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■第三十二期 将棋名人戦 全記録

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第三十二期 将棋名人戦 全記録
──中原名人初防衛成る──
[総合評価] B

難易度:★★★

図面:見開き1〜2枚
(写真挿入あり)
内容:(質)A(量)C
レイアウト:C
解説:A
中級以上向き

【編 者】 朝日新聞東京本社学芸部
【出版社】 朝日ソノラマ
発行:1973年8月 0076-003011-0049
定価:900円 190ページ/22cm/H.C.


【本の内容】
【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】加藤一二三
 

先−後

戦型 観戦記  
第1局 ○中原−加藤● 相矢倉▲スズメ刺し 金子金五郎 24p
第2局 ●加藤−中原○ 相矢倉▲スズメ刺し 24p
第3局 ○中原−加藤● 相矢倉▲スズメ刺し 22p
第4局 ●加藤−中原○ 相矢倉▲スズメ刺し 25p
A級 ○大内−米長● ▲中飛車△右四間飛車 10p
A級 ○加藤−大山● △四間飛車▲5筋位取り 10p
A級 ○内藤−有吉● 相掛かり▲タテ歩棒銀 10p

・ヤグラの攻防、全局の焦点(内藤國雄)=19p
・「スズメざし」考 ─現代ヤグラの神髄─(二上達也)=17p
・【インタビュー】「目標は永世名人」きっぱり語る中原名人(田村孝雄)=10p
・【インタビュー】自ら明かす「加藤将棋」の全容(東公平)=12p
・【資料】名人戦の記録|中原名人・主要棋士戦績表|歴代の名人=各1p


【レビュー】
名人戦の観戦記。

前期(第31期)、十数年にわたった大山時代が終わりを告げ、中原時代が始まった。それとともに、名人戦といえば大山振飛車との対決、という構図も崩れた。そして今期の挑戦者は「神武以来の天才」・純粋居飛車党の加藤一二三である。中原名人はたまに飛車を振るが、基本的には居飛車党なので、矢倉シリーズになることが予想された。

かくして、七番勝負の戦型はやはり矢倉。しかも、4番連続で▲スズメ刺しとは驚いた。しかも第3局までは全く同型(手順は微妙に違う)。結果は中原の4タテ、中原の強さばかりが印象に残った。同じ戦型で、先後どちらを持っても負かされた加藤のダメージは計り知れない。ちなみに加藤はこのころ、中原が超苦手で、第4局終了時の対戦成績が1-17。一流同士の相性としては信じがたい数字である。

観戦記の質やレイアウトは第31期と同じ。「投了のあと」も健在。インタビューも読み応えあり。

今期は4局で終わってしまったので、ページ合わせ(?)でA級の注目局3局が収録されているが、これはちょっと蛇足。どうせなら、挑戦者のA級全棋譜を載せてくれた方が良かった。(2003Mar31)



【関連書籍】

[ジャンル] 
名人戦観戦記
[シリーズ] 
[著者] 
朝日新聞学芸部
[発行年] 
1973年

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