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第55期将棋名人戦 | [総合評価] C 難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【編 者】 毎日新聞社 | ||||
【出版社】 毎日新聞社 | ||||
発行:1997年7月 | ISBN:4-620-50475-0 | |||
定価:1,400円 | 189ページ/19cm |
【本の内容】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
【名人】羽生善治 【挑戦者】谷川浩司 (奪取)
・盤側の記(加古明光)=14p |
【レビュー】 |
名人戦の観戦記。 名人連続3期の羽生と、通算4期で永世名人が懸かった谷川の対決。谷川は冬の竜王戦で羽生を破っているものの、その次の王将戦では4タテを喰っているので、この名人戦での復活なるかが注目された。 戦型を見ると、両者とも序盤の可能性を探った趣向が目立つ。第1局は結局オーソドックスな同型矢倉になったが、積極的に序盤から良さを求める両者の充実が窺える。終盤に絶対の自信を持つ両者が、同じ錯覚をするという珍事もあった。右図は第1局の終盤。谷川は図の▲4一銀を詰めろと信じ(打った瞬間、詰めろでないことに気づいた)、羽生も詰めろを信じて△6三飛とした。 また、谷川が猛然と寄せた第3局は、並べる価値が高いと思う。 観戦記では「第一局は両者見損じの決着。第二、三局は一方的な将棋で内容は今ひとつ」(82p)などと書いているが、「一方的だから内容が悪く、混戦ならば好局」というわけではない。要は「見どころがあるかないか」だと思う。その意味で、今期の6局は面白い点が多く、ぜひ一度は並べていただきたいシリーズだ。(2005Jun15) |