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■四間飛車持久戦系の本  
トップページ > 棋書ミシュラン! > カテゴリー > 四間飛車持久戦系


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※居飛車側が左美濃・穴熊などに囲う、または囲おうとする戦型は急戦形でもここに収録しています。

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居飛車急戦 居飛車準急戦 持久戦 振飛車からの急戦
山田定跡
棒銀
ナナメ棒銀(左4六銀)
右4六銀
早仕掛け
鷺宮定跡
左美濃急戦
5五位取り
玉頭位取り
四枚左美濃
居飛車穴熊
串カツ囲い
ミレニアム


四間飛車穴熊

相穴熊
藤井システム
立石流

玉頭銀
角交換挑戦
右四間飛車
(+舟囲い,+左美濃,+穴熊)


書名 著者 発行





























備考
振り飛車最前線 四間飛車VS居飛車穴熊 宮本広志 '17.2           四間飛車穴熊も
四間飛車の逆襲 石井健太郎 '15.8                
四間飛車激減の理由 阿部健治郎 '12.10                
中村亮介の本格四間飛車 中村亮介 '10.5           四間飛車総合
書名 著者 発行

















シス
テム








備考
矢内理絵子の振り飛車破り 矢内理絵子 '09.2             端玉銀冠、4五歩早仕掛け
鈴木大介の将棋 四間飛車編 鈴木大介 '09.1                
居飛車穴熊必勝ガイド 佐藤天彦 '08.4                
四間飛車破り【居飛車穴熊編】 渡辺明 '05.6                
四間飛車道場 第十五巻 藤井システム破り 所司和晴 '04.2                
四間飛車道場 第十四巻 藤井システム封じ 所司和晴 '03.12              
鉄壁!トーチカ戦法 三浦弘行 '03.10                
四間飛車道場 第十三巻 藤井システム 所司和晴 '03.10              
振り飛車党宣言!(3) 新感覚の居飛穴対策 小倉・杉本・藤井 '03.9               1994年の文庫版
四間飛車道場 第十二巻 続・居飛穴 所司和晴 '03.8                
四間飛車で居飛車穴熊退治 鈴木大介 '03.7              
四間飛車道場 第十一巻 居飛車穴熊 所司和晴 '03.6                
最強居飛車穴熊マニュアル 佐藤康光 '03.1       相穴熊も
藤井システム(MYCOM将棋文庫) 藤井猛 '02.11           '97の復刊
四間飛車道場 第二巻 右4六銀 所司和晴 '01.10             舟囲い+右4六銀メイン,
四間飛車vs居飛車急戦の本
四間飛車道場 第一巻 ミレニアム 所司和晴 '01.10                
書名 著者 発行

















シス
テム








備考
最強藤井システム 藤井猛 '99.7              
杉本流四間飛車──封殺!居飛車穴熊 杉本昌隆 '98.12           相穴熊も
久保流四間飛車(下)──居飛穴粉砕! 久保利明 '97.12          
居飛車穴熊撃破 必殺藤井システム 藤井猛 '97.9            
藤井システム 藤井猛 '97.6            
窪田流四間飛車 窪田義行 '97.6             舟囲い急戦も
スーパー四間飛車・最新版(1) 急戦!居飛穴破り 小林健二 '97.2       端角戦法など
四間飛車のポイント 大山康晴 '95.10             玉頭位取りも
振り飛車党宣言!(4) 四間飛車対左美濃 週刊将棋/編 '94.12              
振り飛車党宣言!(3) 居飛車穴熊対策編 週刊将棋/編 '94.2                
スーパー四間飛車 小林健二 '93.8      
急戦!振り飛車破り(3) 徹底右4六銀 所司和晴 '92.3             舟囲い+右4六銀メイン,
四間飛車vs居飛車急戦の本
左美濃伝説 週刊将棋/編 '91.8             対向飛車、対中飛車も
世紀末四間飛車 持久戦之巻 櫛田陽一 '91.4            
四間飛車ガイドU 室岡克彦 '90.9           急戦中心、→四間飛車総合
書名 著者 発行

















シス
テム








備考
急戦左美濃戦法 田丸昇 '88.4             対石田流なども
四間飛車ガイド 室岡克彦 '88.3           急戦中心、→四間飛車総合
居飛車穴熊 3度将棋が強くなる 中原誠 '87.10             対中飛車も
中原の必勝左美濃 ─対四間飛車 中原誠 '84.12              
四間飛車戦法 大山康晴 '82.9           玉頭位取りも


振り飛車最前線 四間飛車VS居飛車穴熊
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マイナビ将棋BOOKS
振り飛車最前線
四間飛車VS居飛車穴熊
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宮本広志
マイナビ出版
ISBN:978-4-8399-6207-4
2017年2月
\1,663
224p/19cm
   
第1章 藤井システム はじめに
 藤井システムの狙いと進化の過程
 旧システム △9五歩型
テーマ1 新システムVS▲7八金型
テーマ2 新システムVS▲3六歩型
テーマ3 新システムVS急戦
テーマ4 新システムVS▲5五角型
 
第2章 四間飛車穴熊 はじめに △5四銀優先の理由
テーマ1 四間穴熊対左美濃
テーマ2 先手▲6六歩型
テーマ3 先手▲6六銀型
 

・【コラム】(1)子供スクール (2)振り飛車党

◆内容紹介
本書は、四間飛車が天敵の居飛車穴熊を破るための2つの有力な戦法、「藤井システム」と「四間飛車穴熊」の最新研究を披露したものです。振り飛車を牽引する若手棋士の一人、宮本広志五段が最先端のテーマ図を使って、詳細に解説していきます。

第1章は藤井システム。 居玉で穴熊を粉砕する破壊力抜群の戦法ですがここ数年は居飛車の対策も進み下火になっていました。それがここ最近になって新しい手順が編み出されたことで、見事に復活しました。本書では藤井システムの基本的な狙いから始まり、旧システムの進化と衰退の理由、さらに新システムの最前線の攻防までを詳しく解説しています。

第2章は四間飛車穴熊。四間飛車穴熊の中でも居飛車穴熊に対しては△5四銀型が最も優れていると宮本五段は言っています。相手の陣形に応じて自在に駒組みを変化させられるのがその特長で、本書では△5四銀型優先の理由から、先手が左美濃、▲6六歩型穴熊、▲6六銀型穴熊にしてきたときのそれぞれの指し方を解説しています。

四間飛車は今も昔も将棋ファンに最も人気のある戦法ですが、これを指したいなら居飛車穴熊対策は絶対に避けて通ることはできません。本書で最先端の定跡を学べば、ライバルより一歩も二歩も先をいけることは間違いないでしょう。

 


四間飛車の逆襲
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マイナビ将棋BOOKS
四間飛車の逆襲
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石井健太郎
マイナビ
ISBN:978-4-8399-5685-1
2015年8月
\1,663
224p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★☆
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
有段向き
序章 四間飛車の基本   8p
第1章 対△8四角型   50p
第2章 対△4二角型   22p
第3章 対松尾穴熊   20p
第4章 △5四銀型 第1節 △9五歩型
第2節 △6四歩保留型
52p
第5章 △3二銀型   26p
第6章 実戦解説編 第1局 中座真七段戦(2015.01)
第2局 三枚堂達也四段戦(2015.05)
第3局 日浦市郎八段戦(2014.02)
38p

・【コラム】(1)記録係 (2)将棋とサッカー (3)強くなる方法 (4)詰将棋創作の楽しみ

◆内容紹介
昔から人気のある角道を止める四間飛車。アマチュアでは現在でもよく指される戦法ですが、強敵穴熊の台頭によりプロ間での採用はめっきり減ってしまいました。 そのような現状において、プロの中でも数少ない四間飛車を得意とする石井健太郎四段がこれまでにない対居飛車穴熊の戦術書を書き上げました。

本書は「勝つためには新しい工夫を考える必要があった」(まえがきより)とあるように、
石井四段ならではの研究が組み込まれています。「勝つための新しい工夫」、それは石井四段のもう一つの得意戦法である“矢倉”の「厚み」や「縦の攻め」を取り入れていること。堅さや遠さで勝る穴熊に対し、矢倉の要素が加わった新感覚の四間飛車で挑みます。

第1章〜第3章では先手四間飛車の「▲6六銀型」から積極的に動く形を紹介。穴熊側の作戦も「△8四角型」「△4二角型」「松尾穴熊」と実戦に現れやすい3つの形を題材に取り上げています。第4章「△5四銀型」と第5章「△3二銀型」では後手番での四間飛車を解説。積極的な先手四間飛車とは違い、穴熊側が動いてきたところを反撃するカウンター狙いが作戦の軸となります。

