投了、森内十八世名人誕生……のはずだった。しかし郷田は投げなかった。その後も森内は着実に網を絞ったように見えたが、最後は自玉への王手の応手を間違えて、壮絶な大逆転を喫してしまう。p179の行方の推測によれば、▲5五角のときに森内は勝ったと思い、いったん気がクールダウンしてしまったのは、とのこと。 ゴルフのマッチプレーでは、ボールがカップインしていなくても相手が「OK」といえばイン扱いになる。往年の名作ゴルフ漫画『あした天気になあれ』で、十中八九は入りそうだが絶対に入るとは限らない距離のパットをライバルがOKし続け、ここぞという場面で「OKではない」と言って、主人公がパットを外してしまうエピソードがある。OKをもらい続けたことで気持ちが弛緩し、OK拒否されたことで動揺し、集中力が高まらないのである。意図的ではないかもしれないが、第4局での郷田の早投げと第6局での森内の逃げ間違いには、このエピソードと似た関係があったのだと思う。 第7局は、最終局としては意外な角換わり腰掛銀。しかし定跡型ではなく、後手は△4二飛と防戦。そして意外にも後手から仕掛ける展開となったが、終盤に「読みにない手を指されて慌てた」(p223 森内コメント)ものの、時間ギリギリまで読んだ森内はなんとか勝ちをつかんだ。そしてここに、十八世永世名人(資格者)が誕生した。 今期は、ちょっと関氏の観戦記が気になった。第5局では森内と郷田の「器」の話、第7局では「羽生の前に森内が永世名人を獲ること」への森内自身の疑念をネタにしているが(氏は「羽生の呪縛」と表現)、不確定なものや妄想を元に人を評価するのはあまり好きになれないし、観戦記としてはふさわしくない話だと思う。記者は実際に見聞きしたものを伝えてほしい。ただし、第7局第12譜は臨場感があって良かった。 なお、毎日新聞社の単独開催は今期で最後。第66期からは、朝日新聞と毎日新聞の共催となる。(2008Oct05) |
第64期将棋名人戦七番勝負 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50484-X 2006年8月 \1,890(5%税込) 215p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【名人】森内俊之 (防衛) 【挑戦者】谷川浩司
・第64期A級順位戦星取表=1p |
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名人戦の観戦記。 A級順位戦で8勝1敗同士のプレーオフを制し、挑戦者として登場したのは44歳の谷川。前年度(平成16年度)、プロ棋士になって初の年度負け越しを喫したが、平成17年度はかなり復活。「鋼鉄の受け」・森内(本書にはそう書いてある。一般的には「鉄板の受け」か?)vs「光速の攻め」・谷川(これも一般的には「光速の寄せ」だと思う)という、「最強の盾vs最強の矛」の対決となった。 第1局は、先手好調と思われた局面で、森内が△6三銀(5四から引いた)という絶妙な受けを魅せて制勝。また、終盤の実質的なトドメが自陣への銀の並べ打ちというのも森内らしい一局だった。 第2局はゴキゲン中飛車の超急戦。「近代将棋」誌に載っていた若手棋士(確か村山慈明だったか)の研究を「見てきた」のが前提となっている戦型。もちろん、互いにその研究の先を行こうというのである。封じ手で谷川が指した△5四香は結果的に疑問手となり、その後精彩を欠いた谷川を森内が押し切った。 第3局は相矢倉。▲7六歩△3四歩▲6六歩からだったのでやや奇異な感じだが、△8四歩ですぐに通常形に戻った。互いに急所の△6九角、▲4一角を打ち合ったが谷川に分があった。 第4局は△藤井システムに▲3五歩から超急戦を仕掛ける形。3年前の第61期第3局でも現れた形だ。玉から2枚の金が離れていく森内の受けは好手となり、美濃囲いをがっちり固める谷川の金打ちは悪手になるというのだから将棋は難しい。最後は、谷川陣が超堅陣ながら、森内が鉄板の受けを見せて寄せ合いのないまま投了。 第5局は変則的な矢倉から、森内が「放っておけば銀矢倉に組みますよ」という、さらに変則的な駒組みを見せるが、チャンスと見た谷川が機敏の仕掛けから押し切った。谷川の全盛期を見るような将棋だったと思う。 第6局は再び△一手損角換わり、ただし今度は相腰掛銀。中盤で、一見自陣をバラバラにしてしまうような▲7七金と上がった手が見事だった。 全体的には森内が受けの威力を発揮して、谷川の矛をつぶした印象だった。これで森内は名人通算四期を獲得、永世名人資格へあと一期と迫った。 今期はいわゆる「名人戦問題」(Wikipedia)の最中だったため、観戦記中にもこのことに触れる内容が何度も出てくる。ただ、「読者は名人戦問題をある程度知っている」ことを前提に書かれているため、名人戦問題をあまり知らない人が読んだり、また後年になってから読んだ場合は結構意味不明な部分が多い。せめて付録の「名人戦70年の歴史」で、名人戦問題はどういう問題なのか触れてもよかったかと思う(一応の合意がされたのが11月なので難しいか…?) なお、今期からは目次が少し充実し、各譜のサブタイトルも書かれるようになった。(2008Sep19) ※ところで第60期で「名人戦60年史」をやったばっかりなのに、どうして早くも「70年の歴史」なんだろう。 |
第63期将棋名人戦 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50483-1 2005年8月 \1,890(5%税込) 215p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【名人】森内俊之 (防衛) 【挑戦者】羽生善治
・森内名人が振り返る全7局=8p |
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名人戦の観戦記。 前期、羽生から名人を奪取し、一時三冠(名人・竜王・王将)で棋界トップに躍り出た森内。しかしこの1年で竜王と王将を失い、虎の子の名人だけが残った。一方、一冠(王座)のみとなった羽生だったが、王位・王将・棋王を奪取し、再び四冠に。このリターンマッチは、どうみても羽生に分があると思われた。 第1局から第3局までは角換わり。ただし一手損角換わりが2局あるなど、3局とも少しずつ含みの違う将棋だった。3局とも非常に力のこもった熱戦だったが、第3局で森内が後手番でブレークしたのが大きかった。 第4局は△ゴキゲン中飛車にあえて5五の位を取らせ、それを目標に金銀を上手く操った森内の完勝。「これぞ森内」という感じの、丁寧に受け止める将棋だった。 第5局は、名人戦では、というよりタイトル戦では非常に珍しい相横歩取り。公式戦初登場の△8六歩(ただし練習将棋・指定局面戦には出現しており、新手ではない。11年前に出版された『羽生の頭脳 9 激戦!横歩取り』(羽生善治,日本将棋連盟,1994)にも記載あり)にキッチリと対応した羽生の完勝。カド番をしのいだ。相横歩取りの研究熱心な方は必ず要チェックだ。 第6局・第7局は相矢倉。この2人で大きな勝負が懸かっているときは必ず相矢倉になっている気がする。第6局は後手の羽生が1・2筋方面のB面攻撃と玉頭攻撃を上手くミックスし、快勝。敗因の難しい将棋で、流れは羽生に傾いたように見えた。しかし第7局で先手番を得た森内は再び相矢倉を挑み、表紙(オビ風の部分)にもあるように「渾身の▲2六桂」で勝ち切り、フルセットの末に羽生を降した。 第4局・第5局のように一方的に終わった将棋もあったが、それもお互いに読みをぶつけ合った結果であり、ポカではない。全体的に見所が多い七番勝負だったと思う。 なお、オビのようでオビでない表紙(オビのように見える部分は表紙の一部)は今期限り。(2008Sep09) |
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第62期将棋名人戦 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50482-3 2004年7月 \1,890(5%税込) 192p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【名人】羽生善治 【挑戦者】森内俊之 (奪取)
・森内3冠誕生(中砂公治)=5p |
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名人戦の観戦記。 前期七番勝負で羽生に4タテを喰らった森内だったが、その後覚醒。竜王戦で羽生を逆に4タテ、王将も羽生から奪取、そして史上初のA級順位戦9連勝でリベンジの舞台に立った。 第1局は、後手の森内が△ゴキゲン中飛車模様から、意表の角道を止めない向飛車。その後中飛車に振り直し、中央で千日手模様とも思える金銀の打ち換えが行われたあと、森内自認の「無理を承知で打開」(p193)が奏功し、終盤戦に入ることなく羽生が投了した。なお、森内が打開に踏み切った理由は「千日手局を含めて先後を入れ替える現行のルールでは、後手番で千日手にするわけにはいきません」(p193)。 第2局は、当時かなり研究されていた横歩取り△8五飛。同年3月の阿部-高橋(B1)などと同様の進行をたどり、61手目▲7四歩で羽生はなんと3時間46分の大長考に沈んだが、すでに後手に勝ちはなかった。“研究一発”で決まった(と言われた)将棋で、ずいぶん盛り下がった(笑)のを覚えている。なお、この▲7四歩は若手棋士の研究会ではすでに結論が出ていたとされ、森内は知っていた、羽生は知らなかったという意味でも一部でやたら話題になっていた。 しかし森内自身の記述によれば「事前の認識は『こんな手もあるかな』という程度。対局中に考え直し、読み切れたわけではありませんが、結果的にはうまくいきました。」(p194)とのこと。真偽はともかく、このように対局者が心情を吐露してくれるのはとてもよい。前期から始まった「名人が振り返る全局」は価値ある企画だと思う。 第3局は名人戦初登場の一手損角換わり。序盤で千日手模様にも見える箇所があったが、先手の羽生が上手いタイミングで仕掛けて完勝。 第4局は再び横歩取り△8五飛で、途中まで第2局と同じ進行。後手の羽生が手を変え、いきなり激しい終盤戦に突入。森内の見切りも見事だったし、羽生の粘りも見ごたえのある将棋だった。 第5局は一手損ではない、通常の角換わり。封じ手あたりまで王将戦第6局(森内が羽生から王将位を奪取した)と同じ進行。終盤は熱戦だったが、両者とも早い段階で秒読みに入ってしまい、互いに疑問手を出した結果、羽生が制勝。 第6局は名人戦ではかなり久しぶりの相矢倉。中盤で森内が出した受けの▲5七角が光った。