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第56期将棋名人戦 | [総合評価] D 難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【編 者】 毎日新聞社 | ||||
【出版社】 毎日新聞社 | ||||
発行:1998年8月 | ISBN:4-620-50476-9 | |||
定価:1,500円 | 203ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【名人】谷川浩司 【挑戦者】佐藤康光 (奪取)
・盤側の記(加古明光)=14p |
【レビュー】 |
名人戦の観戦記。 前期で永世名人資格を得た谷川に挑むのは、A級2年目の佐藤康光。A級リーグでは出だし1勝3敗とつまづいたが、その後5連勝、プレーオフで羽生を下しての登場。「一秒に10億と3手読む」と言われ、「緻密流」と名づけられている。(個人的には、佐藤の持ち味は羽生や森内とは一味違う“異次元感覚”だと思う。) この年度は、A級で先手の勝率が異常に高く、それがそのまま七番勝負に持ち込まれた感じ。第6局までいずれも先手が勝っている。それだけに、最終局の振り駒で先手を得た谷川は、3勝を挙げている角換わりを選択すると思われたが、実際は矢倉。そういえば「矢倉を制する者が名人を制する」と誰かが言っていたような。それが影響したのか? 星だけでなく、各局の内容もかなり接戦の好勝負。並べていて面白い将棋ばかりだった。 しかし、なぜか後半、やたらと誤字・誤図が多い。156pで棋譜の抜け、160pで図面ミス(開始図も、投了図も!)、175pの本文、p177の指了図…。盤で並べれていればすぐに気づくが、脳内だと「あれ?」となった。また、「盤側の記」第2局分で、将棋の内容にまったく触れず、“突撃”の話題で埋め尽くすのは勘弁…。 せっかくの好勝負なのに、水を差されたような気分。なんだか残念。(2005Jun29) |