四間飛車で戦い続ける著者が自身の研究を惜しみなく書いた渾身の一冊。ぜひ本書で今もなお進化している四間飛車を体感してください。

四間飛車vs居飛車穴熊の定跡書。

四間飛車はオールマイティな戦法であるが、最大の敵は居飛車穴熊である。1990年代に居飛穴が相当に勝ち、2000年代は藤井システムや鈴木システムが健闘したものの、松尾流穴熊の登場や、藤井システムを見せていても居飛穴に組めることが発見されると、プロ間では四間飛車は急速に衰退し、指す棋士が少なくなっていた。

棋書でいえば、以下の3冊でまとめることができる。

 2005-06 四間飛車破り【居飛車穴熊編】,渡辺明,浅川書房
 2010-05 中村亮介の本格四間飛車,中村亮介,MYCOM
 2012-10 四間飛車激減の理由,阿部健治郎,マイナビ

ところが、最近若手を中心に四間飛車が再興しつつある。その中の一人が石井四段。劇的な復活ブームにまでは至っていないが、新たな工夫により、「互角に戦える、経験値の差があれば主力としてやれる」という段階にまで来ている。

本書は、そういった新工夫を中心に、四間飛車vs居飛穴を解説した本である。……レビューの続きを読む(2015Oct03)


四間飛車激減の理由
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マイナビ将棋BOOKS
四間飛車激減の理由
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阿部健治郎
マイナビ
ISBN:978-4-8399-4445-2
2012年10月
\1,890(5%税込)
288p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★☆
図面:見開き6枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:B
有段向き
君島俊介/構成,島田修二/編集
序章 四間飛車の変遷   18p
第1章 穴熊へ組む手順 (1)先手居飛車穴熊の組み方
(2)後手居飛車穴熊の組み方
22p
第2章 △4四銀型 (1)▲2六角型
(2)松尾流
(3)▲6八角型
(4)△9五歩型
98p
第3章 △5四銀型 (1)▲3五歩急戦
(2)▲2六角型
(3)▲3七角型
(4)▲9六歩型
(5)▲7八金型
70p
第4章 △3二銀型 (1)△4五歩型
(2)△4三銀型
(3)△4四歩・△3二銀型
40p
第5章 先手四間飛車 (1)▲6六銀型 32p

◆内容紹介
「本書は四間飛車がプロの公式戦で激減した理由を、可能な限り具体的手順で示した」(まえがきより)

旬の棋士が贈る若手精鋭シリーズ第2弾は、第41期(2010年度)新人王戦において、史上初のプロ対アマの決勝三番勝負を制し優勝、新人王となった阿部健治郎五段による渾身の一冊です。

江戸時代から愛され、指され継がれてきた(角道を止めるタイプの)四間飛車が、なぜプロの公式戦から消えてしまったのか。アマチュアではまだまだ花形戦法ですが、プロが指さない理由を分からないまま、指し続けている方も多いのではないでしょうか?

本書はこのプロとアマの「四間飛車に対する認識の差」を埋めようとする野心作。将棋戦法史の転換を高らかに宣言する、まさに若手精鋭シリーズにふさわしい一冊です。

阿部五段が心血を注ぎ込んで執筆した一文一文、ぜひ読んでみてください。

四間飛車vs居飛車穴熊の定跡書。

最近、プロの将棋で角道を止めたノーマル四間飛車をほとんど見なくなった。基本的に「勝ちにくい戦法」と認知されたからである。50年にわたってトッププロにも愛された四間飛車は、何に勝てなくなったのか。簡単に言えば、「居飛車穴熊への対抗手段が尽きた」ということになる。

総論すると、四間飛車がプロで激減した理由は、以下のようになる。

 ・四間飛車は居飛穴以外の作戦には有効。
 ・居飛穴は四間飛車に対して高い勝率を挙げた。
 ・対居飛穴には、藤井システム・鈴木システム・浮き飛車などの作戦が有力視されたが、いずれも対策されて勝ちにくくなった。
 ・対策の決定版は松尾流穴熊である。

ただし、松尾流穴熊はいつでも組めるわけではない。しかし、松尾流で牽制することにより、これまで望みがあった四間飛車の指し方までも打ち砕かれた。または、松尾流の存在によって、四間飛車側はやや無理な動きをせざるを得なくなった。ここが「四間飛車激減」の真相である。

とはいっても、正しい知識を持っていなければ、いくら結論を知っていても絵に描いた餅。その「正しい知識」を解説したのが本書である。

本書は、居飛穴に対する四間飛車のさまざまな動きがいかに対策されているかが書かれた本である。


各章の内容を、チャートや図を交えながら紹介していこう。……レビューの続きを読む(2012Nov19)


矢内理絵子の振り飛車破り
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マイコミ将棋BOOKS
矢内理絵子の振り飛車破り
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矢内理絵子
毎日コミュニケーションズ
ISBN:978-4-8399-3136-0
2009年9月
\1,470(5%税込)
224p/19cm
[総合評価]
B
難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
第1章  対振り飛車端玉銀冠 ・端玉銀冠の基本的な狙い
・銀冠3八飛型
・銀冠4六銀型
・銀冠8八銀型
・銀冠7七銀型
・端玉銀冠対振り飛車穴熊
92p
第2章 4五歩早仕掛け ・先手▲4五歩早仕掛け
・後手△6五歩早仕掛け
84p
第3章 感覚を磨く実戦次の一手 第1問〜第10問 22p
第4章 矢内理絵子の実戦譜 (1)玉の遠さを生かす―対斎田晴子女流三段戦
(2)成功例の完成局―対久津知子女流初段戦
(3)新たな可能性に挑戦―対斎田晴子女流四段戦
(4)ガマン比べでミスを誘う―対上田初美女流初段戦
(5)端の圧力―対斎田晴子女流三段戦
(6)ピンチを勢いで乗り切る―対甲斐智美女流二段戦
(7)負けない指し方―対甲斐智美女流二段戦
(8)粘り勝ちの一局―対中村真梨花女流初段戦
17p

・【コラム】トラウマ?

◆内容紹介
本書は女流棋士の第一人者である矢内理絵子女王・女流名人が、四間飛車に対する戦い方を解説した本です。
端玉銀冠の章では右銀の使い方がポイントです。相手の出方によって急戦を仕掛けたり、8八銀型や7七銀型に組んで玉頭を強化したりと、柔軟に使い分けます。
4五歩早仕掛けの章では一手の緩手が負けにつながるスリリングな展開を、先手の場合と後手の場合に分けて詳しく解説しています。
戦法のレパートリーを広げたい方におススメの一冊です。

対四間飛車の端玉銀冠戦法と早仕掛けを解説した本。

女流棋士が書いた棋書はいくつかあるが、女流棋士による戦法解説書は史上初めて。しかし女流だからと侮ってはいけない。端玉銀冠については、矢内はスペシャリストともいえる存在だし(というか、矢内以外で連採している人を知らない)、早仕掛けについてはむしろ女流の方が研究が進んでいるくらいである。

【第1図】端玉銀冠・第1章基本図第1章は端玉銀冠。いわゆる「米長玉」の形であるが、米長玉はおもに中終盤で▲8八玉→▲9八玉とすることで相手の距離感をずらすのに対し、本書の端玉銀冠は最初から9八玉型に構える。利点・欠点は、

 ・○ 左美濃同様、角道を通したまま戦える
 ・○ 左美濃よりも玉頭が少し厚い
 ・○ 右辺の線上から玉が遠い
 ・△ 居飛穴ほど堅くない
 ・△ 居飛車からの端攻めは難しい
 ・△ 4筋周辺は薄い etc.

【第1図】が基本図。ここから▲4六歩or▲3八飛or▲4六銀で急戦を狙う順と、右銀を7七or8八まで引きつける持久戦の順に分かれる。

第1図までの手順中、先手が▲8六歩と左美濃を明示しているのに△7一玉〜△8二玉と入城しているのは、後手が無策に見えた。私の実戦では、一直線に左美濃を狙うと△7一玉〜△8四歩とされ、中盤に玉頭攻め一発で劣勢に陥ることが多いからだ。ただし、本書の実戦編を見る限りは、すぐに端玉にしてしまえば【第1図】の形になることがほとんどだし、△7一玉〜△8四歩にも十分対応できるようだ。

端玉銀冠戦において、使えそうな手筋をピックアップしておく。

・玉頭攻めの△8六歩を▲同銀と取ってしまう。(駒損になるが、拠点を残さない)
・余裕のあるときに8八角を▲7七角としておく。(△7七角成が王手にならないので、ときには強い捌きが狙える)
・仕掛けが難しいとき、端玉銀冠から銀冠穴熊に組み替える。手損ではあるが、最初から居飛穴を目指すより組みやすい。
・▲8八玉と戻すこともある。(※本書では、中盤の忙しそうなときに▲8八玉と戻す手がしばしば見られるが、どのタイミングでやればいいかは解説がない。「敵角のにらみがなくなったら▲8八玉のほうが良い」だろうか?)


