2.6KB

<< 直前のページへ戻る
 

■四間飛車vs居飛車急戦の本  
トップページ > 棋書ミシュラン! > カテゴリー > 四間飛車vs居飛車急戦


このページ内は[Ctrl+F]で検索すると便利です。

※『玉頭銀』は四間側の作戦ですが、居飛車早仕掛け模様に呼応する作戦なのでここに収録します。

◆サイト内検索
by Google

居飛車急戦 居飛車準急戦 持久戦 振飛車からの急戦
山田定跡
棒銀
ナナメ棒銀
(左4六銀)
右4六銀
早仕掛け
鷺宮定跡

左美濃急戦
5五位取り
玉頭位取り
四枚左美濃
居飛車穴熊
串カツ囲い
ミレニアム

四間飛車穴熊

相穴熊
藤井システム
立石流
玉頭銀
角交換挑戦
右四間飛車
(+舟囲い,+左美濃,+穴熊)


書名 著者 発行


























備考
中村亮介の本格四間飛車 中村亮介 '10.5                 四間飛車総合
羽生の頭脳(1) 四間飛車破り(将棋連盟文庫) 羽生善治 '10.5         1992年の合冊文庫版
書名 著者 発行




















備考
定跡道場 先手四間VS左6四銀 所司和晴 '09.8                  
定跡道場 先手四間VS早仕掛け 所司和晴 '09.5                  
矢内理絵子の振り飛車破り 矢内理絵子 '09.2             四間飛車持久戦系の本
四間飛車がわかる本 野秀行 '08.6            
四間飛車破り【急戦編】 渡辺明 '05.4            
木村一基の急戦・四間飛車破り 木村一基 '05.3          
鷺宮定跡 〜歴史と最先端 青野照市 '05.3            
四間飛車の急所(4) 最強の4一金型 藤井猛 '05.3      
四間飛車の急所(3) 急戦大全【下】 藤井猛 '04.10            
四間飛車の急所(2) 急戦大全【上】 藤井猛 '04.8            
杉本流四間飛車の定跡 杉本昌隆 '03.12             右四間飛車の本
振り飛車党宣言!(1) 四間飛車 週刊将棋 '03.7             1993年の文庫版
最強四間飛車マニュアル 急戦編 久保利明 '02.12              
四間飛車道場 第六巻 最強1二香 所司和晴 '02.8                  
四間飛車道場 第五巻 棒銀 所司和晴 '02.6                  
四間飛車道場 第四巻 4五歩 所司和晴 '02.4                  
青野照市のノックアウト四間飛車 青野照市 '02.2              
四間飛車道場 第三巻 左4六銀 所司和晴 '02.2                  
四間飛車道場 第二巻 右4六銀 所司和晴 '01.12                  
明快四間飛車戦法 鈴木大介 '01.2           四間飛車総合の本
書名 著者 発行




















備考
これにて良し? 四間飛車VS急戦定跡再点検 野秀行 '99.9        
久保流四間飛車(上)─棒銀撃破! 久保利明 '97.9                  
窪田流四間飛車 窪田義行 '97.6           居飛穴攻略も
スーパー四間飛車 最新版(2) 小林健二 '97.5          
新・鷺宮定跡 青野照市 '97.3            
新スーパー四間飛車U 小林健二 '95.4         立石流も
世紀末四間飛車 先手必勝編 櫛田陽一 '94.9              
新スーパー四間飛車T 小林健二 '94.8           右四間も
振り飛車党宣言!(1) 四間飛車 週刊将棋 '93.11              
羽生の頭脳 2 急戦四間飛車破りPARTU 羽生善治 '92.6            
急戦!振り飛車破り(4) 徹底4五歩早仕掛け 所司和晴 '92.5             振飛車全般
羽生の頭脳 1 急戦四間飛車破りPARTT 羽生善治 '92.4            
急戦!振り飛車破り(3) 徹底右4六銀 所司和晴 '92.3                  
急戦!振り飛車破り(2) 徹底左4六銀 所司和晴 '91.12            
急戦!振り飛車破り(1) 徹底棒銀 所司和晴 '91.12               vs三間飛車、vs中飛車も
世紀末四間飛車 急戦之巻 櫛田陽一 '90.12         5筋位取り、右四間も
書名 著者 発行




















備考
四間飛車破り [5七銀右戦法] 塚田泰明 '88.12                  
中原流 必勝四間飛車 中原誠 '86.3               左美濃持久戦も
必勝!鷺宮定跡 青野照市 '86.2          
米長流 四間飛車撃破 米長邦雄 '85.11           玉頭位取りも
四間飛車 3度将棋が強くなる 中原誠 '84.4              
谷川流スピード将棋 谷川浩司 '83.2         右四間も
四間飛車を破れ・下巻 石田和雄 '80.11               四間穴熊メイン
四間飛車穴熊の本
四間飛車を破れ・上巻 石田和雄 '80.9            


羽生の頭脳(1) 四間飛車破り(将棋連盟文庫)
zoom
将棋連盟文庫
羽生の頭脳(1) 四間飛車破り
個別ページへ
羽生善治
毎日コミュニケーションズ
ISBN:978-4-8399-3552-8
2010年5月
\1,155(5%税込)
448p/16cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
<単行本版第1巻目次>
第1章   ▲4六銀(右銀)戦法 ☆羽生の結論 ▲4六銀(右銀)戦法
第1部 △4三銀型
第2部 △5二金型
48p
第2章 ▲4六銀(左銀)戦法 ☆羽生の結論 ▲4六銀(左銀)戦法
第1部 △6四歩型に▲3四歩△同銀▲3八飛
第2部 △6四歩型に▲2四歩突き捨て策
第3部 △1二香型に▲3四歩の決戦策
第4部 △1二香型に▲1六歩の待機策
第5部 △1二香に▲1六歩△1四歩型
90p
第3章 ▲4五歩早仕掛け ☆羽生の結論 ▲4五歩早仕掛け
第1部 △2四同歩型
第2部 △2四同角型
第3部 ▲4七銀型
第4部 ▲6六歩型
48p
第4章 鷺宮定跡 ☆羽生の結論 鷺宮定跡
第1部 △6四歩に▲3八飛型
第2部 △1二香に▲3八飛〜▲6六歩型
29p
<単行本版第2巻目次>
第1章 鷺宮定跡 ☆羽生の結論 鷺宮定跡
第1部 鷺宮定跡VS△1二香型
第2部 鷺宮定跡の新変化
32p
第2章 対四間飛車・棒銀戦法 ☆羽生の結論 棒銀戦法
第1部 棒銀VS△5二金左型
第2部 棒銀VS△3二金型
54p
第3章 後手の急戦策 ☆羽生の結論 後手の急戦策その1
☆羽生の結論 後手の急戦策その2
第1部 △6四銀(右銀)戦法
第2部 後手の棒銀戦法
第3部 △6四銀(左銀)戦法
第4部 △6五歩早仕掛け
第5部 後手の鷺宮定跡
72p
第4章 急戦四間飛車破り・実戦編 ☆羽生善治・公式戦 対振り飛車戦 戦型別成績
第1局 ▲4六銀(左銀)戦法(対内藤國雄九段戦)
第2局 ▲4五歩早仕掛け(対櫛田陽一四段戦)
第3局 鷺宮定跡(対大内延介九段戦)
第4局 棒銀戦法(対大山康晴十五世名人戦)
第5局 後手の急戦△6四銀(左銀)戦法(対小林健二八段戦)
57p

☆参考棋譜1、2、3、4

◆内容紹介
将棋連盟文庫第一弾です。
「羽生の頭脳」シリーズは1992年の発売以来、将棋定跡書のバイブルとして版を重ねてきました。今回の文庫化は全10巻を5巻にまとめたもので、第1巻は急戦四間飛車破りの定跡が収録されています。本シリーズは定跡書でありながら、羽生名人の将棋に対する考え方が分かりやすく書かれており、初級者から有段者まで幅広くお楽しみいただけます。

四間飛車vs居飛車舟囲い急戦の定跡書。

羽生の頭脳」全10巻(1992〜1994)は、トップ棋士が書いた定跡書シリーズの金字塔である。代表的な戦型を網羅し、都合の良い変化を排除して公平に検討した。そのため、定跡が進化しても「基本は『羽生の頭脳』で覚えられる」とされ、異例のロングセラーを記録している。

本書は、シリーズの第1巻「急戦四間飛車破りPART1」と第2巻「急戦四間飛車破りPART2」を合本し、文庫化したものである。……レビューの続きを読む(2010Jun08)


定跡道場 先手四間VS左6四銀
zoom
新・東大将棋ブックス
定跡道場 先手四間VS左6四銀
個別ページへ
所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:978-4-8399-3302-9
2009年8月
\1,470(5%税込)
224p/19cm
   
第1章 左6四銀の基本手順 (1)左6四銀の基本手順
(2)▲5九金打に△8九飛成の変化
(3)△3一銀に▲9六角の変化
(4)▲2二銀に△6一歩の変化
(5)△6九飛に▲5九金引の変化
(6)△2二角に▲7五歩の変化
 
第2章 △7二飛に▲7四歩の変化 (1)△7二飛に▲7四歩の変化
(2)△7一飛に▲8八角の変化
 
第3章 △7二飛に▲7三歩の変化 (1)△7二飛に▲7三歩の変化
(2)▲7三歩に△同銀引の変化
 
第4章 △7二飛に▲6七金の変化 (1)△7二飛に▲6七金の変化
(2)▲8八角に△5一銀の変化
(3)▲8八角に△6四歩の変化
 
第5章 △7二飛に▲8八角の変化 (1)△7二飛に▲8八角の変化
(2)▲8八角に△7七歩の変化
 
第6章 ▲7六同銀に△7二飛の変化 (1)▲7六同銀に△7二飛の変化
(2)△7二飛に▲6七金の変化
 
第7章 ▲7六同銀に△7五歩の変化 (1)▲7六同銀に△7五歩の変化
(2)△7三銀引に▲5七金の変化
(3)△7三銀引に▲3六歩の変化
(4)▲6七銀に△7三銀上の変化
 
第8章 ▲7八飛に△4二金上の変化 (1)▲7八飛に△4二金上の変化
(2)△4二金上に▲3六歩の変化
 

◆内容紹介
パソコン将棋ソフトの最高峰、「東大将棋」に納められた定跡講座を元に加筆、修正を加え、再編集したものが「新・東大将棋ブックス」です。本シリーズは定跡解説の第一人者、所司和晴七段が一つの定跡を深く掘り下げ、形勢がはっきりする終盤にいたるまで徹底解説を施しました。1ページに3つずつ図面を収録していますので、盤に並べなくても変化が頭に入ります。
本書は先手四間飛車VS後手居飛車急戦の第2弾として左6四銀戦法に的を絞りました。四間飛車側が5六歩型の場合は前書の6五歩早仕掛けが有効ですが、4六歩型の場合は本書の左6四銀戦法が有効となります。

 


定跡道場 先手四間VS早仕掛け
zoom
新・東大将棋ブックス
定跡道場 先手四間VS早仕掛け
個別ページへ
所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:978-4-8399-3161-2
2009年5月
\1,470(5%税込)
224p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★☆
図面:見開き6枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:B
有段者向き
第1章  早仕掛けの基本手順 (1)早仕掛けの基本手順
(2)△4七歩成に▲同銀の変化
(3)▲7三歩に△8一歩の変化
(4)△7二銀に▲5五歩の変化
(5)△4二銀に▲5五歩の変化
(6)△4二銀に▲6四角の変化
(7)▲4五桂に△4四銀の変化
(8)△4四銀に▲6三歩の変化
64p
第2章 △8七角への変化手順 (1)△8七角に▲6六角の変化
(2)▲6六角に△2二銀の変化
(3)▲4五桂に△4二銀の変化
(4)△8七角に▲3五歩の変化
(5)▲4五桂に△4四銀の変化
(6)△4四銀に▲3七桂の変化
(7)△8七角に▲6六飛の変化
(8)▲6六飛に△8六飛の変化
52p
第3章 ▲7七同桂に△8六飛 (1)△8六飛に▲3五歩の変化
(2)△8六飛に▲4五桂の変化
14p
第4章 ▲6五同銀に△7七角成 (1)自陣角型の基本手順
(2)△5一銀に▲5五歩の変化
(3)▲6七飛に△6五桂の変化
(4)▲7七同桂に△6五桂の変化
28p
第5章 △6五歩に▲5七銀 (1)5七銀型の基本手順
(2)▲6五同飛に△6四歩の変化
16p
第6章 △8六歩に▲同角 (1)▲8六同角型の基本手順
(2)△4四角に▲2七玉の変化
(3)△8一飛に▲4五歩の変化
(4)▲8六同角に△1五歩の変化
(5)△8九角成に▲6九飛打の変化
44p

◆内容紹介
パソコン将棋ソフトの最高峰、「東大将棋」に収められた定跡講座を元に加筆、修正を加え、再編集したものが「新・東大将棋ブックス」です。
本シリーズは定跡解説の第一人者、所司和晴七段が一つの定跡を深く掘り下げ、形勢がはっきりする終盤にいたるまで徹底解説を施しました。1ページに3つずつ図面を収録していますので、盤に並べなくても変化が頭に入ります。
振り飛車退治には居飛車穴熊と言われるようになって久しいのですが、居飛車穴熊は本質的に受け付けないというファンの声も多い。本書はそんなファンの期待に応えるべく、
先手四間飛車と△6五歩早仕掛けの攻防を1冊にまとめました。