指されてしばらくは控え室の検討陣も「なんじゃこりゃ」という雰囲気だったが、検討を進めるうちに絶妙手であることが判明。たとえて言えば、「51:49のリードを53:47にする手」という感じか?素人受けしないどころか、プロにもすぐに意味が分からない手だったが、こういう手が出るところに森内の強さ・凄さがあるし、こういう手をちゃんと解説し、歴史に残せるところに名人戦観戦記の価値があると思う。最後は羽生が素人目には分からない形作りで突然投了したため、森内の名人第一声が「えっ?あっ」(p182)になってしまったのはご愛嬌(笑) この名人奪取で森内は三冠となり、一時的ながら羽生を抑えて棋界の第一人者となった。 今期は第6局まであったためか、レイアウトが元通りの1譜2ページ(見開き)に戻り、読みやすくなった。ってことは、やっぱり過去2回の1譜3ページはページ稼ぎだったんじゃん…(-_-;) なお、加古氏の観戦記が今期から載っていないのは、2004年2月に死去したため。故人に鞭打つようではあるが、今期の観戦記集は余計なことがあまり書かれず、ちゃんとした「名人戦の記録」になっていた。どの観戦記も解説は詳細だったし、会場や背景の描写、対局者の表情などもしっかり書かれていたし、鬱陶しい私事は書かれなくても観戦記者の個性は出ていた。正直に言って、「ずいぶん良くなったなぁ」と思う。個人的にはまだ定価に見合う内容だとは思わないが…。(2008Aug29) ※第1局の森内の「後手番で千日手にしたくない」という理由を補足しておく。トップ棋士同士で持時間が長い場合、近年ではかなり先手有利の実績がある。千日手にすると先後入れ替えで即日指し直しなので、基本的には後手は千日手歓迎。ただし持時間が短くなるので、指し直し局は先手番の優位はあまりなくなる。一番勝負ならそれでもよいが、番勝負の現行規定では千日手指し直し局も含めて一局ごとに先後入れ替えなので、次はまた長時間では不利な後手番が回ってきてしまうことになる。森内の主張は後日認められ、現在では「一局完結方式」が導入された。これは、第N局が▲A△Bで千日手になった場合、指し直し局は▲B△Aとなるが、第(N+1)局は当初の予定通り▲B△Aになる、というものである。 |
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第61期将棋名人戦 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50481-5 2003年7月 \1,800 192p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:B 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】森内俊之 【挑戦者】羽生善治 (奪取)
・羽生新名人が語る全4局=7p |
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名人戦の観戦記。 1994年〜1997年にかけて名人3期を維持した羽生だったが、その後のA級順位戦では思うように星が伸びず、なかなか再挑戦を決められなかった(3勝5敗という星を喫したこともある)。今期も6勝3敗と抜群とは言いがたい成績だったが、星の巡り会わせで三者プレーオフとなり、藤井と佐藤康光を破っての七番勝負登場となった。 第1局は羽生が横歩取り△8五飛の松尾流△5五飛型で新構想を採るも不発気味。かなりの不利に陥るも、勝負手が奏功して森内の疑問手連発を誘い、羽生の逆転勝ち。 第2局は角換わり腰掛銀の先後同型で、羽生新手△2四金を前提にした戦いになるかと思われたが、先手を持った羽生がそれを避けた。そして筋悪く打った▲2五金をきっちり活かして羽生制勝。ただし、羽生は快勝、森内は完敗と思っていたのに、実は後手の勝ちがあった。 第3局は、森内の研究手▲3二歩が不発、直後に大きく大胆に捌いた羽生の圧勝だった。観戦記は(私の嫌いな)加古氏だったが、今回は解説を鈴木八段に一任したせいか(?)、結構まともだった。特に森内が夕食休憩前に投了するのを避け、投了に29分の考慮時間を記録した心理に関わる部分はなかなかよかったかと思う。しかし、最終譜のラスト4行の、自らのブルートレインでの帰京話はまったくの蛇足。オッサンの携帯電話やDVDがうるさかったとか、ホントにどうでもいいです。すべてぶち壊し。あーあ。 第4局は四間飛車vs居飛車急戦になったが、お互いに手渡しをした結果、2日目の夕食休憩後に中盤での千日手が成立。個人的にはこの将棋の結果を見たかったが…こればっかりは勝負だから仕方ない。千日手局は、横歩取り△8五飛ながら後手の羽生が中原玉にせずに△5二金と上がり、珍しい将棋になった。最後は腰を落として寄り切り、羽生4連勝で奪取。森内もがんばったものの、羽生の充実ぶりが現れたシリーズだった。 千日手局を観戦記に入れてくれたのと(第59期の千日手局は棋譜の掲載すらなかった)、加古節が抑え気味だったのが良かった点。また、今期から名人獲得者が自ら七番勝負を振り返るようになった。前期と同様、4局で終わってしまったせいか、ページ数を稼ぐために1譜3ページにしているのが悪い点。やっぱり読みづらいです。 あと、表紙の下段1/3に「羽生、7期ぶりに「名人」奪回!!」とキャッチコピーが入っているが、これはオビではなく表紙そのものに印刷されている。表紙にすら威厳がなくなった感じがした。オビ代をケチったように思えるのだが…(2008Aug24) |
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第60期将棋名人戦 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50480-7 2002年7月 \1,800 191p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:B 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】丸山忠久 【挑戦者】森内俊之 (奪取)
・盤側の記(加古明光)=9p |
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名人戦の観戦記。 「激辛流vs鉄板流」という、当時はかなり地味な印象を受けた第60期名人戦。とはいえ、今期は横歩取り△8五飛や四間飛車藤井システム、さらに丸山の得意戦法である角換わり腰掛銀など、急戦調でスピーディーな将棋が多かった。そのためか、あまり競り合いの将棋にはならなかった感じだ。 第1局は丸山の敗因不明で、森内の完勝。 第2局は、いったん丸裸になった玉に次々と金銀を打ちつけ、あっという間に分厚い陣形を築いた森内の受け技は見事だと思った(その後、形勢は二転三転するのだが)。 第3局は丸山がやや苦しい展開からまさに名人技の飛車捌きを見せ、勝ちになったかと思われたところで痛恨の頓死。名人戦史上に残る頓死と書かれたが、金底の歩を龍で取られて、その1歩がぴったり足りて詰むので、これはうっかり見落としていても不思議ではないと思う。なお、加古氏の高慢ちきな観戦記が相変わらず鬱陶しく感じる(後述)。 第4局は、第八譜での丸山のレア手筋が参考になるし、森内の寄せも見事だ。名人奪取後の森内のコメントには感動。「あきらめないでやってきて、よかったです」「同期で強い人がいっぱいいました。タイトルを取れないと思ったこともありました。地道にやってきたかいがありました」もう無冠の帝王じゃないです。 前期からレイアウトのマイナーチェンジが行われたが、今期は初めて「見開き一譜」ではなくなり、一譜あたり3ページになっている。といっても文章や図面が増えているわけではなく、行間を広げ、大きな余白を入れてページ数を増やしているだけ。4局で終わってしまったことに対してページ数を維持するための措置だろうが、はっきり言って“改悪”。かなり読みづらくなっている。なんというか、「しょぼい喫茶店のアイスコーヒー」(氷を大量に入れて量をごまかしている)みたい。読者のことを考えたなら、こんなふざけた真似はできないぞヽ(`Д´)ノ 局数が少ないのならページ数が少ないままでも良いし、それでは見栄えが悪いというのなら以前のように挑戦者のA級順位戦の棋譜を載せた方がまだマシ。 また、巻末に加古氏による「名人戦60年史」という寄稿があるが、基本的には彼の回顧録のようなもの。年表などはなし。江戸時代から木村時代(昭和20年代頃)までの概略をざっとおさらいしたあと、(彼がリアルタイムで見てないとはいえ)大山時代をほとんど吹っ飛ばしているのは、「60年史」といえるのだろうか?また、文章の流れとはいえ、朝日新聞との名人戦争奪問題で将棋連盟への不信感を書いたり、王将戦創設の話や羽生七冠達成(これも王将戦)の話に脱線したりで、「名人戦史」としてはかなり残念な出来である。 第3局の観戦記、盤側の記、名人戦60年史と、「加古節オンパレード」に閉口。名人戦に威厳を求めておきながら、観戦記で丸山名人をマルちゃん名人と呼ぶな!! 森内に「このヤロー」って何だ!? 「ほとんどの観光客は、ここで…対局が行われてるとは思いもしまい。」って、何のための地方遠征対局なの?温泉旅館での大盤解説会に浴衣客は入場拒否って何?さらにそれについてファンからほめられた…って、開いた口がふさがらない。なお、昔の加古氏はちゃんとした観戦記や文章を書いていた。いつのころからか、自分が一番偉いと思ってるような文になってしまった。 一冊の棋書としてみるならもはやEに近いが、名人戦観戦記は長年のシリーズもので資料的価値があるのでDで踏みとどめた。(2008Aug13) |
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第59期将棋名人戦 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50479-3 2001年8月 \1,800 206p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:B 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】丸山忠久 (防衛) 【挑戦者】谷川浩司
・盤側の記(加古明光)=12p |
