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書名 | 発行 | 竜王 | スコア | 挑戦者 | 備考 |
フォトドキュメント 第36期竜王戦七番勝負 | '24.2 | 藤井聡太 | 4-0 | 伊藤匠 | 写真集 |
フォトドキュメント 第35期竜王戦七番勝負 | '23.2 | 藤井聡太 | 4-2 | 広瀬章人 | 写真集 |
第34期竜王戦七番勝負 フォトドキュメント | '22.2 | 豊島将之 | 0-4 | 藤井聡太 | 写真集 |
第33期竜王戦七番勝負 フォトドキュメント | '21.3 | 豊島将之 | 4-1 | 羽生善治 | 写真集 |
竜王戦全集 第1期〜第32期 | '20.3 | - | - | - | 第1期〜第32期 |
書名 | 発行 | 竜王 | スコア | 挑戦者 | 備考 |
第二十一期竜王決定七番勝負 | '09.3 | 渡辺明 | 4−3 | 羽生善治 | |
第二十期竜王決定七番勝負 | '08.4 | 渡辺明 | 4−2 | 佐藤康光 | |
第十九期竜王決定七番勝負 | '07.4 | 渡辺明 | 4−3 | 佐藤康光 | |
第十八期竜王決定七番勝負 | '06.2 | 渡辺明 | 4−0 | 木村一基 | |
第十七期竜王決定七番勝負 | '05.3 | 森内俊之 | 3−4 | 渡辺明 | |
第十六期竜王決定七番勝負 | '04.2 | 羽生善治 | 0−4 | 森内俊之 | |
第十五期竜王決定七番勝負 | '03.3 | 羽生善治 | 4−3 | 阿部隆 | |
第十四期竜王決定七番勝負 | '02.2 | 藤井猛 | 1−4 | 羽生善治 | |
第十三期竜王決定七番勝負 | '01.2 | 藤井猛 | 4−3 | 羽生善治 | |
第十二期竜王決定七番勝負 | '00.2 | 藤井猛 | 4−1 | 鈴木大介 | |
書名 | 発行 | 竜王 | スコア | 挑戦者 | 備考 |
第十一期竜王決定七番勝負 | '99.2 | 谷川浩司 | 0−4 | 藤井猛 | |
第十期竜王決定七番勝負 | '98.2 | 谷川浩司 | 4−0 | 真田圭一 | |
第九期竜王決定七番勝負 | '97.2 | 羽生善治 | 1−4 | 谷川浩司 | |
第八期竜王決定七番勝負 | '96.3 | 羽生善治 | 4−2 | 佐藤康光 | |
第七期竜王決定七番勝負 | '95.3 | 佐藤康光 | 2−4 | 羽生善治 | |
第六期竜王決定七番勝負 | '94.3 | 羽生善治 | 2−4 | 佐藤康光 | |
第五期竜王決定七番勝負 | '93.3 | 谷川浩司 | 3−4 | 羽生善治 | |
第四期竜王決定七番勝負 | '92.3 | 谷川浩司 | 4(1持)2 | 森下卓 | |
第三期竜王決定七番勝負 | '91.3 | 羽生善治 | 1−4 | 谷川浩司 | |
第二期竜王決定七番勝負 | '90.3 | 島朗 | 3(1持)4 | 羽生善治 | |
書名 | 発行 | 竜王 | スコア | 挑戦者 | 備考 |
第一期竜王決定七番勝負 | '89.2 | 島朗 | 4−3 | 米長邦雄 |
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フォトドキュメント 第36期竜王戦七番勝負 |
読売新聞社/編集 読売新聞社 ISBN:978-4-643-24005-4 2024年2月 \2,750(10%税込) 144p/21cm |
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◆内容紹介 藤井聡太竜王と伊藤匠七段による同学年対決となった「第36期竜王戦七番勝負」。最新研究をぶつけあったスリリングな闘いの末、藤井竜王が竜王3連覇と八冠初防衛を果たしました。 2人の息遣いまで伝える臨場感あふれる数々の写真、対局の流れを時系列でたどるドキュメント、勝負の裏側のエピソードを満載したコラム……。将棋の新時代を担う若き2人による至高の名場面を、リアルに再現しています。 全8日間の勝負メシとおやつも完全収録したほか、藤井竜王インタビュー、全4局をより深く読み解く「観戦記」、第36期竜王戦七番勝負「名言集」、挑戦者決定三番勝負など、多彩な切り口で竜王戦の魅力に迫ります。 |
