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書名 | 著者 | 発行 | 備考 |
2手目△3二銀システム | 二歩千金 | '24.4 | 2手目△3二銀 |
将棋界の異端!マイナー戦法の未知なる世界 | げにまる | '23.9 | 間宮久夢流入玉戦法、〔電子書籍〕 |
将棋はとにかく勝つこと!一歩目の奇襲戦法 | げにまる | '23.2 | 〔電子書籍〕 |
すぐに使える!B級戦法コレクション | 書籍編集部/編 | '22.4 | |
鬼殺し戦法『超入門編』 | あさちゃん | '20.10 | 〔電子書籍〕 |
対振り飛車 裏定跡&B級急戦 | 島本亮 | '20.9 | |
AIに学ぶ嬉野流対策 | 元奨励会員アユム | '20.7 | 嬉野流,〔電子書籍〕 |
創始者直伝!新嬉野流 | 嬉野宏明 | '20.5 | 嬉野流 |
書名 | 著者 | 発行 | 備考 |
早石田封じ xaby角戦法! | レベル8 | '19.3 | 〔電子書籍〕 |
〜今日から使える台パン戦法〜@アヒル戦法A▲7七飛戦法 | しめりけ いはてん |
'18.11 | アヒル、石田流▲7七飛,〔電子書籍〕 |
戦慄の▲7七金!奇襲きんとうん戦法 | 島本亮 | '18.4 | きんとうん戦法 |
超攻撃的振り飛車 新生・角頭歩戦法 | 西川和宏 | '17.11 | 角頭歩戦法 |
今日からすぐ勝てる 奇襲虎の巻(マイナビ将棋文庫) | 神谷広志 | '17.5 | 1987年、1994年の合本文庫化 |
これで万全!奇襲破り事典 | 本間博 | '17.1 | |
将棋・B級戦法の達人(マイナビ将棋文庫) | 週刊将棋/編 | '16.7 | 1995年、2002年の合本文庫化 |
奇襲大全(マイナビ将棋文庫) | 湯川博士 | '15.11 | 1989年、1999年のRemix版 |
ネット将棋で勝つ 米長の奇襲 | 米長邦雄 | '15.8 | 『角頭歩戦法』『新鬼殺し戦法』の合本文庫化 |
奇襲研究所 嬉野流編 | 天野貴元 | '15.5 | 嬉野流 |
奇襲振り飛車戦法 〜その狙いと対策〜 | 飯塚祐紀 | '14.12 | |
書名 | 著者 | 発行 | 備考 |
痛快!ワンダー戦法 | 週刊将棋/編 | '07.11 | |
神戸発 珍戦法で行こう | 島本亮 | '06.9 | |
我が道を行く定跡の裏街道 | 週刊将棋/編 | '04.12 | |
パワーアップ戦法塾 | 豊川孝弘 | '04.3 | |
奇襲虎の巻(MYCOM将棋文庫) | 神谷広志 | '03.5 | 1994年の文庫版 |
居飛車奇襲戦法 | 井上慶太 | '02.7 | |
振り飛車奇襲戦法 2 | 小林健二 | '02.7 | |
B級戦法の達人プラス | 週刊将棋・編 | '02.1 | 1997年の増補版 |
振り飛車奇襲戦法 1 | 小林健二 | '01.10 | |
書名 | 著者 | 発行 | 備考 |
新版 奇襲大全 | 湯川博士・執筆 | '99.3 | 1989年の増補版 |
B級戦法の達人 | 週刊将棋・編 | '97.9 | |
奇襲虎の巻 | 神谷広志 | '94.12 | |
新鬼殺し戦法 | 米長邦雄 | '93.8 | 新装版 |
角頭歩戦法 | 米長邦雄 | '93.8 | 新装版 |
将棋入門 一手の奇襲 | 鈴木宏彦 | '93.7 | |
奇襲!!将棋ウォーズ | 湯川博士 | '92.2 | |
書名 | 著者 | 発行 | 備考 |
奇襲大全 | 湯川博士・執筆 | '89.12 | |
超急戦!!殺しのテクニック | 横田稔 | '88.11 | |
九段 芹沢博文の 奇襲戦法 下 | 芹沢博文 | '88.7 | DELUXE版 |
九段 芹沢博文の 奇襲戦法 上 | 芹沢博文 | '88.7 | DELUXE版 |
八段 佐藤大五郎の 中段飛車宇宙戦法 | 佐藤大五郎 | '88.2 | DELUXE版 |
奇襲戦の極意 | 米長邦雄 | '88.1 | |
八段 北村昌男の 袖飛車戦法 | 北村昌男 | '87.6 | DELUXE版 |
九段 芹沢博文の ハメ手撃破戦法 | 芹沢博文 | '86.8 | DELUXE版 |
魔法のハメ手 | 内藤國雄 | '86.6 | |
内藤国雄の袖飛車戦法と石田流 | 内藤国雄 | '84.5 | |
奇襲戦法 | 森けい二 | '83.3 | |
ヘボ将棋の必勝法 | 西村一義 | '82.6 | |
早指し将棋の指し方 | 淡路仁茂 | '80.11 | |
書名 | 著者 | 発行 | 備考 |
奇襲ヒラメ戦法 | 米長邦雄 | '78.12 | |
芹澤の急戦将棋 | 芹沢博文 | '77.5 | 『奇襲とハメ手』(1966)の改題版 |
序盤の速攻45 | 五十嵐豊一 | '76.12 | ⇒仕掛けの手筋 |
中段飛車宇宙戦法 | 佐藤大五郎 | '75 | ポケット版 |
袖飛車戦法 | 北村昌男 | '75? | ポケット版 |
無敵宇宙戦法 | 佐藤大五郎 | '75 | |
将棋奇襲戦法 | 伊達二郎 | '74.9 | 『将棋奇襲とハメ手』(1968)の改題版 |
新鬼殺し戦法 | 米長邦雄 | '74 | |
角頭歩戦法 | 米長邦雄 | '74 | |
快勝 将棋に勝つ戦法 | 大山康晴 | '71 | |
よくわかる奇襲と急戦法 | 広津久雄 | '71.2 | |
将棋ハメ手の急所 | 清野静男 | '70 | |
書名 | 著者 | 発行 | 備考 |
将棋奇襲とハメ手 | 伊達二郎 | '68.1 | |
奇襲と戦い方 | 内藤國雄 | '68 | |
奇襲とハメ手 | 芹沢博文 | '66 | |
奇襲戦法 この一手 | 梶一郎 | '64.10 | |
書名 | 著者 | 発行 | 備考 |
奇襲戦法 | 大和久彪 | '52 | |
将棋はめ手集 | 梶一郎 | '52 | |
将棋奇襲と詰め手 | 梶一郎 | '51 | |
将棋奇襲作戦読本 | 土居市太郎 | '41 | |
將棊 はめて千態 全 | 土居市太郎・編 | '15 |
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2手目△3二銀システム 驚愕の奇襲! 現代将棋に残された最終兵器 ![]() |
二歩千金 マイナビ出版 ISBN:978-4-8399-8604-9 2024年4月 \1,848(10%税込) 268p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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【表紙イラスト】 電鬼 【巻頭マンガ】 松本渚 【アドバイザー】 日本将棋同人
・【コラム】(1)「二歩千金」前史 (2)幻の△3二金システム? (3)△3二銀システムの起源 |
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「2手目△3二銀システム」の戦術書。![]() 本書の「2手目△3二銀システム」では、通常形の戦いを目指すのではなく、2手目△3二銀を最大に生かした変則的な指し方をメインに解説していく。金銀の連結の良さや、角道を開けていないことなど、メリットはいくつもある。 各章の内容を、図面を添えながら紹介していこう。……レビューの続きを読む(2024Apr17) |
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将棋界の異端!マイナー戦法の未知なる世界 初手から入玉を目指す! 圧倒的な独創力が作り出した 「間宮久夢流入玉戦法」 ![]() |
げにまる キノコ書房 (電子書籍) ISBN:- 2023年9月 \698(10%税込) 55p/約13MB |
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◆内容紹介 「間宮久夢流入玉戦法」 これはまさに世にも珍しい初手から入玉を狙う戦法です。この本でご紹介するこの間宮久夢流入玉戦法というのは見たことも聞いたこともないという人がほとんどではないでしょうか! それもそのはず、この戦法が誕生したのは今より半世紀以上、約70年前、それもその時代のたった1人しか採用しなかった貴重な作戦なのです。 「玉を固める守り駒はただの遊び駒」 「最も安全なのは敵陣である」 「自分は最も合理的に指していると思っている」 「端歩なんて突いた事がない」 「どんな時でも初手は5六歩」 人柄、棋風、どこを取っても独創的。 入玉という最も強い自玉の状態を意図的に作り出そうという前代未聞の戦法の解説です。 研ぎ澄まされた大局観とバランス感覚から繰り出される唯一無二の戦法。 ぜひこの本を手に取って、その一端を垣間見てください! |
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将棋はとにかく勝つこと!一歩目の奇襲戦法 初心者こそ覚えたい!「超速奇襲」鬼も逃げ出す鬼殺し! ![]() |
げにまる キノコ書房 (電子書籍) ISBN:- 2023年2月 \0(10%税込) 40p/約10MB |
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1章 鬼殺しを使う理由 2章 勝利への手順 3章 対策と変化 ◆内容紹介 将棋をはじめてみたのは良いものの、なにを勉強すれば良いかわからない。 そんな人に、筆者おすすめの序盤にやるべき勝つための事をまとめてみました。 私自身がはじめたての頃によく言われたのは、いきなり奇襲戦法を勉強するような「邪道」を行っては、土台が固まらず何も実らない。 最初のうちは目先の勝ち負けにこだわらずに実力を付けるために下積みをするべきだ。 そんな誰にでも言えるようなことばかりをアドバイスと称して言われ続けてきました。 しかし、いつか大成する自分を夢見て直向きに努力するなんて誰にでも出来る事ではありませんし、大多数の人がそんな事できないと思います。 初めから簡単に勝てればそれに越したことはありません。 「ハメ手」「絡め手」「奇襲」「騙し討ち」 勝って損することはありません。 |
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すぐに使える!B級戦法コレクション![]() |
書籍編集部/編 糸谷哲郎/推薦 日本将棋連盟/発行 マイナビ出版/販売 ISBN:978-4-8399-7931-7 2022年4月 \1,694(10%税込) 248p/19cm |
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第1章 自分の土俵に引きずり込む! 筋違い角四間飛車穴熊 第2章 対初級者限定必殺戦法 小熊スペシャル(端角中飛車) 第3章 5手目で戦闘開始! ギロチン戦法(▲2四歩先攻戦法) 第4章 飛車角が成り合う派手な展開! パックマン戦法 第5章 スーパーB級戦法! 立石流四間飛車 第6章 使える裏技 カリスマウィルス(対三間飛車相筋違い角戦法) 第7章 ハメ手満載の妖術殺法! 愛中飛車筋違い角戦法 第8章 角換わり棒銀裏定跡 美馬棒銀(▲6九金型角換わり棒銀) 第9章 横歩取らせの脾腫 勢田流▲9八香戦法 第10章 雁木の裏街道 旧型雁木 第11章 我が道を行く! 何でも中住まい戦法(勝手に空中戦) 第12章 B級手筋満載! とっておきのB級アラカルト ・【コラム】(1)鬼殺し戦法の名称由来 (2)鬼殺し戦法侮れず ◆内容紹介 本書は『将棋世界』に連載した講座「アマのための月刊B級ファン」(美馬和夫)を書籍化したものです。 将棋は楽しい。しかし負けると悔しい。できれば勝ちたいけど、本格的な戦法は覚えるのが大変そうだなあ……。 そんな悩みを抱える方におススメしたいのが、本書で紹介するB級戦法です。 自分は詳しいけど、相手は知らない。こういう形に持ち込むことが、勝利への近道といえるでしょう。 ぜひマスターして、アマ大会など「ここ一番」での勝利をもぎとってください。 |
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鬼殺し戦法『超入門編』![]() |
あさちゃん (電子書籍) ISBN:- 2021年10月 \110(10%税込) p/cm |
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鬼殺し戦法 鬼殺し戦法の対策(1) 鬼殺し戦法の対策(2) 鬼殺し戦法の対策(3) ◆内容紹介 本書は将棋初心者の方向けに鬼殺し戦法とその対策を一手一手分かりやすく丁寧に解説したものになります。この本では一手ずつ盤面を掲載しているためわざわざご自身で駒を並べる必要はありません。新しい戦法を習得したい方、他の棋書が難しすぎるという方におすすめです。 鬼殺し戦法は奇襲戦法と呼ばれる攻めの一つです。奇襲戦法とは、その名の通り攻めが決まれば一気に勝つことができる戦法です。一方で対策されてしまえばなかなか勝つのが難しいというデメリットがあります。 本書を読んでいただくと鬼殺し戦法をマスターできるだけでなく、相手がその戦法を使ってきた際の対策まで学ぶことができます。鬼殺し戦法を覚えたいという方や鬼殺し戦法の対策が分からない方の手助けになれば幸いです。 他にも本を出版しておりますのでご興味がありましたらぜひ下記のURLからご覧ください! 「あさちゃんの棋書」 |