【第2図】4五歩早仕掛け第2章はおなじみの4五歩早仕掛け。先手番と後手番での違いに注目して解説されている。先後で仕掛けの筋はほとんど同じだが、大きな違いは「美濃囲いの右桂が跳ねているかどうか」。わたしがこの戦型を覚えたときは「先手四間飛車vs後手6五歩早仕掛けは、右桂を跳ねているのが振飛車側にとって大きい」と教わったが、そんなに単純なものではないようだ。本書では「(右桂跳ねによる)先手からの反撃力が高いのか、美濃囲いが薄くなっているのか」(p152)という二面性を考えながら解説されていく。

この戦型はすでにかなりまとまった定跡書があるためか、基本定跡的な部分は駆け足気味。仕掛け後は大きく以下の3つに分岐する。

 (1)△2四同歩 (先手四間飛車では▲8六同歩)
 (2)△2四同角(▲8六同角)以下飛車切りの変化
 (3)玉頭銀(先手四間飛車では解説なし ※手が進むため?)

特に先手四間飛車については既存の定跡書が少ないため、参考になる点が多い。先手四間飛車への早仕掛けをためらっていた人にとっては、再考の余地があると思わせてくれる章である。

なお、整理された目次がないため、変化を探すのは多少面倒な点がある。

第3章は矢内の実戦から次の一手問題。ページ埋めの香りが漂うが(笑)、手は結構難しい。わたしは半分も正解できなかった…。

第4章は矢内の実戦譜。端玉銀冠、早仕掛けともに4局ずつ。ポイント1つと投了図での解説(というより感想?)のみで、せめて将棋年鑑並みの解説は欲しかった。しかし、自戦記でページ埋めしなかったのは悪くない印象。

ちょっとよく分からないのは、端玉銀冠と早仕掛けとは戦法の関連性がないこと。どちらも対四間飛車ではあるが、「相手がこうなら端玉、こう来るなら早仕掛け」というものがなく、好みや気分の問題っぽい。矢内がどういうときに採用を切り替えてるのかは、本書を通読しても分からなかった。

また、特に端玉銀冠編で、「勝負手」の表現が多いのは定跡書としては珍しい。実戦の進行が多いからなのか、それとも厳密には若干不利だからなのか……いずれにしても、端玉銀冠は「実戦的な」作戦だといえそうだ。

個人的には、「(自分の実戦で)左美濃を復権させられるかも?」と思った。わたしは左美濃+急戦が好きなのだが、△7一玉+△8四歩型に構えられると、仕掛けが部分的に成功しても、玉頭攻め一発で防戦一方orフルボッコにされるため、相手が早々に△8二玉型を決めてくれない限り使えなかったのだ。しかし本書の端玉銀冠を併用すれば、「△8二玉型には左美濃急戦、警戒心の強い△7一玉型には端玉銀冠」と柔軟に構えられる。しかも端玉銀冠は、左美濃急戦と同じ仕掛けができるのだ(※中盤戦で陣形の違いが出るので、そのあたりは研究する必要がある)。現時点では「思っただけ」で、まだ試してないのだが…(汗)。

居飛穴があまり得意でない居飛車党の人は、一読の価値はあると思う。


鈴木大介の将棋 四間飛車編
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鈴木大介の将棋 四間飛車編
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鈴木大介
毎日コミュニケーションズ
ISBN:978-4-8399-3111-7
2009年1月
\1,470(5%税込)
224p/19cm
   
第1章 先手四間飛車 ・先手四間飛車対居飛車穴熊―基本の駒組み
・先手四間飛車6六銀型対居飛車穴熊
・角転換優先型―居飛車の工夫
・先手四間飛車まとめ
 
第2章 後手四間飛車 ・後手四間飛車5四銀型対居飛車穴熊7九金型
・後手四間飛車5四銀型対居飛車穴熊7八金型
・後手四間飛車まとめ
 

◆内容紹介
「鈴木大介の将棋」は豪快な棋風として知られる鈴木大介八段が振り飛車の勝ち方を伝授するシリーズ。第2作目となる本書は振り飛車の王道とも言える
四間飛車編で、敵は居飛車穴熊です。実戦的な勝ちやすさを重視して、先手四間飛車では破壊力満点の6六銀型に組み上げ居飛穴を粉砕します。また後手四間飛車では角道を通した5四銀型で、振り飛車らしいカウンターが炸裂します。
鈴木流の居飛穴退治をマスターし、振り飛車で勝つ楽しさを味わってください。

 


居飛車穴熊必勝ガイド
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マイコミ将棋BOOKS
居飛車穴熊必勝ガイド
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佐藤天彦
毎日コミュニケーションズ
ISBN:978-4-8399-2824-7
2008年4月
\1,449(5%税込)
224p/19cm
   
第1章 3二飛型急戦―3筋をめぐる攻防
第2章 △4五歩〜△3五歩急戦―石田流への組み替え
第3章 VS4四銀型―後手積極策
第4章 VS3二銀型―後手柔軟策
第5章 VS5四銀型―後手待機策

◆内容紹介
本書は
四間飛車に対し、居飛車穴熊で勝つための戦術書です。穴熊は完成すれば堅固な囲いですが、組むまでにスキができやすく、振り飛車から急襲される恐れがあります。そこでまず振り飛車からの急戦に対し、不利にならない駒組みの手順を解説しました。もちろん将棋は堅く囲っただけでは勝てません。後半では振り飛車の陣形ごとに章を分け、組んでからの戦い方を詳しく解説しています。
本書を読み、堅さを生かして豪快に勝つ楽しさを味わってください。
 


四間飛車破り【居飛車穴熊編】
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最強将棋21
四間飛車破り【居飛車穴熊編】
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渡辺明
浅川書房
ISBN:4-86137-010-8
2005年6月
\1,470(5%税込)
248p/19cm

[総合評価]
S

難易度:★★★★☆
図面:見開き4〜5枚
内容:(質)S(量)S
レイアウト:A
解説:S
読みやすさ:A
有段〜高段者向き
内容詳細は個別ページを参照
第1章 無敵の四枚穴熊 ・渡辺明の結論
(1)最強穴熊 (2)ビッグ4へ (3)後手、銀を使う
/練習問題
26p
第2章 動く振り飛車 ・渡辺明の結論
(4)四枚穴熊封じ (2)正しい穴熊への組み方 (6)先に▲6六歩 (7)別の作戦
(8)向かい飛車からの急戦
/練習問題
36p
第3章 力の4四銀型 ・渡辺明の結論
(9)プロの穴熊へ (10)松尾流の戦い (11)松尾流vs△5三銀 (12)松尾流vs△5五歩
(13)松尾流vs9筋突き越し型 (14)6八角型へ (15)素直に銀を取る (16)奇抜な手
(17)2六角型へ (18)一手早く備える
/練習問題
68p
第4章 技の3二銀型 ・渡辺明の結論
(19)流行の3二銀型 (20)△5四銀vs▲2六角 (21)3七角型 (22)松尾流を見せる
(23)本筋へ (24)銀の繰り替え (25)端歩の意味 (26)松尾流をめぐる戦い
/練習問題
72p
第5章 守りの5四銀型 ・渡辺明の結論
(27)5四銀型へ (28)玉の位置 (29)上部に厚い構え (30)持久戦の▲5九角
/練習問題
36p

◆内容紹介
本書は、四間飛車対居飛車穴熊の攻防を、アマチュアの皆さんにも理解してもらえるように、できるだけわかりやすくまとめたものである。居飛車穴熊が登場した初期の指し方から最新成果まで、基本的な定跡をひと通り取り上げた。

△四間飛車vs▲居飛車穴熊の定跡書。

居飛車穴熊が流行し始めてからおよそ25年。その間に、四間飛車側もさまざまな対策を打ち出し、「正しい居飛穴の組み方」は徐々に変わっていった。

手順だけでなく、囲いの形も変化。大雑把にいうと、下図のような感じで変化している。特に右図は「松尾流穴熊」と呼ばれ、ここ数年で現れた囲い方である。


本書では、第1章・第2章で「居飛穴の理想形」の変遷をたどり、第3章〜第5章で最新の居飛穴戦を解説。特に第3章以降は「松尾流穴熊」をめぐって、組みたい、組ませたくないの攻防が展開される。

姉妹書の『四間飛車破り【急戦編】』と同様、基本的に解説は1頁単位で区切られる(場合によっては2〜3頁)。頁の内容により、難度が[基本][上級][プロ級]と3段階で表示されている。

 [基本]:数多くの定跡書にも書かれている変化で、まさに“基本”。とはいえ、[基本]を全てマスターできているならアマ四段は確実。
 [上級]:古い定跡書には載っていないものの、ここ10年くらいで出てきた変化で、すでにプロ的には常識化しているもの。
 [プロ級]:最新の実戦で現れたものや、難解な変化を含んでいて研究課題となっているもの。


本書では[上級][プロ級]は少なめ。代わりに(?)各章末に「復習問題」が用意されている。基本的には本文中で一度解説した局面なので、答も本文を見直す形式を採っている。