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フォトドキュメント 第35期竜王戦七番勝負 |
読売新聞社/編集 読売新聞社 ISBN:978-4-643-23005-5 2023年2月 \2,750(10%税込) 184p/29cm |
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<フォトドキュメント> 第1局 セルリアンタワー能楽堂(東京都渋谷区) ・対局フォト&スナップショット ・ドキュメント「藤井竜王の粘り及ばず、広瀬八段が先勝」 ・対局を終えて 広瀬八段「幸先の良いスタート切れた」 藤井竜王「▲6三銀と打たれ、苦しくしてしまった」 第2局 総本山仁和寺(京都市) ・対局フォト&スナップショット ・ドキュメント「藤井竜王、反撃の隙を与えず快勝」 ・対局を終えて 藤井竜王「攻め合いの形でチャンスが来た」 広瀬八段「封じ手明けの手順 読んでいなかった」 第3局 割烹旅館 たちばな(静岡県富士宮市) ・対局フォト&スナップショット ・ドキュメント「藤井竜王、鮮やかな手順で形勢逆転」 ・対局を終えて 藤井竜王「無理気味だと思ったが、攻めの手番がきて……」 広瀬八段「悔いが残る展開、結果に」 第4局 福知山城天守閣(京都府福知山市) ・対局フォト&スナップショット ・ドキュメント「藤井竜王、3連勝で初防衛へ王手」 ・対局を終えて 藤井竜王「常に方針の難しい将棋」 広瀬八段「実戦例少ない形に誘導したが……」 第5局 宮地嶽神社貴賓室(福岡県福津市) ・対局フォト&スナップショット ・ドキュメント「広瀬八段、土俵際で踏ん張り逆転」 ・対局を終えて 広瀬八段「まずは1局しのげた」 藤井竜王「カウンター狙ったが、攻め急いだ」 第6局 指宿白水館(鹿児島県指宿市) ・対局フォト&スナップショット ・ドキュメント「藤井竜王、逆境越え初防衛」 ・対局を終えて 藤井竜王「苦しいシリーズ、結果出せてホッとした」 広瀬八段「第3局の敗戦悔やまれる」 <特別企画> ・藤井聡太竜王インタビュー「中盤の形勢判断が自分の課題 実力を高めていかなくては」 ・ファンが選ぶ「マイ・ベストショット」&ファンからのメッセージ ・挑戦者決定三番勝負 広瀬章人×山崎隆之 ・決勝トーナメントに出場した11人 ・第35期竜王戦決勝トーナメント&竜王戦七番勝負の歩み <観戦記> 第1局 小暮克洋 第2局 鈴木宏彦 第3局 相崎修司 第4局 池田将之 第5局 大川慎太郎 第6局 上村 亘 ◆内容紹介 藤井聡太竜王が初防衛を果たした「第35期竜王戦七番勝負」。第6局までもつれた、広瀬章人八段との知力の限りを尽くした激闘を、両者の息づかいまで感じさせる臨場感たっぷりの写真とともにたどります。 将棋メシやおやつなど激戦の合間のほほえましいカット、藤井竜王インタビューや観戦記などの読み物も充実しています。 |
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第34期竜王戦七番勝負
フォトドキュメント |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:978-4-643-22005-6 2022年2月 \2,200(10%税込) 144p/29cm |
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■フォトドキュメント 棋士のリアルな姿を伝える対局写真/激戦の合間の将棋メシやおやつ/倉敷、指宿への旅/ファンが選ぶマイベストショット/挑戦者決定三番勝負――ほか
■独占インタビューも 藤井竜王特別インタビュー/新竜王の強さと素顔に迫る「藤井時代」/とっておきのエピソードを紹介するコラム「観る将が行く」――ほか ■観戦記 決定的な一手、勝敗を分けたポイントを徹底解説 ◆内容紹介 豊島将之竜王に藤井聡太三冠が挑戦した将棋界の最高棋戦「第34期竜王戦七番勝負」。藤井三冠が4連勝で初の竜王を獲得し、19歳3か月の史上最年少四冠が誕生しました。 盤上に没我する姿、鋭い光を放つ視線、一瞬の優雅な所作、深い静寂と張り詰めた空気――。対局室に設置したリモートカメラは、究極の真剣勝負から生まれた、激しくも静かで美しい世界をとらえています。 将棋メシやおやつなど激戦の合間のほほえましいカット、藤井竜王インタビューや観戦記などの読み物も充実しています。 |