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名人戦の観戦記。 名人初防衛を目指す丸山に挑むのは、十七世名人資格保持者の谷川。本シリーズは、6局目まで連続して先手が勝ち、振り駒で勝負が決まってしまうかと思われた最後の7局目で後手が勝つという、ドラマチックな展開だった。特に第7局は、激辛流といわれる後手丸山が△4五桂と果敢な桂捨てから手を作ったのには驚いた。しかも谷川が早く諦めてしまい、まだ手のある段階で投了してしまった(実際にはやはり後手優勢だったが)。 3局目は千日手が成立したのだが、本編では第1譜と第8譜でサラリと書いてあるだけ。この千日手、実は一悶着あったのだ。千日手規定は現在では「同一局面4回」。今回は序盤で双方打開できなかったのだが、丸山が微妙に手順をずらしながら飛の上下運動を行ったため、なかなか同一局面4回が発生せず、「厳密には未成立だったのに、立会人が対局者の同意を得て千日手宣言を行った」という、異例の事態だったのである。それにしても、千日手局の棋譜くらい載せてくれたっていいのに…。 この千日手について、本岡類(作家)によるかなり批判的な観戦記が将棋世界に掲載された。「千日手は納得いかない」とか、妄想に基づく丸山への人格攻撃はわたしも相当腹立たしかったが(それ以来将棋世界を買っていない)、それについて、本書巻末の「盤側の記」でこう書かれていた。「ある作家らしい人が(いつからいたか知らないが)…(中略)…シロウト判断で『納得いかない』とは笑止千万である。これには、棋士サイドからも『暴言だ』とクレームのあったことを付記しておく。」(p201) これは、将棋世界を読んでない人には誰のことだか何のことだかさっぱり分からない。「棋士サイド」も誰のことだか。こういう批判の仕方はズルいと思う。 ところで、今回からいろいろな部分がマイナーチェンジされている。まず「名人戦」の題字の変更。次にフォントが2ポイントほど大きくなった。さらに盤面図は明朝体からゴシック体へ。他に図の最終手のハイライトがゴシック体から白黒反転へ。慣れれば違和感はないが、行間が詰まった感じがする。 レイアウトの面に関しては特に不満はないが、例によって「同時進行なので(質の劣化は)ご了承いただきたい」…。また、第5局最終譜で第6局の結果をネタバレするのは勘弁。新聞を読んでる読者なら知ってて当然、と思うのかもしれないが、観戦記だけを読んでいるファンというのは結構いるのですよ。(2008Nov19) ※初版の誤植: p111参考図 △2八飛が抜けている。 |
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第58期将棋名人戦 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50478-5 2000年8月 \1,600 215p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【名人】佐藤康光 【挑戦者】丸山忠久 (奪取)
・盤側の記(加古明光)=17p |
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名人戦の観戦記。 谷川と2期連続のフルセットを演じた佐藤が、今期迎えるのは丸山。先手番では角換わり腰掛銀、後手番では流行最盛期の横歩取り△8五飛を武器に、昇竜の勢いで駆け上がってきた。 本シリーズも丸山の打診を佐藤が正面から迎え撃ったため、「丸山先手なら角換わり腰掛銀、後手なら横歩△8五飛」という図式になった。振飛車と矢倉がまったく出なかった名人戦は珍しい。わたしはどちらの戦型も好きなので良いが、振飛車党と矢倉党の多いアマにはいまいち受けが悪いかも。 また、7戦の投了図のうち、△1九玉が2回も発生して、しかもどちらも先手が勝ちというのは極めて珍しい。結局またもフルセットの末に、先手番角換わりで3勝を挙げた丸山が新名人に。 第4局の観戦記の千家和也氏は作詞家。山口百恵らの歌を手がけた。棋力は自称・アマ初段くらい(観戦記を書くにはかなり力不足なのでは…)。外部の人間なので、文章に新鮮さはあるが、将棋の内容にほとんど触れてくれない。それならば対局者の様子をがんばって書いてくれればいいのに、“対局室の雰囲気に耐えられない”とほとんど控え室にこもりっきり。文章も正直ウザかった。この観戦記が週刊誌に載るのなら構わないが、単行本として後世まで残るのは勘弁してほしい。なお、第4譜で加古氏のことをべた褒め(笑)。 なぜだろう、名人戦観戦記の質は年々悪化していっているような気がする…(>_<。) 確か、この第58期の途中からネット中継が始まったはずだが、本文中には何も記載がない。(2005Aug06) ちょっと気になるエピソード: 「テレビの番組中『昔の名人戦とどこが違っているか』と問われ、ノータイムで『取材陣へのサービスがいい』と答えた」(67p) …名人戦は取材陣のためにやっているのか?相変わらずなにか勘違いしているらしい。 |
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第57期将棋名人戦 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50477-7 1999年7月 \1,500 207p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【名人】佐藤康光 (防衛) 【挑戦者】谷川浩司
・盤側の記(加古明光)=17p |
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名人戦の観戦記。 前期フルセットで破れた谷川がリターンマッチを挑む。同じ顔合わせながら、今期は矢倉がなく、代わりに横歩取りが3局登場した。ちょうど△8五飛戦法が流行していた時期だ。先手番を交互に入れ合った前期と違い、今期は佐藤が2連勝。しかし谷川が伝家の宝刀「角換わり」を軸に3連勝し、非常に面白い展開となった。 最終的には横歩取り3局を制した佐藤が、2年連続のフルセットに決着をつけた。ただ、名人戦に限れば角換わり後手番で5連敗であり、課題を残したと言えよう。 個人的には第2局の▲9六角がとても印象に残った。名角とはいえないが、自分でもこういう角を打って勝ちたいものだ。 ところで以前から気になっていたが、今期は特に「同時進行」に関する話が目につく(16p,59p,130p)。一日目の翌日朝刊には第一譜を載せるというもので、数年前から毎日新聞のウリになっている。しかし「同時進行なので○○はご容赦願いたい」と言い訳を連発されると、「観戦記の質が落ちるくらいなら同時進行なんてやめてくれ」と思う。読者が観戦記に求めているものは速報性ではないと思うのだが…。 また、長年続いてきた巻末の「名人戦○期の全記録」と「A級順位戦成績表」は、今期から削除された。(2005Jul15) |
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第56期将棋名人戦 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50476-9 1998年8月 \1,500 203p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【名人】谷川浩司 【挑戦者】佐藤康光 (奪取)
・盤側の記(加古明光)=14p |
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名人戦の観戦記。 前期で永世名人資格を得た谷川に挑むのは、A級2年目の佐藤康光。A級リーグでは出だし1勝3敗とつまづいたが、その後5連勝、プレーオフで羽生を下しての登場。「一秒に10億と3手読む」と言われ、「緻密流」と名づけられている。(個人的には、佐藤の持ち味は羽生や森内とは一味違う“異次元感覚”だと思う。) この年度は、A級で先手の勝率が異常に高く、それがそのまま七番勝負に持ち込まれた感じ。第6局までいずれも先手が勝っている。それだけに、最終局の振り駒で先手を得た谷川は、3勝を挙げている角換わりを選択すると思われたが、実際は矢倉。そういえば「矢倉を制する者が名人を制する」と誰かが言っていたような。それが影響したのか? 星だけでなく、各局の内容もかなり接戦の好勝負。並べていて面白い将棋ばかりだった。 しかし、なぜか後半、やたらと誤字・誤図が多い。156pで棋譜の抜け、160pで図面ミス(開始図も、投了図も!)、175pの本文、p177の指了図…。盤で並べれていればすぐに気づくが、脳内だと「あれ?」となった。また、「盤側の記」第2局分で、将棋の内容にまったく触れず、“突撃”の話題で埋め尽くすのは勘弁…。 せっかくの好勝負なのに、水を差されたような気分。なんだか残念。(2005Jun29) |
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第55期将棋名人戦 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50475-0 1997年7月 \1,400 189p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【名人】羽生善治 【挑戦者】谷川浩司 (奪取)
・盤側の記(加古明光)=14p |
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名人戦の観戦記。 名人連続3期の羽生と、通算4期で永世名人が懸かった谷川の対決。谷川は冬の竜王戦で羽生を破っているものの、その次の王将戦では4タテを喰っているので、この名人戦での復活なるかが注目された。 戦型を見ると、両者とも序盤の可能性を探った趣向が目立つ。第1局は結局オーソドックスな同型矢倉になったが、積極的に序盤から良さを求める両者の充実が窺える。終盤に絶対の自信を持つ両者が、同じ錯覚をするという珍事もあった。右図は第1局の終盤。谷川は図の▲4一銀を詰めろと信じ(打った瞬間、詰めろでないことに気づいた)、羽生も詰めろを信じて△6三飛とした。 また、谷川が猛然と寄せた第3局は、並べる価値が高いと思う。 観戦記では「第一局は両者見損じの決着。第二、三局は一方的な将棋で内容は今ひとつ」(82p)などと書いているが、「一方的だから内容が悪く、混戦ならば好局」というわけではない。要は「見どころがあるかないか」だと思う。その意味で、今期の6局は面白い点が多く、ぜひ一度は並べていただきたいシリーズだ。(2005Jun15) |
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羽生善治名人位防衛戦の舞台裏 羽生VS森内七番勝負での強さの秘密 |
