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第53期将棋名人戦 | [総合評価] D 難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級以上向き |
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【編 者】 毎日新聞社 | ||||
【出版社】 毎日新聞社 | ||||
発行:1995年7月 | ISBN:4-620-50473-4 | |||
定価:1,359円 | 186ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||
【名人】羽生善治 (防衛) 【挑戦者】森下卓
・「名人戦六十年」(加古明光)=30p |
【レビュー】 |
名人戦の観戦記。 名人戦の前の王将戦で七冠にチャレンジしたものの、谷川王将の執念に阻まれた羽生。とはいえ、絶好調は続いていた(なんとこの名人戦を含めて六冠をすべて防衛してしまう)。その羽生に挑むは、新A級の森下。前年の羽生に引き続き、2年連続で新A級が挑戦者となった。 森下は矢倉の大家だし、羽生も基本的には居飛車党なので「矢倉シリーズ」が予想されたが、ふたを開けてみれば5局中3局が変則的な戦いとなった。4局目羽生の「2手目△3二金」には驚いた方も多いはず。 矢倉になった1局目と3局目は森下の完勝だったが、1局目では縛り方を間違えて大逆転。この局面は『歩の玉手箱』(桐谷広人,MYCOM,1995/2003)に載っていたので印象に残っている。 個人的に面白かったのは第3局。序盤の羽生の小ミスを森下が見事に咎めた一局。玉の反対側に自陣桂を3枚も打った。特に評判が良かった局ではないが、森下にとっては会心の一局だったろう(森下はかなりの自陣桂好き)。森下の勝ちはこの一勝のみだったが、非常にわたし好みの将棋で気に入っている。 観戦記以外では、名人戦60周年ということで、「名人戦六十年」と題してこの60年を振り返る特集が組まれている。が、正直言って中途半端。特に大山以降はほとんど内容がなくて残念な出来。 なお、今期から四六版の簡素な作りになり、定価も大幅値下げされている(不景気を反映している?)。期の表示も漢数字からアラビア数字に。(2005May19) |