基本図▲四間飛車vs△6五歩早仕掛けの定跡書。

後手の急戦は1手遅れているため、先手での急戦より悪いように思われるが、そうとばかりもいえない。四間飛車側が1手多く指さなければならないため、最善形で待つことができず(例えば△3二銀-1二香型のように)、また居飛車の玉型も微妙に違うので、中終盤の味も変わってくる。

本書の基本図は右図。特徴として
 (1)△4二金上▲3七桂の交換がない(△4一金型で仕掛ける)
 (2)9筋の突き合いがない(▲9五角(幽霊角)がある。半面、▲9七角はない)

など。

先手急戦と違ってくるところは、
 (1)△4一金型なので△4二銀と引く余地がある
 (2)玉頭が薄いので▲3五歩は有効
 (3)▲3三桂の打ち込みが4一金に当たる
 (4)▲2六桂や▲4六桂はやや甘くなる
 (5)金が角筋(▲6四角など)に入りにくく、切られにくい
 (6)一段飛車を打たれた場合、▲2二角や▲2四桂△同歩▲2三角などがきつくなることも

などである。

※なお、『矢内理絵子の振り飛車破り』(矢内理絵子,MYCOM,2009.02)では△4二金上▲3七桂の交換をした展開を中心に解説し、「(▲3七桂は)美濃の端が薄くなり、居飛車に都合の良い変化もある」としているが、本書では「将来▲4五桂や▲2六桂があって後手が損」とされ、全く取り上げられていない。どちらが正しいのかは不明だが、少なくとも内容はほとんどかぶってないといえる。

「定跡道場」という新シリーズ名になったが、中身は「東大将棋ブックス」シリーズの続編なので、解説の仕方やレイアウトなどは同じ。以前に比べるとやや読みやすくなったように思えたが、気のせいかもしれない(笑)。どうやら、棋力が上がってきたのでスムーズに読めるようになってきたせいかも?

ただ、目次は符号だけなので、どの局面か思い浮かべるのは容易ではない。全て分かる人はほとんどいないだろう。なので、検索性能を高めるため、チャートを自作してみた。

 『定跡道場 先手四間VS早仕掛け』チャート

こうすれば少しは分かりやすい(と思う)。第1章第1節が本筋で、章が進むにつれて少しずつ上流の検討になっていることが分かる。「東大将棋ブックス」シリーズもそうだったが、なぜ昔のMYCOM本のようにチャートを載せていないのだろう?

中終盤の詳細な検討がメインなので、実戦でチャートの局面になったことがある方は迷わず買い。また、▲四間飛車vs△6五歩早仕掛けについてまとめられた本は少ないので、まだ棋力が低い方も将来のために買っておいたほうがいいかも?(2009Jul05)


四間飛車がわかる本
zoom
最強将棋レクチャーブックス(4)
四間飛車がわかる本
個別ページへ
野秀行
浅川書房
ISBN:978-4-86137-021-2
2008年7月
\1,470
188p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
中級〜上級向き
※より詳しい内容は個別ページをご覧ください。
プロローグ アマチュアのための定跡書 7p
第1章 空間を支配して勝つ【斜め棒銀 step 1】(飛先突き捨てなし型) 18p
第2章 大決戦と仕切り直し【斜め棒銀 step 2】(飛先突き捨て型) 26p
第3章 仕掛けを止めて中央でさばく【斜め棒銀 step 3】(準急戦型) 20p
第4章 玉形を乱して勝負【早仕掛け step 1】(▲6五同銀に△同桂) 34p
第5章 寄せ合いとスピード【早仕掛け step 2】(▲6五同銀に△7七角成) 20p
第6章 自分から動ける時【早仕掛け step 3】(玉頭銀) 12p
第7章 角のラインが生命線【棒銀 step 1】(歩を取り込んでから△7二飛) 20p
第8章 強引なさばきを通す【棒銀 step 2】(単に△7二飛) 20p
第9章 さばきを止められたあと【棒銀 step 3】(準急戦型) 14p

・【コラム】▲6五銀と▲5七銀

◆内容紹介(まえがきより抜粋)
「将棋の通訳になりたい」 いつからか、こう思うようになりました。
(中略)本書は、四間飛車対居飛車急戦の基礎を、できるだけかみ砕いて解説したものです。定跡書に挑戦したことはある。しかし途中で挫折したり、すべてはマスターしきれなかった、そんな普通の将棋ファンを意識して執筆に当たりました。(中略)覚えるべき定跡は必要最低限にとどめ、むしろ、アマチュアの方が苦手にしている「中終盤のコツ」をできるだけわかりやすく伝えるように努めました。
(中略)再度機を総点検するなかで、いくつかの新手も発見しました。そのうち、アマチュアの方も使いこなせると判断したものについては、ここで発表します。

△四間飛車vs▲5七銀左急戦の戦法解説書。上級〜初段/二段くらいの人が△四間飛車を持って勝てるように解説した本である。

また四間飛車か……」棋書を何冊も持っている人はそう思っただろう。わたしは思いました(笑)。確かに四間飛車vs急戦を解説した本はかなりたくさん出ているし、△4三銀型への斜め棒銀・早仕掛け・棒銀がメインで載っている本に限定しても、2004年以降の5年間ですでに3冊出ている。

 ・『四間飛車の急所(2) 急戦大全【下】』,藤井猛,浅川書房,2004.10
 ・『木村一基の急戦・四間飛車破り』,木村一基,NHK出版,2005.03
 ・『四間飛車破り【急戦編】』,渡辺明,浅川書房,2005.04

また、本書とよく似たコンセプトの本には、次のものがある。

 ・『ホントに勝てる四間飛車』,先崎学,河出書房新社,2002.12

なお、野自身も『これにて良し? 四間飛車VS急戦定跡再点検』(MYCOM,1999)という四間vs急戦の本を出していて、これは本書と対象棋力がほぼ同じである。ここに挙げた5冊はいずれもかなりの良書である。

本書は渡辺本以来3年ぶりの四間対急戦の本ではあるが、この3年でプロ公式戦での四間飛車は激減し、なにか革新的な定跡の進化があったわけでもない。

ではなぜいま四間vs急戦の本なのか?……レビューの続きを読む(2008Aug19)


四間飛車破り【急戦編】
zoom
最強将棋21
四間飛車破り【急戦編】
個別ページへ
渡辺明
浅川書房
ISBN:4-86137-009-4
2005年4月
\1,470(5%税込)
270p/19cm

[総合評価]
S

難易度:★★★★☆
図面:見開き4〜5枚
内容:(質)S(量)S
レイアウト:A
解説:S
読みやすさ:A
有段〜高段者向き
第1章 4五歩早仕掛け ・渡辺明の結論
(1)素直に△5四歩 (2)角で取る後手の狙い (3)本筋の飛車切り
(4)先に△7四歩 (5)最強の玉頭銀 (6)玉頭銀を狙う (7)角頭を狙う
(8)手損戦法 (9)6八金型へ (10)最強の応手 (11)先手から角交換
(12)本線へ (13)銀引きはどうか (14)角で取ると
108p
第2章 4六銀左急戦 ・渡辺明の結論
(15)基本の手順 (16)2筋を突き捨てる (17)主流の6九金型
(18)やはり2筋を突き捨て (19)△3六歩の戦い (20)△3七歩の戦い
(21)最前線へ (22)最新形とその結論 (23)準急戦
(24)▲3七銀上はどうか (25)駒組みはどうか
72p
第3章 棒銀戦法 ・渡辺明の結論
(26)棒銀戦法 (27)△4五銀の戦い (28)△3三桂の戦い
(29)△4四歩の戦い (30)△4二飛の戦い (31)加藤流の戦い
(32)最新の棒銀対策 (33)最善の駒組み (34)6五歩型
(35)最新の▲3五歩 (36)駒組みはどうか (37)先に△4二角
80p

◆内容紹介(表紙見返し「著者からひとこと」より)
四間飛車に対しては急戦と居飛車穴熊がよく指されていますが、両方とも指せるようになれば、作戦の幅は大きく拡がり、勝率もグンとアップするはずです。振り飛車に対して急戦を挑めば安全勝ちは期待できませんので、本書では終盤の攻防にも踏み込んで深く解説しました。アマチュアの皆さんは、これでバッチリだと思います。

△四間飛車vs▲急戦の定跡書。基本的には△4三銀型に対する居飛車急戦。

対四間飛車の急戦については数多くの棋書が出ている。最近だけでも、渡辺の師匠・所司六段の「四間飛車道場シリーズ」(急戦編は2001〜02)や、同じ最強将棋21シリーズの「四間飛車の急所シリーズ」(同じく2004〜2005)など、関係の深いところから出ているので、本書は非常に出しづらかったと思う。それでも出された本書は、かなり完成度の高いものとなっている。これがデビュー作とは思えないくらいだ。

まえがきにある「(振飛車側の)序盤のぎこちない動き」とは、早い△4三銀のこと。対急戦に強いのは△3二銀型である。それでも四間側が△4三銀と上がるのは、居飛穴を意識してのことだ。ならば急戦で破りましょうというのが本書の意図。△4三銀型に有効な3つの急戦策を、非常に詳しく解説している。

基本的に解説は1頁単位で区切られる(場合によっては2〜3頁)。頁の内容により、難度が[基本][上級][プロ級]と3段階で表示されているのが秀逸。

 [基本]:数多くの定跡書にも書かれている変化で、まさに“基本”。とはいえ、[基本]を全てマスターできているならアマ四段は確実。
 [上級]:古い定跡書には載っていないものの、ここ10年くらいで出てきた変化で、すでにプロ的には常識化しているもの。
 [プロ級]:最新の実戦で現れたものや、難解な変化を含んでいて研究課題となっているもの。

[プロ級]の頁では、ときには最終盤まで徹底的に突っ込んで渡辺の研究がビッシリ書かれている。また、渡辺自身や他のプロの実戦譜も豊富に紹介。『振り飛車ワールド』の指定局面戦の内容も取り入れている。なお、渡辺明ブログ2005.3.9の内容(渡辺vs千葉戦)が文章中に出てきたのにはビックリした(p91)。わたしが本書を手にしたのが4月下旬なので、本当に締め切りのギリギリまで、最新の内容について執筆されていたことは驚きだ。それでいて、誤字脱字がかなり少ないことには感服(2〜3ヶ所あった)。

オビに「抜群の歯切れよさ!」とあるように、「先手よし」「先手勝ち」などの結論は非常に明快。ただし、「プロ的な研究と大局観のもとで、先手良し」というレベルのものも多いので、その辺は自己判断で。研究熱心な人は、本書の“居飛車党感覚”と「四間飛車の急所シリーズ」の“振飛車党感覚”を比較してみると、より相乗効果が得られるだろう。

正直、それほど期待していなかっただけに(渡辺先生ゴメンナサイ)、すごくお得な買い物をした気分である。

なお、ほとんどの頁はちゃんとした解説だが、「おもしろ部」があったので、引用しておく。(170p)

『私の師匠が書いた定跡書を直前に読んで指定局面戦に臨んだ。「△8八銀には…(略)…で先手勝ち」と書いてある。その通り指したところ、△5一金引と本に書いてない手を指されて困った。なんでこんな決め手が書いていないのかと思い、終局後に「この手は載ってないですよ」と問い詰めたものの、上手くかわされてしまった。』

ちなみに渡辺は、竜王を奪取したときも「雑誌に好手と書いてあったのでこの手の善悪に疑いを持たなかった」と述べ、感想戦に参加した藤井九段をのけぞらせている(笑)。詳しくは『第十七期竜王決定七番勝負』の観戦記を参照。(2005May08)


木村一基の急戦・四間飛車破り
zoom
NHK将棋シリーズ
木村一基の
急戦・四間飛車破り
個別ページへ
木村一基
日本放送出版協会
ISBN:4-14-016132-9
2005年3月
\1,050(5%税込)
224p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:B
解説:A
読みやすさ:A
中級〜有段者向き
第1章 棒銀戦法 威力抜群の▲3五同銀/攻めの急所▲4五歩
/巧みな繰り替え▲3七銀/俗な決め手▲5三銀
40p
第2章 ナナメ棒銀戦法 強力なアシスト▲3八飛/強く前進▲3五銀
/効果絶大▲2二角/底力発揮の▲3九飛
40p
第3章 ▲4五歩戦法 急所の好着▲8六桂/渋い好手▲7八玉
/スカッと速攻▲3一角/紫電一閃▲9五歩
/早目が肝心▲7七歩
44p
第4章 鷺宮定跡 絶好の拠点▲3四歩/柔軟な対応▲6六歩
/臨機応変▲2八飛/堅実な構想▲3七銀
/磐石の好形▲3六銀/攻めの司令塔▲4四角
/絶妙の呼吸▲6八金上
78p

・参考棋譜=6局(ナナメ棒銀=3局、▲4五歩=1局、鷺宮定跡=2局)
・力試し詰将棋=14問

◆内容紹介(NHK出版HPより)
美濃囲いを破れ!急戦策で四間飛車を討ち取ろう!
アマチュアに大人気の四間飛車を急戦で討ち取る秘訣を、棒銀戦法、ナナメ棒銀戦法、▲4五歩戦法、鷺宮定跡の4つの策に分けてわかりやすく解説する。これにより攻略のポイントを体系立ててマスターできる。