日浦市郎 エール出版社 ISBN:4-7539-1590-5 1996年12月 \1,427 181p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:なし(本文部) 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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序章 名人戦観戦の旅にでよう 1章 名人戦第1局 2章 名人戦第2局 3章 名人戦第3局 4章 名人戦第4局 5章 名人戦第5局 6章 再び七冠めざして 7章 名人戦七番勝負全記録 ◆内容紹介 羽生の強さを理解するには、将棋の世界を理解しなければわからない、という観点から、名人戦という大舞台がどこでどのように行われるのか、その舞台裏に迫り、その上で羽生の戦いぶりを解説する。 |
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第54期名人戦(羽生vs森内)の裏観戦記。 タイトル戦に欠かせない人たちがいる。対局者2人、立会人(正・副・特別など)、観戦記者、主催誌関係者などだ。これらの人々は“仕事”で来ているので、交通費や滞在費は当然出る。 それとは別に、自費で観戦に来る棋士たちがいる。本書は「自費観戦者」の一人、日浦市郎六段(当時)による「裏観戦レポート」だ。棋士として、少し目標を失いかけていた日浦が一念発起して、名人戦全局を観戦することを描いたもの。一観戦者として、観戦記者とは違う視点で描くレポートは新鮮味があって面白い。 一日目は意外に暇をもてあましていたり、暇つぶしのために観光に出かけたり、ついつい飲み過ぎてしまって二日目の開始を見逃したり…。もっとも、その辺は自費参加なので自由である。あまり言葉を飾らない文章なので、非常にスムーズに読み進むことができる。控室の雰囲気など、普通の観戦記では読めない部分が面白い。「先手玉が詰まないことは何年も前から知っていた」というエピソードは、先に読んだ毎日の観戦記には出てこなかったので驚愕した。 一方、あまり対局者の姿に迫るような描写はなく、全体的に平坦な感じがある。サブタイトルの「羽生VS森内七番勝負での強さの秘密」にあたる部分はどこだったのか…?(前述のエピソードだけ…?) また、本文中には指し手の解説はほとんど出てこない(棋譜と解説は第7章にまとめられている)。一応、「あまり将棋を知らない人でも読めるよう」に配慮されているが、基本的には普段から新聞の観戦記を読んでいる人向きである。 このような「観戦レポート」は非常に珍しい。当時は「羽生七冠ブーム」の真っ只中で、本書もその勢いに乗って出版された感じがする。ときどきはこのような本が出ると将棋ファンとしてうれしいが、たぶん出ないだろうな… (2005Jun04) |
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第54期将棋名人戦 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50474-2 1996年7月 \1,359 185p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】羽生善治 (防衛) 【挑戦者】森内俊之
・森内俊之八段・A級順位戦会心棋譜3局(vs谷川浩司王将,vs中原誠永世十段,vs村山聖八段)=40p |
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名人戦の観戦記。 冬の王将戦で七冠を達成し、この名人戦でも七冠を維持している羽生。挑戦者に踊り出たのは、羽生の同級生・森内。ちなみにこれで3年連続して“A級1年生”が挑戦者である。 第1局で珍プレーあり。森内が“封じ手直前指し”をしたのだ。ルール上は何の問題もないが、二日制のタイトル戦では封じ手前に“わたしが封じますよ”という暗黙の空気が漂うのが普通だから、ちょっと珍しい出来事だった。森内はあまり封じ手をやりたくなかったらしい。第4局では記録係の時計と自分の時計をピッタリ合わせ、封じ手時刻の数秒前に指している。一部で物議を醸したようだが、特に何の問題もないと思う。 将棋の内容は、前年ほど変則的ではないものの、急戦調の将棋が多かった。一方が挑発し、他方がそれに応じるといった感じだ。常に森内がリードを奪う形で進めたものの、結果的には“羽生マジック”が制勝。 それにしても、相変わらず観戦記で失言の多いこと。「対局場のシーホークホテル&リゾートという長ったらしい名のホテル。」(10p) 会場を提供してくれたホテルに対して“名が長ったらしい”はないよ… (2005May26) |
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第一期名人戦・自戦記 |
土居市太郎 恒文社 ISBN:4-7704-0857-9 1995年12月 \1,748 215p/19cm |
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◆内容紹介 関根十三世名人の英断で名人位がタイトル戦として争われるようになり、昭和10年から始まった第一期名人を目指す各棋士の闘いは、将棋界に熱い興奮を呼んだ。本書は土居市太郎八段(当時)が自らの熱闘15局を詳細に述べたもので、将棋ファンには、その深い読み筋と懇切な解説が楽しい読み物となるだろう。博文館 昭和15年刊の再刊。 |
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第53期将棋名人戦 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50473-4 1995年7月 \1,359 186p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】羽生善治 (防衛) 【挑戦者】森下卓
・「名人戦六十年」(加古明光)=30p |
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名人戦の観戦記。 名人戦の前の王将戦で七冠にチャレンジしたものの、谷川王将の執念に阻まれた羽生。とはいえ、絶好調は続いていた(なんとこの名人戦を含めて六冠をすべて防衛してしまう)。その羽生に挑むは、新A級の森下。前年の羽生に引き続き、2年連続で新A級が挑戦者となった。 森下は矢倉の大家だし、羽生も基本的には居飛車党なので「矢倉シリーズ」が予想されたが、ふたを開けてみれば5局中3局が変則的な戦いとなった。4局目羽生の「2手目△3二金」には驚いた方も多いはず。 矢倉になった1局目と3局目は森下の完勝だったが、1局目では縛り方を間違えて大逆転。この局面は『歩の玉手箱』(桐谷広人,MYCOM,1995/2003)に載っていたので印象に残っている。 個人的に面白かったのは第3局。序盤の羽生の小ミスを森下が見事に咎めた一局。玉の反対側に自陣桂を3枚も打った。特に評判が良かった局ではないが、森下にとっては会心の一局だったろう(森下はかなりの自陣桂好き)。森下の勝ちはこの一勝のみだったが、非常にわたし好みの将棋で気に入っている。 観戦記以外では、名人戦60周年ということで、「名人戦六十年」と題してこの60年を振り返る特集が組まれている。が、正直言って中途半端。特に大山以降はほとんど内容がなくて残念な出来。 なお、今期から四六版の簡素な作りになり、定価も大幅値下げされている(不景気を反映している?)。期の表示も漢数字からアラビア数字に。(2005May19) |
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第五十二期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50472-6 1994年8月 \2,718 170p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】米長邦雄 【挑戦者】羽生善治 (奪取)
・盤側の記(加古明光)=6p |
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名人戦の観戦記。 前期、悲願の名人位を獲得した米長だったが、世代交代の波はすぐ足元まで来ていた。A級1年目の羽生が四冠を引っさげて名人に挑む。50歳の米長と23歳の羽生、年の差なんと27歳。 羽生は初舞台に臆することもなく、さまざまな戦型にトライ。第1局の5筋位取り中飛車は「一度指してみたかった」(羽生)。相矢倉は1局だけで、「矢倉を制した者が名人を制する」という固定概念はなかったようだ。 3連敗した米長は「第4局で負けたら引退する覚悟だった」。一方、2勝を返された羽生は「将棋界では一度もない“七番勝負で3連勝後に4連敗”に、自分が第一号になるのではないかと心配した」。見た目よりもずっと緊迫した名人戦だった。これらのエピソードは『米長邦雄の本』(日本将棋連盟,2004)などに掲載あり。本書はすべて観戦記なので、残念ながら記載なし。 なお、ハードカバーの立派な版型は今期が最後。来期からは四六版に。(2005May12) |
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第五十一期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50471-8 1993年8月 \2,718 179p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】中原誠 【挑戦者】米長邦雄 (奪取)
・第51期名人戦挑戦者決定リーグ・米長邦雄激闘の譜=59p |
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名人戦の観戦記。 米長は7回目の挑戦。次期に羽生が昇級してくることが確定し、「今年がラストチャンス」という空気が漂っていた。 七番勝負では米長の気力の充実が目立った。第1局こそ、中原の作戦成功から収束を失敗し、後手玉が入玉しての逆転勝ちだったが、残り3局は米長が指しよい将棋をそのまま押し切った感じだった。米長道場で若手とガチンコを重ねた結果であるが、史上初の50歳名人の誕生(就位時は49歳11ヶ月)は見事だった。 今期は第4局までのストレート勝ちだったので、 |
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第五十期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50470-X 1992年10月 \2,718 189p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】高橋道雄
