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第57期将棋名人戦 | [総合評価] D 難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【編 者】 毎日新聞社 | ||||
【出版社】 毎日新聞社 | ||||
発行:1999年7月 | ISBN:4-620-50477-7 | |||
定価:1,500円 | 207ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【名人】佐藤康光 (防衛) 【挑戦者】谷川浩司
・盤側の記(加古明光)=17p |
【レビュー】 |
名人戦の観戦記。 前期フルセットで破れた谷川がリターンマッチを挑む。同じ顔合わせながら、今期は矢倉がなく、代わりに横歩取りが3局登場した。ちょうど△8五飛戦法が流行していた時期だ。先手番を交互に入れ合った前期と違い、今期は佐藤が2連勝。しかし谷川が伝家の宝刀「角換わり」を軸に3連勝し、非常に面白い展開となった。 最終的には横歩取り3局を制した佐藤が、2年連続のフルセットに決着をつけた。ただ、名人戦に限れば角換わり後手番で5連敗であり、課題を残したと言えよう。 個人的には第2局の▲9六角がとても印象に残った。名角とはいえないが、自分でもこういう角を打って勝ちたいものだ。 ところで以前から気になっていたが、今期は特に「同時進行」に関する話が目につく(16p,59p,130p)。一日目の翌日朝刊には第一譜を載せるというもので、数年前から毎日新聞のウリになっている。しかし「同時進行なので○○はご容赦願いたい」と言い訳を連発されると、「観戦記の質が落ちるくらいなら同時進行なんてやめてくれ」と思う。読者が観戦記に求めているものは速報性ではないと思うのだが…。 また、長年続いてきた巻末の「名人戦○期の全記録」と「A級順位戦成績表」は、今期から削除された。(2005Jul15) |