△四間飛車vs▲急戦の解説書。NHK将棋講座のテキストを加筆修正したもので、5七銀左型からの四大急戦をすべて解説。

この木村のNHK講座は「とても分かりやすい」と好評だった。各項のタイトルが短い言葉と符号のみでポイントを的確に突いているのが良い。また本文も非常に分かりやすく、「急戦やりてぇぇ!!」という気持ちにさせてくれる(笑)。実戦譜に一線級の棋士との対局を採用している点もポイント高し。

急戦の本はたくさん出ているので、内容の大部分は他書でも見られるものだが、解説の明快さは群を抜く。また、第4章の(4)〜(6)は「本邦初公開」(174p)の▲3八飛+▲3七銀。「棒銀の堅実な攻めを鷺宮定跡に応用」(同)しようというもので、定跡研究だけでなく実戦採用もしている(参考棋譜(5))。

内容的にはかなり良いが、図面構成に少し難あり。変化が分岐しているときに再掲図がないため、数ページ前を何度もめくるハメに。また、各項の眼目の一手は、盤上で桝目を白黒反転させて強調。これは工夫としては良いが、その駒が残っている局面ではずっと強調されているので、図によっては強調駒が2つ(もう一つは直前の指し手)になっていたりする。せめて網掛けくらいにしてくれれば見やすかったのになぁ。とはいえ、これらの不満点は小さい。


急戦が成功するか否かのカギはある意味、舟囲いに対する愛情の深さにかかっているといっても過言ではないでしょう」(まえがき)。いや、これは名言です。“舟囲いはメンテナンスをきっちりやれば案外耐久力がある”というのは急戦党には当然のことだが、それを“愛”と表現したところに感動した。これ一発ですっかり木村ファンになりました(笑)。

本書があれば、もう『羽生の頭脳(1)』は要らないかも…。(2005Jul13)


鷺宮定跡
zoom
鷺宮定跡 〜歴史と最先端
個別ページへ
青野照市
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-1698-5
2005年3月
\1,449(5%税込)
224p/19cm

[総合評価]
B

難易度:★★★★
(第4章は★★★★☆)

図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:B
上級〜有段者向き
第1章 山田定跡の限界 (1)山田定跡△6四歩型
(2)△5四歩型の攻防
(3)先手四間飛車対山田定跡
24p
第2章 初期の鷺宮定跡の攻防 (1)▲3八飛に△4三銀
(2)▲3八飛に△4五歩
(3)▲3八飛に△1二香の待機
(4)△4三銀型への攻撃法
(5)飛銀総交換の変化
(6)▲3八飛に△3六歩の中合い
46p
第3章 後手の工夫と対策 (1)△1二香型に山田流
(2)△5四歩〜△4三銀型
(3)6九金型▲3八飛に△4三銀
(4)△5四歩〜△1二香の待機
(5)△5三歩〜△6四歩型の待機
(6)△4三銀▲4六銀型・△3六歩の対策
(7)▲3八飛に△3七歩
(8)▲3八飛に△4三金
(9)▲3八飛に△2二角
98p
第4章 最新の対策と問題点 (1)▲3九飛型の問題点
(2)△4三金型の問題点
(3)▲3八飛に△4五歩の超急戦
50p

◆内容紹介(MYCOMホームページより)
「必勝鷺宮定跡」「新・鷺宮定跡」などの著書で知られる青野九段が、待望の書き下ろし定跡書を出版します。まず山田定跡の功績とその限界の理由を述べ、なぜ鷺宮定跡が生まれたか、そしてその後二十年間にわたって居飛車・振り飛車がどのような工夫をしてきたかを詳細に解説します。最終章では最新の攻防と現状の問題点を浮き彫りにし、今後の研究課題となる最先端の攻防を最後の寄せ合いに至るまで詳説。これ一冊で鷺宮定跡のすべてがわかる、鷺宮定跡ファン必携の一冊です。

△四間飛車vs▲居飛車急戦の定跡書。特に▲鷺宮定跡と▲左4六銀戦法を詳しく解説。

青野はこの戦型の第一人者であり、これまでにも『必勝!鷺宮定跡』(1986)『新・鷺宮定跡』(1997)『青野照市のノックアウト四間飛車』(2002)など、詳しい解説書をいくつも出している。

本書はその集大成、総集編というべき一冊。第1章〜第3章では上記3冊の内容をまとめてある。第4章は未解決の局面に対する研究で、少し難度が高め。研究家の人は、以下のように比較検討すべき本がたくさんある。

  『振り飛車ワールド第二巻』/『振り飛車ワールド第三巻』(指定局面戦)
  『四間飛車道場第三巻』/『四間飛車道場第六巻
  『四間飛車の急所(2)』/『四間飛車の急所(3)
  『四間飛車破り【急戦編】』など。

30年以上前の山田定跡から現在の鷺宮定跡・左4六銀戦法までの流れが書かれているので、まさに「歴史と最先端」の名がピッタリ。青野があとがきで書いているとおり、かなり「前後のつながりが良い本」になっている。ただし、各節で最初に本筋の手順を書いたあと、いきなり枝葉の変化の解説が続くので、今の局面がどこなのか混乱しやすい箇所もあった。また、前記3冊では▲四間飛車の場合も書かれていたが、本書では△四間飛車のみ。

第1章〜第3章は本筋付近の変化に絞られているので、『必勝!〜』や『新・〜』を読んだあとだとかなり物足りなく感じた。第3章までの内容について深い研究を知りたい人は、なんとしても前記2冊を読むべし。全体像を捉えたい人、歴史をなぞって頭をスッキリさせたい人、最新の課題を知りたい人は本書をどうぞ。


※ところで、この戦型では居飛車側が斜めのライン(/の向き)に角を打つことが多いが、どこに打つか迷いやすいもの。8八か、7七か、6六か…。本書では解説中に角の打ち場所について触れてあるのが親切で面白いと思った。

以下メモ。
 ▲7七角(目標にならないときは、8八より玉が広い)(51p)
 ▲6六(角)なら後手から取られても▲同歩が好形ゆえ、…(142p)
 ここ(▲6六角)へ打つ弱点は、…△6四馬と引かれることである。この場合は▲7五角とぶつける手が△同馬と取られたときに△7六香のキズができるため、…(181p)
 ▲6六角(6四歩がない場合はここ)(198p)

※一般的には、鷺宮定跡は「△3二銀型に対し、▲3八飛と寄る攻撃法」と認知されていると思うが、青野本の場合は「△4三銀型に対する▲4六銀(左)」もセットで“広義の鷺宮定跡”となっている。


四間飛車の急所(4) 最強の4一金型
zoom
最強将棋21
四間飛車の急所(4)
最強の4一金型
個別ページへ
藤井猛
浅川書房
ISBN:4-86137-007-8
2005年3月
\1,470(5%税込)
232p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
第1部 基本定跡の研究 ・4一金型とは?/4一金型の見取り図/藤井ファイル=17p
●△5四歩型
 (1)5四歩型に斜め棒銀 (2)5四歩型に▲3八飛
 (3)5四歩型に▲3五歩 (4)5四歩型に▲4六歩
●△6四歩型
 (5)6四歩型に▲3五歩 (6)6四歩型に▲4六銀
 (7)6四歩型に▲4六歩 (8)6四歩型に▲4六歩-2
 (9)6四歩型に▲4六歩-3
 (10)6四歩型に▲6八金直 (11)6四歩型に▲6八金直-2
●△1二香型
 (12)1二香型に▲4六銀 (13)1二香型に▲4六歩
●△3二金型
 (14)3二金型に▲5五歩 (15)3二金型に▲6八金直
104p
第2部 基本定跡を応用する
(実戦解説)
(1)さばきと寄せの研究 (2)形の比較 (3)形を生かす戦い方
(4)玉頭銀にチャレンジ (5)二手損作戦VS棒銀 (6)辛抱する玉頭銀
(7)マイナスの手について (8)手待ちと手作りの問題
(9)一手の遅れの研究 (10)手待ちの意味 (11)先手番への応用
(12)端歩問題を解く (13)対棒銀へのさばき
・参考棋譜
120p

浅川書房HPでの紹介

◆内容紹介
大山十五世名人が愛用した4一金型四間飛車を、現代四間飛車の旗手藤井猛が独自の研究と工夫を重ねて、すべての振り飛車定跡の最高峰の極みにまで精錬させました。その秘伝を今初めて公開。著者が最も愛用している4一金型が初めて本になりました!

4一金型基本図△四間飛車4一金型の定跡書。

 「これまでの定跡知識をベースに、より有利な戦い方を選び取るのが4一金型の考え方だ。」(64p)

4一金型とは、簡単に言えば「△3二金と上がる含みをギリギリまで残す」というのが基本思想。△3二金とすれば、玉は薄くなるが、ほとんどの急戦を封じることができるのだ。定型に戻すこともできるので、選択肢を広げて待つことができる。

その代わり、4一金の動きを保留するために、なにか別の一手を先に指さなければならない。そのため、通常型とは似て非なる戦型であり、4一金型独特の変化も数多く出てくる。

本書では、その独特の変化を中心に解説されている。これだけでは車の片輪で、通常型をしっかり理解してこそ、4一金型のメリットを享受できるのだ。これまでの3冊は、この「4一金型」を解説するための準備だった、といえる。

本書を読んだとき、「左金の動きを保留するだけでこんなにも四間飛車の幅が広がるのか」と驚いた。同時に、実戦で使ってみたところ、非常に面白く戦えた。

通常、わたしは「定跡解説半分・あとは実戦解説」という本には評価を辛くし、B以下をつけることが多い。しかし本書の場合は、類似の本がほとんどないこと、定跡解説部の内容が濃いこと、実戦解説が定跡部と密接に関係していることを高く評価した。ただしこれはシリーズ4冊を総合しての評価分が加味してある。本書一冊を理解しているだけでは4一金型の効果も半減なので注意。

※実戦例のうち(11)〜(13)の3局は▲四間飛車だが、(12)(13)は▲6九金型の戦いではなく、早くに左金をあがっている。本書のテーマからやや外れてはいるが、「先後の一手の違いを考える」ということで収録したようだ。


さて、「四間飛車の急所」シリーズは、このあと居飛穴編などになるのかと思っていたら、この4巻でいったん完結だそうだ(続編はまったく未定)。というわけで、シリーズ全体を総括しておく。

本シリーズは、「四間飛車の全体像を把握する(1巻)+対急戦の幅を広げる(4巻)」ことに成功した。また、2巻・3巻によって従来からある▲5七銀左急戦をほぼ完全にまとめきった。あえて要望を挙げれば、急戦の先後の違いをまとめた本があと1冊ほしかった。

「四間飛車の本を10冊まで選んでよい」と言われたら、わたしは本シリーズ4冊を含めると思う。ただ、2巻と3巻は既視感がかなりあるため、「5冊選べ」ならドロップし、1巻と4巻を残したい。(2007Jul16)


四間飛車の急所(3) 急戦大全【下】
zoom
最強将棋21
四間飛車の急所(3)
急戦大全【下】
個別ページへ
藤井猛
浅川書房
ISBN:4-86137-006-X
2004年10月
\1,470(5%税込)
232p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
第1章 ▲6九金型
斜め棒銀
【左4六銀】
第1章の見取り図=1p/藤井ファイル=9p
(1)基本となる形 (2)△3六歩打ち捨て策 (3)青野新手▲3九飛
(4)最も激しい順 (5)準急戦の研究
44p
第2章 ▲4五歩早仕掛け
(▲6八金型)
【4五歩早仕掛け】
第2章の見取り図=1p/藤井ファイル=7p
(6)▲4五歩早仕掛けの基本 (7)△2四同歩の形
(8)先手から角交換 (9)角で取る有力策 (10)有力な米長流
(11)▲2四歩の意味 (12)高度な戦い▲3五歩
52p
第3章 ▲4五歩早仕掛け
(▲6九金型)
【4五歩早仕掛け/玉頭銀】
第3章の見取り図=1p/藤井ファイル=9p
(13)▲6九金型のメリット (14)定説を覆す新手 (15)玉頭銀へ
(16)玉頭銀の戦い (17)玉頭銀を牽制
48p
第4章 棒銀 【棒銀】
第4章の見取り図=1p/藤井ファイル=13p
(18)棒銀の四つの形 (19)馬を作らせる△4五銀
(20)馬を作らせない△3三桂 (21)加藤流の戦い
(22)△6五歩の意味 (23)再び△6五歩の意味
(24)棒銀から準急戦へ (25)手待ちの形 (26)端で動く
(27)▲9八香の意味 (28)最善形を阻止する工夫
(29)仕掛けを封じる△5三金 (30)棒銀はどんな戦法か
77p

 ⇒浅川書房HPでの紹介

◆内容紹介
四間飛車はここまで進化した。4五歩早仕掛けと玉頭銀、斜め棒銀、棒銀―急戦三大戦法のすべてを解き明かす!10年先まで使える定跡書の金字塔。

△四間飛車vs▲5七銀左急戦の定跡書。その中でも△4三銀型に対する斜め棒銀(▲6九金型)、▲4五歩早仕掛け、棒銀を詳しく解説。

各章の冒頭で戦型のまとめ「藤井ファイル」は本書も健在。1テーマ図ごとに1ページのまとめはホントに分かりやすい。先に概要を把握しておくことで、本文の理解もしやすくなる。