わたしはあまり居飛穴を指さないので、居飛穴特有の細かい中盤の動きは難しく感じた。しかし渡辺の文章は確かに明快で分かりやすく、読んでるときは非常に頼もしく思えた。

対△四間飛車なら同一の局面になる可能性はかなり高いと思われるので、居飛車穴熊をメインの武器にしている人にはまさに“基本の一冊”だろう。(2007Jan04)


四間飛車道場 第十五巻 藤井システム破り 東大将棋ブックス
四間飛車道場 第十五巻
藤井システム破り
個別ページへ
所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-1372-2
2004年2月
\1,200
224p/19cm
   
第1章 基本図までの駒組み    
第2章 ▲3五歩急戦▲4六歩型 (1)▲4六歩に△3五歩
(2)▲4六歩に△4二飛
 
第3章 ▲3五歩急戦▲4六銀型 (1)▲4六銀に△4二金
(2)▲4六銀に△7一玉
 
第4章 その他の▲3五歩急戦対策 (1)▲3五歩に△3二金
(2)▲3五歩に△同歩
 
第5章 ▲4六銀型対△3二金型 (1)△3二金に▲5五歩
(2)△3二金に▲3四歩
(3)△3二金に▲3八飛
 
第6章 △3二銀型対▲3五歩急戦 (1)▲4六銀に△4五歩
(2)▲4六銀に△3六歩
 

◆内容紹介(MYCOMホームページより)
藤井猛九段が開発した藤井システムの登場で、居飛車穴熊に苦戦していた四間飛車側は息を吹き返した。居玉のまま飛車角銀桂香をフル活用して居飛車穴熊本陣に攻め込む積極的な手法だ。対する居飛車側にはいくつかの対策があるが、本書は穴熊にせず▲3六歩〜▲3五歩と速攻を仕掛ける作戦を取り上げた。この一冊で藤井システムは怖くない。

 


四間飛車道場 第十四巻 藤井システム封じ
zoom
東大将棋ブックス
四間飛車道場 第十四巻
藤井システム封じ
個別ページへ
所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-1326-9
2003年12月
\1,200
224p/19cm
   
第1章 基本図までの駒組み    
第2章 ▲9八香型対△3二飛型 (1)▲5五歩の変化
(2)▲6六銀の変化
(3)▲7八銀の変化
(4)▲9九玉の変化
 
第3章 ▲6六歩型対△3二飛型    
第4章 ▲1六歩型対△3二飛型    
第5章 △6二玉・6四歩型藤井システム (1)▲9八香の変化
(2)▲6七金の変化
 
第6章 △3二銀・6四歩型藤井システム (1)▲9八香の変化
(2)▲6七金の変化
 

◆内容紹介(MYCOMホームページより)
藤井猛九段が開発した藤井システムは、居玉のまま飛車角銀桂香をフル活用して居飛車穴熊本陣に攻め込む積極的な手法だ。対する居飛車側は、▲3六歩を早く突いて△6二玉を強要してから居飛車穴熊に組む工夫を見せた。本書には▲3六歩早突き居飛車穴熊と藤井システムの最新の攻防が収められている。本書を読まずに四間飛車は語れない。

 



zoom
パワーアップシリーズ
鉄壁!トーチカ戦法
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三浦弘行
日本将棋連盟
ISBN:4-8197-0371-4
2003年10月
\1,300
223p/19cm

[総合評価]
B

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
第1章 ▲6六角型トーチカ (1)△6三金型対策
(2)△5四銀型対策
(3)△5二飛型対策
108p
第2章 ▲6七金型トーチカ (1)△5四歩型銀冠対策
(2)△5四銀型銀冠対策
(3)後手・穴熊型対策
44p

・実戦次の一手20問 問題と解答=42p
・参考棋譜10局=21p

◆内容紹介
藤井システムなど最新の振り飛車に苦しむ居飛車党に朗報。“トーチカ戦法”は金銀4枚でガチガチに玉を固めてから、敵陣を歩で揺さぶり、大駒の交換を狙って強く決戦を挑む、新時代の振り飛車撃退作戦。本書ではこの戦法を▲6六角型トーチカと▲6七金型トーチカとの2章に分け、その戦い方のコツをすべて伝授。トーチカ戦法で高い勝率を挙げた著者には第28回将棋大賞の「升田幸三賞」が贈られた。

トーチカ戦法の解説書。

四間飛車藤井システムが居飛穴に対して猛威を振るったとき、▲8九玉という囲い方が提案された。確か、最初はアマチュア発の「西田スペシャル」だったと思う。玉が相手の角筋に入らないため、比較的安全に堅く囲うことができるのが特徴だ。

その後、▲8九玉型はいくつかのバリエーションが出現し、名称も「ミレニアム」や「かまくら」、そして本書の「トーチカ」などが提案されてきた。「▲8九玉型で角筋を避けて堅く囲う」ということさえ満たせば、広義では「菊水矢倉」さえもこのカテゴリーに含まれることがある。

本書では▲8九玉型を「トーチカ」と名付け、△四間飛車vs▲トーチカの戦いを主に解説している。


本書で解説しているトーチカの組み方は2種類。……レビューの続きを読む(2016Jun14)


四間飛車道場 第十三巻 藤井システム 東大将棋ブックス
四間飛車道場 第十三巻
藤井システム
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所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-1293-9
2003年10月
\1,200
224p/19cm
   
第1章 藤井システムの駒組み    
第2章 ▲8八玉型VS△藤井システム (1)▲7八金の変化
(2)▲9八香の変化
 
第3章 ▲7八玉・6七金型VS△藤井システム (1)▲5五歩の変化
(2)▲8六角の変化
 
第4章 ▲7八玉・5八金型VS△藤井システム (1)▲5五歩の変化
(2)▲3六歩の変化
 
第5章 ▲7七角早上がりVS△藤井システム (1)△9五歩の変化
(2)△7四歩に▲6六歩の変化
(3)△7四歩に▲8六角の変化
 
第6章 △5二金型藤井システム (1)▲6七金の変化
(2)▲9八香の変化
 

◆内容紹介(MYCOMホームページより)
藤井猛九段が開発した藤井システムの登場で、居飛車穴熊に苦戦していた四間飛車側は息を吹き返した。居玉のまま飛車角銀桂香をフル活用して居飛車穴熊本陣に攻め込む積極的な手法だ。今度は居飛車側が駒組みに工夫を求められている。本書には居飛車穴熊と藤井システムの最新の攻防が収められている。本書を読まずに四間飛車は語れない。

 


四間飛車道場 第十二巻 続・居飛穴 東大将棋ブックス
四間飛車道場 第十二巻
続・居飛穴
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所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-1154-1
2003年8月
\1,200
224p/19cm
   
第1章 ▲9六歩型居飛車穴熊の駒組み    
第2章 ▲9六歩・7八金型穴熊 (1)▲1六歩の変化
(2)▲6八銀の変化
(3)▲5九角の変化
(4)▲7九金の変化
 
第3章 ▲9六歩・7九金型穴熊 (1)▲1六歩の変化
(2)▲5九角の変化
(3)▲6八角の変化
 

◆内容紹介(MYCOMホームページより)
近年の居飛車穴熊は駒組みに余裕があれば、▲9六歩と玉側の端歩を受ける傾向が増えている。端は穴熊の弱点の一つなのだが、端を受けることにより、(1)居飛車からの端攻めが狙える、(2)振り飛車からの端攻めに対し▲9五同歩の形が端からの逆襲を狙える、(3)△9五歩の端攻めに手抜きができる、といったメリットが生じる。ただし端を受ければ穴熊に組むのが遅れるわけで、そのデメリットも生じる。また後手の仕掛けを封じる意味の▲7八金型穴熊は最近になって多く現れた新型なので、定跡として確立していない部分も多いが、本書は定跡伝道師こと所司和晴六段が新研究を披露している。本書を読まずに四間飛車は語れない。

 


四間飛車で居飛車穴熊退治
zoom
将棋必勝シリーズ
四間飛車で居飛車穴熊退治
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鈴木大介
創元社
ISBN:4-422-75087-9
2003年7月
\1,200
222p/19cm

[総合評価]
B

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
中級〜有段向き
※詳しい内容は個別ページ参照
第1章 先手四間飛車
「浮き飛車」編
(1)△1四歩型(端を受けてなお穴熊にする欲張りな指し方)
(2)△1三歩型(一直線に穴熊にもぐる指し方)
・復習問題=12問
92p
第2章 後手四間飛車
「△4四銀型」編
※便宜上先後逆
(1)居飛車△1四歩型
(2)居飛車△1三歩型
・復習問題=12問
126p

◆内容紹介(創元社ホームページより)
四間飛車の天敵は居飛車穴熊。その天敵を四間飛車で堂々と打ち負かす、そんな振り飛車党の夢をかなえるのが本書。序・中・終盤と順を追い、
振り飛車らしい戦い方で居飛車穴熊を撃破するコツを伝授する。第1章は先手番編、第2章は後手番編。先手、後手どちらの場合でも、実戦ですぐ対応できるようにくわしく解説した。この本で振り飛車の力量がいちだんとアップすることは間違いない。