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マイナビ将棋BOOKS 対振り飛車 裏定跡&B級急戦 対四間飛車ドラゴンスペシャル、対中飛車ポンポン桂…… ネット将棋で勝てる秘策が満載! ![]() |
島本亮 マイナビ出版 ISBN:978-4-8399-7771-9 2021年9月 \1,694(10%税込) 224p/19cm |
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・【コラム】 習慣 |
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AIに学ぶ嬉野流対策 これで勝てる! 新型&旧型 W徹底解説 ![]() |
元奨励会員アユム (電子書籍) ISBN:- 2021年7月 \250(10%税込) p/約10MB |
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◆内容紹介 「土下座の歩」型の元祖嬉野流、スマートに銀を上がる新型の嬉野流、二つに対しての対策をまとめてみました。 嬉野流にお困りの方におすすめです。 |
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マイナビ将棋BOOKS 創始者直伝!新嬉野流 最強奇襲戦法が進化! 居飛車に加えて 嬉野流振り飛車も収録 ![]() |
嬉野宏明 マイナビ出版 ISBN:978-4-8399-6425-2 2021年5月 \1,694(10%税込) 232p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B+ レイアウト:A 解説:B+ 読みやすさ:B+ 上級〜有段者向き |
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・【盤外コラム】(1)嬉野流誕生 (2)まさかの書籍化 (3)マグロと嬉野流 |
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新嬉野流の戦術書。 「嬉野流」は、初手▲6八銀!〜▲7九角とする型破りな戦法。主な狙いは引き角+ナナメ棒銀で、狙いは分かっていても実戦的にはなかなか受けづらい。『奇襲研究所 嬉野流編』(2015)で広く知られて以降、ネット将棋での人気戦法となっている。 ただし、創始者である嬉野氏は、ある特定の形にうまく対応できないとして、すでに「嬉野流」を辞め、「新・嬉野流」を編み出していた。 本書は、「嬉野流」ではなく、「新・嬉野流」を解説した本となる。 各章の内容をチャートを添えながら紹介していこう。……レビューの続きを読む(2021May21) |
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早石田封じ xaby角戦法!![]() |
レベル8 やくもせん/絵 (電子書籍) ISBN:- 2019年3月 \275(10%税込) 69p/約15MB |
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◆内容紹介 |
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あぴまる流将棋奇襲シリーズ@ 〜今日から使える台パン戦法〜 @アヒル戦法 A▲7七飛戦法 ![]() |
いはてん しめりけ 餅月あんず/イラスト (電子書籍) ISBN:- 2018年11月 \500(10%税込) 171p/約45MB |
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◆内容紹介 本書は、アヒル戦法と石田流▲7七飛戦法の戦い方をまとめた戦術書です。 古くから存在する奇襲戦法と近年になって登場した奇襲戦法の異色の取り合わせですが、この両戦法には共通点があります。それは、“相手に自分の得意な戦型を押し付けることが出来る”という点です。自分は好きな戦法を指して相手を翻弄する。そんな思わず相手が台パンしたくなる2つの戦法をご紹介します。 本書の前半部ではアヒル戦法の指し方を、対振り飛車と対居飛車に分けて次の一手形式で43問。後半部では、▲7七飛戦法の指し方を、石田流の基礎を振り返りながら次の一手形式で73問解説しています。 ※本書は固定レイアウト型の書籍です。 ※ご購入の前に、必ずサンプルで画面表示の確認を行って下さい。 |
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マイナビ将棋BOOKS 戦慄の▲7七金! 奇襲きんとうん戦法 ![]() |
島本亮 マイナビ出版 ISBN:978-4-8399-6571-6 2018年4月 \1,663(8%税込) 224p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
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・【コラム】(1)趣味 (2)指導将棋 (3)棋士の日常 |
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「きんとうん戦法」を解説した本。 「きんとうん」とは、2006年に発刊された『神戸発 珍戦法で行こう』の冒頭6ページにわたって(?)掲載された奇襲戦法。それが12年の時を超えてスピンオフし、「きんとうん」だけで単行本が発刊されることになった。 意外にもアマに人気があったそうだ(そういえば私も指されたことがあるような…)。神戸在住のアマが考案し、島本が開拓・整備した戦法と言ってよいだろう。 「きんとうん」の概要は、以下のようになる。……レビューの続きを読む(2018May13) |
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マイナビ将棋BOOKS 超攻撃的振り飛車 新生・角頭歩戦法 ![]() |
西川和宏 マイナビ出版 ISBN:978-4-8399-6276-0 2017年11月 \1,663(8%税込) 216p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段者向き |
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・【コラム】(1)関西将棋会館棋士室 (2)10秒将棋@ (3)10秒将棋A (4)負けた後の過ごし方 |
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角頭歩戦法の戦術書。 かつての角頭歩戦法は、▲7六歩△3四歩と角道を開け合った後に▲8六歩!と突く奇襲戦法で、米長邦雄がよく指して広め、書籍(『角頭歩戦法』)も出ている。非常に面白い筋がたくさん出てくる戦法ではあるが、△4四歩と角交換を拒否されると先手の方が駒組みに苦労するとされ、プロでは長く消えた戦法となっていた。 それが角交換振り飛車の時代を経て、考え方が変わるとともに、新しい工夫が施されて、「奇襲・挑発ではない後手番の戦術」として通用する作戦として復活してきたのである。 本書では、後手番での新しい工夫で生まれ変わった角頭歩戦法をメインに、先手番での角頭歩戦法の補足を含めて解説していく。 本書の内容をチャートを添えながら紹介していこう。 |
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マイナビ将棋文庫 今日からすぐ勝てる 奇襲虎の巻 ![]() |
神谷広志 マイナビ出版 ISBN:978-4-8399-6318-7 2017年5月 \1,339 448p/15cm |
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第1部 奇襲虎の巻
第2部 居飛穴なんかコワくない
◆内容紹介 |
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下記2冊を合本し、文庫化したもの。それぞれレビュー済みです。 1994-12 奇襲虎の巻,神谷広志,MYCOM (※2003に文庫化されています) 1987-03 居飛穴なんかコワくない,神谷広志,中原誠監修,MYCOM |
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マイナビ将棋BOOKS これで万全!奇襲破り事典 ![]() |
本間博 マイナビ出版 ISBN:978-4-8399-6091-9 2017年1月 \1,663 224p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★ 〜★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜有段向き |
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第1章 「鬼殺し」 鬼も驚く桂馬の二段跳ね 第2章 「新鬼殺し」 賢い鬼は玉の早逃げ 第3章 「急戦石田流」 アクロバティックな受けは要らない 第4章 「先手番早石田」 久保新手を打ち破る 第5章 「パックマン戦法」 堂々とパクついて勝つ 第6章 「筋違い角」 対策はより取り見取り 第7章 「嬉野流」 最初の2手見て侮るなかれ 第8章 「超急戦棒銀」 銀と歩だけで矢倉を壊す 第9章 「後手番角頭歩」 プロで流行の兆し 第10章 「端角中飛車」 飛車と角で中央突破 第11章 おさらい問題(18問) ・【コラム】(1)将棋界今昔「記録係」1 (2)将棋界今昔「記録係」2 (3)将棋界今昔「データベース」 (4)「聖の青春」 ◆内容紹介 将棋をやっていれば誰でも、奇襲を見事に喰らい、なす術もないまま敗れたことがあるでしょう。実力を出し切って負けたのならまだしも、「対策を知らないから負けた」では悔しすぎます。 筋違い角、急戦石田流、鬼殺し、パックマン戦法、嬉野流・・・。 奇襲は確かに最善の指し方ではないのかもしれませんが、そう簡単に勝てないようになっているのも事実。特に優秀な奇襲には2重3重のワナが張り巡らされているのが普通で、プロ公式戦で採用されることも少なくありません。 ではどうすれば奇襲を破れるのか?? 本書では、「奇襲に備えるには、まず足元を固めること」だと教えています。つまり、まずは奇襲の狙い筋、成功例を熟知することから始めるのです。 書籍中では全ての奇襲について「奇襲成功図」までの手順を紹介しています。そのうえで、対策の方向は3つに分かれます。 (1)相手の狙いを外す (2)がっちり受け止める (3)ハメ手の裏をかく (1)はそもそも奇襲の局面にさせないという方法です。これも有力ですが、少し逃げ腰でしょうか。(2)は奇襲を真っ向から受け止め、最善手で返すということ。これこそ奇襲破り、と言いたいところですが、最強の応手は(3)でしょう。奇襲の狙いを看破したうえで、それを逆手に取って勝つ。これほど痛快な勝ち方はありません。 本書には奇襲の裏も表もすべて記載されていますから、奇襲破りはもちろん、奇襲を使うこともできてしまいます。いち早く本書を手にとって、奇襲の世界を完全に自分の物にしてください。 |
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奇襲戦法のアラカルト本。 奇襲を扱った本はいくつもあるが、普通は「奇襲の成功例」を解説して、「奇襲を指してみたくなる」ことを目的にしたものがほとんどである。 逆に、奇襲をやられて困った経験は、誰しもあるだろう。せっかく四間飛車の定跡を覚えたのに、いきなり3手目角交換orz、とか、中飛車から中央を一点集中されて、どうにもこうにも受けられないとか。「プロが使わない戦法なら無理筋だ」と思っていても、それをちゃんと受けられない自分が悔しくてたまらないのである。 かといって、その対策はどこを見ればいいのか…。安心してください。本書にはちゃんと載ってます。 本書では、奇襲の狙いや成功例を示したあと、その対策を複数示していく。戦法によっては、奇襲を封じるだけでなく、あえてハマり筋に飛び込んだように見せて切り返す、というような、まさに「奇襲使いをギャフンと言わせる」という、爽快な作りになっている。 扱う戦型は、奇襲オブ奇襲の「鬼殺し」や「パックマン」から、アマで出現率の高い「急戦石田流」や「3手目角交換の筋違い角」、ユニーク戦法といえる「嬉野流」、トッププロでもかつて流行した「矢倉の△一直線棒銀」、プロの一部でつい最近流行の「後手番角頭歩」など、バラエティ豊か。有段者ならよく知っている対策ももちろん出てくるが、初めて見るようなものもある(少なくとも単行本では)。 各章の内容を、簡単なチャートと図面を添えながら紹介しておこう。……レビューの続きを読む(2017Feb24) |
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マイナビ将棋文庫 将棋・B級戦法の達人 ![]() |