基本的に前著『四間飛車の急所(2) 急戦大全【上】』と本書はワンセット。2冊通して読んで、はじめて▲5七銀左戦法の全体像を把握できる。ただ、四間飛車党で△4三銀型しか指さないという人は、本書一冊だけでいいかも。

本書の半年後に出版された『四間飛車破り 【急戦編】』(渡辺明)とかなりテーマがかぶるので、読み比べてみると面白い。前著と同様、この分野の詳しい定跡書は多いので、冊数を絞りたい人は無理に読まなくてもいいかもしれない。

ただし、シリーズ全体に流れる「四間飛車の思想」を知るには当然必読だし、次書の『四間飛車の急所(4) 最強の4一金型』のベースになっていることも考慮に入れるべし。(2007Jul10)


四間飛車の急所(2) 急戦大全【上】
zoom
最強将棋21
四間飛車の急所(2)
急戦大全【上】
個別ページへ
藤井猛
浅川書房
ISBN:4-86137-004-3
2004年8月
\1,575(5%税込)
264p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
プロローグ 急戦の見取り図   4p
第1章 24手目△5四歩
(△3二銀型)
【山田定跡▲9七角,鷺宮定跡】
第1章の見取り図=1p/藤井ファイル=16p
(1)△5四歩の意味 (2)端角作戦 (3)すぐに▲7九角
(4)2筋を受ける△4三銀 (5)鷺宮定跡の狙い
(6)形を決める△4三銀 (7)端の交換 (8)実戦的な△6五歩
(9)最善の△1二香 (10)角交換を拒否 (11)▲4六歩作戦
(12)中原流端角作戦
88p
第2章 24手目△6四歩
(△3二銀型)
【山田定跡▲3五歩,鷺宮定跡】
第2章の見取り図=1p/藤井ファイル=7p
(13)△6四歩の意味 (14)△1四歩の効果
(15)5三歩型を生かす (16)端の交換がなければ
(17)形と手順
48p
第3章 24手目△1二香
(△3二銀型)
【鷺宮定跡】
第3章の見取り図=1p/藤井ファイル=6p
(18)△1二香の意味 (19)△1二香に▲3八飛
(20)振り飛車の考え方 (21)ベストの構え
(22)仕掛けのタイミング (23)▲2五歩△3三角を保留
40p
第4章 斜め棒銀
(△4三銀型)
(▲6八金型)
【左4六銀】
第4章の見取り図=1p/藤井ファイル=16p
(24)△4三銀の意味 (25)2筋突き捨て型
(26)▲5五歩型 (27)▲3七銀引準急戦 (28)△1二香型へ
(29)再び2筋突き捨て型 (30)再び▲5五歩型
(31)再び▲3七銀引準急戦 (32)▲3七銀上準急戦
(33)有力な△5三金
76p

◆内容紹介(まえがきより) ⇒浅川書房HPでの紹介
四間飛車対5七銀左戦法における私の思考・研究、いわば私の頭の中身を公開し、わかりやすくまとめる――本書が目指したのはそれである。
定跡をただまとめるだけでなく、私の経験そのもの、血と汗と涙が染み込んだ本を書きたかった。公式戦だけでなく研究会で指した、まだあまり知られていない変化も含め、思考の裏側にまで踏み込んだ内容になっている。
(中略)急戦編では、
定跡の解説・私の研究と見解・実戦例を三本柱に、昔から現在まで、急戦のひと通りの形をすべて取り上げた。可能な限り枝葉の部分まで、結論が出ていないところはそのまま、結論が出ているところは惜し気なく、ときには詰みに至るまで、正直に語り尽くしている。
ふだん本を読んでいると、つい「これにて振り飛車よし」という形ばかりに目が行って、手っ取り早くその形を覚えて指そう、ということが多いと思う。しかし
覚えてほしいのは、むしろ「これにて居飛車よし」とされている形である。本書で例を挙げているように、その形が少し変わっただけで「振り飛車よし」に変わることもある。こうしたほんのわずかな違いに敏感になれば、実戦で大いに役立つはずである。(後略)

△四間飛車vs▲5七銀左急戦の定跡書。その中でも△3二銀型に対する山田定跡(▲3五歩、▲9七角)と鷺宮定跡、△4三銀型に対する▲6八金上型の斜め棒銀を詳しく解説。

前著『四間飛車の急所(1) 進化の謎を解く』では、四間飛車を統括して解説した。それにより全体像が見えるようになったので、本書からいよいよ細かい部分まで解説していく…というもの。本書では主に△3二銀型に対する▲5七銀左急戦を採り上げる。

各章の冒頭で、戦型のまとめをやってしまうのが斬新。この型の構成は、たとえば「羽生の頭脳」シリーズで“羽生の結論”として従来からあるものだが、図面の下に数行の解説というものがほとんどだった。本書の「藤井ファイル」では、1テーマ図ごとに1ページを使ってしっかりとまとめ上げている。時間のないときや全体を見たいときは「藤井ファイル」を読んでいき、分からないところだけ本文を読むという使い方もできる。

全体的に、藤井の言葉でしっかりと書かれていて、完成度も高い。▲5七銀左系の定跡書では一押しだ。

ただ、この分野の定跡書はすでに良書がたくさんあり、本書の内容もほとんど既出である。たとえば『新・鷺宮定跡』(青野照市,日本将棋連盟,1997)はテーマもほとんど同じ。定跡は進歩してはいるが、幹はあまり変わっていないし、細かい部分の変化なら「東大将棋ブックスシリーズ」に一歩譲る。

▲5七銀左急戦の本を初めて買う人、全体像を見たい人には、従来の『羽生の頭脳(1)(2)』に代えてオススメしたい。逆に、定跡通の人には少し物足りないかも…?(2007Jun30)


最強四間飛車マニュアル 急戦編
zoom
最強四間飛車マニュアル
急戦編
個別ページへ
久保利明
日本将棋連盟
ISBN:4-8197-0368-4
2002年12月
\1,500
223p/21cm
   
第1章 後手急戦VS四間飛車
第2章 後手棒銀VS四間飛車
第3章 先手急戦VS四間飛車
第4章 先手棒銀VS四間飛車

◆内容紹介
駒組みの早い段階での△1二香や△6五歩〜△6四角など、久保流の軽快なさばきを織り交ぜながら、先手四間飛車、後手四間飛車の両面から、あらゆる変化を詳しく、分かりやすく解説した、四間飛車VS居飛車急戦・棒銀の最新完全ガイド。
 



zoom
東大将棋ブックス
四間飛車道場 第六巻
最強1二香
個別ページへ
所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-0772-2
2002年8月
\1,200
222p/19cm
   
第1章 最強△1二香型の駒組み   10p
第2章 ▲4六歩型新鷺宮定跡 △6四歩型に▲4五歩|△6四歩型に▲3五歩|
△7四歩型|その他の形
66p
第3章 ▲3五歩型鷺宮定跡 △3ニ飛に▲3六飛|△3ニ飛に▲6六角|△3ニ飛に▲2八飛 38p
第4章 ▲6六歩型鷺宮定跡 △6四歩に▲3五歩|△6四歩に▲9七角 20p
第5章 ▲6六歩居飛車型 ▲9七角に△5三金|▲9七角に△6三銀 16p
第6章 △6四歩型対鷺宮定跡 ▲3八飛に△4三銀|▲3八飛に△4五歩|▲3八飛に△7四歩 24p
第7章 5筋位取り 5筋位取り▲4六歩型|5筋位取り▲6六歩型 20p
第8章 ▲6九金型 ▲6九金型鷺宮定跡|▲6九金型斜め棒銀 22p

◆内容紹介(MYCOMホームページより)
藤井システムは早めに4三銀と上がる形ゆえに居飛車は急戦策が有力となった。しかし、相手が必ず急戦で来るのなら、四間飛車は
3二銀・1二香型に組んだほうがいい。この構えはあらゆる急戦策を跳ね返してきた難攻不落の陣である。ところが、近年になって居飛車側に新型の急戦策が現れた。3八飛と寄る鷺宮定跡に4六歩と突く4五歩早仕掛けをミックスさせた指し方で、プロ間でも脚光を浴びている。果たして四間飛車対急戦の歴史を覆す戦法になるかどうか。本書にはそんな最新の攻防がびっちりと収められている。本書を読まずに四間飛車は語れない。

 



zoom
東大将棋ブックス
四間飛車道場 第五巻
棒銀
個別ページへ
所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-0737-4
2002年6月
\1,200
222p/19cm
   
第1章 棒銀の駒組み   22p
第2章 △5一角-4五銀型 ▲3六銀に△4四角|▲3六銀に△3七歩|
▲3六銀に△3四銀|単に▲3六銀の変化
52p
第3章 △5一角-3三桂型 ▲4六銀右に△4四歩|▲4六銀右に△3五歩|
▲4六銀右に△3六歩
44p
第4章 ▲4六歩型その他 △6五歩型|△1三歩型|▲1七歩型 58p
第5章 ▲4七歩型 △4ニ金型に▲9八香|△4ニ金型に▲3五歩
△4ニ金型に▲9七角
32p
第6章 1筋端攻め型  

8p

◆内容紹介(MYCOMホームページより、一部割愛)
藤井システムの登場により、勢いを取り戻した四間飛車。居飛車側の対策として急戦が見直されているが、本書は棒銀対四間飛車の最新定跡を徹底解説した一冊だ。棒銀は振り飛車の弱点である角頭を飛車と銀の協力で狙う作戦で、古くから定跡化されている。四間飛車側はいろいろな対策を編み出し、棒銀に対抗してきたが、近年になって居飛車側にも端を絡めた攻め筋が現れた。本書にはそんな最新の攻防がびっちりと収められている。本書を読まずに四間飛車は語れない。

 



zoom
東大将棋ブックス
四間飛車道場 第四巻
4五歩
個別ページへ
所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-0679-3
2002年4月
\1,200
222p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★☆
図面:見開き6枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:B
有段向き
第1章 ▲4五歩早仕掛けの駒組み   8p
第2章 △2四同角型 ▲9五歩突き捨て型|▲4三歩型|▲4五歩型 48p
第3章 △2四同歩型 △4五同銀〜△8八角成型|△4五同銀〜△同飛型|
△4五同銀に▲3三角成|△5三銀型
86p
第4章 二枚銀戦法   26p
第5章 その他の形 △6五歩型|△7三桂型|△1二香型|米長流▲4六銀|
▲3五歩早突き|△1二香早上がり|▲6九金型
48p

◆内容紹介(MYCOMホームページより、一部割愛)
藤井システムの登場により、勢いを取り戻した四間飛車。居飛車側の対策として急戦が見直されているが、本書は▲4五歩早仕掛けの最新定跡を徹底解説した一冊だ。▲4五歩早仕掛けは「振り飛車には角交換を狙え」という格言にそった作戦で、古くから定跡化されている。▲2四歩の突き捨てを角で取るか、歩で取るか、四間飛車側は頭を悩めるが、近年、△2四同角に対して▲9五歩と玉側の端歩を突き捨てる作戦が現れた。本書を読まずに四間飛車は語れない。

「△四間飛車vs▲4五歩早仕掛け」専門の定跡書。その中でも「▲6八金直型」(右図)がメインテーマで、かなりのページ数を割いている。

急戦!振り飛車破り(4)』(1992)などで解説されている「▲6九金型」と仕掛け部分は似ているが、先後とも一手ずつ手が進んでいるため、中盤以降の展開はかなり変わってくる。同じ▲6八金直型について解説している『羽生の頭脳 1』(1992)の内容は、本書にほとんど含まれている。ただし本シリーズは百科事典的要素が強い。

注目は定跡書初登場の「郷田新手」(第2章 △2四同角型-▲9五歩突き捨て型)。公式戦での初出は2000/4/10の郷田真隆vs鈴木大介(竜王戦)。△2四同角型の重要変化なので、居飛車急戦党と四間飛車党の方は必ずチェックしておきたい。(2003Sep21)



zoom

必見・青野の勝ちポーズ
青野照市の
ノックアウト四間飛車
個別ページへ
青野照市/著
日本棋道協会/編
フローラル出版
ISBN:4-930831-40-7
2002年2月
\1,300
224p/19cm

[総合評価]
C

難易度:★★★☆
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
構成:B
読みやすさ:B
級位者・新しい変化を
知りたい有段者向け
第1部 先手編 ・▲鷺宮定跡=72p
・▲左4六銀=60p
132p
第2部 後手編 ・△鷺宮定跡=14p
・△左6四銀=31p
45p
  番外編 ・△山田定跡(△7五歩早仕掛け) 5p
  練習問題 14問  
四間△3ニ銀型と△4三銀型に対して、左銀が主役の急戦策を解説した本。

基本的には居飛車側のスタンスで書かれている。居飛車側が望めばこの本で解説されている形になりやすく、これ一冊で四間飛車と互角以上に戦えるだろう。変化によっては、通常の定跡書から先の寄せも書かれている。新しい変化がいくつか紹介されているので、居飛車急戦党と四間飛車党は必見だ。