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第33期竜王戦七番勝負
フォトドキュメント |
読売新聞社 読売新聞社 ISBN:978-4-643-21007-1 2021年3月 \1,650(10%税込) 132p/29cm |
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◆内容紹介 竜王戦史上初めて読売新聞社が対局室にリモートカメラを設置し、豊島竜王と羽生九段の一挙手一投足を追いました。棋士の表情や所作の決定的瞬間など激闘を迫真の写真で再現します。3万枚を超えるカットの中からベストショットを厳選し、これまで目にすることのできなかった対局中のリアルな姿を一冊にまとめます。 |
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竜王戦全集 第1期〜第32期 |
書籍編集部/編 日本将棋連盟/発行 マイナビ出版/販売 ISBN:978-4-8399-7223-3 2020年3月 \3,564(10%税込) 456p/cm |
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・【巻頭インタビュー】渡辺明三冠/羽生善治九段 第1部 自戦解説・棋譜解説編(第1期〜第32期) 第2部 棋譜編 ◆内容紹介 将棋界の最高棋戦である「竜王戦」。 島朗が初代竜王の座を射止めると、その島を破って羽生善治が初タイトルを獲得。その後も、谷川浩司vs羽生の覇権争い、藤井猛の3連覇、「初代永世竜王」を懸けて戦った渡辺明vs羽生、百年に一度の大勝負。 いつの時代も竜王戦は「ドリーム棋戦」として将棋界に夢と話題を提供し続け、そのタイトルのゆくえは注目を集めてきました。 本書はその竜王戦のタイトル戦七番勝負を、第1期から第32期まで収録したものです。 各期から、シリーズの勝敗を左右した80局を「第1部 自戦解説・棋譜解説編」として収録。初代竜王の島朗九段をはじめ、真田圭一八段、阿部隆八段の自戦解説には、指し手の解説だけでなく、対局者としての思いが記されています。残りの100局は「第2部 棋譜編」として、最重要ポイントの解説を加えて収録しました。 時代を作ってきた棋士たちの名勝負を、ぜひお楽しみください。 |
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第二十一期竜王決定七番勝負 激闘譜 渡辺明vs.羽生善治 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:978-4-643-09003-1 2009年3月 \2,100(5%税込) 262p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】渡辺明 (防衛) 【挑戦者】羽生善治
・「いまだ 信じられない」(竜王・渡辺明)=4p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 竜王4連覇で、渡辺に永世竜王がかかる。その渡辺に挑むは、最強の挑戦者・羽生。こちらもすでに通算6期獲得しており、永世竜王がかかる。「連続5期または通算7期」という永世竜王の規定による巡り会わせだ。また、羽生には「永世七冠」もかかっていた。渡辺にとっては、これまで森内・木村・佐藤康×2とまさに最強クラスを破ってきたわけだが、誰もが認める最強者・羽生にも勝てるか?という試金石でもあった。 本シリーズの見所は、第1局・第4局・第6局・第7局だと思う。 第1局は、羽生の△一手損角換わり+右玉に対し、渡辺が▲穴熊から2筋を先攻。角と金桂の二枚換えで竜を作り、しかも穴熊vs右玉では誰の目にも渡辺優勢と見えた。しかし、羽生だけはこの局面を正確に捉えていた。6筋からの一見遅そうな反撃、そして馬で取れる銀にさらに取りをかける△6四角。最終的には羽生の完勝譜となった。 この一局の羽生の圧倒的な大局観を見せ付けられては、本シリーズの趨勢はすでに決まったかと思えた。事実、自信を失った渡辺は瞬く間に3連敗を喫した。日本中の将棋ファン、そして渡辺でさえも羽生の奪取→永世七冠は既定路線と思えただろう。 それが第4局でかすかに歯車が狂う。相掛かりの薄い玉から渡辺は必死に上部脱出を図るが、本人でさえも諦めかけていたとき、打歩詰めで逃れている順を発見。