zoom |
将棋必勝シリーズ 振り飛車奇襲戦法 2 阪田流向かい飛車・奇襲袖飛車・相振り奇襲 |
[総合評価] C 難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
||
【著 者】 小林健二 | ||||
【出版社】 創元社 | ||||
発行:2002年7月 | ISBN:4-422-75080-1 | |||
定価:1,200円 | 206ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
|
【レビュー】 |
奇襲戦法の解説書。どこかで見たような戦法が多い気がする(^-^;A
基本的に実戦解説形式で、最終盤まで詳しく解説している。もっとも、乱戦になりやすい戦法ばかりなので、本書のように進んでいく可能性は低め。 第1章はご存知、阪田流向飛車。他の多くの本でもお目にかかることができるメジャーな奇襲で、小林自身の著書『力戦!スーパー振り飛車』(1997,MYCOM)にも詳しく書かれている。本書では阪田流の展開例を4つ解説。 第2章の奇襲袖飛車は、別名「森安流袖飛車穴熊」「棒玉穴熊」などとも呼ばれる形がメイン。有段者ともなれば、単純な奇襲袖飛車には引っかからない。しかし本書の袖飛車穴熊は、作戦に融通性があり、また奇襲戦法には珍しく玉を堅く囲えるのが大きな特徴。挑発度も抜群なので、得意戦法にするのも大いに面白いと思う。ただ、本書の解説はわずか2例なので、どこまで参考になるか。基本だけを押さえたあとは、実戦でコツを掴んでいくべし。 第3章の相振り奇襲は、前半が▲石田流から相振り模様になったときの奇襲。先手番で使うというより、むしろ後手番でハマらないように知っておいた方が良い。後半は相石田流の実戦解説風。振飛車党同士が互いに意地を張ったときによくこの戦型になるが、案外おとなしい戦いになることもある。本書で紹介されている展開は、奇襲とは思えないほど地味。ただし、石田党には必要な知識である。 本書は全体的に、奇襲本としてはややハッキリしない展開が多い。最善を尽くせば互角なのかもしれないが、成功例や基本的な狙い筋は、もっと明解に書いた方が分かりやすかったと思う。(2004Feb27) |