・名人戦半世紀の歩み(加古明光)=7p |
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名人戦の観戦記。 高橋はA級3期目での初挑戦。とはいえ、これまでに王位3期、棋王・十段各1期を務め、すでに九段に昇段していて、貫禄十分。満を持しての名人戦である。 高橋は当時、中原をかなりの苦手としていたが、フタを開けてみれば得意の矢倉で3勝1敗と圧倒的優位に立った。中原の調子が悪く、暴発が目立った前半戦だった。過去の名人戦では、1勝3敗からの逆転はなく、「高橋新名人誕生か」の空気が漂う。 カド番に追い込まれた中原は、「矢倉では勝てない」と思ったのか、矢倉を回避して相掛かりと横歩取りに誘導。これが奏効し、伸び伸びとした中原らしい指し回しで追い上げる。一方の高橋は堅さが目立ち、ついに逆転防衛されてしまった。しかし相手の得意を受けて立てなかった中原は、これが最後のタイトルとなった。 今期は第7局までもつれたので、例によって七番勝負以外の棋譜は掲載なし。観戦記3局を担当したK記者が割とまともな記事だったのは意外だった。(2005Mar30) |
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第四十九期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50449-1 1991年8月 \2,718 199p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】米長邦雄
・第49期名人戦挑戦者決定リーグ・米長邦雄予選譜9局=57p |
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名人戦の観戦記。 米長は6回目の名人挑戦。このころの将棋界は「チャイルドブランド」がかなり幅を利かせ始めていたが、A級到達までには最低5年かかるため、まだ名人戦には顔を出していない。そうした中、「熟年対決」となった49期。今期もまた米長は悲願を果たせなかった。 本書で印象に残ったのは、将棋の内容よりも「加古記者オンパレード」(笑)。たまたまなのか、人材不足なのかは定かでないが、前期までは4〜5人で持ち回りと感じだったので、妙に違和感を感じた。 なお、初版では第4局の92〜93手目(△2五銀▲同歩)が抜けている。(第二版以降は確認していません。…が、そもそも第二版は出てるの?)(2004Jul27) |
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第四十八期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50448-3 1990年10月 \2,718 190p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】谷川浩司 【挑戦者】中原誠 (奪取)
・挑戦者決定同率決戦譜=15p |
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名人戦の観戦記。 前期、圧倒的な強さを見せた谷川に挑むは大名人・中原。このころの中原は相掛かりの急戦を頻繁に指しており、今期も相掛かりで3勝を稼いだ。常に先手が勝つ展開だったが、第6局を先手の谷川が落としたことで決着。今期の谷川はやや消極策が多く、裏目に出たようだ。 ちょっと気になったのは、このころから近年の毎日観戦記者陣独特の「いらんこと言い」気質が出始めていること。このメンバーになってからまだ6〜7年、だんだん狎(な)れが生じてきてしまったようだ。(「狎れ」=親しみすぎて礼を欠くこと。)(2004Jul01) |
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第四十七期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50447-5 1989年11月 \2,718 185p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】谷川浩司 (防衛) 【挑戦者】米長邦雄
・第47期名人戦挑戦者決定リーグ・米長邦雄予選譜9局=60p |
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名人戦の観戦記。 米長は7年ぶり、5度目の名人挑戦。過去4回はいずれも中原に敗れている。今度こそは…と決意も固かったはずだが、谷川に4-0で圧倒されてしまった。 今期の谷川は攻守に抜群の安定感を誇り、とても強く見えた。スコアこそ一方的だが、過去に発行された七番勝負観戦記集の中では屈指の内容の良さだと思う。 今期も挑戦者のリーグ戦全棋譜が観戦記付きで掲載されている。矢倉の米長流急戦が何局か指されているのが目を引く。いろいろなバージョンが指されているので、米長流の資料がほしい方は一読の価値あり。 また、この47期から、指了盤面図が小さく載るようになり、新聞掲載時とほぼ同じ体裁になった。これはわずかながら改善点だ。一方、棋譜の配置が微妙に改悪。一見、縦に4手一組なのだが、実際は2手一組で横に流れていくために読みづらい。上下の間隔をちょっと広げるだけで読みやすくなるのに。 そして名人戦観戦記は、史上最高値に達した…(この価格が6期続く)。(2004Jun17) |
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第四十六期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50446-7 1988年10月 \2,500 230/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】中原誠 【挑戦者】谷川浩司 (奪取)
・第46期名人戦挑戦者決定リーグ・谷川浩司予選譜9局=58p |
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名人戦の観戦記。 「名人・中原に“挑戦する”」。これが谷川の思い描いていた名人戦だった。「中原の“挑戦を受ける”」形だった3年前の名人戦は、谷川の理想の名人戦ではなかったのだ。さらに強さを増した谷川は、相居飛車のさまざまな戦型で思い切りぶつかって名人を奪取。王位と併せて二冠となった谷川は、これを境に黄金期に入る。 また、前期に引き続いて、挑戦者の挑決リーグ全9局が載っているが、ここでの谷川がまた強い。もう一歩でA級全勝優勝だったのだ。光速の寄せが冴え渡る一方で、シブい手もいくつも飛び出したりして、内容も申し分ないと思う。 ところで、知らないうちに持将棋規定は変わってた。「双方24点以上なら持将棋で引き分け。局数には数えるが、勝敗に入れない(かつては0.5勝とか0.5敗とか数えたこともある)。」(第5局,132p)…いつの間に?(2004Jun02) |
第四十五期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50445-9 1987年9月 \2,500 235p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】米長邦雄
・第45期名人戦挑戦者決定リーグ・米長邦雄九段予選譜9局=63p |
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名人戦の観戦記。 45期挑決リーグは、桐山・谷川・米長が6勝3敗で並ぶ激戦。パラマス式のプレーオフを勝ち上がったのは米長。米長は前半戦は2勝3敗で折り返し、挑決リーグ中に十段を失う(『第25期将棋十段戦』(1987)参照)など、決して本調子ではなかった。しかし後半の連勝で混戦に持ち込み、まさに「泥沼流」で名乗りを上げた。ちなみに降級争いも3勝6敗で4人が並ぶという大混戦だった。 七番勝負に挑んだ米長は出だし2連勝。「ついに米長名人誕生か」と期待が高まったが、連敗したあとは第4局で大逆転負けを喰ったあとは、ついに流れを取り戻すことができなかった。 米長は2連勝のあとの4連敗で、第37期の再来となってしまった。4度の挑戦で、いずれも中原に跳ね返されている。一時は四冠を保持した米長だが、名人に縁がないのか…? 今期は七番勝負の他に、挑決リーグとプレーオフの10局も収録されている。戦型が偏っているが(相矢倉と相掛かりばかり)、いずれも質の高い熱戦で、並べる価値は十分。ただ、定価が第44期から一気に700円もアップしたのはいただけない(>_<。)…そういえばこのころバブル景気が始まったんだっけ。(2004May14) |
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中原誠自然流名人戦激闘譜 |
中原誠 池田書店 ISBN:4-262-10114-2 1987年5月 \1,500 326p/20cm/H.C. |
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(01)第31期名人戦第1局(大山康晴名人に挑戦),▲三間飛車vs△左美濃 (02)第31期名人戦第7局( 〃 ),△中飛車vs▲4六金戦法 (03)第32期名人戦第1局(挑戦者・加藤一二三八段),相矢倉 (04)第33期名人戦第7局(挑戦者・大山康晴九段),▲三間飛車vs△3七桂早仕掛け (05)第34期名人戦第6局(挑戦者・大内延介八段),△中飛車穴熊vs▲飛車の大転換(地下鉄飛車) (06)第35期名人戦第7局(挑戦者・米長邦雄八段),相矢倉 (07)第36期名人戦第4局(挑戦者・森けい二八段),△四間飛車vs▲左美濃 (08)第37期名人戦第4局(挑戦者・米長邦雄八段),相矢倉(妙手▲5七銀) (09)第38期名人戦第4局(挑戦者・米長邦雄九段),相矢倉 (10)第39期名人戦第3局(挑戦者・桐山清澄八段),△中飛車vs▲玉頭位取り (11)第40期名人戦最終局(挑戦者・加藤一二三九段),相矢倉 (12)第43期名人戦第6局(谷川浩司名人に挑戦),相掛かり▲3七桂 (13)第44期名人戦第1局(挑戦者・大山康晴十五世名人),△四間飛車vs▲居飛車穴熊 ◆内容紹介 通算11期名人位に就き、通算18期の大山15世名人の大記録に迫りつつある著者が、これまでの名人戦(自戦)をはじめて振り返る。第31期〜44期の期別に特に印象に残る1局を取り上げ、微妙な対局心理を折りまぜながら自ら解説。プロの高段者が全力を尽くしておりなす将棋の醍醐味がここにある。 |