構成にはかなり不満がある。図面は多めだが、必要な図面をページを戻って探すことが多く、読みづらかった。また、誤字の多さ(“玉手”はちょっと・・・)と図面の汚さ(成桂など、2文字の駒が枠からはみ出ている)もマイナス。対象棋力も5級〜三段くらいまでバラついているようだ。内容は充実しているだけに惜しまれる。

同時期に出版された『四間飛車道場 第三巻』(2002)と変化を比較して見るのも面白いだろう。ちなみに裏表紙のレフリーのおっさんは必見です!(笑)(2002May01)



zoom
東大将棋ブックス
四間飛車道場 第三巻
左4六銀
個別ページへ
所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-0642-4
2002年2月
\1,200
222p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★☆
図面:見開き6枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:B
有段向き
第1章 左4六銀の駒組み   8p
第2章 ▲6九金型左4六銀 (1)△3七歩の変化 (2)△3六歩の変化 (3)△4五歩の変化
(4)△4三金の変化 (5)△2二角の変化 (6)突き捨て省略型
(7)先手準急戦
166p
第3章 ▲6八金型左4六銀 (1)△6四歩型 (2)△1二香型 (3)その他の形 42p

◆内容紹介(MYCOMホームページより、一部割愛)
「東大将棋ブックス四間飛車道場」シリーズもいよいよ第三巻!急戦の王道といえる左4六銀戦法の最新定跡を徹底解説した一冊です。藤井システムの登場により、勢いを取り戻した四間飛車。居飛車側の対策として急戦が見直されています。左4六銀戦法は最も研究の進んでいる分野で、ある変化は詰みまで定跡が確立されていますが、近年、四間飛車側の新対策として3七歩が現れました。本書を読まずに四間飛車は語れません。

「△四間飛車vs▲左4六銀戦法」専門の定跡書。その中でも「▲6九金型」(右図)がメインテーマで、かなりのページ数を割いている。

「▲6八金型」は第3章で少し解説されているが、かなり省略されている(「○○も一局」という表現が多い)。第2章を熟読すれば解決する変化も多いが、詳しく知りたい人は他書を探した方が良い。『急戦!振り飛車破り(2)』(1991)や『羽生の頭脳 1』(1992)などを参照のこと。

注目は△3七歩(右図から▲3五歩△3二飛▲2四歩△同歩▲3八飛に△3七歩)。比較的新しい手で、この△3七歩の解説に50pを割いている。まだまだ研究の余地があり、本書が決定版とはいえないが、現在のところ一番詳しく解説されている。その他の形については、これまでの定跡の集大成といえるだろう。(2003Oct23)



zoom
東大将棋ブックス
四間飛車道場 第二巻
右4六銀
個別ページへ
所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-0610-6
2001年12月
\1,200
222p/19cm
   
第1章 右4六銀の駒組み   8p
第2章 箱入り娘右4六銀 箱入り娘vs△5三歩型|箱入り娘vs△5四歩型 50p
第3章 舟囲い右4六銀 舟囲い急戦|舟囲い準急戦 66p
第4章 △4一金型四間飛車 △3ニ飛型|△3ニ金型|△3ニ銀引型 58p
第5章 左美濃右4六銀 3筋取り込み型|5五歩突き型 34p

◆内容紹介(MYCOMホームページより、一部割愛)
ブックス四間飛車道場の第二巻は、古くからプロアマ問わず最も人気ある戦法の四間飛車をとりあげています。藤井システムの登場により、勢いを取り戻した四間飛車。左美濃、居飛車穴熊の旗色が悪くなったいま、居飛車側の対策として急戦が見直されています。本書は著者が渾身の研究を尽くした箱入り娘を中心に、右4六銀戦法の最新定跡を徹底解説した本書は急戦党、四間飛車党ともに必読の一冊です。

 



zoom
これにて良し?
四間飛車VS急戦定跡再点検
個別ページへ
野秀行
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-0233-X
1999年9月
\1,200
223p/19cm
   
・形勢判断回数=41回
第1章 真一文字の 棒銀戦法 40p
第2章 桂の活用 ▲4五歩早仕掛け 20p
第3章 けさ切り一瞬 斜め棒銀(左4六銀) 24p
第4章 金銀のまとまり良い 鷺宮定跡 24p
第5章 歴史の積み重ね 山田定跡 76p
第6章 攻め筋はっきり 右四間飛車 34p

◆内容紹介
将棋の形勢判断にはいろいろな言葉が使われます。良し、有利、優勢、勝勢。これにややが付いたり、指せるといった抽象的なものまであります。定跡書のなかにもこれらの言葉が多く出てきます。しかし、実戦で「これにて良し」と書いてある局面から勝ちきるのは、容易ではありません。当然「どうして良しなのか」という疑問が湧くことでしょう。本書ではその疑問を少しでも解決すべく、駒の損得、駒の働き、玉の堅さ、手番の四要素を用いて四間飛車VS急戦を解説しました。

→「大局観・形勢判断の本」



zoom
振り飛車新世紀(2)
久保流四間飛車(上)
──棒銀撃破!
個別ページへ
久保利明
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-682-8
1997年9月
\1,200
223p/19cm

[総合評価]
B

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:B
読みやすさ:B
上級〜有段向き
第1部 定跡編 第1章 棒銀対策 後手四間飛車編
第2章 棒銀対策 先手四間飛車編
146p
第2部 実戦編 ・「疑問の構想」 対▲脇謙二七段
・「辛抱が実る」 対▲中田章道六段
・「大きな自信」 対▲加藤一二三九段
・「詰みを逃す」 対△阿部隆六段
74p

◆内容紹介
軽いさばきを身につけてライバルに差をつけろ!久保流の理想のさばきを披露。

四間飛車vs棒銀の定跡書。

本書は、現代振飛車の大家・久保利明九段(出版当時は五段)による、四間飛車vs棒銀の定跡書である。

当時の久保は、〔右図〕のように△3二銀型(先手なら▲7八銀型)を好んで指していた。そして、▲5七銀左に対しては△1二香と待つ。いわゆる「最強1二香」(『東大将棋ブックス』シリーズでの命名)である。これに対して最有力なのは鷺宮定跡とされるが、棒銀ももちろん有力で多く指されている。

こういった事情から、久保は対棒銀の経験値が高い。本書では、基本定跡をベースに久保好みの指し方を提示し、また先後での細かな違いについて解説している。


解説自体は割とサラッとしていて、特に難解な書き方はされていないが、逆に言えば、ある程度の基礎知識が頭に入っているのが前提かと思われる。要求レベルは『羽生の頭脳(1) 四間飛車破り』くらいか。下記のチャートの図面を見て、半分くらいは「ああ、この局面ね」と思えるくらいなら大丈夫。

レイアウトはオーソドックスな「見開き4図面型」だが、構成の都合なのか、現ページの図面と関連のない解説(「前ページの○○では△△も有力」…など)がしばしば現れるため、やや読み進めづらい部分がある。


定跡編の各章の内容を、チャートを添えながら紹介していこう。……レビューの続きを読む(2016May27)



zoom
振り飛車新世紀(1)
窪田流四間飛車
個別ページへ
窪田義行
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-681-X
1997年6月
\1,200
223p/19cm

[総合評価]
B

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
構成:B
読みやすさ:B
上級〜有段向き
第1章 定跡編 (1)対居飛車穴熊編=46p
 (桂急戦=18p,銀急戦=28p)
(2)山田定跡編=50p
 (△5四角型|△6五歩型|△4一飛型|大山流△4三金受け)
(3)その他急戦編=9p
 (対棒銀 角交換=4p,鷺宮定跡=5p)
(4)窪田流棒銀対策5七金型=22p
140p
第2章 実戦編 (5局) 80p

◆内容紹介
攻撃的な振り飛車でライバルをねじ伏せろ!窪田流の力強いさばきを披露。

△四間飛車vs▲居飛穴、△四間飛車vs▲急戦の定跡書。

本書の基本図は[右図]。▲居飛車・△四間飛車で、玉側の端歩の突き合い、△6ニ玉+△6四歩が特徴。通常、穴熊を目指す場合は端は受けないものだが、藤井システム登場以来、端を受けた上で居飛穴を目指す戦術が現れた。対して、後手が玉頭急戦を見せてけん制している。

右図]から、なおも居飛穴を目指したときの振飛車急戦、△6四歩型を咎めようと居飛車が▲3五歩急戦(山田定跡)に来たときの順が詳しい。

[窪田流棒銀対策]では、振飛車が△6四歩を突かない形を解説。棒銀に悩んでいる方は、一度本書を読んでみると良い。
なお、解説は振飛車を手前にしてあり、振飛車有利で検討終了する変化が多め。

図面は多いが、それでも不足している感がある。本筋よりも変化を先に解説しているのもやや気になった。(2002Jun15)



zoom
スーパー四間飛車・最新版(2)
撃破!居飛車急戦
個別ページへ
小林健二
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-663-1
1997年5月
\1,500
286p/19cm

[総合評価]
B

難易度:★★★★☆
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
構成:A
読みやすさ:A
有段〜高段向け
第1章 棒銀 144p
第2章 斜め棒銀 32p
第3章 山田流9七角 38p
第4章 4五歩早仕掛け 26p
第5章 玉頭銀戦法 39p
四間飛車vs居飛車急戦の定跡書。4つの居飛車急戦と1つの振飛車作戦について解説してあるが、各章によって陣立てが違う。

[棒銀]編には最もページを割いてあり、振飛車側のわずかな形の違いによって異なってくる変化を詳細に解説してある。[早仕掛け]編では振飛車が▲8六同角(△2四同角)と取った形に限定し、プロの実戦を11例紹介してある。[玉頭銀]編はあまり他の本では書かれていないので、早仕掛け党と四間党は必見。その他の章では、簡潔な解説と実戦例といった感じだ。各章末での「スーパーチェック」で復習することができるようになっている。

最低でも「羽生の頭脳1/」レベルの知識を持っていないと、読みこなすのは大変かもしれない。(2002Apr01)


新・鷺宮定跡
zoom
新・鷺宮定跡
対振り飛車急戦法の最新版
個別ページへ
青野照市
日本将棋連盟
ISBN:4-8197-0207-6
1997年3月
\2,200
232p/22cm/H.C.

[総合評価]
A

難易度:★★★★☆
図面:見開き4〜5枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:B
解説:A
読みやすさ:B
有段者向き
第1章 鷺宮定跡基本講座 (1)山田定跡の基本と短所
(2)鷺宮定跡の復習
(3)角交換型の鷺宮流
26p
第2章 鷺宮流の変遷 (1)振り飛車側の対策(6筋不突き・△1二香型)
(2)工夫の仕掛け(▲6六歩〜▲3五歩)
(3)最新の四間飛車(△3二銀△1二香型への山田流▲3五歩)
26p
第3章 △1二香型の攻略法 (1)▲6九金型の仕掛け
(2)青野流の▲6六歩
(3)さばきを押さえる(青野流▲6六歩型の変化)
26p
第4章 △4三銀型の攻略法 (1)▲4六銀の攻防(単に▲3八飛型)
(2)突き捨てが急所(2筋突き捨て型)
(3)終盤戦の変化T(総交換型、△4九飛の結論)
(4)終盤戦の変化U(総交換型、△3九飛の結論)
(5)穏やかな対策
(6)飛車を呼ぶ△3六歩(青野新手▲3九飛)
(7)▲6八金直型の攻防T
(8)▲6八金直型の攻防U
66p
第5章 後手番の新鷺宮流 (1)△4二金直と待つ
(2)秘術を尽くす(総交換型、終盤の詰むや詰まざるや)
(3)常套手段▲7四歩
(4)中央から攻める(▲3六歩型vs△5筋絡め型)
34p
第6章 新鷺宮流実戦譜 青野八段実戦譜=4局 41p

・新鷺宮定跡次の一手=10問
・新鷺宮定跡変化チャート=3p

◆内容紹介(はしがきより抜粋)
私が鷺宮定跡を発表して、十年以上の月日が経つ。その間に将棋の定跡は大きく進歩し、また流行も変わってきた。(中略)その鷺宮定跡が現在では古くなって使えなくなったという訳ではない。ただ、やはり振飛車側の研究が進み、従来の鷺宮定跡だけでは解決できない戦型が現れたのである。その種たるものが6筋を突かない四間飛車であって、これを打破するためには居飛車側も工夫が必要になってきた。それが今回の新・鷺宮定跡という訳だ。

四間飛車vs居飛車急戦の定跡書。特に鷺宮定跡・左4六銀戦法を詳しく解説。

難攻不落とされていた「四間飛車▲7八銀・5六歩・4六歩型」は、前著『必勝!鷺宮定跡』(1986)によって攻略された。ここから四間飛車側の対急戦感覚は大きく変化し、「△1二香>△6四歩」の考え方が生まれ、従来の鷺宮定跡では仕掛けられてない形が増えてきた。それに対する解答が、本書『新・鷺宮定跡』である。

旧鷺宮定跡の考え方の基礎は、「▲6八金直と待機し、△5四歩・6四歩型を誘って仕掛ける」だった。しかし新鷺宮定跡では、「▲6九金型のまま仕掛け、四間側の待ち方を限定する」と変化している。

