(ポケット版) zoom |
王将ブックス ポケット版 ─居飛車シリーズT タテ歩取り戦法 |
[総合評価] C 難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
||
【著 者】 芹沢博文 | ||||
【出版社】 北辰堂 | ||||
発行:1975年4月 | 0376-66001-7731 | |||
定価:380円 | 158ページ/15cm |
zoom |
王将ブックスDELUXE版 ―居飛車シリーズ(1) タテ歩取り戦法 |
[総合評価] C 難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
||
【著 者】 芹沢博文 | ||||
【出版社】 北辰堂 | ||||
発行:1989年3月 | ISBN:4-89287-007-2 | |||
定価:800円 | 158ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介(はしがきより抜粋) |
【レビュー】 |
相掛かりタテ歩取りの解説書。 タテ歩取りとは、△3四歩を▲3六飛でタテから狙う戦法。横歩取りと違って、実際に歩を取ることは稀で、「歩を取るぞ」と牽制して後手の構えを崩したり、駒組みを制限したりしながら、先手は理想形を組んだり別の狙いを実現するという、玄人好みの戦法である。タテ歩取りからの進展はひねり飛車が有名だが、他にもいろいろな展開がある。 第1章「基礎知識」は、タテ歩取りの序盤について。初手から飛車先の歩を互いに突き合い、以下△3三金として歩を守るまで〔右上図〕の序盤を丁寧に解説。 第2章「ひねり飛車」は、基本図から先手がひねり飛車にしたときの基本的な攻め方。 第3章「▲9七角型」は、▲7六歩を突かない奇襲タイプの戦法。▲9七角〜▲8六歩△同歩▲同飛(飛をぶつける)〜▲6六飛〜▲3六飛で手得し、その後左金を▲8七金〜▲7六金と立つ〔右中図、p45第5図〕。9七角を攻められた場合、角香交換はしてもかまわないという覚悟が必要。離れ駒のない低い構えも必要条件なので、うっかり▲6八銀としないように。 第4章「空中戦法」は、後手がひねり飛車を警戒して△3四歩をなかなか突かない場合に、▲9七桂〜▲2五歩から歩取り+飛交換を狙う。「史上最奇の作戦」(p83)とまで書かれている(笑)(ただし、現代ではこれくらいの異筋はしばしば見かける)。同シリーズの『中段飛車宇宙戦法』(佐藤大五郎,北辰堂,1975?/1988)第3章の「奇襲タテ歩取り」(角田流)と同じ戦法で、基本手順も同じ。ただし終盤は本書の方が先まで書かれている。 本章の実戦譜は、先手優勢で進めていたのに逆転負けしたもの。奇襲系の実戦譜で仕掛けた側がまけたものが乗るのは珍しい。 第5章「丸田流急戦」は、実は第2章の実戦編。丸田流▲9七角(奇手であるが、現在では定跡手として有名)〜▲8六飛のぶっつけ。急戦調〜持久戦〜戦闘再開という実戦的な緩急が参考になるだろう。 第6章「内藤流棒銀」は、ネコ式タテ歩取り〜タテ歩取り棒銀〜棒銀1筋攻め〔右下図〕の実戦譜2局を解説。ネコ式タテ歩取りとは、後手が△3四歩を突いていないのに▲3六飛と寄ること。「ねずみ(△3四歩と突くこと)が出たらパクッといきますよ」という訳で、▲3六飛をネコに見立てている。本性の攻め方自体は内藤七段(当時)のオリジナルではないが、内藤はこの戦法を駆使して16人抜きを達成した。 現代では後手のひねり飛車対策も進化し、カタ囲いに構えるのが一般的。そのため、本書のひねり飛車関連の部分はすでに古典であろう。むしろ、第3章の「9七角型奇襲」や第6章の「内藤流棒銀」は現代でも使える機会がありそうだ。実戦譜が多く、定跡解説が少なめなので少し評価を下げているが、相掛かり党ならきっと役に立つこともあると思う。(2010Mar16) ※誤植・誤字(ポケット版初版?で確認) p45第5図 ×「▲2六飛」 ○「▲3六飛」 p52 ×「▲6四角は、△9一香成」 ○「▲6四角は、△9九香成」 p58棋譜 ×「△5四成角」 ○「△5四角成」 |
【他の方のレビュー】(外部リンク) まだ見つかっていません。 |