ここで1勝できたことで、渡辺が息を吹き返した。(なお、観戦記中には出てこないが、渡辺が投了しようかと思っているときに、羽生が水を飲んで一息入れたため、渡辺が違和感を感じて読み直したら打歩詰めの筋を発見したそうである) 第6局・第7局は後手の急戦矢倉。かつては郷田流、近年は阿久津流ともいわれる形で、△5三銀右から5筋の歩を角で交換するもの。この大舞台で、渡辺は「誰にも話さず温めていた」という新手を連発した。第6局は羽生が対応に失敗した形で、封じ手の時点で形勢に差がついてしまったが、第7局は七転八倒の大熱戦。互いにミスはあったので名局とはいえないと思うが、ミスといっても最高峰レベルの、人間同士の実戦ならではの大熱戦だった。 「初の永世竜王」「将棋界初の3連敗4連勝」という記録だけでなく、今期は本当に見ごたえがあったと思う。本の内容が格別良くなっているわけではないが、今期は内容と展開が良かった。WEB中継で燃えた人にはオススメ。(2009Jul01) ※なお、本書の観戦記では取り上げられていないが、第3局と第4局の間に更新された「妻の小言。」(俗称:嫁ブログ−渡辺の奥さんが書いているブログ)が大逆転防衛の遠因だろうとわたしは思っている(笑)。渡辺は一応否定している。 ※熱戦に便乗?してか、定価が一気に200円アップしてますが… ※今期から「立会人」と「解説者」が扉ページに記載されるようになった。「副立会人」はなぜか載っていない。 |
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第二十期竜王決定七番勝負 激闘譜 渡辺明 VS 佐藤康光 |
読売新聞社/編 読売新聞東京本社出版局 ISBN:978-4-643-08003-2 2008年3月 \1,890(5%税込) 254p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【竜王】渡辺明 (防衛) 【挑戦者】佐藤康光棋聖
・「初の4連覇達成、1勝の重みを痛感」(竜王・渡辺明)=4p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 竜王三連覇中の渡辺に、前年に引き続き佐藤康が再び挑む。ただし、佐藤は昨年の「6連続タイトル戦登場(挑戦5回)」という勢いはまったくなく、七番勝負開幕前は当年勝率5割、しかもA級順位戦は5連敗中という中での挑戦だった。一方の渡辺も勝率は5割カツカツ、B級1組順位戦では1勝5敗と本調子には程遠く、「不調同士」の七番勝負となった。 調子の良し悪しは将棋の内容にも現れる。近年のトッププロ同士の戦いでは、互いに手を殺し合う地味な展開が多く、またいったん形成が傾いてしまうと逆転するのが難しい傾向があるのだが、今期七番勝負では派手な手が多く出現し、また何度も逆転があった。ただしこれは観ている方にとってはスリリングで感情移入しやすく、面白い勝負だったと思う。 個人的には、第6局の佐藤の△3三金と渡辺の▲9八飛(棋史に残る手とされている)が見られただけで満足である。 なお、今期からは観戦記以外の部分に細かい変更がいくつかあった。 (1)「シリーズ展望」(読売新聞に掲載されたもの)が追加 (2)ランキング戦の紹介で、決勝トーナメント進出者の抱負コメントを追加 (3)竜王獲得者のコラムが4pに増量(従来比33%up) で、お約束どおり、また値上げしています(涙)。(2008Jun18) |
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第十九期竜王決定七番勝負 激闘譜 渡辺明 VS 佐藤康光 |
読売新聞社/編 読売新聞東京本社 ISBN:978-4-643-07003-3 2007年4月 \1,785(5%税込) 262p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【竜王】渡辺明 (防衛) 【挑戦者】佐藤康光棋聖