四間飛車vs居飛車穴熊の定跡書。四間飛車側の居飛穴対策にはいろいろあるが、本書では「玉が堅くて」「攻撃力がある」戦型に限定。

目次には細かい分岐はまったく書かれていないので、自分で抜き出してみた個別ページ参照)。「東大将棋ブックス」などのように細かい樹形図ではなく、有力そうな指し手を2つずつ挙げ、その変化を解説していく構成になっている。基本的には、1番目がすぐにやりそうな手、2番目がちょっとひねった手。また、階層が深いほど本筋に近いといえよう。なお、第2章は四間飛車が後手番であるが、便宜上先後逆の図面で解説されている。

第1章は対居飛穴の「浮き飛車戦法」。▲6六飛〜▲7六飛から石田流に組み、自陣は左銀を引き付けてダイヤモンド美濃に囲うというもの(【第1図】)。立石流にも似た筋が出てくるが、まったく別物の戦法と考えてよい。先後の差がやや大きいので、本書では先手番専用と位置づけされている。

第2章はいわゆる「鈴木システム」。居飛穴に対して、基本的には銀冠に組み上げ、△4四銀型から中央突破を狙う(【第2図】)。昔からある形ではあるが、序盤で少しずつ牽制をして居飛穴に一方的な好形を作らせないところに工夫がある。『島ノート』や『最前線物語』でも紹介されていたが、本書が一番詳しくて読みやすいと思う。

また、単純な中央突破だけでなく、本書では1筋攻め(解説図では9筋)の新構想(【第3図】)も披露。玉から一番遠いところを攻めるので意外な感じだが、結構有力そうだ。

【第1図】浮き飛車+ダイヤモンド美濃【第1図】鈴木システム【第3図】鈴木システム+1筋攻め

「振飛車が先手番のときはスピード重視の浮き飛車、後手番のときは“型”のよい▲6七銀型を覚えてほしいのである。」(104p)とあるが、両方覚えるのが面倒な人は鈴木システムだけでいいかも。

解説はやや大雑把なところもあるが、それよりも明快さがうれしい。『島ノート』『最前線物語』を読んだときは、「で、鈴木システムって?」と疑問な部分が残ったが、本書を読んで氷解した。また、居飛穴側が欲張ったとき(端歩を受けてなお穴熊、無理やり四角い穴熊をめざす等)の咎め方にも触れていて、「鈴木流入門」として非常に分かりやすい構成になっている。

戦型が2つに限定されていることと、発展的内容が別途必要なのでBにとどめたが、思ったよりも良かった。(2006Aug31)


四間飛車道場 第十一巻 居飛車穴熊 東大将棋ブックス
四間飛車道場 第十一巻
居飛車穴熊
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所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-1100-2
2003年6月
\1,200
224p/19cm
   
第1章 居飛車穴熊の駒組み    
第2章 △9五歩・4四銀型四間飛車 (1)△5四歩型
(2)△7四歩型
 
第3章 △5四銀型四間飛車 (1)▲6七金型
(2)▲6八金寄型
(3)△6二飛型
 
第4章 △4三銀・4五歩型四間飛車 (1)▲6六歩の変化
(2)▲2二角成の変化
 

◆内容紹介(MYCOMホームページより)
居飛車穴熊が現れてから、四間飛車側はその堅さと遠さに苦戦を余儀なくされたが、近年になって対策が進歩し、互角の戦いを繰り広げられるようになった。対居飛車穴熊の作戦としては穴熊そのものを直撃する藤井システムが有力だが、本書は普通に美濃囲いに組む指し方を取り上げた。玉の薄い藤井システムよりもアマチュアの間では盛んに指されているようだ。大事なのは序盤の△4五歩。角交換を迫ることで居飛車穴熊側に▲6六歩を強要させ、四間飛車は△4四銀と上がる積極的な駒組みを築いていく。5筋からの攻めを見られた居飛車穴熊は思うように駒組みを進められない。もちろん居飛車穴熊側にも新しい対策は出現し、本書には最新の攻防がびっしりと収められている。本書を読まずに四間飛車は語れない。

 



zoom
最強居飛車穴熊マニュアル
The Strongest Hibernaculum Castle
with static Rook Manual
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佐藤康光
日本将棋連盟
ISBN:4-8197-0369-2
2003年1月
\1,500
223p/21cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き5枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
第1章 居飛車穴熊基本編
(vs美濃囲い)
(1〜10)▲6六銀型居飛穴
(11〜24)▲6六歩型居飛穴
(25〜29)△浮き飛車
実戦編(3局)
72p
第2章 対△藤井システム編 (1〜9)藤井システムの威力
(1〜12)先に▲7七角で居飛穴に
(13〜20)△4三銀早上がりへの急戦
実戦編(2局)
56p
第3章 対▲藤井システム編 (1〜10)△3二金(居飛穴保留)
(11〜15)ミレニアム
実戦編(2局)
48p
第4章 相穴熊編 (1〜8)相穴熊は序盤がカギ
実戦編(2局)
31p
四間飛車vs居飛車穴熊の定跡書。まず最初に従来型の四間vs居飛穴を解説し、次に藤井システム、最後に相穴熊。藤井システム編は章を分け、先後の差にきっちり触れてあるのが好感度高し。『羽生の頭脳』ライクな良さをさらにグレードアップさせた感がある。非常にスマートにまとまっている印象を受けた。

本書はレイアウトが良く、非常に読みやすい。見開き内に初めの図と終わりの図が収められ、解説も見開き内でほぼ完結しているので、ページを見返すストレスが全くない。やや大きめの版型を十二分に生かしていると思う。実戦譜を各章ごとに載せているのも良い。

各章の項目が通し番号で分かりにくいのが唯一の難点だが、前から順に読んでいくときには差し支えない。上の表のようにまとめてあれば、さらに良かった。

居飛車スタンスで藤井システムを解説した本は数少ない。居飛穴を指したい方は、必見の一冊である。(2003Dec25)



zoom
東大将棋ブックス
四間飛車道場 第一巻
ミレニアム
個別ページへ
所司和晴
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-0575-4
2001年10月
\1,200
222p/19cm

[総合評価]
B

難易度:★★★★☆
図面:見開き6枚
レイアウト:A
構成:B
読みやすさ:B
上級〜有段向け
第1章 ミレニアムの概要   15p
第2章 ▲6七金型
ミレニアム
(1)△2二飛-5四銀-4五歩型
(2)△2二飛-5四歩▲9六歩型
(3)△2二飛▲3七銀型
(4)△6三銀引型
(5)△6四歩▲8六角型
86p
第3章 ▲6六角型
ミレニアム
(1)△6三銀引型
(2)△高美濃型
(3)▲3六歩不突き型
(4)△4一金-5二金型
(5)▲5八金右-6六角-5七角型
(6)▲4九金-6六角-5七角型
(7)▲地下鉄飛車型
98p
第4章 ▲5五角型
ミレニアム
  18p

◆内容紹介(MYCOMホームページより)
東大将棋ブックス四間飛車道場の第一巻は、古くからプロアマ問わず最も人気ある戦法の四間飛車をとりあげています。四間飛車は斬新な藤井システムの出現により、居飛車穴熊人気から勢いを取り戻しました。しかし代わって居飛車側の編み出した対策がミレニアム。本書はミレニアム対四間飛車の最新攻防を徹底解説した一冊です。

△四間飛車vs▲ミレニアム(8九玉型)の定跡書。現在のところ(2002年5月現在)、ミレニアム関連の唯一の本。

藤井システムの猛威により、穴熊に組みにくくなった居飛車の新対策・8九玉。いろいろな名前で呼ばれていたが、この本を機に「ミレニアム」で定着したようだ。[右図]がミレニアムの一例。振飛車の角筋を避け、堅さでも穴熊に近いのが自慢の駒組みだ。

ほかの東大将棋シリーズと同様、どちら側にも肩入れすることなく、緻密な研究を解説してある。研究量と裏腹に分岐が多くなっていて、やや全体像を捕らえにくいが、もともと持久戦は定跡化しにくいのでしかたないだろう。ミレニアム戦特有の狙いと手筋を覚えるなら十分の内容。あとはカタログ的に使うと良い。

なお、振飛車が穴熊に組み替える指し方については記述なし。(2002May16)



zoom

藤井の激シブ裏表紙
最強藤井システム
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藤井猛
日本将棋連盟
ISBN:4-8197-0208-4
1999年7月
\2,000
247p/22cm/H.C.

