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■羽生善治名人位防衛戦の舞台裏

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羽生善治名人位防衛戦の舞台裏
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羽生善治名人位防衛戦の舞台裏
羽生VS森内七番勝負での強さの秘密
[総合評価] C

難易度:★★★☆

図面:なし(本文部)
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解説:B
読みやすさ:A
中級以上向き

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【著 者】 日浦市郎
【出版社】 エール出版社
発行:1996年12月 ISBN:4-7539-1590-5
定価:1,427円 181ページ/19cm


【本の内容】
序章 名人戦観戦の旅にでよう
1章 名人戦第1局
2章 名人戦第2局
3章 名人戦第3局
4章 名人戦第4局
5章 名人戦第5局
6章 再び七冠めざして
7章 名人戦七番勝負全記録

◆内容紹介
羽生の強さを理解するには、将棋の世界を理解しなければわからない、という観点から、名人戦という大舞台がどこでどのように行われるのか、その舞台裏に迫り、その上で羽生の戦いぶりを解説する。


【レビュー】
第54期名人戦(羽生vs森内)の観戦記。

タイトル戦に欠かせない人たちがいる。対局者2人、立会人(正・副・特別など)、観戦記者、主催誌関係者などだ。これらの人々は“仕事”で来ているので、交通費や滞在費は当然出る。

それとは別に、自費で観戦に来る棋士たちがいる。本書は「自費観戦者」の一人、日浦市郎六段(当時)による「裏観戦レポート」だ。棋士として、少し目標を失いかけていた日浦が一念発起して、名人戦全局を観戦することを描いたもの。一観戦者として、観戦記者とは違う視点で描くレポートは新鮮味があって面白い。

一日目は意外に暇をもてあましていたり、暇つぶしのために観光に出かけたり、ついつい飲み過ぎてしまって二日目の開始を見逃したり…。もっとも、その辺は自費参加なので自由である。あまり言葉を飾らない文章なので、非常にスムーズに読み進むことができる。控室の雰囲気など、普通の観戦記では読めない部分が面白い。「先手玉が詰まないことは何年も前から知っていた」というエピソードは、先に読んだ毎日の観戦記には出てこなかったので驚愕した。

一方、あまり対局者の姿に迫るような描写はなく、全体的に平坦な感じがある。サブタイトルの「羽生VS森内七番勝負での強さの秘密」にあたる部分はどこだったのか…?(前述のエピソードだけ…?)

また、本文中には指し手の解説はほとんど出てこない(棋譜と解説は第7章にまとめられている)。一応、「あまり将棋を知らない人でも読めるよう」に配慮されているが、基本的には普段から新聞の観戦記を読んでいる人向きである。

このような「観戦レポート」は非常に珍しい。当時は「羽生七冠ブーム」の真っ只中で、本書もその勢いに乗って出版された感じがする。ときどきはこのような本が出ると将棋ファンとしてうれしいが、たぶん出ないだろうな… (2005Jun04)



【関連書籍】

[ジャンル] 名人戦観戦記
[シリーズ] 
[著者] 日浦市郎
[発行年] 1996年

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