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第三十一期
将棋名人戦 全記録 ──中原新名人生れる── |
[総合評価] B 難易度:★★★ 図面:見開き1〜2枚 (写真挿入あり) 内容:(質)A(量)C レイアウト:C 解説:A 中級以上向き |
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【編 者】 朝日新聞東京本社学芸部 | ||||
【出版社】 朝日ソノラマ | ||||
発行:1972年8月 | 0076-003006-0049 | |||
定価:800円 | 190ページ/22cm/H.C. |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【名人】大山康晴 【挑戦者】中原誠 (奪取)
・妙手妙着・難所の解説─全局の見どころ(加藤一二三)=20p |
【レビュー】 |
名人戦の観戦記。 1960年代、タイトルは大山がほとんど独占していた。特に名人と王位はずっと防衛し続け、十段と棋聖も奪われてもすぐに取り返していた。そこに現れたのが棋界の太陽・中原。70年には十段と棋聖を大山から奪い、中原時代の到来を予感させた。そして第31期名人戦、ついにポスト大山の本命・中原が挑戦者に。名人戦初登場にもかかわらず、中原vs大山はすでに公式戦50局超も戦っているのにはビックリ。 この七番勝負は振飛車シリーズ。大山は三間飛車、中飛車、四間飛車をローテーションしながら番勝負を戦ったが、6,7局ではなんと中原の方が飛車を振っている。星数も内容も接戦で、名勝負である。特に見どころは、第2局の「伝説の△8一玉」。将棋漫画「月下の棋士」にも登場したので、若いファンもおなじみだろう。 観戦記は丁寧。各局のラストではなぜ投了したのか、級位者にも分かる解説がされているのが○。レイアウトが悪いのが×(指し手よりも前のページに観戦記があったり)。タイトル戦の観戦記集としては、全体的に良い出来だと思う。(2003Mar27) |