週刊将棋/編 マイナビ出版 ISBN:978-4-8399-6031-5 2016年7月 \1,339 480p/16cm |
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第1部 将棋・B級戦法の達人
第2部 将棋・B級格言の達人
◆内容紹介 |
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下記2冊を合本し、文庫化したもの。それぞれレビュー済みです。 2002-01 B級戦法の達人プラス,週刊将棋編,MYCOM 1995-08 金言玉言新角言,週刊将棋編,MYCOM |
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マイナビ将棋文庫 奇襲大全 ![]() |
湯川博士/著者 森けい二/監修 マイナビ ISBN:978-4-8399-5787-2 2015年11月 \1,231 384p/15cm |
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◆内容紹介 |
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マイナビ将棋文庫 ネット将棋で勝つ 米長の奇襲 ![]() |
米長邦雄 マイナビ ISBN:978-4-8399-5700-1 2015年8月 \1,328 448p/16cm |
[総合評価] |
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第1部 角頭歩戦法
第2部 新鬼殺し戦法
◆内容紹介 |
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奇襲戦法の解説書。『将棋奇襲(1)
角頭歩戦法』『将棋奇襲(2)
新鬼殺し戦法』(山海堂,初出1974年)を合本文庫化したもの。 それぞれレビュー済みです。 |
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マイナビ将棋BOOKS 奇襲研究所 嬉野流編 ![]() |
天野貴元 マイナビ ISBN:978-4-8399-5569-4 2015年5月 \1,663 224p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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・【コラム】(1)奇襲戦法に3連敗 (2)プロを目指す者にとっての奇襲戦法 |
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「嬉野流」の戦術書。 「嬉野流」は、アマの嬉野宏明氏が編み出した戦法で、読み方は「うれしの流」。初手から▲6八銀!△3四歩▲7九角!と、飛先も角道も開けずに自陣の駒を動かすかなり異筋な作戦だが、単なるハメ手ではない。元奨の天野氏(著者)がこの戦法を見出して研究を深め、2度の全国大会優勝に貢献した、立派な総合戦法である。 しかし嬉野流は、これまでの棋書には載っておらず(少なくとも私は見た記憶がない)、その全体像を知る人はほとんどいなかった。 本書は、嬉野流の狙い筋から戦い方までを明らかにした戦術書である。 各章の内容を、チャートを添えながら紹介していこう。……レビューの続きを読む(2019Jul06) |
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マイナビ将棋BOOKS 奇襲振り飛車戦法 〜その狙いと対策〜 ![]() |
飯塚祐紀 マイナビ ISBN:978-4-8399-5372-0 2014年12月 \1,663 224p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★☆ 〜★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
Kindle版 ![]() |
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・【コラム】(1)米長先生 (2)升田先生 (3)将棋ウォーズ (4)将棋ソフト (5)その他の奇襲戦法 (6)阪田三吉の阪田流 (7)タイトル戦で指された角頭歩 (8)現代に生きる鬼殺し |
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奇襲戦法の解説書。 ネット将棋が普及するにつれて、奇襲戦法を指せる機会は増えている。かつては、将棋は知り合い同士や、道場などの限定されたコミュニティで指されることが多かったため、奇襲戦法は一度は通用するものの、次第にみんなが警戒するようになってくる。また、「奇襲戦法ばかり使っていると上達しないよ」とアドバイスされることもあり、特に上達を志す人が奇襲戦法を指すことは少なかったように思う。 しかし、将棋倶楽部24の登場によって、不特定多数と指せるようになり、奇襲が決まる機会は多くなった。将棋ウォーズが流行してからは、超早指し戦が多く指されていることもあり、その傾向は強まっていると思う。逆に言えば、メジャーな奇襲への対策がなければ、何度でも同じ筋にハマってレーティングが上がらない、そんな時代になっているのだ。 本書は、特にネット将棋で猛威を振るっている振り飛車の奇襲戦法を解説したものである。 本書で解説されているのは、10戦法+α。「+α」の部分はコラム5, 8に書かれているもので、金沢流3手目▲6六角、森安流袖居飛車穴熊、門倉流初手▲7八飛の3戦法。合計13戦法が紹介されている。 これらの戦法は、実は過去の奇襲戦法の本にも紹介されたものが多い。ただし、過去の本では主に成功例のみを示していたことが多かったが、本書では成功例(狙い筋)と対策の両方が書かれている。オビでは「ネット将棋で面白いように勝てる10の戦法」と煽りコピーを入れているが、どちらかといえば対策を重視して書かれている傾向がある。 いずれも、将棋ウォーズの3分切れ負けなどで飯塚が実際に何度も試してまずまずの成果を得たとのことで、単なる机上論や級位者だけがハマるというものではない。 各戦法を、チャートを添えて紹介していこう。なお、各戦法が紹介されている過去の本のリンクも添えておくので、興味のある方は参照してほしい。……レビューの続きを読む(2015Jan20) |
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週将ブックス 痛快!ワンダー戦法 ![]() |
週刊将棋/編 毎日コミュニケーションズ ISBN:978-4-8399-2655-7 2007年11月 \1,449(5%税込) 224p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)A レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 上級〜有段者向き |
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◆内容紹介(MYCOMホームページより抜粋) |
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奇襲戦法・変則戦法の解説書。『我が道を行く定跡の裏街道』(2004)以来、およそ3年ぶりとなる週刊将棋系の奇襲本だ。 基本的な構成は以前と同じで、主要変化は1つ〜3つ。だいたい片方が一方的に成功する。ただ、以前よりも胡散臭さ、というか怪しさはアップしていて、まさに「ワンダー」な感じがするものが増えている。なお、第1章「すぐに使えるワンダー戦法」と第2章「すぐに戦うワンダー戦法」と分かれているが、特に明確な差はない。 ●使ってみたいと思ったもの: ・「矢倉・左美濃」(むしろ相手にやられたら咎め方が分からない) ・「地下鉄中飛車」(まぁワンダー戦法というより、中飛車やっていれば普通に出そうな筋) ・「右四間6筋位取り」(右四間の攻撃型で相手の陣形を固定させて別のところを攻める。飛車落ち▲巨泉流の思想と同じ。わたしに合っているかも) ●これはダメだろうと思ったもの: ・「対升田式・地下鉄飛車」(狙いは面白いが、後手が飛車先を伸ばさないのになぜ先手は飛車を浮くの?) ・「新アヒル戦法」(なぜ後手は▲7五角を威張らせておくの?) ・「7七銀型四間飛車」(なぜどの例も悪型の▲7七銀を相手にしているの?) 基本的には、使えるかどうかは自己判断で。本文中に「実戦的には先手がいい」とか「相手は○○のはずだ」とか「初段以下なら」とか書いてある場合はマユツバだと思っていいかも。 ただし使える使えないは別にして、いろいろな発想のヒントになると思うので、訝りながらでも読んでおくべきだと思う。 なお、「ワンダー戦法」が「wonder戦法」なのか「wander戦法」なのかは不明。 wonder:不思議な、驚くべき、疑問に思う、不思議に思う、etc. wander:ぶらぶら歩くこと、さまよう、横道にそれる、正道をそれる、etc. たぶん「wonder」だと思うが、「wander」でも意味は通るなぁ…。(2008Mar28) ※本書の出版時には、週刊将棋の「痛快!ワンダー戦法」はまだ連載中だったので、もう一冊出ると思われる。 |
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MYCOM将棋ブックス 神戸発 珍戦法で行こう ![]() |
島本亮 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-8399-2157-1 2006年9月 \1,449(5%税込) 224p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)A レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜有段向き |
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【1ページ講座】9八香戦法/角落ち上手 |
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奇襲戦法・ユニーク戦法の解説書。週刊将棋2005年9月14日号〜11月30日号に連採された「神戸発
珍戦法のススメ」を全面加筆修正したもの。 目次を見ても、どんな戦法か分からないものがほとんどだと思うので、図面を添えて紹介していこう。……レビューの続きを読む(2011May22) |
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週将ブックス 我が道を行く定跡の裏街道 ![]() |
週刊将棋/編 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-8399-1641-1 2004年12月 ¥1,365(5%税込) 222p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)A レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 上級〜有段者向き |
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◆内容紹介(MYCOMホームページより) |
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奇襲戦法・変則戦法の解説書。タイトルからは『定跡外伝』系の香りがするが、実際の内容は『奇襲大全』『B級戦法の達人』系である。 一つの戦法に対し、主要変化は多くて3つ、少ないと1つ。基本的には片方が一方的に成功して終わる。相手側のどこに問題があるのか、どうなれば互角なのかは書いていない。 前述の2冊に比べて、「よい意味でのうさんくささ(笑)」は上がっている感じがした。片方側に肩入れした解説は相変わらずである(笑)。良く言えば、「優劣がハッキリしている」。あまり解説を鵜呑みにせず、「本当にそうかぁ〜?」と一歩引いた目線で見てみると良い。 一方で、「これ使ってみたい!」という戦法は少なくなった。戦法というよりは、「作戦」「構想」といった類のものが増え、『奇襲大全』に載っている戦法よりもとっつきにくい。 ただ、1-(5)(8)や2-(3)(4)などは、「自分で使う」というよりも「知っていないとマズい」ので要チェック。面白い変化はいくつも紹介されているので、読んでみる価値は十分にある。(2005May11) |
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NHK将棋シリーズ パワーアップ戦法塾 ![]() |
豊川孝弘 日本放送出版協会 ISBN:4-14-016122-1 2004年3月 \1,000 224p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:B 解説:B 読みやすさ:B 中級〜上級向き |
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・【コラム】(1)詰将棋で終盤力を強化!