[総合評価]
B

難易度:★★★★☆
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向け
第1章 定跡編 ・先手藤井システム
・後手藤井システム
99p
第2章 実戦編 20局 140p

◆内容紹介
竜王奪取の原動力、居玉で戦う破壊力抜群の四間飛車「藤井システム」の全貌が明らかになる。

四間飛車vs居飛穴の定跡書。

ハードカバーなので藤井システムの集大成・保存版のように見えるが、実は『
居飛車穴熊撃破 必殺藤井システム』(1997)の続編。解説編は、前著で書き切れなかった細かい部分や、前著後に現れた変化を補足した感じなので、2冊セットと思った方がいい。とはいえ、前著とサイズが全然違うので、本棚に並べるとすごく違和感あり(笑)。解説は丁寧だが、あくまでも「補足版」なので、先に前著を読んでおくことを勧める。

どちらかといえば、メインは実戦解説。棋譜は竜王挑戦前後から竜王奪取までの、まさに昇龍の勢いのころを中心に掲載されている。

ちょっとコストパフォーマンスが悪いかな…という一冊。もちろん、藤井ファンなら文句なしに「買い」だ。


杉本流四間飛車 ──封殺!居飛車穴熊
zoom
振り飛車新世紀(6)
杉本流四間飛車
──封殺!居飛車穴熊
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杉本昌隆
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-0033-7
1998年12月
\1,200
223p/19cm

[総合評価]
B

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B+
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き
第1部 定跡編 序章 穴熊とは 6p
第1章
 パートT・急戦穴熊封じ
 パートU・陽動居飛車
78p
第2章 相穴熊 42p
第2部 実戦編 ・「居玉急戦の会心譜」 対△福崎文吾八段
・「自戒の一局」 対▲佐藤康光八段
・「杉本流の振り飛車穴熊」 対▲畠山成幸六段
・「相穴熊の熱戦譜」 対▲森内俊之八段
・「最強の相手と戦う」 対△羽生善治四冠
89p

◆内容紹介
現在、プロ間における四間飛車対策は、やはり居飛車穴熊が主流。“玉の堅さ”が何より評価される時代なのである。

本書では穴熊崩しに徹底的にこだわり、二通りの対策を解説している。実戦例も多い居玉急戦。“目には目を”的発想の相穴熊。必ず実戦で役立つことと思う。

また、穴熊を攻略するには、穴熊の感覚を知ることが必要になる。本書ではそこに重点を置いている。

四間飛車vs居飛車穴熊の定跡書。四間飛車側の作戦は、藤井システムと相穴熊。

杉本は、相振り飛車本の大家としても知られているが、若手時代は有望な四間飛車使いでもあった。その杉本が当時たどり着いた穴熊対策は、先手では「居飛穴に組ませない藤井システム」。後手では、「藤井システムからの居飛車へのスイッチ」と「相穴熊」となった。

また、「穴熊を攻略するには、穴熊の感覚を知ることが必要」(まえがき)として、定跡研究だけではなく、穴熊という囲いの性質を解説することにも力を入れている。(このような構成は、『相振り革命』シリーズでも多く取り入れられている)


各章の内容を、チャートを交えながら紹介していこう。……レビューの続きを読む(2016Sep12)


久保流四間飛車(下) ──居飛穴粉砕!
zoom
振り飛車新世紀(3)
久保流四間飛車(下)
──居飛穴粉砕!
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久保利明
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-692-5
1997年12月
\1,200
222p/19cm

[総合評価]
B

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B+
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
有段向き
第1部 定跡編 第1章 ▲4八玉型急戦 40p
第2章 居玉急戦 60p
第3章 △飛先不突型 36p
第4章 △四間飛車での作戦
 ・浮き飛車
 ・銀冠
36p
第2部 実戦編 ・「決断の仕掛けが成功」 vs△日浦市郎六段
・「振り飛車党の居飛穴」 vs△藤井猛六段
・「陣形差を生かしきる」 vs▲小林宏六段
41p

◆内容紹介(前書きより抜粋)
先手番の時は積極的に動き、「穴熊に組まれる前に攻めよう」というのが今の5九玉型で、先に攻撃陣形を整えて玉を囲うのは後回しになってきたのである。

この戦型は居玉なので、序盤からかなり神経を使う指し方だ。しかし現在のところかなりの確率で穴熊を阻止できる指し方だとも思っている。

また先手番でのこの指し方は有力でも、後手番では一手の差が大きく少し無理かなという結論に達した。ただ牽制する意味で、攻めるぞというのを見せながら囲う手はあるかもしれない。後手番の時は穴熊に囲われても仕方がないと考えている。しかし、千日手も辞さずの構えでやれば、そんなに恐れることもないだろう。

四間飛車vs居飛車穴熊の定跡書。

四間飛車が居飛車穴熊に押され始めてから十数年、小林健二の「スーパー四間飛車」で命をつないだ四間飛車は、藤井猛や久保利明らの若手によって、再興が始まっていた。

本書は、若手時代の久保が、四間飛車の居飛車穴熊対策を書いた本である。


本書の内容は、簡単にいうと次のようになる。

・▲四間飛車での「▲4八玉型急戦」をやめた。
・▲四間飛車での「藤井システム(居玉急戦)」を始めた。
・△四間飛車での「角交換挑戦〜浮き飛車作戦」をやめた。
・△四間飛車での「銀冠作戦」を始めた。



これだけでは不十分なので、各章の内容をチャートを添えながら紹介していこう。……レビューの続きを読む(2016Sep04)


居飛車穴熊撃破 必殺藤井システム
zoom
パーフェクトシリーズ
居飛車穴熊撃破
必殺藤井システム
個別ページへ
藤井猛
日本将棋連盟
ISBN:4-8197-0335-8
1997年9月
\1,200
222p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
中級〜有段向け
第1章 対左美濃 36p
第2章 対居飛車穴熊▲藤井システム 74p
第3章 対居飛車穴熊△藤井システム 48p
第4章 実戦編(6局) 57p

◆内容紹介
藤井六段が研究開発した革命的振り飛車定跡・藤井システム。その理論性と革新性は、現代将棋の常識を塗り替え、将棋界に大きな新しい波を巻き起こした。四間飛車党にとっては福音の一冊。

四間飛車vs左美濃・居飛穴の定跡書。

「居飛車穴熊撃破」とあるが、左美濃攻略法も簡単に示されている。他の藤井システム本に比べて、四間側が理想的に居飛車を潰す順が多く述べられているようだ。やや都合のいい手順にも見えるが、実際にプロの実戦ではじめて藤井システムが指されたときは、このように潰れたのである。

すでに多くの藤井システム対策が現れているが、居飛車側が旧来どおりの平凡な組み方をすれば、この本の通りに潰せるだろう。居飛穴党も潰されないためには、最低限の基礎知識として必見の本だ。

棋譜は藤井システム一号局から竜王奪取前まで。比較的初期の藤井システムを鑑賞できる。

藤井システムを学ぶなら、まずこの本から。

 


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(文庫版)
藤井システム(MYCOM将棋文庫)
藤井システム
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藤井猛
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-683-6
1997年6月
\1,200
207p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★☆
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
有段〜高段向け

MYCOM将棋文庫(1)
藤井システム
升田幸三賞受賞戦法
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藤井猛
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-0881-8
2002年11月
\700
207p/16cm
△四間飛車持久戦(四枚左美濃粉砕編) 75p
△四間飛車急戦(5七銀型袖飛車打倒編) 75p
▲四間飛車(怪傑!端飛車編) 13p
実戦編(3局) 35p
コラム=3
システムチャート付き
 
四間飛車vs左美濃の定跡書。

従来、左美濃(天守閣美濃)は四間飛車に対して好成績を収めていた。互いに横から攻め合ったとき、8七玉型が一路遠く、寄せ合い勝ちをすることが多かったからだ。急戦で良し、四枚美濃で持久戦でも良しという左美濃は中庸派の居飛車党にかなり好まれてきた。

その左美濃に対し、四間飛車側の決定版ともいえる対策が本書の内容。
左美濃対策に限定して深く解説。いわゆる「対左美濃の藤井システム」である。基本的に、「△7一玉型で待機+△3二銀型で、玉頭の歩を早めに伸ばす」というもの。居飛車党としては、この態勢を取られそうなときは左美濃にしづらい。近年は居飛穴対策で△4三銀を早めに上がることもあり、そのカラミで左美濃が指されることもあるが、わたしも△7一玉型に対し左美濃に組んで良い思い出はない。逆に、四間党の人には必須知識。

本書では、細かいゆさぶりから手得を狙ったり、微妙な形の違いで成否がまったく異なる局面があったりと、かなり難しい。しかし解説は丁寧なので、繰り返し読めば理解できると思う。なお、後に出た『
居飛車穴熊撃破 必殺藤井システム』(日本将棋連盟)を先に読んでおいた方が、理解が早まるだろう。

棋譜では「△7一玉型藤井システムの命運をかけた一局」が特に印象深かった。有段者なら必読の一冊。


スーパー四間飛車・最新版(1) 急戦!居飛穴破り
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スーパー四間飛車・最新版(1)
急戦!居飛穴破り
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小林健二
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-671-2
1997年2月
\1,359
238p/19cm

