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第三十八期将棋名人戦 全記録 |
[総合評価] D 難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【編 者】 毎日新聞社 | ||||
【出版社】 毎日新聞社 | ||||
発行:1980年10月 | ISBN:4-620-50438-6 0076-670003-7904 |
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定価:1,300円 | 160ページ/22cm/H.C. |
【本の内容】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】米長邦雄
・第38期名人戦挑戦者決定リーグ勝敗表=1p |
【レビュー】 |
名人戦の観戦記。 ページ数が大幅縮小、写真もほとんどカット、でも価格は据え置き。最近の名人戦観戦記の悪しき習慣は、すでにこの時代から始まってしまったようだ。左ページの下半分はほとんど真っ白なので、実質的に100pくらいの量しかない。ちなみにこの時代の標準的な棋書は、約220pで800円くらいである。 代わりに(?)、今期からは各局の最後に「局後のひと言」として、名人と挑戦者の感想が載るようになった。よく新聞の社会面に速報とともに載るアレである。せいぜい100文字程度に圧縮されていて、ほとんどオマケのようなもの。 観戦記そのものの質はかなり洗練されてきた感じがする。今回は記者自身のことばかり書くような観戦記はなかった。 将棋の方は、第2局までは両者一歩も引かぬ好勝負だったが、第3局で米長が勝ち将棋を逃して以降、調子が狂ってしまった様子。前期に引き続き矢倉シリーズとなったが(第2局を除く)、棋譜を並べていると「現代の飛車先不突き矢倉とは、考え方そのものが全然違うのだなぁ」と感じられた。 ところで、私は知らなかったのだが、当時の規定では持将棋は0.5勝扱いだったらしい(80p、110pなどに記載あり)。とすると、本シリーズは第3局が持将棋になったので、最後に持将棋で名人決定という妙な事態になる可能性もあったようだ。一度見てみたかったなぁ、持将棋での名人決定…。実際見てしまったら、「こんな名人戦は見たくなかった」と思うのだろうけど(笑)。(2004Feb02) |