本書の内容は、大きく分けて以下の3つ。

 (1)[鷺宮定跡]
 △3二銀型の攻略。
 対△5四歩・△6四歩型の「旧鷺宮定跡」の復習と、△1二香型(【第1図】)に対する鷺宮定跡の研究。

 (2)[左4六銀戦法・総交換決戦型]
 【第2図】から
   ▲4六銀 △5四歩 ▲3五歩 △3二飛 ▲3四歩 △同銀 ▲2四歩 △同歩 ▲3八飛
 で【第3図】。さらに
   △4五歩 ▲3三角成 △同飛 ▲8八角
 以下、飛角銀の総交換から最終盤の詰みに至るまでを詳細に研究。

 (3)[左4六銀戦法・△3六歩から青野新手▲3九飛]
 【第2図】【第3図】から、
   △3六歩 ▲同飛 △4五歩 ▲3三角成 △同飛 ▲5七銀引 △3五歩 ▲3九飛(青野新手)
 で【第4図】。この▲3九飛の発見により、▲6九金型急戦が有力な戦型になった。

第1図 △1二香型第2図 △4三銀型基本図第3図 2筋突き捨て型基本図
第4図 青野新手▲3九飛第5図 鷺宮定跡の▲3九飛

オビや本文に曰く、「この“新・鷺宮定跡”とも言うべき▲3九飛の新手を実戦で最初に試したのは私だが、最初の“鷺宮定跡”も▲3九飛の新手でデビューしたのは、偶然とはいえ面白い一致である。」とあるが、鷺宮定跡の▲3九飛(【第5図】)は、「遠く9九香に紐をつけたもの」であり、新鷺宮定跡の▲3九飛(【第4図】)は、「△2五歩からと金を作られて飛に当たるのを未然に防いだもの」なので、内容的には全く異なる。ただ、一見働きの悪そうな3九飛の形に新しい価値を見出したのは立派な功績だと思う。

内容的には前著『必勝!鷺宮定跡』と遜色なく、素晴らしい。前著よりも終盤に踏み込んだ変化が多くなり、また内容も発展的になっているのでやや難度が上がっているが、解説はしっかりしているので分かりやすい。

前著より優れているのは、
 (a)実戦例が載っている。
 (b)チャート図が載っている。


一方で質が落ちた点もある。
 (1)図面配置がいまいち。該当図面を探すことが多い。
 (2)再掲図が少ないため何度もページを繰るのが煩わしい。
 (3)次の一手は不要。


特に(1)(2)がちょっとつらかった。いずれも内容そのものとは無関係なので、惜しい。SにしたかったがあえてAに。(2005Dec22)


新スーパー四間飛車U
zoom
新スーパー四間飛車U
個別ページへ
小林健二
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-628-3
1995年4月
\1,456
285p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
第1章 4五歩早仕掛け編 イントロダクション/▲6八金保留型/玉頭銀/△5四歩型
/▲6八金型/実戦の攻防/△7三桂/二枚銀急戦
78p
第2章 山田定跡編 イントロダクション/△5四歩保留型/△5四歩型/▲7九角
/△4三銀/先手四間対山田定跡
54p
第3章 鷺宮定跡編 イントロダクション/先手の鷺宮定跡/後手の対策
/最新の攻防/後手の鷺宮定跡
64p
第4章 立石流編 イントロダクション/後手から角交換型/4手目△4二飛型
/立石流対策/実戦の立石流
66p
  実戦解説編 自戦記=2局(△6五歩早仕掛けvs▲8六同角型、立石流) 17p

・【巻末付録】スーパーチャート(参照ページ、形勢判断つき)

◆内容紹介(まえがきより抜粋)
(『新スーパー四間飛車T』の)続編である本書では、4五歩早仕掛け、山田定跡、鷺宮定跡が研究の対象である。また今回は新しい四間飛車・立石流を加えた。アマ強豪の立石勝巳さん創案によるこの戦法は一見破天荒だが、研究してみると実に優秀で奥が深く、プロ間でも立派に通用する戦法であることが分かった。(中略)本書でじっくり研究し、幅広い指し方を身につければ勝率アップに必ずや役に立つものと自負している。

四間飛車vs居飛車急戦の定跡書。4五歩早仕掛け(+玉頭銀)・山田定跡・鷺宮定跡と、立石流四間飛車を詳しく解説。

基本的な構成は(1)定跡/研究解説、(2)章のまとめ(「スーパーエッセンス」)、(3)実戦解説、というように『新スーパー四間飛車T』と同じだが、本書では第1章・第2章に「研究コーナー」がある。これは当時最新のプロの実戦を紹介したもので、まだ実戦例が少なく定跡化されてない変化の解説。『T』に比べると「最新の変化」をメインにしている感じで、本全体の統一感は少なめ。

また、実戦解説は『T』では各章末にあったが、本書では巻末に2局のみ。「スーパー四間飛車」では居飛穴警戒で▲6七銀(△4三銀)と早く上がることが多いため、▲7八銀(△3二銀)待機型への作戦(山田定跡・鷺宮定跡)の実戦例が少なかったのだろう。

異彩を放っているのが第4章の立石流。『T』『U』でずっと舟囲い急戦を扱ってきて、いきなり力戦系振飛車である。それはさておき、わたしが知る限りでは、立石流が単行本でしっかり解説されたのは本書が初めて。立石流にはさまざまなパターンがあるため、本書では基本的な変化とパターンの紹介にとどまっているが、本書以降も立石流を基本から解説した棋書が少ないため、希少な資料となる。

ただ、小林は立石流の連採で早指し選手権を制した(1994)のだから、立石流の棋譜をもっと載せてほしかった。(のちの『実戦!スーパー四間飛車』(1997)には4局収録されている)(2007Feb07)

※それにしても、表紙写真が『T』と同じ(色違い)というのはいかんでしょう(笑)。


世紀末四間飛車 先手必勝編
zoom
世紀末四間飛車
先手必勝編
個別ページへ
櫛田陽一/著
週刊将棋/編
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-609-7
1994年9月
\1,165
222p/19cm
   
第一部 講座編 第1章 △6五歩早仕掛けをつぶせ=43p
第2章 △6四銀戦法(左銀)には負けない=44p
第3章 棒銀戦法は怖くない=19p
第4章 △5三銀急戦(右銀)なんてポイ!=12p
120p
第二部 実戦編 6局 62p
第三部 次の一手編 次の一手問題=16問 34p

・【コラム】思い出の一局(1)〜(4)

◆内容紹介(まえがきより抜粋)
私は常々、将棋に必勝法があるとしたら先手番四間飛車だと思っていた。そしてとうとう『世紀末四間飛車先手必勝編』が完成した。対持久戦に関してはまだ未完成なので本書で書くことができなかったが、対急戦の対策はこれで完璧に違いない。

 


新スーパー四間飛車T
zoom
新スーパー四間飛車T
個別ページへ
小林健二
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-604-6
1994年8月
\1,456
287p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
第1章 斜め棒銀編 イントロダクション/単に△7二飛型/8筋突き捨て型/△7五歩型/
▲7八飛型/▲3六歩型/後手四間飛車/実戦例(2局)
104p
第2章 5七銀右急戦編 イントロダクション/△5ニ金左型/△4三銀型/実戦例(2局) 56p
第3章 棒銀編 △棒銀/▲棒銀/実戦例(2局) 80p
第4章 腰掛け銀編 基本形/1六歩型/左美濃型/銀冠型/実戦例(1局) 39p

・【巻末付録】スーパーチャート(参照ページ、形勢判断つき)

◆内容紹介(まえがきより抜粋)
(前著『スーパー四間飛車』にて)居飛車穴熊や左美濃への対策がほぼ出来上がったいま、今度は棒銀やナナメ棒銀、5七銀右からの急戦などが私の研究テーマとなったのである。机上の研究と実戦とではこれまた違うものだが、その辺りは若手棋士との研究会で補い、経験と研究を積み重ねていくよう心がけた。その成果をまとめたものが本書である。

四間飛車vs居飛車急戦の定跡書。左4六銀・右4六銀・棒銀・腰掛銀(右四間飛車)を詳しく解説。

第1章は▲四間飛車vs△左6四銀で、一部△四間飛車も検討。第2章は△四間飛車vs▲右4六銀、第3章では先後両方の棒銀対策を解説している。第1章〜第3章は基本の筋を解説しつつ、当時最新だった展開に触れている感じだ。なお、『四間飛車道場 第六巻 最香1二香』(2002)の形は、1993年の米長-小林戦(A級順位戦)で初めて指されたらしい(第3章棒銀編の2局目)。

第4章は▲右四間飛車。この章は他の章よりも基本的な変化から解説されている。また、右四間側の玉型がいろいろあるためか、やや「浅く広く」になっている。

前著『スーパー四間飛車』の特殊なレイアウトとは打って変わって、本書はオーソドックスな『羽生の頭脳』スタイル。わたしはこちらの方が読みやすいと思う。さらに、各図面の下に追加コメントがあるのがポイント高し。単なる本文の繰り返しではなく、ちゃんと補足説明になっていて理解を助けてくれる。

各章末にはまとめとして「スーパーエッセンス」がある。各テーマ図面の下に3〜4行程度でまとめてある形式で、『羽生の頭脳』シリーズの「羽生の結論」などでおなじみ。本書のは図面が多く、結構詳しい。一度本編を読んでいるなら、次回からは「スーパーエッセンス」を読んでいけばすぐに内容を思い出せるだろう。

個人的には同時期の『羽生の頭脳 1』(1992)等よりも読みやすく、理解しやすかった。(2007Jan30)



zoom

(文庫版)
振り飛車党宣言!(1)(MYCOM将棋文庫)
若手精鋭3人による最新の研究と実戦
振り飛車党宣言!(1)
四間飛車
個別ページへ
小倉久史
杉本昌隆
藤井猛

毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-587-2
1993年11月
\1,165
223p/19cm
   
MYCOM将棋文庫(15)
振り飛車党宣言!(1)
新感覚の四間飛車
個別ページへ
小倉久史
杉本昌隆
藤井猛

毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-1152-5
2003年7月
\700
232p/15cm
第1章 定跡研究編 ・小倉流急戦封じ(1)△4五歩/小倉流急戦封じ(2)△1三香(小倉久史)
・先手4六銀左の対策/後手6四銀の対策(杉本昌隆)
・先手棒銀の対策/後手棒銀の対策(藤井猛)
 
第2章 実戦編 ・作戦成功の一局/竜王との同期対決(小倉久史)
・新手△3八歩/7八金型四間飛車(杉本昌隆)
・▲9七角の戦い/内藤先生との一局(藤井猛)
 
第3章 次の一手編    
第4章 四間飛車好局集    

◆内容紹介(MYCOMホームページより)
90年代初頭、世に振り飛車の本は数あれど、そのほとんどは振り飛車破り。振り飛車党受難の時代にあって、当時の若手精鋭3人が最新の研究を惜しげもなく披露したのが本書である。
「将棋を指すなら振り飛車、振り飛車を指すなら四間飛車。駒のさばきが魅力です」(小倉)
「現代将棋は序盤が急所、振り飛車でも作戦勝ちは可能だ」(杉本)
「四間飛車は駒組みが簡単な上攻略が難しい素晴らしい戦法です」(藤井)
巻末には四間飛車好局集を収録。

 

 

羽生の頭脳(1)
zoom
羽生の頭脳 1
急戦四間飛車破り!PARTT
個別ページへ
羽生善治
日本将棋連盟
ISBN:4-8197-0310-2
1992年4月
\971
222p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き

第1章 ▲右4六銀 48p
第2章 ▲左4六銀 90p
第3章 ▲早仕掛け 48p
第4章 ▲鷺宮定跡(2巻に続く) 29p
羽生の頭脳(2)
zoom
羽生の頭脳 2
急戦四間飛車破り!PARTU
個別ページへ
羽生善治
日本将棋連盟
ISBN:4-8197-0311-0
1992年6月
\971
222p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
第1章 ▲鷺宮定跡(1巻の続き) 32p
第2章 ▲棒銀 54p
第3章 後手の急戦 72p
第4章 実戦編(5局) 57p
四間飛車vs居飛車急戦の標準的定跡書。1・2巻はセットなので、片方だけ買うことのないように注意。

対四間飛車急戦の、代表的な定跡を解説している。それぞれ最新の細かい変化は"東大将棋シリーズ"の方が詳しいが、まず本書を先に目を通しておいた方が良いだろう。後手番の急戦に言及しているのも○で、先手番との相違点がハッキリ書かれているので分かりやすい。

棋書としては未曾有のベストセラー&ロングセラーである。10年前の出版なので内容はやや古くなったものの、有段者の基礎知識として知っておくべき変化が満載で、利用価値は十分残っている。本書で勉強した人は非常に多く、特にこの1・2巻は道場四段クラスを目指す方には必修の書といえる。

ところで、表紙をよく見ると・・・羽生先生、ハナ毛が出てます・・・全10巻、ほとんど出てます・・・(涙) (2002Aug07)



zoom
急戦!振り飛車破り(3)
徹底右4六銀
個別ページへ
所司和晴/著
週刊将棋/編
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-563-5
1992年3月
\971
219p/18cm
   
第1章 右4六銀戦法 ・△4三銀型四間飛車
 (1)△4三銀・△5二金型 (2)△4一金・3二飛型 (3)△4三銀・△3二金型
 (4)△4三銀・△4五歩型 (5)△3ニ銀引型
・△3ニ銀型四間飛車
 (1)△5二金・△4三銀型 (2)△5二金・△6四歩型 (3)△5四歩型 (4)△4五歩型
・まとめ
120p
第2章 左美濃
+右4六銀
・基本形
 (1)▲3四歩取り込み型 (2)▲5五歩突き型
・振り飛車バリエーション
 (1)△1二香型 (2)△6五歩型 (3)△8四歩型
 (4)△6三金・△3ニ銀引型 (5)△7四歩・△3ニ銀引型
・まとめ
96p

◆内容紹介(表紙見返しより)
電光石火の超急戦・右4六銀戦法と堅さを加えた左美濃・4六銀。切り込み隊長の右銀が八面六臂の大活躍!仕掛けたあとは攻めるのみ!右4六銀で爆勝せよ!