[総合評価]
B

難易度:★★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:B+
読みやすさ:B+
上級〜有段向き
第1部 振り飛車のルーツと流れ 42p
第2部 スーパー四間飛車の原点 22p
第3部 急戦!
居飛穴破り
(1)浮き飛車作戦 38p
(2)端角戦法 32p
(3)先手の居玉急戦 20p
(4)後手の居玉急戦 28p
(5)6筋早仕掛け 45p

◆内容紹介
居飛車穴熊に対する5大戦法、浮き飛車作戦・端角戦法・先手の居玉急戦・後手の居玉急戦・6筋早掛けを徹底解説。

四間飛車の居飛車穴熊対策を解説した本。

振飛車が居飛車穴熊や左美濃によって駆逐されていく中で、居飛車党だった小林は振飛車党に転身し、ほぼ孤軍奮闘で戦っていた。その過程で、居飛穴・左美濃対策として発表された単行本が『スーパー四間飛車』(1993.08)。端角戦法や早桂作戦など、従来にない戦い方をいくつも披露し、四間飛車がまだまだ戦える作戦であることを示した。

その続編が本書となる。1997年時点での小林の持っている対居飛穴作戦を集約した。また、『スーパー四間飛車』では、ほぼ▲四間飛車での戦いだったが、本書では△四間飛車での戦いをメインに解説していく。


各部・各章の内容を一部チャートを交えながら紹介していこう。……レビューの続きを読む(2016Aug22)


振り飛車党宣言!(4) 四間飛車対左美濃
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若手精鋭3人による最新の研究と実戦
振り飛車党宣言!(4)
四間飛車対左美濃
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小倉久史
杉本昌隆
藤井猛
/共著
週刊将棋/編
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-623-2
1995年1月
\1200
223p/19cm
   
第1章 定跡研究編 ・△左美濃6四銀戦法対策/△左美濃4四銀型対策(藤井猛)
・対左美濃持久戦(1)(2)(小倉久史)
・杉本の四枚美濃封じ(1)(2)(杉本昌隆)
86p
第2章 実戦編 自戦記=計6局
・屋敷六段の秘策/米長玉(藤井猛)
・激烈な攻め合い/工夫の▲2七飛(小倉久史)
・兄弟子との一戦/理想的な展開だったが…/対左美濃奮闘記(杉本昌隆)
73p
第3章 次の一手編 実戦次の一手=12問 26p
第4章 対左美濃好局集 棋譜=計15局(解説なし)(藤井・小倉・杉本 各5局) 31p

◆内容紹介(はじめにより抜粋)
(左美濃は)玉の位置が三段目にあるため、横からの攻めには無類の強さを示す優秀な振り飛車対策だ。本書では対策を知らないと痛い目に遭う左美濃を徹底分析した。この本の元になった実戦譜はすべて若手トップ同士のもので研究の内容もかなり濃い。プロ最先端の「四間飛車対左美濃」の攻防がすべて網羅されているのだ。

 


振り飛車党宣言!(3) 居飛車穴熊対策編
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将棋タウンさんthx!

(文庫版)
振り飛車党宣言!(3)(MYCOM将棋文庫)
若手精鋭3人による最新の研究と実戦
振り飛車党宣言!(3)
居飛車穴熊対策編
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小倉久史・杉本昌隆・藤井猛/共著
週刊将棋/編
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-597-X
1994年4月
\1,200
223p/19cm
   
MYCOM将棋文庫(18)
振り飛車党宣言!(3)
新感覚の居飛穴対策
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小倉久史・杉本昌隆・藤井猛/共著
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-8399-1237-8
2003年9月
\700
232p/16cm
第1章 定跡研究編
・小倉の居飛穴退治(1)(2)
・杉本の急戦居飛穴破り(1)(2)
・藤井流最新居飛穴対策(1)(2)
第2章 実戦編(2局×3人=6局)
第3章 次の一手編
第4章 対居飛穴好局集

◆内容紹介(MYCOMホームページより)
現在は振り飛車全盛、一切飛車を振らない純粋居飛車党という棋士はずいぶん少なくなったが、ほんの10年ほど前、振り飛車党が絶滅の危機に瀕した時代がある。その最大の原因となったのが居飛車穴熊だ。
本書は、当時絶大な威力を誇った居飛車穴熊に対し、振り飛車党の旗手である若手プロ3人が独自の研究を披露した一冊。これは、居飛車穴熊という強大な敵に対峙した、振り飛車党の矜持を賭けた戦いの系譜でもある。
 


スーパー四間飛車
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スーパー四間飛車
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小林健二
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-583-X
1993年8月
\1,456
310p/19cm

[総合評価]
B

難易度:★★★★☆
図面:見開き2〜8枚
内容:(質)B+(量)A
レイアウト:B-
解説:A
読みやすさ:B-
有段向き
第1部 対居飛車穴熊編 (1)5六銀型基本形   52p
(2)△1四歩型 (▲地下鉄飛車) 36p
(3)端角戦法 (9七角-4八飛型穴熊破り) 10p
(4)早桂作戦 ・3九玉-3七桂型急戦
・4八玉-1七桂型超急戦
40p
(5)浮き飛車作戦 ・角交換型
・角交換拒否型
22p
(6)最後に 昭和43年名人戦第2局 ▲升田幸三△大山康晴
(居飛穴が大舞台で初めて指された)
14p
第2部 対左美濃編 (1)4五歩型基本形   18p
(2)5六歩型   20p
(3)対左美濃急戦 ・▲四間飛車vs△6四銀型急戦
・△四間飛車vs▲4六銀型急戦
36p
第3部 終盤編   (1)と金攻め (2)と金の遅早や (3)粘りの利かない穴熊玉 (4)怒涛流の寄せ (5)駒をはがす攻め (6)急所の端攻め (7)角筋の威力 (8)玉頭攻め (9)大山名人の寄せ (10)勝負手が奏功 (11)手掛かりを残す攻め (12)コビン攻め 26p
第4部 実戦編 小林の実戦=4局   31p

◆内容紹介
居飛車穴熊と左美濃をやっつけるにはこれしかない! 多くのアマチュアが指す振り飛車を衰退させないために研究を重ねた著者が、四間飛車の最新定跡を解説する。

(p7より)
本書は対居飛車穴熊編・対左美濃編・終盤編・実戦編の四部構成をとっている。根幹を成すのは定跡の講座だが、分かれで優位を築いても、居飛車穴熊や左美濃相手に勝ちきるのは大変だという将棋ファンのために、終盤編と実戦編を設け、寄せのポイント・実戦心理などにも焦点を当てている。

ただ、最近のプロ間では、居飛車側が急戦を採ることが増えてきているため、実戦編では四局を紹介するにとどめた。スーパー四間飛車の対居飛穴・対左美濃の実戦譜に興味を持たれる方は、拙著『
小林健二の将棋 鍛錬千日・勝負一瞬』(1992.08)をご覧いただければ幸いである。

四間飛車vs居飛穴・左美濃の解説書。

1980年代から流行を始めた居飛車穴熊は、10年間で四間飛車をほぼ駆逐していた。大山康晴・森安秀光らはその剛腕でなんとか戦ってはいたが、振飛車全体の劣勢は明らかで、多くの振飛車党が居飛車に鞍替えをしていった。また、適度な堅さとバランスを併せ持つ左美濃も四間飛車党を苦しめていた。

その中で、居飛車党だった小林が振飛車党に転じた。そして、角筋を生かした攻めや、玉頭からの攻めを次々と開発し、四間飛車の命脈を保った。その思想を持った四間飛車が、本書の「スーパー四間飛車」である。

現代では、「スーパー四間飛車」に直接該当する戦型はプロではほとんど指されていない。しかし、その思想は「藤井システム」につながり、または角交換系の振飛車につながっていった。現代への振飛車をつないだのは小林だといっても過言ではない。ジョジョでいえば花京院(ry


本書の内容を、チャートを添えながら紹介していこう。……レビューの続きを読む(2016Aug28)



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秘法巻之弐
左美濃伝説
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週刊将棋/編
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-553-8
1991年8月
\1,000
206p/19cm

[総合評価]
A

難易度:★★★★☆
図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解説:A
有段向き
第1章 攻める左美濃 対四間飛車3筋攻め 56p
第2章 変則攻撃左美濃 対四間飛車3筋5筋複合攻撃 57p
第3章 対中飛車左美濃   61p
第4章 対向飛車左美濃 左美濃完成前の急戦向飛車 31p
  特別講義 左美濃の長所 4p
左美濃の短所 6p
急戦左美濃の定跡書。

左美濃は大別して急戦型と持久戦型があるが、本書は「左美濃+4六銀急戦」の専門書。早仕掛け型や左美濃右四間は載っていない。また、4六銀戦法は仕掛けた後に銀を立て直して準急戦にするタイプがあるが、本書では激しく攻め切るタイプに絞って解説されている。△8二玉型の四間飛車に対しては、本書一冊で十分だと思う。

