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マンツーマンブックス 将棋奇襲(2) 新鬼殺し戦法 |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 米長邦雄 | ||||
【出版社】 山海堂 | ||||
発行:1974年 | ISBN: | |||
定価:650円 | 216ページ/18cm |
(新装版) zoom |
マンツーマンブックス 将棋奇襲(2) 新鬼殺し戦法 |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 米長邦雄 | ||||
【出版社】 山海堂 | ||||
発行:1993年8月 | ISBN:4-381-00068-4 | |||
定価:874円 | 216ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介(はじめにより抜粋) |
【レビュー】 |
新・鬼殺し戦法の定跡書。 「鬼殺し」という有名なハメ手がある。初手から▲7六歩 △3四歩 ▲7七桂 △8四歩 ▲6五桂(第1図)といきなり桂をポンポン跳ね出す。後手が筋よく△6二銀なら、▲7五歩 △6四歩 ▲2二角成 △同銀 ▲5五角…以下先手必勝というもの。ただ、この攻撃法は、相手が【第1図】で△6二金という受けさえ知っていれば頓挫してしまうので、「ハメ手」以上の評価を得られることはなかった。初心向けの棋書にもよく載っているが、どちらかといえば「ハメ手なので真似してはいけませんよ、もしやられたらこう受けなさい」という書かれ方である。 本書では、“行ったら行きっぱなし”の「鬼殺し」を本格戦法「新・鬼殺し」へと昇華。初手から▲7六歩 △8四歩 ▲7五歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩 ▲7八飛 △7七角成 △同桂で【第2図】。ここから相手がどんな手段を講じてきても互角以上に戦える、というのが本書の主張。ただし、2手目△8四歩のとき専用で、もし2手目△3四歩なら「角頭歩戦法」を使ってくださいよ…と書かれていた。 第1章〜第3章では、後手からの急戦に反撃する方法を解説。 第4章は早石田の変化研究だが、これは【第2図】にいたる変化で早石田と同局面が生じるため。【第2図】にいたる▲7八飛に角交換せず、△6二銀 ▲7四歩 △同歩 ▲2二角成 △同銀 ▲5五角 △7三銀 ▲7四飛 △3三角 ▲7三飛成 △5五角 ▲8二龍 △同角 ▲8三飛 △7二金 ▲8五飛成 △9四角で【第3図】。これは、早石田の結果図として、数多くの定跡書で「居飛車有利」と解説されている図である。ただし本譜の場合は、いったん▲7七角と上がってから▲2二角成と手損しているので、後手番の早石田と同じ形になっている。本書では「早石田不利なり」の結論に疑問を提起。 「角銀交換の駒損だが、 △『歩切れ+生角を2枚とも手放している』 vs ▲『龍+銀歩2が手持ち』 の構図はほぼ互角」 というのが米長の主張。その後の想定手順を解説し、「居飛車容易ではない」の結果図を導いている。想定手順は絶対手順ではないが、生角の運用の難しさを端的に表しており、「実戦的には互角」といえそうだ。 第5章では、相手が角交換を拒否したときの指し方を指南。無理に桂跳ねからの急戦をせず、本格的な石田組に組み上げる順を解説。 案外指しこなすのが難しい戦法なので、主力にするのはイマイチかも。ただ、正攻法で勝てそうもない相手に仕掛けるのは有効。大会の一発勝負用なら面白そうだ。他書には意外と載っていない戦法なので、本書をチェックしておきたい。 |