(2)相対性理論 (3)富沢幹雄八段 (4)戦法は夢いっぱい |
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奇襲戦法・ユニーク戦法の解説書。NHK講座「ファイター豊川のパワーアップ戦法塾」(1999年度後期)をまとめたもの。 指して楽しい個性的な25戦法を紹介。基本的に先手が勝ちになる展開を紹介。後手の作戦の場合は、先後逆表記で手前側(実際は後手)が勝ちになる。作戦を防ぐ方法や、互角にとどめる方法についてはノータッチ。 各戦法の解説は、[パワーアップ図(ハイライト図)]→[初手からの解説]→[エッセンス(まとめ)]という流れ。[パワーアップ図]は次の一手問題になっているので、本文を読む前に一考しておくと良い。[まとめ]は、戦法を指しこなすときのポイントが箇条書きで書かれている。 目次を読んでもよく分からない戦法がいくつかあるので、ピックアップして説明していこう。 戦法ピックアップ 本書の内容は、片方が一方的に勝っているので公平な視点ではないものの、戦法の狙いを分かりやすく解説しているという点では良かった。ただ、非常に読みにくくてストレスがたまる。それは決して豊川のダジャレのせいではなく(※を参照)、図面配置のせい。図面の配置が「開始図→棋譜」でなく、「棋譜→結果図」という構成なので、開始図を探したり、前ページをめくり戻しながら何度も見直すという作業が頻繁に発生してしまっている。 文章は読みやすくて分かりやすいだけに、残念。ただ、他書よりも深く切り込んでいる箇所もいくつかあるので、読みにくさを我慢して読む価値はあると思う。(2010May08) ※ダジャレで知られる豊川だが、本書ではほとんどなかった。『メリケン向飛車』(横山公望,三一書房,1995)みたいにならなくて良かった…。と油断していたら、後半には高度な(?)ダジャレがちょこちょこあった。(例:p211「完封マサチューセッツ州」(完封→乾布摩擦→マサチューセッツ)) ※誤植、誤字 p132 ×「結局3図(129ページ)で、」 ○「結局B図(131ページ)で、」 p169 ×「△8三歩と誤るのは」 ○「△8三歩と謝るのは」 p210 ×「非情な一手▲7五歩」 ○「非情な一手▲7五馬」 |
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将棋必勝シリーズ 居飛車奇襲戦法 ![]() |
井上慶太 創元社 ISBN:4-422-75081-X 2002年7月 \1,200 222p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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奇襲戦法の解説書。今まであまり他書には書かれなかった4戦法を詳しく解説している。 第1章は2手目△7四歩戦法。初手から▲7六歩△7四歩。以下▲5五角(疑問手)△3四歩▲8二角成△同銀▲8八銀△9五角というハメ手パターンが他書でよく紹介されている。これも基本的な狙い筋だが、本書では一歩進んで「ハメ手に相手が乗らなかった場合の攻撃法」を詳しく解説している。7筋の歩が早く切れるので、飛桂の協力で7七を中心に攻撃できる。本書の解説どおりに進んでくれるかどうかは微妙だが、少なくとも手将棋に持ち込めるし、そう簡単には作戦負けにならなのが魅力。なお、この戦法は数少ない後手番専用の奇襲だが、本書では便宜上先後逆で解説されている。 第2章は、横歩取り△4五角の先手バージョン。初手から▲7六歩△3四歩▲1六歩△8四歩▲2六歩…と、3手目に▲1六歩と突いてわざと後手番の形になるというものだ。△4五角戦法の決定版とされる「▲8五飛(この場合は△2五飛)」が、端が突いてあることで成立しない。解説されている大部分は、通常の△4五角戦法とほとんど同じ変化だが、普段は後手番でしか書かれない“横歩取られ側”が先手番になっているので、いつもとは違った感覚で局面を眺めることができるかも。端歩の効果に関する記述は105p〜106p。△4五角戦法の変化に詳しい人は、ここだけ読めば良いだろう。他の3戦法と違って、この戦法は研究どおりの局面になる確率が非常に高いので、オススメだ。σ(^-^;)が相手のときは使わないでね(笑) 第3章の浮き飛車棒銀は、先手番専用。相掛かりで▲2六飛と浮いたあと、▲3八銀〜▲2七銀〜▲3六銀と動く。4戦法の中ではやや指しこなすのが難しいが、後手側の対策も難しいので、先手が主導権を握りやすい。ただ残念なのは、アマではなかなか相掛かりになりにくい。 第4章の美濃崩し▲8六銀は、美濃囲いを玉頭から速攻で潰してしまおうというもの。本書の中ではもっとも奇襲色が強い。ガチガチの四間飛車党相手なら、一気に攻めつぶせる。ただし、初手から▲7六歩△3四歩に▲4八銀が序盤のネック。△4四歩なら問題ないが、△8四歩のときに苦しくなりやすい。この辺は、英春流などを勉強してカバーされたし。一応、先手番用だが、工夫すれば後手番でも使えるかもしれない。 全体的に変化はやや浅いが、フラットな解説で読みやすい。最初は割とまじめな解説なのだが、ページが進むにつれて、だんだんフランクな表現になる(特に第3章)のが可笑しかった(笑)。井上らしさが出ている。(2004Feb12) |
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将棋必勝シリーズ 振り飛車奇襲戦法(2) 阪田流向かい飛車・ 奇襲袖飛車・相振り奇襲 ![]() |
小林健二 創元社 ISBN:4-422-75080-1 2002年7月 \1,200 206p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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◆内容紹介 |
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奇襲戦法の解説書。どこかで見たような戦法が多い気がする(^-^;A
基本的に実戦解説形式で、最終盤まで詳しく解説している。もっとも、乱戦になりやすい戦法ばかりなので、本書のように進んでいく可能性は低め。 第1章はご存知、阪田流向飛車。他の多くの本でもお目にかかることができるメジャーな奇襲で、小林自身の著書『力戦!スーパー振り飛車』(1997,MYCOM)にも詳しく書かれている。本書では阪田流の展開例を4つ解説。 第2章の奇襲袖飛車は、別名「森安流袖飛車穴熊」「棒玉穴熊」などとも呼ばれる形がメイン。有段者ともなれば、単純な奇襲袖飛車には引っかからない。しかし本書の袖飛車穴熊は、作戦に融通性があり、また奇襲戦法には珍しく玉を堅く囲えるのが大きな特徴。挑発度も抜群なので、得意戦法にするのも大いに面白いと思う。ただ、本書の解説はわずか2例なので、どこまで参考になるか。基本だけを押さえたあとは、実戦でコツを掴んでいくべし。 第3章の相振り奇襲は、前半が▲石田流から相振り模様になったときの奇襲。先手番で使うというより、むしろ後手番でハマらないように知っておいた方が良い。後半は相石田流の実戦解説風。振飛車党同士が互いに意地を張ったときによくこの戦型になるが、案外おとなしい戦いになることもある。本書で紹介されている展開は、奇襲とは思えないほど地味。ただし、石田党には必要な知識である。 本書は全体的に、奇襲本としてはややハッキリしない展開が多い。最善を尽くせば互角なのかもしれないが、成功例や基本的な狙い筋は、もっと明解に書いた方が分かりやすかったと思う。(2004Feb27) |
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B級戦法の達人![]() |
週刊将棋/編 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-695-X 1997年9月 \1,200 223p/19cm |
[総合評価] |
難易度: ★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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B級戦法の達人プラス![]() |
週刊将棋/編 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-8399-0660-2 2002年1月 \1,300 255p/19cm |
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※『プラス』の内容です。太字は『プラス』で追加された戦法です。
◆内容紹介(オリジナル版のオビより) |
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(プラス版) 『B級戦法の達人』(1997年)に3つの戦法を加筆して再版されたもの。B級戦法とは、プロではあまり指されないマイナーだが味のある戦法のこと。ハメ手とは違うので、相手が知っていたら即失敗、にはならない。自信を持って採用していい と思う。平美濃返しやポンポン桂は得意にしている人もときどきいるので、A級戦法しか指さない人も知っておきたい。 |
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将棋必勝シリーズ 振り飛車奇襲戦法(1) 石田流・奇襲中飛車・立石流 ![]() |
小林健二 創元社 ISBN:4-422-75079-8 2001年10月 \1,200 230p/19cm |
[総合評価] |
難易度:
★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 読みやすさ:B 初級〜中級向き |
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第一章 石田流(早石田/升田式) 第二章 奇襲中飛車(ヒラメ/力戦中飛車) 第三章 立石流 ◆内容紹介(表紙より) 低い姿勢で好機を待ち、スキを見てはジャブを放つ、奇襲戦のだいご味はここにある。まさに機を見るに敏、勝ちを得るに瞬──。状況に応じた戦い方をたくさん覚えれば、勝負の勘所が自然に分かってくる。 |
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振飛車の奇襲戦法の解説書。 対居飛車穴熊の有力な対策・立石流について書かれた数少ない本・・・と期待したが、指し方の紹介にとどまっていて中途半端な構成。級位者向けだが、この本 を読んだだけでは、各戦法を指しこなすのは難しいだろう。石田流系・中飛車系・立石流で別々の本にしてほしかった。 |
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新版 奇襲大全![]() |
湯川博士/執筆 森 けい二/監修 週刊将棋/編 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-8399-0177-5 1999年3月 \1,200 239p/19cm |
[総合評価] |
難易度:
★★★★ 図面:見開き4〜6枚 内容:(質)B(量)A レイアウト:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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(太字は「新版」で追加された戦法です)
◆内容紹介 |
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奇襲戦法の解説書。 全国のアマ強豪から募集した珍戦法を収録。『奇襲大全』(1989年)に3つの戦法を加えて再版された。プロも指しそうな本格派から相手のミス待ち戦法まで、 「こんな指し方があるのか!」とびっくりする。実戦でびっくりする前に知っておけば憂いなし。使われている紙が悪いのがかなり不満だが(笑)。 ほとんど実戦解説のような感じなので評価はBとした(A以上にしなかった)が、他の本には載ってない戦法が多いので持っておいて損はない本だ。 |
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奇襲虎の巻 明日からすぐ勝てる ![]() |