 



zoom

summary
急戦!振り飛車破り(2)
徹底左4六銀
個別ページへ
所司和晴/著
週刊将棋/編
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-558-9
1991年12月
\971
222p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:B
上級〜有段向き
  まえがき|主要図までの手順|本書の読み方 5p
第1章 △4三銀型
四間飛車
・△6四歩型
 (1)基本形 (2)取り込まずに▲3八飛型 (3)2筋突き捨て型
 (4)準急戦▲3七銀引型 (5)準急戦▲3七銀上型
 (6)▲5五歩突き型 (7)▲3五歩早仕掛け
・△5四歩vs▲6八金直型
・△5四歩vs▲6九金型
・まとめ
150p
第2章 △3ニ銀型
四間飛車
・△6四歩型(山田定跡▲3五歩)
・△5四歩型(1)山田定跡▲9七角 (2)鷺宮定跡 (3)▲6六歩の変化球
・△1四歩型
・△1二香型
・まとめ
44p
第3章 穴熊 ・△3ニ銀型穴熊vs▲山田定跡型3五歩
・△3ニ銀型穴熊vs▲鷺宮定跡型3八飛
・△4三銀型穴熊vs▲左4六銀
・まとめ
20p

◆内容紹介(まえがきより抜粋)
対振飛車の急戦には、角頭を狙う攻めと角交換を狙う攻めがありますが、「左4六銀」戦法は前者の代表例といえます。(中略)「右4六銀」戦法との最大の違いは、「左4六銀」戦法では右銀が4八にいることです。この銀が振飛車の反撃を押さえる働きをしているのが強味ですが、反面玉が薄く、いざ攻め込まれたときの当たりがきついという弱みもあります。大切なのは、「左4六銀」戦法の特長を生かす戦いをするということです。本書を読み進むうち、自然にそれは分かってくるはずです。(中略)本書には新手・新説が少なからず紹介されています。

△四間飛車に対し、▲5七銀左から▲4六銀と出る形の急戦」専門の定跡書。その中でも「▲6八金直型・左4六銀戦法」(右図)がメインテーマで、かなりのページ数を割いている。また、△3二銀型に対しては山田定跡と鷺宮定跡について解説している。

現在では急戦に対して△6四歩を突くのは損が多いと見られ、急戦を明示されれば△6四歩と突いてくる人はほとんどいない。しかし藤井システムの流行により、穴熊警戒で早めに△6四歩を突く将棋も増えているので、意外と表れやすい形である。

同様に左4六銀戦法を詳解している『四間飛車道場第三巻 左4六銀』では▲6九金型がメインなので、▲6八金直型に関しては本書が一番詳しいと思う。

とはいえ、この戦法は意外と激しくなりやすく、詰みまで研究される場合がよくある。そのため最新の研究を熟知していないとかなり怖い。本書から10年以上経過し、結論が変わった箇所もいくつかある。どんな戦法でもそういう面はあるが、特にこの戦型はその傾向が強いと思う。本書の内容を鵜呑みにせず、本書をベースにして他書で研究を補っていくと良いだろう。(2003Oct16)



zoom
急戦!振り飛車破り(1)
徹底棒銀
個別ページへ
所司和晴/著
週刊将棋/編
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-557-0
1991年12月
\971
221p/19cm
   
  まえがき/主要図までの手順/本書の読み方 7p
第1章 基本形
(対△四間飛車)
・△2二角型
・△1五角型
・△5一角(〜△6二角)型へ
├(1)△5五歩型
├(2)△4三金型
│ └<1>△3三桂型 <2>△4五銀型
└(3)△5三金型
・△4五歩型
・▲4五歩の攻め(△6二角型)
・▲3三歩の攻め(△5一角型)
・まとめ
106p
第2章 振り飛車
変化形
・角交換型(△3ニ銀型待機策)
・△1二香型
・△3ニ銀引型(出戻り銀)
・対△三間飛車型
・まとめ
32p
第3章 ▲6八銀型
(対△四間飛車)
・基本形(2手早い仕掛け)
・△5四歩型
・△4三銀型(△1二香優先型)
・まとめ
26p
第4章 対中飛車
(ツノ銀)
・△5四歩型
・△6四歩型(ヒデちゃん流)
・まとめ
26p
第5章 対穴熊
(対△四間飛車穴熊)
・基本形
・角交換型
・まとめ
26p

◆内容紹介
振り飛車破り・平成版登場!。棋界随一の研究家・所司五段が振り飛車破り最新定跡を徹底解説。あなたの棒銀にプロの感覚を注入する「徹底棒銀」で勝ちまくれ。

 



zoom
世紀末四間飛車
急戦之巻
個別ページへ
櫛田陽一/著
週刊将棋/編
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-545-7
1990年12月
\1,165
303p/21cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き6枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
第1部 講座編 1.ナナメ棒銀戦法(左4六銀)=28p
2.4五歩早仕掛け戦法(二枚銀も)=24p
3.棒銀戦法=24p
4.急戦中央位取り戦法=8p
5.4六銀戦法(右4六銀)=22p
6.腰掛銀戦法(右四間飛車)=36p
144p
第2部 次の一手編 次の一手問題=25問 53p
第3部 自戦記編 自戦記=10局 98p

・【コラム】思い出の一手=8p

▲居飛車急戦vs△四間飛車の定跡書。

マッキンキンの表紙に咥えタバコをプハーッ。なんとも定跡書とは思えない表紙だが(笑)、内容はしっかりしている。5筋位取りや右四間も完備しているので、『羽生の頭脳』2冊分(1巻、2巻)に優るとも劣らないボリュームがある。

櫛田流四間飛車は、基本的に△4三銀と△5二金左を早く決めるのが特徴で(居飛穴対策?)、その形での対急戦を解説している。中盤のいろいろなところで、△6五歩と突いて△6四桂の打ち場所を作るのも大きな特徴だ。

出版から10年経っているので、その後の研究で結論が覆された変化もいくつかあるが、アマ四段くらいまでなら現在でも十分使用に耐えると思う。(例:左4六銀戦法は『振り飛車ワールド 第二巻』(2003)で本書が参考文献に挙げられ、一部の勝敗が覆っている)

なお、この本、結構デカくて重い。通勤通学で持ち歩くには不向きなのでご注意を。(2003Jul24)



zoom
塚田泰明の速攻将棋
四間飛車破り
[5七銀右戦法]
個別ページへ
塚田泰明
高橋書店
ISBN:4-471-13137-0
1988年11月
\1,000
207p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★☆
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
中級〜有段向き
プロローグ なぜ史上最短の攻めなのか? 5p
第1章 △5二金型四間飛車vs▲3八飛 44p
第2章 △4三銀型四間飛車vs▲4六銀 66p
第3章 実戦編(7局) 85p

◆内容紹介
振飛車はアマ、プロを問わず、安定した人気をもっている。そのなかでも“四間飛車”は、一番だろう。四間飛車に対しては、“居飛車穴熊”“左美濃”“位取り”といった持久戦系統と、“5七銀左”に代表される急戦と、大別して2つの対策があるが、私が常用しているのは、『5七銀右戦法』である。まず、基本図までの指し手を覚えていただき、基本図から、大きく2通りの四間飛車側の対策があるので、これを第1章、第2章に分けて解説させていただいた。第3章は実戦編。私の公式戦より7局を収録した。

△四間飛車vs▲5七銀右急戦の定跡書。

23手目での仕掛けは対四間飛車急戦では最短となる(明らかな無理仕掛けを除く)。対四間飛車急戦の基本とされる戦法である。最近は対藤井システムへの有力策として見直されている。

5七銀右戦法 基本図[右図]が▲5七銀右戦法の基本図。先手が▲3六歩を早めに突けば、ほとんどこの局面に誘導できるだろう。ここから△5二金でも△4三銀でも仕掛ける順が詳解されている(他に△1二香や△4五歩も考えられるが、ちょっとこの局面では指しにくいと思う)。振飛車の対応によって、一気に攻めたり持久戦になったりするが、その辺りの方針は各章の初めやプロローグの系統図で明確に書かれている。

右銀急戦の本としては、『四間飛車道場 第二巻 右4六銀』(2001)が詳しい(舟囲い型の解説ページ数は本書とほとんど同じ)が、分かりやすさなら本書の方が上。初段を目指す方の居飛車急戦入門として活用されたし。(2002Aug15)


中原流 必勝四間飛車
zoom
一手決断☆将棋戦法(4)
中原流 必勝四間飛車
個別ページへ
中原誠
筑摩書房
ISBN:4-480-67004-1
1986年3月
\780
206p/18cm

[総合評価]
C

難易度:★★☆
図面:見開き4枚
内容:(質)B(量)C
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:B
初級〜中級向き
T 対急戦の戦い方 (1)対急戦の序盤
 /棒銀は急戦の代表/▲7八金の悪い理由
 /序盤作戦の立て方/応用範囲の広い棒銀戦法
(2)徹底トレーニング
 /中盤の心得/穏やかな形を選ぶ/勝負手を狙え/振り飛車の終盤/
68p
U 対左美濃作戦 (1)対左美濃の序盤
(2)徹底トレーニング
 /中盤戦に突入/終盤戦の考え方
68p
V 四間飛車の実戦 2局
(1)桐山vs中原,▲二枚銀+3八飛vs△四間飛車3二金型→袖飛車
(2)武市vs中原,▲左美濃8八玉型vs△四間飛車5四銀型
66p

◆内容紹介(「はじめに」より抜粋)
四間飛車に対して、居飛車側の作戦は大きく分けて急戦と持久戦があります。急戦の中で代表的なものは棒銀戦法です。持久戦としては左美濃が流行しています。以前は玉頭位取り戦法が多かったのですが、最近は居飛車穴熊とか左美濃が主流になっています。

△四間飛車vs▲棒銀、▲四間飛車vs△左美濃持久戦の解説書。

中原は居飛車党のイメージが強いが、四間飛車も結構指す。本書は、中原の指した四間飛車の実戦から計4局をピックアップして解説している。第1章では急戦の代表として「▲棒銀vs△2二角型」(左図)を、第2章では「左美濃持久戦型」(右図)を扱う。

このシリーズの特徴として、要所ごとに“トレーニング”として「ここで○○だったら?」と変化を考えさせるのが面白い。解説も、級位者でもついていけるようにかなりレベルを下げ、一図面ごとの指し手が1〜3手と非常にゆっくり進んでいく。特に本書は、シリーズ1冊目の『米長流 四間飛車撃破』よりもさらに易しく書かれている。

一方で、分量が非常に少ないのが欠点。これは詳しさとトレードオフなので仕方ないかも。さすがにちょっと物足りなかった。(2005Apr09)
△四間飛車vs▲棒銀 基本図▲四間飛車vs△左美濃持久戦 基本図



zoom
必勝!鷺宮定跡
個別ページへ
青野照市
日本将棋連盟
ISBN:4-8197-0201-7
1986年2月
\2,000
278p/22cm/H.C.