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第四十四期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50444-0 1986年10月 \1,800 175p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】大山康晴
・盤側の記(井口昭夫・加古明光)=各局3p×5 |
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名人戦の観戦記。 44期挑戦者に名乗りを挙げたのは、巨星・大山康晴。なんとこのとき63歳!しかも病気での休場明けだったのでさらにビックリ。展開に恵まれたとはいえ(6勝4敗で、プレーオフの末に挑戦者決定)、この記録を破るのは今後難しそうだ。 七番勝負の方は、残念ながら円熟・中原を破ることができなかった。全局を振飛車で挑んだものの、往年の大山の粘りはあまり見られず、やや淡白な指し口だったようだ。ただし風車で居飛穴を粉砕した第3局は必見。力強い指しまわしは、大いに参考になると思う。 大山の名人挑戦は、この44期が最後になった。この6年後、生涯A級のまま世を去る。享年69歳。(2004May06) |
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第四十三期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50443-2 0076-670008-7904 1985年8月 \1,800 172/22cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】谷川浩司 【挑戦者】中原誠 (奪取)
・盤側の記(井口昭夫)=各局3p×6 |
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名人戦の観戦記。 今期はじめて実現した、「中原との名人戦」。これこそが若き名人・谷川の思い描いていた名人戦である。普段は謙虚な谷川が、かなり強気なコメントを連発していたのも、その強い意識の表れである。ただ、その意識が空回りしたようで、開幕から3連敗は意外。4・5局に連勝して意地を見せたものの、最後は中原に名人奪回を許した。 この七番勝負では、中原が先手番のときは相掛かり▲3七桂を採用し、谷川先手のときは相矢倉。谷川は2年前の名人戦では、先手番のときにヒネリ飛車を採用しているのだが、中原相手には矢倉で勝ちたかったようだ。 なお、従来は「盤側の記」は巻末にまとめて書かれていたが、今期は各局のあとに一つずつ書かれるようになった。(2004Apr24) |
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第四十二期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50442-4 0076-670007-7904 1984年10月 \1,800 202p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】谷川浩司 (防衛) 【挑戦者】森安秀光
・第42期名人戦挑戦者決定リーグ・森安秀光八段予選譜9局=60p |
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名人戦の観戦記。 史上最年少名人になった谷川に、同じ“神戸組”の森安が挑む。「鷺宮定跡」の影響か、七番勝負は森安の四間飛車に谷川が急戦で仕掛ける形がメインになった。昨年、相矢倉とヒネリ飛車で名人奪取した谷川だが、対振飛車の急戦も強く、4−1と圧倒した。 防衛後に残した言葉は「去年名人になったときは弱い名人だったが、これでやっと並の名人になった。次は強い名人を目指してがんばる」(201p)。それにしても若き谷川の落ち着きぶりは素晴らしい。観戦記の随所で描かれているが、ファンが多いのもうなずける。 今期は七番勝負が5局で終わった影響で、挑戦者森安のリーグ戦9局が観戦記付きで掲載されている。森安の四間飛車に対して、相手がさまざまな対策を凝らしているので、並べていて面白い。(2004Apr11) |
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第四十一期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50441-6 0076-670006-7904 1983年9月 \1,600 194p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】加藤一二三 【挑戦者】谷川浩司 (奪取)
・名人挑戦者決定戦(▲中原−△谷川)=18p |
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名人戦の観戦記。 この第41期の見どころは、なんといっても「史上最年少名人・谷川浩司」。20歳で名人挑戦を決め、21歳での名人奪取は羽生でも破れなかった記録だ。本書では、若き名人・谷川の21歳とは思えない落ち着きぶりが描写されていたのが印象的だった。 一方の加藤は、前期の「10番勝負」で見せた迫力が見られず、やや淡白気味だった。前期で悲願を達成した上に、今回は年齢差が大きく、調子が出なかったのかもしれない。 将棋は相矢倉とヒネリ飛車が3局ずつ。合計6局ではかなり物足りない。せっかくの最年少名人誕生なのだから、谷川のA級での全棋譜を載せてくれたら良かったのに。挑戦者のA級での棋譜が載ったり載らなかったりするのはなぜなんだろう?といつも思う。 ちなみに、谷川の「エビ・カニ嫌い」はこの名人戦で広く知られるようになったそうな。(2004Mar31) |
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第四十期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50440-8 0076-670005-7904 1982年10月 \1,800 257p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】中原誠 【挑戦者】加藤一二三 (奪取)
・歴代名人の顔(木村、塚田、大山、升田、中原、加藤)=6p |
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名人戦の観戦記。 第40期は、棋史に残る「10番勝負」になった。フルセット7局+持将棋1局+千日手2局=10局。名人戦史上、もっとも盛り上がった勝負の一つである。当時の規定では、「千日手は日と場所を改めて再勝負」だったため、名人が決定したのはなんと夏も真っ盛りの7月31日。最終的に加藤がこの激闘を制し、“神武以来の天才”がようやくその悲願を達成した。一方、この10年間名人戦の主役でありつづけた中原は、一時的とはいえ脇役に回ることになった。 将棋はすべて相矢倉。両者が意地を張ったようだ。しかも勝者はすべて先手番という、偏った結果になった。ちょうど「飛車先不突き矢倉」がタイトル戦でも出始めた時期で、本シリーズもほとんど飛車先不突き。観戦記にも関連記事がたびたび登場する。 ・「…まことに不思議な櫓の序盤定跡が生まれたものである。飛車先の歩を三十手くらいまで突かないとは!昔の将棋の本などには、まったく書かれてもいないし、現在でも初心者がこんな風に指したら、上手に叱られそうだ。」(86p) ・「旧型の矢倉将棋にくらべると、2筋の歩を一手も突かないところが変わっている。」(116p) ・「“飛先不突き矢倉”について、中原は『どれだけの効果があるかまだ分からない』といっている。とにかくやってみようという気分らしい。」(140p) ・「…今回の名人戦では、先手が飛車先の歩を突かないことが特徴…」(152p) ・「米長棋王によれば、あまりいい戦法ではないゆえ、すぐに指されなくなる、とのことである。」(216p) 先見の明のある米長にして、この予想。将棋とは、なんと難しいものか。 棋譜表記は再び2手一組となり、行間も適度な幅になって非常に見やすくなった。 ところで、わたしが38期で気にしていた「持将棋規定」だが、今期もやはり0.5勝扱いだったらしい。 ・「(第7局で)今回また持将棋になると、0.5勝ずつ加点され、加藤十段が4勝という結果になって勝負がついてしまう。」 そんなことにならなくて、本当に良かったです(笑)。(2004Feb25) |
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第三十九期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50439-4 0076-670004-7904 1981年8月 \1,500 192p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】桐山清澄
・第39期名人戦 桐山清澄八段・予選譜9局=58p |
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名人戦の観戦記。 今期の挑戦者は、地道に順位を上げてきた桐山。2年続いた矢倉シリーズから脱出し、3年ぶりに振飛車シリーズとなった。戦型はバラエティに富んでいて、いろいろな戦型が楽しめる。ただし、勝負自体は桐山の完敗。中原は不調といわれており、挑戦者のチャンスと思われたが、名人戦初登場では力を出し切れなかったか。「桐山八段はいいところを出し切れないまま名人戦の舞台から消えたが、その落ちついた所作振る舞いはさわやかな好感を周囲に与えた。盤上は別として、終始なごやかなムードが漂っていた。」(196p、“盤側の記”より) 前期までは余白の多さが目立ったが、今期からはスナップ写真(白黒)が収められ、グッとバランスが良くなった。その代わり(?)、スペースの配置が変わって棋譜が4手一組になり、若干見づらくなった。第38期にあった「局後のひと言」は早くも消滅してしまった… また、今回は挑戦者・桐山の挑決リーグ全9局が観戦記付きで収録されている。(七番勝負が5局で終わってしまったので、その穴埋めだと思われる)その影響もあって、定価が1500円となり、前期から200円のアップ。大幅ページ増とはいえ、いくらなんでも上げすぎ(-_-;) クオリティ的には、前々期と同じくらいに戻っただけなんだから…。ちなみに来期はもっと上がる(涙)。 蛇足だが、名人戦観戦記にK記者が初登場。現在とは違って、かなりまともな観戦記を書いている。(2004Feb13) |