神谷広志/著 週刊将棋/編 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-621-6 1994年12月 \1,165 222p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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MYCOM将棋文庫(11) 奇襲虎の巻 明日からすぐ勝てる ![]() |
神谷広志 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-8399-1092-8 2003年5月 \700 225p/16cm |
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◆内容紹介 |
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奇襲戦法の解説書。 ハメ手からプロも使うような作戦まで、かなり幅広く扱っている。しかし、どこかで見たような戦法が多く、独自色は薄い。個人的には、第1章の原始中飛車は参考になった。でもこれを食らわないためにはどうしたらいいのかが分からない…(笑)。 解説は、基本的に奇襲側が一方的に良くなっているものが多いので読んでいて気持ちよい。その一方で、対策はほとんど書いていないので自分で考える必要がある。 「奇襲戦法で対策を書いてしまったら使えないじゃないか!」という意見もあるだろうが、奇襲を使う側としては「相手が最善を尽くしてきたらどのような戦いになるのか。互角なのか、失敗なのか(←これは重要かと)」というのは知っておきたいところだ。この辺は各人で見解が分かれると思うので、ご自身で判断していただきたい。 文章は読みやすい。が、あまり“神谷らしさ”は感じられなかった。“著者名なし、週刊将棋・編”の棋書を読んでいるような印象を受けた。もう少し文体にクセがあっても良かったかと思う。 なお、オリジナル版では、著者の似顔絵と思われる変なイラスト(笑)が図面の間に挿入され、一言コメントが添えられている。たいした内容のコメントはないが、このイラストのおかげで構成に余裕があり、かなりとっつきやすくなっている。(2004Feb05) |
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王将ブックス 将棋入門 一手の奇襲 ![]() |
鈴木宏彦 北辰堂 ISBN:4-89287-109-5 1993年7月 \1,165 220p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 初級〜中級向き |
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◆内容紹介(表紙より) |
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将棋入門&奇襲戦法解説&エピソード集の本。 本書のコンセプトは、「入門者や初級者が最初から定跡を学んでいくなんてつまらない。明らかにダメな手でなければ自由に指そうではないか」という感じ。 普通は損な手とされる「初手▲3六歩」「2手目△3二金」や、有名な奇襲「早石田」「鬼殺し」などをやさしく解説。単なるハメ手や奇襲の紹介だけでなく、大橋柳雪(江戸時代)や阪田三吉(昭和初期)、先崎学(現役)たちののエピソードも交えられていて面白い。 特に阪田流二枚落ち定跡の紹介(172p〜180p)は他書で見たことがない。力が結構必要な形なので、実際に使えるかどうかは難しいが、頻繁に二枚落ちを指すならたまに使ってみると面白いかも。ただし、気心の知れた上手に使うべし(笑)。 一応、駒の動かし方から解説されているが、基本的にはちょっとは将棋を指したことのある人が対象だと思う。これを「将棋入門」と言ってしまうのはちょっと微妙。本当の入門者は買わないように。 量が少なくてあまり実用性もないのでCとしたが、内容はなかなか面白いので一読の価値あり。(2005Feb19) |
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屋敷伸之の忍者将棋 奇襲!! 将棋ウォーズ ![]() |
湯川博士/著 屋敷伸之/監修 高橋書店 ISBN:4-471-13139-7 1992年2月 \1,000 206p/19cm |
[総合評価] |
難易度:
★★★☆ 図面:見開き4〜6枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 読みやすさ:A 中級〜有段向き |
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奇襲戦法の解説本。本書のタイトルや各章のサブタイトルを見れば分かるように、将棋の戦法を実際の戦争になぞらえて、興味をそそる文章でつづっている。どうやら、湾岸戦争(1991)の影響を受けているらしい。そういえば当時、スカッドミサイルとかパトリオットとかが流行ったなぁ。今となっては、やや時代を感じる文章になっている。( ̄-  ̄←遠い目 構成は、姉妹書の『超急戦!!殺しのテクニック』とほぼ同じ。注目局面を“ウォーズシーン”として冒頭に掲げ、続いて初手からの指し手を解説し、奇襲が成功した時点で解説終了。最後に“奇襲封じテクニック”として、一発もらわないための提案がなされている。ただしこの“奇襲封じ”は根本的なものではなく、「作戦負けを甘受してでもツブレを回避する」というものが多く、『超急戦!!〜』の“サバイバルテクニック”に比べるとやや不満を感じた。 なお、屋敷プロ監修なのに、屋敷の実戦やコメントが全く出てこないのがとても残念だった。 さまざまな奇襲本を参考にして再構成された本のため、「本書でなければ読めない」というものはない。ただし、いろいろな奇襲戦法が載っているので、『奇襲大全』を読んでいないのなら本書で代用するのも良いかと。(2004Jan20) |
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奇襲大全![]() |
湯川博士/執筆 森 けい二/監修 週刊将棋/編 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-536-8 1989年12月 \951 302p/22cm |
[総合評価] |
難易度:
★★★★ 図面:見開き4〜6枚 内容:(質)B(量)A レイアウト:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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(太字は『新版 奇襲大全』にそのまま載っているもの、それ以外は再構成されてコラムとして掲載されているものです)
【コラム】勝つコツ=1p*10 |
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奇襲戦法の紹介本。 全国のアマ強豪から募集した珍戦法、プロも指したビックリ戦法を収録。いずれも本筋とはいえない指し方だが、咎めるとなると難しいものも多い。何か変わったことをやりたい、相手の予想を外したいと思っている方にはピッタリだ。逆に定跡党の人も、指されたときのためにチェックしておいた方がいいだろう。 本書に載っている戦法は全て、『新版 奇襲大全』にも収録されている。ただし、一部の戦法は『新版』では圧縮されてコラムとして掲載されているので、少しでも詳しい解説を読みたいなら本書も読んでおこう。 なお、本書のコラムは『新版』には載っていない。結構読み甲斐があって面白いので、『新版』を持っている人も一度図書館で借りてみては。コラムを加味して『新版』よりも高い評価をしました。(2003Apr24) |
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塚田泰明の速攻将棋 超急戦!! 殺しのテクニック ![]() |
横田稔/著 塚田泰明/監修 高橋書店 ISBN:4-471-13136-2 1988年11月 \1,000 206p/19cm |
[総合評価] |
難易度:
★★★☆ 図面:見開き4〜6枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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・戦法数=30、塚田実戦譜=3 (相掛かり▲3七桂/鎖鎌銀/角換わり棒銀大友流の裏/角換わり相早繰り銀/雀刺し/矢倉△居玉棒銀/カニカニ銀/雁木/ヒネリ飛車/相掛かり塚田スペシャル/対中飛車▲1六角/対四間飛車▲速攻4六銀/石田崩し/棒銀対振り穴/単騎桂対振り穴/居飛穴対策/メリケン向飛車/ヒラメ/中飛車ハメ手/奇襲袖飛車/向飛車▲6六角/阪田流向飛車/升田式石田流/相早石田/筋違い角矢倉/相横歩取り/5筋突き合い相横歩取り/横歩取り△4五角/横歩取り△2三歩型) ◆内容紹介 将棋の魅力はなんといっても攻めることにある。本書はいわゆる普通の定跡書ではない。柔道や空手に“型”があるように、将棋にも攻めの“型”というものがある。その型を30パターンお見せしようというわけだ。30種、どの戦法をとっても敵の意表をつく妙手、好手、奇手がちりばめられている。 |
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超急戦戦法の解説書。 各章にミステリー小説のようなサブタイトルがついていてユーモラスだが、 内容は本格的。プロの実戦に現れたことがある超急戦やB級戦法が掲載されている。 手数の短い超急戦だけに、似た局面が実戦に登場することもしばしば。 しかしこの本の秀逸なところは、章末に対抗方法が載っていること!ハメ手は少ないので、対抗してもされてもいい勝負になるが、攻め側が一方的に良くなって終わる本が多い中、すばらしい構成だと思う。 |
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王将ブックス DELUXE版 C ハメ手シリーズ(2) 奇襲戦法 下 ![]() |
芹沢博文 北辰堂 ISBN:4-89287-037-4 1988年7月 \800 158p/19cm |
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第1章 原始棒銀 第2章 坂田流向い飛車 第3章 筋違い角向い飛車 |
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王将ブックス DELUXE版 C ハメ手シリーズ(1) 奇襲戦法 上 ![]() |
芹沢博文 北辰堂 ISBN:4-89287-036-6 1988年7月 \800 158p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 初級〜上級向き |
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◆内容紹介(はしがきより抜粋) |
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奇襲戦法の解説書。 本書で解説されている戦法は、「鬼殺し」・「ヒラメ中飛車」・「角換わり筋違い角+向飛車」の3つ。この中で鬼殺しは初級者向きで、残りの2つはやや上級向きとなる。 各戦法ごとに、先に成功例(ハマリ例)を紹介し、後で受け止め方を解説している。これは同シリーズの『ハメ手撃破戦法』(1986)などと同じ。量的には多くないが、ポイントを絞った解説で分かりやすい。 鬼殺しは「△6二金」を知られていたらどうしようもないのであまりオススメできないが、他の2つは正確な対応をされても結構有力。 特に筋違い角向飛車はオススメ。感覚的には阪田流向飛車に近いし、阪田流と違って後手側に避ける権利がない。もちろん、角換わりにするかどうかの権利はあるが、角換わり志向の狙いを外す意味もあって面白く戦える。「角換わり棒銀や腰掛銀は研究(勉強)将棋でつまらない」という方は、ぜひ一度お試しあれ。(2004Oct18) |
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米長上達シリーズ(4) 奇襲戦の極意 ![]() |