[総合評価]
S

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
第1章 山田流の概要 (1)山田流vs△6四歩型 (2)山田流vs△5四歩型 18p
第2章 山田流の対策 (1)新対策△4ニ金 (2)森安流の対策 8p
第3章 後手番の速攻作戦 (1)山田流は通用せず (2)棒銀には▲6七金 20p
第4章 新戦術、鷺宮定跡 (1)角頭を守る△4三銀 (2)居直りの△7四歩
(3)角交換△3三同銀 (4)角交換△3三同桂
(5)位取りの△6五歩
46p
第5章 後手番の鷺宮定跡 (1)位取りの▲4五歩 (2)角には角の▲6六角
(3)これで困る▲6六銀 (4)持久戦を目指しても
30p
第6章 新工夫、後手番の鷺宮
(『山田流』+『鷺宮流』)
(1)対▲4七金型早仕掛け (2)山田流vs.▲3六歩型A
(3)山田流vs.▲3六歩型B (4)山田流vs.▲3六歩型C
(5)鷺宮流vs.▲3六歩型
50p
第7章 鷺宮流vs.後手変則型 (1)△6四歩−△1二香型の急戦 (2)△1二香型の急戦 14p
第8章 歩越し銀vs.△4三銀型
(▲左4六銀戦法)
(1)いきなり反発の△4五歩 (2)△6四歩型の攻防A
(3)△6四歩型の攻防B (4)△6四歩型の攻防C
(5)△6四歩型の攻防D (6)△6四歩型の攻防E
(7)△6四歩型の攻防F
52p
第9章 ▲6七銀型vs.歩越し銀
(△左6四銀戦法)
(1)▲9八香には△8六歩 (2)▲4五歩には△7二飛 14p
第10章 歩越し銀vs.△1二香型
(▲左4六銀戦法)
(1)▲1六歩と一呼吸おく (2)△1四歩には▲5五歩 16p

◆内容紹介(まえがきより抜粋)
『鷺宮定跡』は『山田流』の急戦に創意を加え、緩急両様の作戦が採れるようになったことが、まず大きな進歩である。さらに最大の利点として、今まではほとんど成功しなかった後手番の急戦が、この戦法によりほとんど一手の差が関係なく成立するのが今までと違うところである。

四間飛車vs居飛車急戦の定跡書。特に山田定跡・鷺宮定跡・左4六銀戦法を詳しく解説。

本書の構成・基本的思想は次のようになっている。

 【第1章〜第3章】
 △四間飛車3二銀型には山田定跡が有効。
 △6四歩なら▲3五歩、△5四歩には▲9七角で仕掛け成立。
→▲四間飛車7八銀型には山田定跡はダメ。▲4六歩▲5六歩を両方指されるため。
→【第4章〜第7章】
 歩を両方突かせても仕掛け可能な鷺宮定跡が登場。
 ∴先後どちらでも仕掛けられるようになった。
→【第8章〜第10章】
 四間側が鷺宮定跡を避けて△4三銀(▲6七銀)と上がれば左4六銀戦法。


「鷺宮定跡」は「さぎのみやじょうせき」と読む。この型の研究を重ねた青野と、タイトル戦で連採した米長が、当時ともに東京・鷺宮に住んでいたことが由来。

【第1図】が鷺宮定跡の基本図。△3二銀型に対して▲6八金直と待機し、△5四歩と△6四歩を両方突かせた上で▲3八飛と寄る。第1図以下、△4三銀は▲3五歩△同歩▲4六銀△4五歩▲3三角成△同桂▲3五銀△2五桂▲3四歩△3二飛▲3三角(【第2図】)で居飛車成功。したがって、その対策として、第1図から△4五歩▲3三角成△同銀▲3一角(【第3図】)が当時の主要テーマ図になった。本書でもこの形の研究にもっとも多くのページが割いてある。

【第1図】鷺宮定跡基本図【第2図】鷺宮定跡成功図【第3図】鷺宮定跡テーマ図

解説は非常に丁寧で、かつ詳しい。図面の配置も適切で、特に変化が戻ったときに必ず再掲図でフォローしてあるので、何度もページを繰る必要が全くない。内容が比較的高度な割には、読み進めていてストレスをほとんど感じなかった。

ところで、【第1図】の形は、現在ではほとんど指されていない。これは、鷺宮定跡が潰されたわけではなく、四間側がこの形を避け、△6四歩と突く代わりに△1二香と待機するようになったからである。特に、この当時は

 「△5四歩と△6四歩を同時に突けば仕掛けにくい」
 「持久戦になるなら△6四歩>△1二香」


とみられていたため、本書の形が大いに実現していた。しかし四間側の研究が進み、

 「△6四歩<△1二香+△6三歩型」
 (玉を拡げる) (ダイレクトに香を取られない+△6四角と打てる)


に変わってきたことが大きい。(このあたりの経緯は第7章にも少し書いてあるし、後著の『新・鷺宮定跡』等でもフォローされている。)

ただし、古いからといって役に立たないということはない。あまり指されなくなった変化だとしても、実際にやられたときに対応に困った経験はみんなあるはず。最新の定跡書を調べてみたら、あっさり「先手良し」などと書いてあるが、具体的手順は書かれていないことも多い。そのようなときに、本書のような古い名著を紐解いてみるといい。(たとえば、鷺宮定跡の最新本である『鷺宮定跡 〜歴史と最先端』(2005)ではサラッと流されている変化も、本書ではかなり詳しく書いてある。)

居飛車急戦の歴史をたどるとき、本書は必ず目を通すべき一冊だと思う。


米長流 四間飛車撃破
zoom
一手決断☆将棋戦法(1)
米長流 四間飛車撃破
個別ページへ
米長邦雄
筑摩書房
ISBN:4-480-67001-7
0376-67001-4604
1985年11月
\780
206p/18cm

[総合評価]
C

難易度:★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)B(量)C
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
中級〜上級向き
T ▲3八飛戦法 (1)鷺宮定跡への道
 /対振飛車の囲い/速攻の考え方/タイプに応じた戦法を/
(2)徹底トレーニング
 /端歩の現代的な考え方/
68p
U 玉頭位取り戦法 (1)序盤の考え方
 /位取りの考え方/
(2)徹底トレーニング
 /5筋位取り戦法/
56p
V 四間飛車破りの実戦 2局
(1)米長vs森安,▲4五歩早仕掛け-米長流▲4六銀
(2)米長vs大山,▲玉頭位取り(第2章の続き)
74p

◆内容紹介(「はじめに」より抜粋)
この本では、四間飛車に対する居飛車側の指し方、というより、すっきりと勝つ方法を解説します。ありきたりの定跡解説ではなく、勝つためのノウハウを披露します。実戦譜をもとにして、鷺宮定跡と呼ばれる▲3八飛戦法と、じっくり位を押さえて厚みを生かして戦う玉頭位取り戦法をとりあげました。

△四間飛車vs▲3八飛戦法(鷺宮定跡)・玉頭位取りの解説書。

米長は本書の中で、「わたしは相手によって戦法を変える」と明言。具体的には、対森安流には鷺宮定跡、対大山流(△3二金の余地を残すタイプ)には玉頭位取りで対抗する、とのこと。本書ではその2つの戦法を解説している。
▲3八飛戦法基本図▲3八飛戦法進展図
左図が鷺宮定跡の基本図。「△6四歩・△5四歩と2つ突いた形には山田定跡が使えない」ところから工夫されたもの。本書では左図から右図までは一直線に当然の展開として飛ばされているので、定跡書としての価値はあまりない。

▲4五歩早仕掛け・米長新手▲4六銀第1章・第2章とも、まず序盤の考え方を詳しく解説。細かい変化ではなく考え方重視なので、級位者から有段者まで幅広い層に分かりやすい。各章の後半は、実戦例の解説。要所ごとに“トレーニング”として「ここで○○だったら?」と変化を考えさせるのが面白い。ただ、変化があちこちに飛んでいき、本線が見えにくくなっている。このあたりは構成を工夫すれば改善できたと思うので、惜しい。

なお、第3章の実戦譜は、1局目はなぜか▲4五歩早仕掛けの米長新手▲4六銀(右図)。鷺宮と玉頭位取りの本なのになぜ…という感じだが、「米長流四間飛車撃破」ということで目を瞑ろう。2局目は第2章の実戦譜の続きなので、本書は合計3局の解説ということになる。

全体的に分かりやすかったが、分量の少なさと構成のまずさに不満があるので、評価は控えめに設定した。(2005Mar18)


四間飛車 3度将棋が強くなる
zoom
中原誠の3度将棋が強くなるシリーズ
四間飛車
〔3度〕将棋が強くなる
個別ページへ
中原誠
大泉書店
ISBN:4-278-08110-3
1984年4月
\650
216p/18cm
[総合評価]
B
難易度:★★★
図面:見開き2枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
中級〜上級向き
・四間飛車を破る攻略法
▲3五歩早仕掛け戦法 四間飛車の認識/△4一飛に対する指し方
/△5四角に対する指し方/△6五歩に対する指し方
54p
▲9七角戦法 △5四歩型に▲3五歩の早仕掛け
/△4五歩に対する指し方/△4二金に対する指し方
56p
棒銀戦法 △2二角に対する指し方/△5一角に対する指し方
/角交換型に対する指し方/△3二金型に対する指し方
88p

・四間飛車戦の『次の一手』=20問
・知っておきたい必勝手筋・100=次の一手問題(部分図)=100問

「△四間飛車3二銀型vs▲5七銀左急戦」の定跡書。

「中原誠の3度将棋が強くなるシリーズ」は、独特の構成が特徴。上段(2/3くらい)で定跡を解説し、節目の局面では次の一手問題が出題される。解答は三択で、出題ペースは約10ページに1問の割合。読者が考えるので読んでいて飽きにくく、急所の変化を理解しやすくなっている。また、下段(1/3くらい)では部分図による次の一手問題を出題。上段の解説部とは直接関係ないが、基本的な手筋問題が多く、有段者を目指す人には絶好のトレーニングとなる。基本図

本書の基本図は右図。▲5七銀左急戦に対して、△四間飛車が3二銀型で待機している。ここで△6四歩なら▲3五歩早仕掛け△5四歩なら▲9七角戦法、そしてどちらでも使えるのが棒銀戦法というわけだ。すなわち、「山田定跡の表と裏、そして棒銀」。

解説は本筋に絞ってあり、丁寧で分かりやすい。次の一手も効果的に使われているので、特に山田定跡をマスターするにはちょうど良いと思う。ただ、棒銀のほうは難しい局面で解説が打ち切られているし、後半は単なる実戦解説なので、棒銀をマスターしたい人は他書を探したほうが良いだろう。

わたしの経験から言えば、対四間飛車戦で右図になるのが2割くらい、そしてそのほとんどが△1二香としてくる。つまり本書の内容は、現代では「絵に描いた餅」に近いのだが、基本知識として知っておく必要はある。最近は山田定跡をやさしく書いた本が少ないので、本書を一読しておくのも悪くない。(2004Dec23)



zoom
谷川浩司の将棋新研究(2)
谷川流スピード将棋
対四間・超早仕掛けの新工夫
個別ページへ
谷川浩司
池田書店
ISBN:4-262-10302-1
0276-100302-0316
1983年2月
\700
234p/18cm

[総合評価]
A

難易度:★★★☆
図面:見開き3〜4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:B
解説:A
読みやすさ:B
中級〜有段向き
振り飛車とは 振飛車の長所・短所 16p
右四間飛車 (1)右四間飛車の骨子 (2)基本形まで
(3)急戦型 (4)工夫型 (5)△5四歩型
50p
5七銀左戦法 (1)5七銀左戦法の骨子 (2)基本形まで
(3)基本形第2図よりの攻め(山田流▲9七角)
(4)基本形第3図よりの攻め(山田流▲3五歩)
44p
4六銀戦法(左銀) (1)4六銀戦法の骨子 (2)基本形まで
(3)基本となる攻め (4)急攻法
68p
棒銀戦法 (1)棒銀戦法の骨子 (2)基本形まで
(3)基本形からの攻め (4)明解な攻め
48p
形勢判断を重視した、対四間飛車急戦の定跡書。

シリーズ1冊目の『将棋に勝つ考え方』(1982)で提案した“谷川流形勢判断法”に基づいて、居飛車急戦定跡を解説している。節目節目で形勢判断をいれる形式で、ちょうど『これにて良し?』(野秀行、1999)と似た構成である。1冊目を読んでいることが前提になっているらしく、形勢判断法そのものの解説はない。本書から読み始めた方にはやや唐突な感じがするかと思うが、慣れれば大丈夫そう。

一般的な変化に加えて、谷川独自の研究も散りばめられている(当時としては)。もっとも基本的な狙い筋から書かれているのでかなり分かりやすく、対四間飛車の急戦を一冊でマスターしたい人には、『羽生の頭脳 1』(1992)よりも本書の方がいいかも。(2003Dec20)


四間飛車を破れ 上巻
zoom
振飛車破りシリーズ
四間飛車を破れ・上巻
個別ページへ
石田和雄
木本書店
2076-0005-1535
1980年9月
\1,200
232p/19cm
  難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
Not found at Amazon.co.jp
第1章 3二銀型四間飛車 (一)△6四歩型
 (1)▲3五歩の早仕掛け/変化[A]△3五同歩 [B]△4三銀
 (2)▲6八金直の手法/変化[A]▲3五歩の早仕掛け [B]▲3七銀からの攻め
(二)△5四歩型
 (1)△4五歩への対応/変化[A]△3五歩 [B]△4二飛
 (2)△4三銀への対応/変化[A]△5一飛 [B]△3一飛
90p
第2章 4三銀型四間飛車 (一)▲3七銀から▲2六銀の棒銀
 (1)△3五同歩への対応
 (2)△2二角への対応
 (3)△5一角への対応/変化[A]△4五同歩 [B]△4三銀
                  [C]△5五歩 [D]△4三金
 (4)△1三香への対応/変化[A]▲3四歩 [B]▲8八角
(二)▲4六歩から▲4五歩の攻め
 (1)△5四銀への対応/変化[A]△4三金 [B]△4五歩 [C]△7六銀
 (2)△5四歩への対応/変化[A]△4一飛 [B]△3五同歩
92p
第3章 自戦記 2局 22p
第4章 次の一手 次の一手問題=36問 22p

◆内容紹介(はしがきより抜粋)
四間飛車は居飛車側の攻めが多様で、いずれの変化も難解なものばかりであった。したがって、優劣不明の局面も少なくなかったと思うが、細部にわたって種々の変化を研究してみたつもりである。四間飛車に苦しめられている人には絶好の書となると確信するし、また四間飛車党にとっても、相手の手を知る意味で大いに参考になるものともう。

 


トップページ > 棋書ミシュラン! > カテゴリー > 四間飛車vs居飛車急戦


Copyright(C) 1999-2017 【将棋 棋書ミシュラン!】 All Right Reserved