ただしご承知の通り、左美濃は"△7一玉+△3二銀の藤井システム"には極端に弱い。玉頭からの反撃が速いからだ。現在では、左美濃急戦をメイン戦法とするのは難しいだろう。しかしわたしの経験では、最近は居飛穴警戒で早く△4三銀と上がる人がほとんど。また、▲9六歩には無条件で△7一玉まで移動し、▲3六歩には反射的に△8二玉と入城する人はかなり多い。なので、左美濃急戦を使える機会は多いと思う。なによりも藤井システムが開発されたこと自体が、左美濃の優秀性を証明している。

全体的に「左美濃バンザイ」のスタンスのため、たまに形勢不明の局面でも「居飛車指せる」と書いてある。厳密には正しいかもしれないが、わたし(現24初段)程度の棋力ではそこから勝ち切れる気はしなかった。このあたりの微妙な表現には注意すべし。普通に読んでいると、左美濃急戦は必勝戦法のような気がしてしまう(笑)

なお、『羽生の頭脳 4 居飛車穴熊と左美濃』(羽生善治,日本将棋連盟,1992)では「相手が中飛車の場合、左美濃は作戦負けしやすい」とある。中飛車編は、かなり限定された形でのみ成立すると思った方が良さそうだ。(2002Nov09)


世紀末四間飛車 持久戦之巻
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世紀末四間飛車
持久戦之巻
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櫛田陽一
週刊将棋/編
毎日コミュニケーションズ
ISBN:4-89563-547-3
1991年4月
\1,164
303p/21cm
   
第1部 講座編 1.玉頭位取り戦法=20p
2.中央位取り4筋速攻型=14p
3.中央位取り6筋交換型=18p
4.左美濃7七角型=20p
5.左美濃8七玉型=18p
6.居飛車穴熊戦法=28p
120p
第2部 次の一手編 次の一手問題=26問 56p
第3部 自戦記編 自戦記=10局 120p

・【コラム】思い出の一手=11p

◆内容紹介(まえがきより抜粋)
本書『世紀末四間飛車・持久戦之巻』は前著『急戦之巻』に比べて少し難しくなってしまった。初心者の方にも分かりやすい世紀末四間飛車というつもりであったが、持久戦という指し方の性質上、居飛車側が腰を落としているため、どうしても決定的な手順というものがない。調べれば調べるほど次々と難解な変化が現れ、整理してやっと書き上げた。

 



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初段に挑戦する将棋シリーズ(19)
急戦左美濃戦法
振り飛車破りの切り札
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田丸昇
創元社
ISBN:4-422-75069-0
1988年4月
\850
190p/18cm

[総合評価]
B

難易度:★★★
図面:見開き4枚
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解説:A
初級〜上級向き
入門編 左美濃の組み方   8p
第1章 左美濃三大作戦 ナナメ棒銀 30p
▲4五歩早仕掛け型 24p
右四間飛車 21p
第2章 戦法別振飛車対策 対積極中飛車 12p
対石田流三間飛車 16p
対急戦向飛車 14p
対四間穴熊 17p
第3章 実戦次の一手30問   40p

他に左美濃コラム4本あり。

◆内容紹介
左美濃は、あらゆる振り飛車に対してオールマイティで、高い勝率を誇る戦法だ。わかりやすい攻め方で、しかも守りが堅い。急戦好きの人、攻め好きで終盤に自信のある人、初段をめざす人にもってこいである。

左美濃急戦の入門定跡書。

左美濃のいろいろな急戦策を分かりやすく解説してある。特に早仕掛け型は通常の舟囲い早仕掛けよりも後の展開が明快だ。仕掛けが単純なのでプロではあまり見かけないが、かなり有力だと思う。

注意すべきは、すべて▲左美濃だということ。左美濃急戦は、飛車側の仕掛けはあまり先後の影響を受けないが、玉頭からの反撃が一手違ってくるので、後手番では成立しにくい。その辺については記述がないので、ある程度棋力が上がったら他書で補うべし。

左美濃急戦といえば「左美濃伝説」があるが、ちょっと難しい本だ。級位者が得意戦法として左美濃急戦を覚えるなら、本書から始めることを薦めたい。

本書は“初段に挑戦するシリーズ”の中ではかなり良い部類に入ると思う。(2002Nov11)


居飛車穴熊 3度将棋が強くなる
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中原誠の3度将棋が強くなるシリーズ
居飛車穴熊
〔3度〕将棋が強くなる
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中原誠
大泉書店
ISBN:4-278-08119-7
1987年10月
\650
216p/18cm
[総合評価]
C
難易度:★★★
図面:見開き2枚
内容:(質)B(量)C
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
中級〜上級向き
・自在「居飛車穴熊」の勝ち方
▲居飛車穴熊
vs△四間飛車
(1)▲7八飛の玉頭攻め
(2)後手、銀の早繰り出し
(3)後手、石田流に変化
156p
△居飛車穴熊
vs▲中飛車
中飛車高美濃囲い 48p

・居飛車穴熊の『次の一手』=17問
・知っておきたい必勝手筋・100=次の一手問題(部分図)=100問

居飛車穴熊戦法の解説書。

本シリーズでは、上段(2/3くらい)で戦法を解説し、節目の局面では次の一手問題が出題される。解答は三択で、出題ペースは約10ページに1問の割合。読者が考えるので読んでいて飽きにくく、急所の変化を理解しやすくなっている。また、下段(1/3くらい)では問題集で、今回は「実戦詰め手筋」。“詰将棋”ではないので、駒が余っても良い。

今回の戦法解説部は、実質的に実戦4局で、初手から投了までになっている。第1部は「△四間飛車vs▲居飛穴で、四間飛車の作戦をかわして居飛穴が勝ち切る」。また、第2部は「▲中飛車(+高美濃)のとき、居飛穴側の対応の違い」。

解説は丁寧で詳しいが、実戦解説4局のみというのはやっぱり少ない。第1部は居飛穴の堅さを生かした攻めと捌きなのでまずまずだが、第2部は先に薄くされてから勝ち切る感じなので、いわゆる穴熊の必勝パターン「堅い、攻めてる、切れない」からはほど遠い。題材としてはちょっとイマイチ。現代では居飛穴の組み方そのものが違うので、本書を無理して読む必要はないだろう。感覚を吸収したい人は、古くてもいいから実戦譜をたくさん並べたほうが良い。


なお、「3度将棋が強くなるシリーズ」は、本書を最後に全10冊で完結。前半は易しめで良質の定跡書が続いたが、後半の6冊はほとんど実戦解説のみになってしまったのが残念。本シリーズで採用された「三部構成」自体は、易しめの定跡書向けには最高レベルの出来だと思うので、ぜひ現代での復活採用を望みたい。(2005Feb24)


中原の必勝左美濃 ─対四間飛車
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将棋タウンさんthx!
中原の将棋シリーズ(12)
中原の必勝左美濃
─対四間飛車
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中原誠
池田書店
ISBN:4-262-10212-2
1984年12月
\750
238p/18cm
   
1 戦型と玉の囲い   4p
2 四枚美濃編 ・先手四枚美濃▲8七玉型
  (A)△5四歩の場合
  (B)△5四銀の場合(▲5七角の手法)
  (C)△5四銀の場合(▲5五歩の手法)
・後手四枚美濃△2三玉型
185p
3 三枚美濃編 ・後手三枚美濃△2三玉型(▲7五歩の場合)
・先手三枚美濃▲8七玉型(▲4六銀△4三銀の場合)
49p

◆内容紹介(はしがきより抜粋)
四間飛車は攻守のバランスが取れた振飛車で、特にアマチュアの方には人気がある戦法である。したがって、この戦法を指す人は多いので、居飛車党の人は対策に悩んでいると思う。そんな方のために、私は「左美濃戦法」をおすすめしたいのである。(中略)本書は、対四間飛車に限定して「左美濃」で戦う指し方を分かり易く解説したので、級位の方から有段者にいたるまでよく理解できると信じている。

 


四間飛車戦法
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現代将棋講座(5)
四間飛車戦法
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大山康晴
筑摩書房
ISBN:4-480-69805-1
0376-69805-4604
1982年9月
\880
204p/19cm
   
1 四間飛車の長所 (1)美濃囲いの長所
(2)四間飛車の駒組み図
19p
2 対玉頭位取り戦法 (1)△3五歩から△3二飛型
(2)△7二飛型
(3)7筋の歩交換型
(4)△4四銀型
105p
3 対左美濃戦法 (1)左美濃▲8七玉型
(2)左美濃▲8八玉型
38p
4 対居飛車穴熊 (1)▲6六銀型
(2)▲2五歩型
(3)腰掛銀型
34p

◆内容紹介(はしがきより抜粋)
私は実戦で四間飛車を用いて四百局くらい戦っています。それでも一局として同じ局面が現れないのは、四間飛車がそれだけ幅広く、融通性に富んだ戦法という証明になります。(中略)この本一冊で、新しい現代流四間飛車のすべてがわかっていただけることと自負しています。

 


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