米長邦雄 昭文社 ISBN:4-398-23504-3 1988年1月 \550 158p/15cm |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き2〜4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:B 解説:B 読みやすさ:B 中級〜上級向き |
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◆内容紹介(「はじめに」より抜粋) |
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奇襲戦法の解説書。 本書で解説されている戦法は4つ。角交換を基調とした振飛車系が多いものの、4つとも全然違う戦法なので、順番に解説していこう。 第1章は角交換中飛車。現代の先手ゴキゲン中飛車にかなり似た戦法で、中央突破や浮き飛車からの捌き、8筋逆襲など参考になる手筋も多い。現代なら奇襲とは言われないと思う。 ![]() 第2章は角交換四間飛車。こちらは現代のものとはかなり違っていて、振飛車側は早囲いから角交換をしたあと、右銀(玉側の銀)を前線に出していく(左図)という、異様な戦法である。江戸時代からあった戦い方ではあるが、奇襲というより力戦に近いか。自玉はかなり薄いので、金銀の厚みと持ち角の威力で押していけるかどうかがポイント。力自慢の人向けだろう。 第3章は奇襲袖飛車。序盤で角道を止めて振飛車を匂わせ、△3二玉と囲わせておいて、3筋から玉頭を急襲するというもの。昭和初期にはプロ高段者の実戦例もある。最近は戦法が多様化して、角道を止めたからといって振飛車確定ではないため、このように不用意に玉を囲う人はあまりいないので、使える機会は少ない。この戦法については『袖飛車戦法』(北村昌男,北辰堂,1975)が詳しい。 第4章は筋違い角。3手目角交換ではなく、純正角換わりの出だしから▲4五角と打つもの(右図)。ある程度後手の形が確定しているので、力戦にはなりにくく、先手の狙い筋を実現しやすいという利点がある。半面、玉を固めにくく駒組みも難しいので、独特の感覚を持った人向け。この戦法については『奇襲戦法 上』(芹澤博文,北辰堂,1988)も参照すると良い。 ポケットサイズの本でレイアウトが苦しいためか、図面と解説が飛んでいることもあり、ときどき読みづらさを感じた。同社の前シリーズではそんなに違和感がなかったので、編集の上手さの差かもしれない。 一戦法あたりの解説量はそれほど多くないので、本格的に採用するにはちょっと物足りない。「いろいろな戦法を知っておきたい」という人はご一読を。(2010Feb07) ※誤植(第5版で確認) p154 ×「△3三銀左は…」 ○「△3三銀右は…」 |
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王将ブックスDELUXE版 C ハメ手シリーズ(3) ハメ手撃破戦法 ![]() |
芹澤博文 北辰堂 ISBN:4-89287-038-2 1986年8月 \800 158p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:B 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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奇襲戦法の解説書。 各戦法ごとに、先に成功例(ハマリ例)を紹介し、後で受け止め方を解説している。量的には少ないし内容も薄めだが、サラッと読みやすいので、戦法の狙い筋は理解しやすいと思う。 本書に載っている10戦法は、あまり他書では見たことがないものが多い。いずれの戦法も、有段者でも一発決まる可能性は高いと思う。ただし、狙いが単調なものが多く、正確に受けられると立て直しが難しい。タイトル通り「ハメ手」の類なので、多用すると棋力アップに弊害がありそうだ。むしろ、一発もらわないための防衛策として読んでおくと良いと思う。(2003Nov11) |
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初段に挑戦する将棋シリーズ(15) 魔法のハメ手 ![]() |
内藤國雄 創元社 ISBN:4-422-75065-8 1986年6月 \850 190p/18cm |
[総合評価] |
難易度:
★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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『ハメ手には2種類ある。1つはそれにひっかかってくれないと自分がやられてしまうというもの。(中略)もう1つは相手がそれにはまってこなくとも、少しも差し支えないものだ。私たちの心得としては、一つ目のハメ手にははまらないこと、仕掛けるときはもうひとつの方のハメ手にすること、これが大切なことである』(はしがきより抜粋) 本書には前者のハメ手も解説してあるが、どちらかといえば相手が無理な狙いで仕掛けてきたときのとがめ方の方を多く紹介してあるように思った。タイトルからは“ハメ手推奨本”に思えるが、実際は“ハメ手・無理手の対策本”だ。同シリーズの『奇襲戦法』とは似て非なる本である。(2002Oct09) |
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ヤング・レジャー(39) 内藤国雄の 袖飛車戦法と石田流 ハンディ版 ![]() |
内藤国雄 ひばり書房 ISBN:4-8280-6008-1 2076-313930-7108 1984年5月 \680 222p/18cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き3〜4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
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奇襲・ユニーク戦法の定跡研究書。 解説されている戦法は、袖飛車・雁木・升田式石田流の3つ。タイトルが「袖飛車戦法と石田流」なのに、なぜか雁木戦法もたっぷりページを取っている(笑)。それぞれ「新」と付いているのは、それぞれ従来の指し方とは違う、(当時としては)新しい指し方を紹介しているから。 たとえば袖飛車戦法は、従来は後手の振飛車模様に対して、先手が早々と舟囲いに組んだときに、玉頭を強襲するという奇襲色の強いものだった。それが本書では、単純な奇襲にならないように工夫されている。ただし、「袖飛車戦法」は同じ内藤の著書『空中戦法』(筑摩書房,1983)でも同じくらいの量が解説されている(この本も、なぜ「空中戦法」なのに袖飛車が…)。本書の方が少しあとで書かれているので、違いを見比べてみるのも良いが、基本的には似たようなことが書かれている。 個人的な注目は第3章。升田式の解説(第3節以降)に入る前に、早石田の変化を扱っているが、基本変化以外で他書ではあまり見かけない変化が解説されている。たとえば、▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7六飛△8五歩▲4八玉に、「△8八角成▲同銀△4五角は▲7六角で、先手の角の方が働きが良く先手良し」というのが一般的な棋書の解説。本書ではそこからさらに深く斬り込んで検討していて、実際は難しい勝負だということが分かる。また、▲7四歩△同歩▲2二角成△同銀▲5五角の基本変化も、「▲2二角成で▲7四同飛ならどうか」というのはあまり他書では書いていない。この辺は、古い定跡書でも役に立つ好例だと思う。 レイアウトがいまいちで読みづらいのが残念だが、内容は良い。この3戦法の使い手は、ぜひともチェックしておきたい一冊。(2004Jul15) |
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初段に挑戦する将棋シリーズ(8) 奇襲戦法 ![]() |
森 奚隹二 創元社 ISBN:4-422-75058-5 1983年3月 \850 222p/18cm |
[総合評価] |
難易度:
★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 読みやすさ:A 初級〜中級向き |
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第1章 必殺鬼殺し戦法 第2章 超急戦早石田戦法 第3章 急戦中飛車ヒラメ戦法 第4章 強攻棒銀戦法 第5章 奇法鳥刺し戦法 第6章 力戦坂田流向飛車 ◆内容紹介(表紙より) この相手にはどうしても勝てない。力の差を感じて思うように攻めることができない。そういう苦手は誰にでもいる。こんなときこそ役立つのが奇襲戦法だ。定跡オンリーの相手には特に効果を発揮するだろう。 |
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奇襲戦法の解説書。 初級・中級クラスで頻繁に見られる奇襲が6つ。鬼殺しは△6二金の一発で失敗するのであまり実戦で会ったことはないが、早石田は道場初段クラスでもよく指され、それなりに通用している戦法だ。ヒラメや鳥刺しは奇法ながらかなり本格的な戦法で、有段者でもてこずる。得意戦法の一つとして持っておくのも手だ。 解説は分かりやすく、この本を読んだだ けでもある程度指しこなせる。ややツッコミは浅いものの、級位者にはこの方が混乱が少ない。奇襲戦法の入門書としてはなかなか良質だ。ルールを覚えて将棋が面白くなってきたら、一度手に取ってみよう。 なお、p134の「奇襲戦法の心得」は読み得。奇襲戦法好きな人も、やらないけどよくやられるという人も、一度は目を通しておくと良い。(2002Mar??,rewrite on 2005May09) |
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実日新書D-29 ヘボ将棋の必勝法 一級以下の痛快6戦法 ![]() |
西村一義 実業之日本社 0276-605110-3214 1982年6月 \680 222p/18cm |
[総合評価] |
難易度:★★ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:B 解説:B 読みやすさ:A 初級〜中級向き |
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【将棋の話】玉と歩/取った駒を使う日本将棋/打歩詰はなぜいけない/持将棋の規定/千日手 |
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奇襲戦法と手筋を解説した本。 一応、第2章の「痛快6戦法」がメイン(その割には全体の30%くらいのページ数しかないが…)。縁台将棋での花形戦法6つを解説。サブタイトルに「一級以下の…」とあるが、これらの戦法がよく使われるのは十級以下だと思う。相手方に悪手を指させまくっているので、攻めが気持ちよく決まっているが、残念ながら実戦ではこれほど上手くいかないだろう。唯一、“相掛かり5手爆弾”の項は丁寧な解説がされているので参考になる。 それよりも、サブである第1章と第3章の方が役に立つ。しっかり読んでマスターすれば、手筋・格言・大局観など将棋の基礎力がアップするのは間違いない。それだけで縁台将棋クラスは脱出と言えるだろう。 奇襲の解説本としてはいまいちだが、全体として読んで損はしない。(2004Mar27) |
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早指し将棋の指し方![]() |
淡路仁茂 成美堂出版 ISBN:4-415-04619-3 2376-10190-3838 1980年11月 \500 190p/16cm |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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◆内容紹介(はしがきより抜粋) |
