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第三十四期将棋名人戦 全記録 ──激闘九番、中原名人四連覇── |
[総合評価] B 難易度:★★★ 図面:見開き1〜2枚 (写真挿入あり) 内容:(質)A(量)C レイアウト:C 解説:A 中級以上向き |
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【編 者】 朝日新聞東京本社学芸部 | ||||
【出版社】 朝日ソノラマ | ||||
発行:1975年10月 | 0076-003044-0049 | |||
定価:1,200円 | 206ページ/22cm/H.C. |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【名人】中原誠 (防衛) 【挑戦者】大内延介
・【全局解説】混戦は棋風の違いから(升田幸三)=29p |
【レビュー】 |
名人戦の観戦記。 連続3期防衛で長期政権を予感させた中原。その中原に挑むは、B1から昇級したばかりの大内。大内は当初は降級候補と目されていたが、意外や意外、破竹の快進撃で上がってきた。その原動力は得意の振飛車穴熊である。 棋風が噛み合わず、七番勝負は中原の大苦戦。大内得意の振り穴は3−1(1千日手)と破ったものの、一時は2−3に追い込まれていた。しかも第7局では大内は圧倒的優勢から勝勢に持ち込んだものの、寄せで手順前後してしまった。大内の掌から名人がこぼれ落ちた瞬間だった。中原は最終第8局で初めて“自然流”らしさを見せ、ギリギリの防衛。すんでのところで大魚を逃した大内は、二度と名人戦の舞台に上ることはなかった…… 升田の解説にもあるが、棋風の違いからどっちが勝っても一方的な内容となったので、いわゆる“名局”はなかった。しかし全9局は名人戦史上まれにみる熱戦で、すばらしいドラマだったと思う。 分かりやすい投了図が多かったためか、「投了のあと」はなくなった(投了図の解説もいくつかなかった)。(2003Jun11) |