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第三十八期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50438-6 0076-670003-7904 1980年10月 \1,300 160p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】米長邦雄
・第38期名人戦挑戦者決定リーグ勝敗表=1p |
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名人戦の観戦記。 ページ数が大幅縮小、写真もほとんどカット、でも価格は据え置き。最近の名人戦観戦記の悪しき習慣は、すでにこの時代から始まってしまったようだ。左ページの下半分はほとんど真っ白なので、実質的に100pくらいの量しかない。ちなみにこの時代の標準的な棋書は、約220pで800円くらいである。 代わりに(?)、今期からは各局の最後に「局後のひと言」として、名人と挑戦者の感想が載るようになった。よく新聞の社会面に速報とともに載るアレである。せいぜい100文字程度に圧縮されていて、ほとんどオマケのようなもの。 観戦記そのものの質はかなり洗練されてきた感じがする。今回は記者自身のことばかり書くような観戦記はなかった。 将棋の方は、第2局までは両者一歩も引かぬ好勝負だったが、第3局で米長が勝ち将棋を逃して以降、調子が狂ってしまった様子。前期に引き続き矢倉シリーズとなったが(第2局を除く)、棋譜を並べていると「現代の飛車先不突き矢倉とは、考え方そのものが全然違うのだなぁ」と感じられた。 ところで、私は知らなかったのだが、当時の規定では持将棋は0.5勝扱いだったらしい(80p、110pなどに記載あり)。とすると、本シリーズは第3局が持将棋になったので、最後に持将棋で名人決定という妙な事態になる可能性もあったようだ。一度見てみたかったなぁ、持将棋での名人決定…。実際見てしまったら、「こんな名人戦は見たくなかった」と思うのだろうけど(笑)。(2004Feb02) |
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第三十七期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 ISBN:4-620-50437-8 0076-670002-7904 1979年8月 \1,300 198p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き1枚 (写真挿入あり) 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】米長邦雄
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名人戦の観戦記。 前期に引き続き、観戦記は専門の将棋記者ではなく、文人が担当。なので、観戦記の質はバラバラである。ハッキリ言っちゃうと、5局目は良かったけど2局目は全然ダメ。あとはまぁまぁでした。観戦記者諸氏はここでは割愛。興味のある方はGoogle検索してみてください。 前回の中原vs米長(第35期)も相矢倉シリーズだったが、第35期はほとんど中央付近で戦う形。今回の第37期は“相矢倉スズメ刺しシリーズ”となった。実際にスズメ刺しにならなかった将棋もあるが、いずれもスズメ刺しを意識した形になっている。ただし、スズメ刺しを仕掛けた方が負けているところが面白い。 米長は2連勝のあとの4連敗。名人戦の舞台では、この後も米長の苦戦は続く。(2003Dec01) |
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第三十六期将棋名人戦 全記録 |
毎日新聞社/編 毎日新聞社 0076-670001-7904 1978年8月 \1,300 188p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き1枚 (写真挿入あり) 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】森奚隹二
・盤側の記(井口昭夫・加古明光)=20p |
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名人戦の観戦記。 大事件勃発。契約上のもめごとから、名人戦の主催誌が朝日新聞から毎日新聞に移動したのだ。その関係で順位戦と名人戦七番勝負が一期分行われなかった。(この経緯・顛末については別途お調べください) 主催誌の変更に伴い、観戦記者陣は一新。七番勝負全記録は前回までの朝日版のスタイルをほぼ踏襲する形で継承されたが、インタビューや座談会などがなくなってしまった。レイアウトは見やすく改善されているが、妙に余白が多くスカスカな気がする。写真も減って小さくなった。早い話、値上げした割にはボリュームダウンしているのだ。残念。 対決自体は非常に面白い。盤上もさることながら、盤外作戦が面白かった。“森の剃髪”“森語録”などは必見(これは『中原・森の第36期名人戦写真集』の方が雰囲気が伝わりやすいかもしれない)。盤外作戦が奏功し(?)、常に白星先行の森。あるいは新名人誕生かという空気も流れたが、第5局の千日手をきっかけに流れが変わり、結局は中原が4−2で防衛し、連続保持を6期に伸ばした。(2003Jul12) |
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中原・森の第36期名人戦 写真集 |
中野英伴/撮影 清水孝晏/編 日本将棋連盟 2076-11010-5892 1978年7月 \1,000 96p/26cm |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面(棋譜解説部): 見開き6枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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・写真編=80p ・対戦譜編=13p(7局) |
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第36期名人戦の写真集&棋譜解説。 B5版の紙面いっぱいに対局風景の写真が満載。写真は残念ながら全てモノクロだが、その方がかえって迫力が出ているシーンもあったり。第36期は“森の剃髪”で有名なので、一度は見ておきたい。ちょっと窪塚洋介に似てるかも…(褒めすぎ?) 棋譜解説編は新聞の観戦記風。ホントに観戦記かもしれないが、観戦記者名も初出掲載紙も書いてなかった。わずか13ページではあるが、B5の大判にギッシリ書いてあるので、最近のようなB6本なら約100ページに相当する。実は毎日新聞社の観戦記よりもお買い得なのかも(笑)。 主催社が朝日新聞から毎日新聞へ移行して初めての名人戦だが、本書のような企画は悪くないと思う。しかしあまり売れなかったのだろうか、第36期だけで終わってしまったようです…(2003Jun28) |
(巻一〜巻六) zoom (巻七〜巻十二) zoom |
将棋名人戦全集 (12冊セット) |
大山康晴/編 大修館書店 ISBN: 1977年11月 \180,000 |
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第三十五期将棋名人戦 全記録 ──中原名人五連覇で永世名人に── |
朝日新聞東京本社学芸部/編 朝日ソノラマ 0076-003053-0049 1976年9月 \1,200 190p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き1〜2枚 (写真挿入あり) 内容:(質)A(量)C レイアウト:C 解説:A 中級以上向き |
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【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】米長邦雄
・【全局解説】「見ておもしろい名人戦だった」(升田幸三)=18p |
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名人戦の観戦記。 永世名人がかかっている中原に挑むのは、飛ぶ鳥を落とす勢いの米長。このころの米長は角頭歩戦法を繰り出すなど、乗りに乗っていた。 七番勝負は全局矢倉だったが、第6,7局が分類不能の矢倉になるなど、面白い将棋が続いた。中でも大きな話題になったのは第2局と第4局で現れた右図の局面。相総矢倉4手角で▲4五歩△6五歩と仕掛けたこの局面は、互いに歩を取り込むと不利になるので、千日手になるのが定説だった。 ここで出たのが、米長が温めていた▲6八銀左の米長新手。△6六歩と取り込ませることで局面を打開しようというのだ。結果は1勝1敗だったが、2局とも先手がやや指せるようだった。もっとも、一流棋士でも意見の分かれるところだが… 全体的に挑戦者の方が押していたのだが、「七番を通じて、良くなった将棋を勝ちに行くのが早すぎた」(米長)。米長の自信が勝ちを焦らせたのか、しからば中原のオーラが米長を急がせたのか。名局はなかったが、名勝負だったと思う。将棋も面白かったし、米長のキャラにつられて中原もたまに軽口を叩いたり、楽しい名人戦だった。升田もオススメです(笑) なお、これで中原は十六世名人の資格を獲得。結果だけを見ればストレート5連覇で圧勝だが、5回中4回もフルセットになっている。一つ間違えれば、「中原十六世名人」は生まれなかったのかもしれない。 写真も従来よりかなり増え、この名人戦観戦記もいい感じになってきた。なのに…(2003Jun22) |
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第三十四期将棋名人戦 全記録 ──激闘九番、中原名人四連覇── |
朝日新聞東京本社学芸部/編 朝日ソノラマ 0076-003044-0049 1975年10月 \1,200 206p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き1〜2枚 (写真挿入あり) 内容:(質)A(量)C レイアウト:C 解説:A 中級以上向き |