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3種類の奇襲戦法の解説書。 タイトルを見たときは、「持ち時間が多いときと早指しとでは読みのまとめ方が違うから、このように指すべし」という内容だと思っていた。でも実際に読んでみたら、「早指しでは奇襲が有効ですよ、こっちだけ研究してれば相手は対応できないでしょうから」というスタンスで、奇襲戦法の解説が普通にされていた。 第1章は急戦石田流。早石田ではなく、升田式石田流の方。「急戦」と言っておきながら後半は持久戦調になっている。 第2章は筋違い角。メインは3手目角交換からの筋違い角で、一部は角換わり筋違い角もある。角を右に引いて(4七〜3八のライン)敵の飛車先逆襲を狙う「右筋違い角」と、角を左に引いて(6七〜7八のライン)棒銀とのミックスで飛車先突破を狙う「左筋違い角」に分けられている。 第3章は袖飛車。序盤は振り飛車風に展開し、△3二玉と囲ったところで▲3六歩から玉頭を逆襲する奇襲。 解説は級位者向けに書かれていて、1〜2手ごとに1ページ使っていて丁寧。ただ、190pの割には内容は薄めに感じた。というか「どの変化も一度見たことがある」という既視感があった。各戦法とも、もう少し詳しく書かれた本があり、それを先に読んでいたからかもしれない。(2007Sep20) |
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ミニミニブックシリーズ 将棋教室(5) 奇襲ヒラメ戦法 ![]() |
米長邦雄 昭文社 0376-620005-3093 1978年12月 \350 122p/13cm |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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・【巻末コラム】将棋盤と駒=5p |
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ヒラメ戦法と急戦中飛車の戦法解説書。 第1章と第2章のヒラメ戦法は、中飛車の一種である。【第1図】がヒラメの一例で、左金を▲5九金左と寄せた形が海底にべったり張り付いているヒラメのようだ、ということでこの名がついた。△7七角成を▲同桂と取り、8筋を明け渡すのが特徴。図以下、△8六歩▲同歩△同飛▲5五歩△同歩▲同飛〜▲8五飛の飛交換が典型的な成功例で、軽い捌きを特徴とする。 ヒラメはもともとは香落上手の戦法だったが(飛交換の捌きのあと、左香を取られる心配がない)、平手にも応用可能ということで、いくつかの奇襲戦法の本で紹介されている。本書では典型的な成功例を示したあと、相手が対策をしてきた場合にどうするか、というところまで深掘りして解説されており、ヒラメ戦法が載っている本の中ではかなり詳しく書いてある方である。 ![]() ![]() 第3章の急戦中飛車は、ヒラメとは違う戦法であるが、途中までの手順はヒラメと共通する部分があり、場合によって急戦にシフトすることも可能。居玉または▲4八玉型で▲5五歩△同歩と仕掛け、場合によって▲同角と▲同飛を使い分ける。【第2図】は典型的な後手のハマリ型で、△3四歩に▲5四飛(5五から)と横歩を狙って浮いたところ。図以下、△7七角成▲同桂△4五角が上手そうだが、▲5五飛!△2七角成▲2五飛!△5四馬▲2四歩!でハマる。 後手がこのハマリを回避した場合に、▲5六飛〜▲7五歩から捌く指し方など、2段・3段構えで解説されていく。 このシリーズは、戦法の概略を説明したあとは次の一手形式で解説していくパターンが多いのだが、本書の場合は全編とも通常タイプの戦法解説となっている。ヒラメ・急戦中飛車とも、将棋漫画『5五の龍』で紹介されているので知ってはいたが、案外奥のある戦法なのだなぁ、と思えた。また、現在流行しているゴキゲン中飛車に通じる捌き方もいくつか見られて面白かった。 小さくて(Yシャツの胸ポケットにも入る!)ページ数も少ない本なので、量の少なさを考慮してCにとどめたが、安価に手に入るなら読んでみて面白い本だと思う。(2009Dec13) |
(ポケット版)![]() zoom (DELUXE版) ![]() |
王将ブックス ポケット版 ─特殊戦法シリーズI 中段飛車宇宙戦法 ![]() |
佐藤大五郎 北辰堂 ISBN:4-89287-061-7 1975年 \380 158p/15cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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王将ブックスDELUXE版 E 特殊戦法シリーズ(1) 中段飛車宇宙戦法 ![]() |
佐藤大五郎 北辰堂 ISBN:4-89287-066-8 1988年2月 \800 158p/19cm |
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◆内容紹介(はしがきより抜粋) |
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中段飛車を特徴とする戦法の解説書。![]() 第1章は、主題の宇宙戦法。著者が得意とする戦法で、相掛かりで後手がタテ歩取りを拒否する指し方。相掛かりから▲2六飛に対して△4四角〜△3三桂と構え〔第1図〕、その後▲4六歩△8六歩▲同歩△同飛▲4七銀△8七歩▲9七角△8五飛…。中段飛車が大暴れする基本変化をベースに、横歩を取ったり、相振りにしたり、まさに変幻自在。 第2章の急戦中飛車は、先手の戦法。初手から▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩 ▲7七角 △5四歩 ▲5八飛 △5二金右 ▲5五歩 △同歩 ▲同飛 △3四歩 ▲4八玉 △4二玉 ▲3六歩 △3二玉 ▲3五歩で〔第2図〕。以下、中段飛車が大暴れする。出だしは他の本にも載っている急戦中飛車と同じだが(例えば『奇襲ヒラメ戦法』,米長邦雄,昭文社,1978)、飛取りが掛かったまま玉を一つ移動し、さらに▲3六歩〜▲3五歩が過激。こういうのもある、ということで力戦中飛車党は要チェック。 第3章の奇襲タテ歩取りは、「角田(かくた)流」と呼ばれる形で先手の戦法。相掛かりからタテ歩取り模様の序盤で、後手が警戒してなかなか△3四歩を突かないときに、いきなり▲9七桂〜▲2五飛から▲8五飛のぶっつけを狙う。アマの相掛かりでは結構ありそうな展開だ(アマでは相掛かり自体がレアではあるが)。後手が△6一金でがんばっているときには成立しにくいので注意。 (※1 同シリーズの『タテ歩取り戦法』(芹沢博文,北辰堂,1975/1989)第4章「空中戦法」と同じ戦法。) (※2 ひねり飛車で▲8五歩を早めに打ってしまうのも角田流というらしい。) 第4章の高級金開きは、相掛かりでの先手の戦法。先手が中住まいに構え(=大駒の打ち込みに強い)、▲2四歩の合わせから横歩(△3四歩)を狙い、それを後手が△8四飛の横利きで防げば、▲2五飛と引いて、▲2四歩の垂れ歩と5五歩or6五歩取りの両方を狙っていく。 第5章は「本格派石田の奇襲」とあるが、実際は「角道を止めた▲6七銀型三間飛車からの奇襲」。受身と見える序盤から、居玉のまま▲7五歩△同歩▲6八角と仕掛ける。以下、急戦バージョンは▲7五飛〜▲2五飛〜▲7七桂〜▲8五飛と中段飛車が大暴れ。準急戦バージョンは▲7五飛〜▲7九飛〜▲7八金と特殊な構えで敵を翻弄する。後手が早く△7四歩と突いてくれることが条件だが、突かない場合は石田流本組に組める。少なくとも現代では、本戦法は「石田流」のカテゴリには入らないと思う。 第6章の鬼殺し幻惑戦法は、著者のオリジナル戦法。『新鬼殺し戦法』(米長邦雄,山海堂,1974)とは違う戦法である。初手から▲7六歩 △3四歩 ▲7七桂 △8四歩 ▲8六歩 △6四歩 ▲6八飛以下、▲6五歩△同歩▲同飛と6筋で歩交換して中段飛車が活躍する。後手が▲6五桂跳ねを嫌って△6四歩と早めに突いてくれるのが条件で、級位者向けの奇襲といえる。とはいえ、鬼殺しと角頭歩をミックスしたような戦法であり、後手が警戒していてもそれなりに戦えそうに思える。他書で見たこともない戦法なので、どうしても手将棋に持ち込みたい場合は有力かもしれない。 本書の6戦法のうち、3戦法が相掛かりなので、実戦での使用機会は少ないかもしれない。しかしどの戦法も面白く戦えそうだし、何よりも「中段飛車」をテーマとした棋書はかなりレア。読んでおけば、新しい発想が生まれるかもしれない。(2010Mar03) ※誤植・誤字(ポケット版1981年2月第5版にて確認) かなり多い…… p7 ×「将棋の端攻め」 ○「将来の端攻め」 p10,p120 ×「制ちゅう」 ○「掣肘」 ※「呂氏春秋(具備)」より。ひじを引っぱる意。わきから干渉して、自由な行動を妨げること。〔大辞林〕 p29 ×「△7一角をネライます」 ○「△3九角をネライます」 p41 ×「復雑化の▲4六歩」 ○「複雑化の▲4六歩」 p41 ×「応待」 ○「応対」 p44第5図 ×「▲9一馬」 ○「▲8二角」(まだ成っていない) p56 ×「お奨めした一手は」 ○「お奨めしたい手は」 p76棋譜 ×「△6五桂」 ○「△6五香」 p91〜p93棋譜 指し手に「右」「左」または「上」「引」の区別が抜けている箇所多数 p103 ×「△9三同飛成なら」 ○「△9三同飛なら」 p121 ×「変化2図で△5四飛は」 ○「変化1図で△5四飛は」 p122 ×「変化3図以下の先手は」 ○「変化2図以下の先手は」 p124 ×「△8五歩なら」 ○「△2五歩なら」 p134棋譜 ×「▲7三桂」 ○「▲7三桂不成」 p135 ×「▲8六歩で▲7三桂は」 ○「▲8六歩で▲7三桂不成は」 p147 ×「以下が全々違うのです」 ○「以下が全然違うのです」 p158 ×「(1)、△6四銀▲6二成桂△7五歩▲同歩」 ○「(1)、△6四銀▲6二成桂△7五銀▲同歩」 |
(ポケット版)![]() zoom (DELUXE版) ![]() zoom 将棋タウンさんthx! |
王将ブックス ポケット版 ─振飛車シリーズX 袖飛車戦法 ![]() |
北村昌男 北辰堂 ISBN:4-89287-020-X 1975年? \380 158p/15cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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王将ブックスDELUXE版 B 振飛車シリーズ(5) 袖飛車戦法 ![]() |
北村昌男 北辰堂 ISBN:4-89287-025-0 1987年6月 \800 158p/19cm |
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◆内容紹介 |
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袖飛車戦法の定跡書。 袖飛車といえば、広い意味では「振飛車穴熊からの玉頭転戦の△7二飛」や「(鷺宮定跡のような)角頭攻めの▲3八飛」なども含まれるが、本書で扱っているのは「序盤で振飛車を匂わせて△3二玉を誘い、いきなり玉頭攻めをする」というもの。 近年ではめったに見ないが、私が初めて読んだ入門書『将棋の初歩から初段まで』にも載っていたし、本書でも大友七段や北村八段の実戦譜や、阪田三吉vs花田長太郎の「花田定跡」もあり、一時期は有力戦法だったらしい。 本書での基本スタンスは、「袖飛車はやや無理気味の戦法だが、受けの苦手なアマには十分通用する」というもの。普通、奇襲の解説は「これにて必勝」と書かれることが多いので、正直でむしろ清清しい感じがする。 各章の構成は、次のようになっている。 第1章=阪田vs花田の実戦譜。後手が奇襲袖飛車を採用。 第2章=後手で袖飛車が有力なら、先手ではもっと有力なのでは? 第3章=左銀を攻めに使う、守り無視の超攻撃的奇襲袖飛車 第4章=8筋を▲7七角で受けずに▲7八金で守り、角交換させない袖飛車 第5章=中央二枚銀+居玉のカニカニ銀的袖飛車 第6章=通常の振飛車からの玉頭転戦 警戒されるとなかなかやりづらい戦法だが、一発勝負なら面白いと思う。また、玉頭転戦での手筋も数多く出てくるので、美濃を崩してでも攻めたい振飛車党の人は要チェックだ。(2007Jun05) ※『将棋格言豆事典』にて浦野七段は「カニカニ銀は格言を無視しながらも優秀で、100年に一度の戦法」と述べているが、本書第5章の戦い方もカニカニ銀に負けず劣らずだ。ということは、“100年に数度の戦法”? |
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将棋入門シリーズ(7) 無敵宇宙戦法 一番勝負にはこの戦法 ![]() |
