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                第1章(1)
                きんとうん戦法 
                 
                「きんとうん」とは、ドラゴンボールに登場するアレである。実際は西遊記が元ネタ。cf.Wikipedia−キン斗雲 
                 
                横歩取り模様の序盤から、先手が飛先交換せずにいきなり▲7七金と立つ。さらに▲7五歩〜▲2六飛からヒネリ飛車風にする。著者もネット将棋で試しているようだ。第4章の浮雲戦法とかなり共通点がある。 
                 
                歩の雲の上をピューッと走る飛車がきんとうん? 
                 
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                第1章(2)
                タランチュラ戦法 
                 
                「タランチュラ」は、大きな毒グモのこと。cf.Wikipedia−タランチュラ 
                 
                初手から▲7六歩△3四歩▲5六歩で、角交換から△5七角の打ち込みを誘う。△2四角成と馬を作らせておいて、▲7七角の自陣角や▲2八銀などの糸を張り巡らせていき、馬を目標にしながら歩を取ってしまう。 
                 
                ただし、一般的にタランチュラは巣を作らないらしい。(笑) 
                 
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                第1章(3) 大かまきり戦法 
                 
                ▲四間飛車vs△右四間模様で、▲7五歩〜▲7七桂!〜▲6五歩と鬼殺しのように仕掛けていく。跳ねた桂がカマキリの鎌。 
                 
                対右四間がイヤでイヤでたまらない四間飛車党の方は、試してみる価値あり。ただし、四間飛車っぽい展開にはなりません。 
                 
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                第1章(4)
                幻想四間飛車戦法 
                 
                『奇襲戦の極意』(米長邦雄,昭文社,1988)などに載っていた角交換四間飛車を対居飛穴に応用したもの。角交換を拒否してきた場合、▲6七飛〜▲6八角〜▲4六角〜▲2八角と狙いを変える。 
                 
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                第1章(5) ザリガニ銀戦法 
                 
                △四間飛車vs▲右四間飛車模様の序盤で、右銀を▲3六銀!と出る。左銀も▲5六銀まで出して、左図のようなカニカニ銀ならぬ「ザリガニ銀」が完成。玉が薄いのが難点だが、攻撃力は高い。 
                 
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                第1章(6)
                ドラゴンスペシャル戦法 
                 
                3手目▲7八金で振飛車を誘う。序盤は対振飛車に不向きなカニ囲い…と思いきや、▲5九銀〜▲5八銀で異様な陣形が完成。飛にヒモがついた低い陣形なので、単純に▲2四歩から大駒交換を狙っていく。アヒル戦法ににた思想だが、相手が用心してきたら右銀を繰り出して戦える点が大きい。 
                 
                どの辺がドラゴンなのかは不明。 | 
            
            
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                第1章(7) かえるがピョン戦法 
                 
                △三間飛車に対し、普通は▲2五歩△3三角の交換を入れて、すぐに石田流に組み替えられるのを阻止するもの。本戦法では▲2六歩のまま、相手の飛の鼻先を▲3六歩!(これが「かえる」?)△3五歩には、たいていの場合▲2五歩△3三角▲3五歩と反撃できる。▲2五歩に△3四飛でも▲3五歩△同飛▲2四歩の筋がある。 
                 
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                第1章(8) 待てば海路の日和あり 
                 
                △四間飛車vs▲右四間で、先手は飛落ち下手のような形に構え、こっそり▲9八香と上げておく。あとはひたすら「待ち」。下段飛車から▲3九飛として、後手から△4五歩と仕掛けさせる。▲9八香は、△7七角成▲同桂のあと、地下鉄飛車用のトンネルを先掘りしておいた手。 
                 
                ただ、本譜では後手が高美濃に組んでいるが、対右四間では高美濃を経由せずに銀冠に移行する組み方が知られている(『右四間飛車戦法』(先崎学,創元社,2007)など)。その場合、地下鉄飛車にしても効果は薄そう。 
                 
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                第1章(9)
                対三間飛車急戦 
                 
                普通の△三間飛車vs▲3七桂急戦から、▲6八銀〜▲7七角が先手の工夫。通常は先手から角交換するところを、後手から角交換させる形にする。 
                 
                島本が研究会で試した作戦だそうだ。あとがきによれば、考案者は今井智士さんらしい。 
                 
                この項は、やけに文体がチャラくなっている箇所がある。「△4三銀はどや?(中略)玉は堅いしまあまあじゃん☆」……こ、これは『公望流メリケン向飛車戦法』(横山公望,三一書房,1995)や『清水市代の囲いのエッセンス』(清水市代,MYCOM,1994)と並ぶ三大“奇書”か!?(※他のほとんどの文章はもう少しマジメです) 
                 
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                ・1ページ講座 ▲9八香戦法 
                 
                端角▲9七角+▲9八香型。後手が「角頭にスキあり」と思って△9五歩と仕掛けると、▲同歩△同香▲8六角△9八香成▲同飛…となる仕掛け。『5五の龍』に登場した「魔の一間飛車」と似た筋。 | 
            
            
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                第1章(10)
                なんでもかんでも銀冠戦法 
                 
                初手▲7八銀! 入門書には「やってはいけない手」と書かれている手だ。対して△3四歩なら一応作戦成功。四枚銀冠に固めて、チャンスを待つ。先手番なのに消極的ではあるが、相居飛車でも堅さで勝負したい人向け。 
                 
                なお、2手目△8四歩なら▲7六歩で一局の将棋。 
                 
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                第1章(11)
                急戦石田返し 
                 
                早石田に対し、すぐに△8六歩と仕掛ける。▲同歩△同飛▲7四歩に△同歩▲2二角成△同銀▲9五角(王手飛車)が多くの本で定番の解説となっているが、実際はこんなに簡単に良くならない。 
                 
                ▲7四歩に△8七飛成でかなり難解(一応、先手良しの結論が出ている)。王手飛車定跡しか知らない石田党には有効。わたしも実戦でこの筋に対応できず負けたことがあります…。 
                 
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                第1章(12) 秘剣
                流星剣 
                 
                ▲四間飛車vs△右四間の超急戦。▲7八銀で角が浮いた瞬間、後手が飛も回っていないのに、いきなり△6五歩と仕掛ける。 
                 
                何が流星剣なのかは不明。ファイアーエムブレム?ロマサガ? 
                 
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