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【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】大内延介
・【全局解説】混戦は棋風の違いから(升田幸三)=29p |
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名人戦の観戦記。 連続3期防衛で長期政権を予感させた中原。その中原に挑むは、B1から昇級したばかりの大内。大内は当初は降級候補と目されていたが、意外や意外、破竹の快進撃で上がってきた。その原動力は得意の振飛車穴熊である。 棋風が噛み合わず、七番勝負は中原の大苦戦。大内得意の振り穴は3−1(1千日手)と破ったものの、一時は2−3に追い込まれていた。しかも第7局では大内は圧倒的優勢から勝勢に持ち込んだものの、寄せで手順前後してしまった。大内の掌から名人がこぼれ落ちた瞬間だった。中原は最終第8局で初めて“自然流”らしさを見せ、ギリギリの防衛。すんでのところで大魚を逃した大内は、二度と名人戦の舞台に上ることはなかった…… 升田の解説にもあるが、棋風の違いからどっちが勝っても一方的な内容となったので、いわゆる“名局”はなかった。しかし全9局は名人戦史上まれにみる熱戦で、すばらしいドラマだったと思う。 分かりやすい投了図が多かったためか、「投了のあと」はなくなった(投了図の解説もいくつかなかった)。(2003Jun11) |
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第三十三期将棋名人戦 全記録 ──中原名人苦闘の防衛── |
朝日新聞東京本社学芸部/編 朝日ソノラマ 0076-003023-0049 1974年9月 \1,200 188p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き1〜2枚 (写真挿入あり) 内容:(質)A(量)C レイアウト:C 解説:A 中級以上向き |
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【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】大山康晴
・【解説】居飛車振り飛車、攻防の急所=22p |
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名人戦の観戦記。 第32期で加藤を4−0で撃退した中原。脅威の強さを見せつけたが、今期は事情が違っていた。あまり調子がいいとはいえなかったようだ。一方で、一時は無冠になった大山が復調し、中原当人から「十段」を奪取。今期名人戦の大方の予想は「いい勝負」というのが大勢を占めた。 さて、相手が大山なのでやっぱり振飛車シリーズである。対して中原は位取り系を3回採用したが、いずれも満足のいく結果とはならなかった。かくして最終戦、中原は3七桂の速攻をかける。(やはり中原は桂を使った攻めが似合う、と思う。)中原の攻めは成功したが、決め手を与えない大山の指し回しと、遅いようで速い中原の寄せが非常に印象に残った。今期はかなりの好勝負だったと思う。 観戦記の質やレイアウトは第31期とほぼ同じ。「投了のあと」はあるときとないときがあるが、投了図の解説はしてある。インタビューは無くなったが、かわりに座談会が催された。(ただし大山抜き…)(2003May24) |
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思い出の観戦記(4) 名人戦名局集 |
金子金五郎 弘文社 ISBN: 1974年 \750 283p/19cm |
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(1)新構想の3一角、▲大山康晴△升田幸三、第16期第4局 (2)升田名人の誕生、▲大山康晴△升田幸三、第16期第6局 (3)居角の急戦、▲大山康晴△升田幸三、第17期第1局 (4)大山絶妙の受け、▲大山康晴△升田幸三、第17期第5局 (5)大山三冠王に、▲大山康晴△升田幸三、第18期第5局 (6)加藤の挑戦、▲大山康晴△加藤一二三、第19期第4局 (7)実戦家・大山、▲大山康晴△升田幸三、第22期第5局 (8)二上二度目の挑戦、▲二上達也△大山康晴、第23期第1局 (9)二上カド番の第六局、▲大山康晴△二上達也、第23期第6局 (10)三年ぶりの対決、▲大山康晴△升田幸三、第25期第1局 |
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第三十二期将棋名人戦 全記録 ──中原名人初防衛成る── |
朝日新聞東京本社学芸部/編 朝日ソノラマ 0076-003011-0049 1973年8月 \900 190p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き1〜2枚 (写真挿入あり) 内容:(質)A(量)C レイアウト:C 解説:A 中級以上向き |
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【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】加藤一二三
・ヤグラの攻防、全局の焦点(内藤國雄)=19p |
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名人戦の観戦記。 前期(第31期)、十数年にわたった大山時代が終わりを告げ、中原時代が始まった。それとともに、名人戦といえば大山振飛車との対決、という構図も崩れた。そして今期の挑戦者は「神武以来の天才」・純粋居飛車党の加藤一二三である。中原名人はたまに飛車を振るが、基本的には居飛車党なので、矢倉シリーズになることが予想された。 かくして、七番勝負の戦型はやはり矢倉。しかも、4番連続で▲スズメ刺しとは驚いた。しかも第3局までは全く同型(手順は微妙に違う)。結果は中原の4タテ、中原の強さばかりが印象に残った。同じ戦型で、先後どちらを持っても負かされた加藤のダメージは計り知れない。ちなみに加藤はこのころ、中原が超苦手で、第4局終了時の対戦成績が1-17。一流同士の相性としては信じがたい数字である。 観戦記の質やレイアウトは第31期と同じ。「投了のあと」も健在。インタビューも読み応えあり。 今期は4局で終わってしまったので、ページ合わせ(?)でA級の注目局3局が収録されているが、これはちょっと蛇足。どうせなら、挑戦者のA級全棋譜を載せてくれた方が良かった。(2003Mar31) |
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思い出の観戦記(3) 名人戦名局集 |
東公平 弘文社 ISBN: 1973年 \680 267p/19cm |
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(1)150回目の対戦、▲升田幸三△大山康晴、第27期第4局 (2)有吉、飛捨ての強襲、▲有吉道夫△大山康晴、第29期第3局 (3)「早見え」が名人の敗因、▲有吉道夫△大山康晴、第28期第5局 (4)「四段玉」の珍型、▲灘蓮照△大山康晴、第29期第3局 (5)天来の妙手3五銀、▲大山康晴△升田幸三、第30期第3局 (6)アミを破る大魚、▲大山康晴△升田幸三、第30期第5局 (7)名人位を死守した歩、▲升田幸三△大山康晴、第30期第7局 (8)一手で終った将棋、▲大山康晴△中原誠、第31期第3局 (9)中原、飛車を振る、▲中原誠△大山康晴、第31期第6局 (10)中原名人の誕生、▲大山康晴△中原誠、第31期第7局 |
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第三十一期将棋名人戦 全記録 ──中原新名人生れる── |
朝日新聞東京本社学芸部/編 朝日ソノラマ 0076-003006-0049 1972年8月 \800 190p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き1〜2枚 (写真挿入あり) 内容:(質)A(量)C レイアウト:C 解説:A 中級以上向き |
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【名人】大山康晴 【挑戦者】中原誠 (奪取)
・妙手妙着・難所の解説─全局の見どころ(加藤一二三)=20p |
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名人戦の観戦記。 1960年代、タイトルは大山がほとんど独占していた。特に名人と王位はずっと防衛し続け、十段と棋聖も奪われてもすぐに取り返していた。そこに現れたのが棋界の太陽・中原。70年には十段と棋聖を大山から奪い、中原時代の到来を予感させた。そして第31期名人戦、ついにポスト大山の本命・中原が挑戦者に。名人戦初登場にもかかわらず、中原vs大山はすでに公式戦50局超も戦っているのにはビックリ。 この七番勝負は振飛車シリーズ。大山は三間飛車、中飛車、四間飛車をローテーションしながら番勝負を戦ったが、6,7局ではなんと中原の方が飛車を振っている。星数も内容も接戦で、名勝負である。特に見どころは、第2局の「伝説の△8一玉」。将棋漫画「月下の棋士」にも登場したので、若いファンもおなじみだろう。 観戦記は丁寧。各局のラストではなぜ投了したのか、級位者にも分かる解説がされているのが○。レイアウトが悪いのが×(指し手よりも前のページに観戦記があったり)。タイトル戦の観戦記集としては、全体的に良い出来だと思う。(2003Mar27) |
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思い出の観戦記(2) 名人戦名局集 |
田村孝雄 弘文社 ISBN: 1972年 \ 265p/19cm |
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思い出の観戦記(1) 名人戦名局集 |
吉井栄治 弘文社 ISBN: 1972年 \ 270p/19cm |
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第十期名人戰記 −木村・升田激闘の全棋譜− |
加藤治郎/解説 三象子/観戦記 朝日新聞社 ISBN: 1951年 \ p/cm |
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