佐藤大五郎 永岡書店 2076-12110-5615 1975年5月 \480 203p/18cm |
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◆内容紹介(はしがきより抜粋) |
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マンツーマンブックス 将棋奇襲(2) 新鬼殺し戦法 ![]() |
米長邦雄 山海堂 ISBN: 1974年 \650 216p/18cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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マンツーマンブックス 将棋奇襲(2) 新鬼殺し戦法 ![]() |
米長邦雄 山海堂 ISBN:4-381-00068-4 1993年8月 \874 216p/18cm |
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◆内容紹介(はじめにより抜粋) |
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新・鬼殺し戦法の定跡書。 「鬼殺し」という有名なハメ手がある。初手から▲7六歩 △3四歩 ▲7七桂 △8四歩 ▲6五桂(第1図)といきなり桂をポンポン跳ね出す。後手が筋よく△6二銀なら、▲7五歩 △6四歩 ▲2二角成 △同銀 ▲5五角…以下先手必勝というもの。ただ、この攻撃法は、相手が【第1図】で△6二金という受けさえ知っていれば頓挫してしまうので、「ハメ手」以上の評価を得られることはなかった。初心向けの棋書にもよく載っているが、どちらかといえば「ハメ手なので真似してはいけませんよ、もしやられたらこう受けなさい」という書かれ方である。 本書では、“行ったら行きっぱなし”の「鬼殺し」を本格戦法「新・鬼殺し」へと昇華。初手から▲7六歩 △8四歩 ▲7五歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩 ▲7八飛 △7七角成 △同桂で【第2図】。ここから相手がどんな手段を講じてきても互角以上に戦える、というのが本書の主張。ただし、2手目△8四歩のとき専用で、もし2手目△3四歩なら「角頭歩戦法」を使ってくださいよ…と書かれていた。 ![]() ![]() ![]() 第1章〜第3章では、後手からの急戦に反撃する方法を解説。 第4章は早石田の変化研究だが、これは【第2図】にいたる変化で早石田と同局面が生じるため。【第2図】にいたる▲7八飛に角交換せず、△6二銀 ▲7四歩 △同歩 ▲2二角成 △同銀 ▲5五角 △7三銀 ▲7四飛 △3三角 ▲7三飛成 △5五角 ▲8二龍 △同角 ▲8三飛 △7二金 ▲8五飛成 △9四角で【第3図】。これは、早石田の結果図として、数多くの定跡書で「居飛車有利」と解説されている図である。ただし本譜の場合は、いったん▲7七角と上がってから▲2二角成と手損しているので、後手番の早石田と同じ形になっている。本書では「早石田不利なり」の結論に疑問を提起。 「角銀交換の駒損だが、 △『歩切れ+生角を2枚とも手放している』 vs ▲『龍+銀歩2が手持ち』 の構図はほぼ互角」 というのが米長の主張。その後の想定手順を解説し、「居飛車容易ではない」の結果図を導いている。想定手順は絶対手順ではないが、生角の運用の難しさを端的に表しており、「実戦的には互角」といえそうだ。 第5章では、相手が角交換を拒否したときの指し方を指南。無理に桂跳ねからの急戦をせず、本格的な石田組に組み上げる順を解説。 案外指しこなすのが難しい戦法なので、主力にするのはイマイチかも。ただ、正攻法で勝てそうもない相手に仕掛けるのは有効。大会の一発勝負用なら面白そうだ。他書には意外と載っていない戦法なので、本書をチェックしておきたい。 |
(オリジナル版)![]() (新装版) ![]() zoom |
マンツーマンブックス 将棋奇襲(1) 角頭歩戦法 ![]() |
米長邦雄 山海堂 ISBN: 1974年 \650 214p/18cm |
[総合評価] |
難易度: ★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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マンツーマンブックス 将棋奇襲(1) 角頭歩戦法 ![]() |
米長邦雄 山海堂 ISBN:4-381-00021-8 1987年12月 \900 214p/18cm |
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序説〜4章 定跡編=178p 5章 問題集=32p(16問) |
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角頭歩戦法の定跡書。 角頭歩戦法は、著者の米長永世棋聖が一時期連採して有名になった奇襲戦法。オリジナルが誰かは不明。将棋倶楽部24でのタイトル戦でも採用されたことがある(棋譜 )。 初手から▲7六歩△3四歩▲8六歩(図1)が角頭歩戦法の導入。初め て見た人は、先手がよほどのヘボか、歩をつかみ間違えたと思うだろう。有段者ならその破壊力を知っているので、警戒モードに入る。図1で△8四歩なら▲2二角成△同 銀▲7七桂(図2)で角頭歩戦法が実現する。 (以下の狙いは、本書を読むかネット検索してください。) 定跡編では先手角頭歩戦法が解説されている。2〜3手ごとに図面が挿入 されているので、盤に並べなくても読みやすい。 問題集は、定跡編とわずかに形が違うときの"次の一手問題"。 定跡編の補完という感じだ。 なお、図1で△4四歩と突くと先手角頭歩戦法の狙いは封じられる。これで も銀冠や変則向飛車を狙って一局だが、先手番としてはやや不満。それでプロでは指 されなくなってしまったのだが、アマで乱戦好きの方なら面白いと思う。本書では解説されていないが、後手角頭歩戦法というのもある(『将棋戦法小辞典』に掲載あり)ので、研究してみてはいかがだろうか。(2002July28)
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大山・快勝シリーズ●5 快勝 将棋に勝つ戦法 ![]() |
大山康晴 池田書店 0276-044015-0316 1971年 \350 254p/18cm |
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(新装版) 大山・快勝シリーズ 15 快勝 将棋に勝つ戦法 ![]() |
大山康晴 池田書店 0276-044015-0316 1971年 \350 254p/18cm |
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・棒銀戦法(相掛かり棒銀)=24p ・筋違い角戦法(3手目角交換型)=29p ・袖飛車戦法(奇襲袖飛車)=32p ・桂の早跳び戦法(鬼殺し)=33p ・急攻矢倉=32p ・相掛かり急戦型(相5筋突き型)=36p ・相掛かり持久戦型(新旧対抗型)=28p ・振飛車穴熊(四間穴熊)=26p |
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よくわかる奇襲と急戦法![]() |
広津久雄 東京書店 ISBN: 1971年2月 248p/18cm \380 |
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急所シリーズ 将棋ハメ手の急所 |
清野静男 高橋書店 ISBN: 1970年 \300 224p/18cm |
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![]() zoom ![]() zoom 将棋タウンさんthx! |
将棋奇襲とハメ手 ウラ定跡あの手この手 ![]() |
伊達二郎 永岡書店 ISBN: 1968年1月 \250 218p/18cm |
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将棋奇襲戦法 ウラ定跡あの手この手 ![]() |
伊達二郎 永岡書店 ISBN: 1974年9月 \480 218p/cm |
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坂田流向飛車戦法(阪田流向飛車)/変則中飛車戦法/新石田流戦法/筋違い角向飛車戦法/ひねり飛車戦法/升田流向飛車戦法/変則三間飛車戦法/超急戦△7四銀/玉頭攪乱戦法/変則横歩取り戦法/変則向飛車戦法/急戦雁木戦法/飛先圧迫戦法 | |||||
(オリジナル版)![]() (改題版) ![]() zoom |
芹沢将棋教室(3) 奇襲とハメ手 ![]() |
芹沢博文 高橋書店 ISBN: 1966年 \350 244p/19cm/H.C. |
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芹澤の急戦将棋![]() |
芹沢博文 高橋書店 0376-062025-4334 1977年5月 \550 223p/18cm |
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◆内容紹介(はしがきより抜粋) |
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将棋上達シリーズ(5) 奇襲戦法この一手 ![]() |
梶 一郎 金園社 ISBN: 1964年10月 \200 229p/18cm |
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将棋新書 第10 奇襲戦法 鬼殺し・石田・捻り飛車・穴熊戦法・金開き ![]() |
大和久彪 野口書店 ISBN: 1952年 137p/18cm |
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将棋ポケット文庫 將棋はめ手集 ![]() |
梶一郎 大阪屋號書店 ISBN: 1952年5月 \80 198p/14cm |
[総合評価] |
難易度:★★★ 〜★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 中級〜上級向き |
(1952年版)![]() ≪1957年版≫ (1958年版) ![]() ≪1959年版≫ |
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奇襲戦法の解説本。 タイトルには「はめ手」とある。「はめ手」をわたしなりに解釈すると、「うまく相手がハマってくれれば大きな戦果を挙げることができるが、正しい対応をされると不利になるような手」といえる。ただし、それがあまりにもひどいものであれば「勝手読み」であるし、高度なものであれば、序盤なら「奇襲」、中終盤なら「罠」または「勝負手」という言い方になる。また、「本筋ではない」くらいだと「変化」という言い方もできる。 本書で解説されるものは、ほとんどが「奇襲」か「変化」といえるような、比較的高度な作戦である。 このレビューから60年以上前、戦後間もない時期に書かれた本なので、例えば5筋を突いた相掛かりなどは現代ではまず現れることがなくて使えない。ただし、手筋が参考になるものもある。その一方で、「これは現代将棋か?」と思うような作戦もあり、新しい発見(というか再発見)もみられる。 各戦法を簡単に紹介していこう。……レビューの続きを読む(2014Nov12) |
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将棋奇襲と詰め手 | 梶 一郎 大阪屋號書店 ISBN: 1951年 200p/13cm |
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將棊 はめ手千態 全 | 土居市太郎 大野萬歳館 ISBN: 1915年 148p/19cm |
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