・「最高の対局者との戦い」(竜王・渡辺明)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 今期挑戦者は、最終的に「タイトル戦6連続登場(挑戦5回)」という、驚異的な勝ちっぷりで登場した佐藤康光。あまりの絶好調ぶりに、「佐藤乗り」の声が多い中、渡辺は「私は下馬評を裏切るだろう」と自信ありだった。 今期のキーワードは「読みが合わない」だ。特に第1局と第5局では顕著。普通、トップ棋士同士なら第一感はほとんど同じとされているが、この二人は大局観もそうとうズレている。だからこそ、今期の七番勝負はとても面白かった。 もう一つ感じたのは、「人間同士の戦いである」ということ。ピーク時の羽生vs谷川などを見ていると、「トップ棋士の戦いはもはや神の領域か?」と思うことがある。しかし今回の七番勝負では、終盤で難度も逆転していたり(第2局・第3局)、もがく相手を正確な読みで押さえ込んだり(第4局・第6局・第7局)と、非常に「人間らしさ」を感じる。これも大局観の合わなさが原因なのだろうか? 個人的には、第7局(柳瀬尚紀氏)の観戦記はかなり不満だった。今期2度目の「2手目△3二金」や中盤の千日手含みの微妙な手順はさらっと流し、「七」の読み方がどうだとか…。言葉の達人なのは分かるが、言葉遊びに興じすぎて、肝心の勝負の凄みが全然伝わってこない。また、なにか不自然な単語が出てくるなと思っていたら、「文頭を1文字ずつ拾ってゆくと最終センテンスのむすびと同じになる」(p189)…すごいけど、どうでもいい!(2007Aug28) |
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第十八期竜王決定七番勝負 激闘譜 渡辺明 VS 木村一基 |
読売新聞社/編 読売新聞東京本社 ISBN:4-643-06003-4 2006年2月 \1,785(5%税込) 182p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【竜王】渡辺明 (防衛) 【挑戦者】木村一基七段
・「“竜王の重み”今までにないプレッシャー」(竜王 渡辺明)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 若き竜王・渡辺に挑戦したのは、“勝率7割男”木村一基。久々に“羽生世代”(羽生、佐藤康、森内)の絡まないカードで、フレッシュな顔ぶれ…であるが、あまりフレッシュな感じがしない。木村がタイトル初挑戦ながらすでに33歳だったこと、渡辺がまだ21歳でありながら貫禄十分だったから…かも。 ともに「横歩取り△8五飛戦法」の使い手ということで、「8五飛対決」が予想された。しかしフタを開けてみれば、8五飛は1局も出ず。互いに牽制したというより、渡辺が意識的にバラエティに富む戦法を選択したのが大きな理由。 「受けの木村vsバランスの渡辺」で好勝負が期待されたが、スコアは意外なほど一方的。しかし内容的には見ていて面白いものだったと思う。第2局こそ渡辺の一方的な圧勝で終わったが、他の3局は両者の持ち味が良く出ていたと思う。互いにミスも出て名勝負とは言いがたいが、「強烈な個性のぶつかり合い」がいい。 ただ、棋書としては相変わらず物足りないなぁ…。今回から装丁が再変更され、各局のエピソードが巻末にまとめられるようになったが、棋書としてのレベルアップは特にない。(2006Jul06) |
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第十七期竜王決定七番勝負 激闘譜 森内俊之 VS 渡辺明 |
読売新聞社/編 読売新聞東京本社 ISBN:4-643-05008-X 2005年3月 \1,785(5%税込) 246p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き1枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級以上向き |
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【竜王】森内俊之 【挑戦者】渡辺明六段 (奪取)
・「フラッシュを浴び、『竜王になったんだ』」(竜王 渡辺明)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 渡辺は、前年度の王座戦で羽生王座に挑戦し、一時は2−1まで追い詰めたものの惜しくも破れた。しかしようやく勝ちを確信した羽生の手はブルブル震えていたという。それから一年弱、若干二十歳の渡辺はより大きな舞台へ登場してきた。 今期は挑決も含めて、渡辺得意の相矢倉(先手番)と横歩取り△8五飛(後手番)で占められている。「研究将棋ばかりで面白くない」という声もあったが、渡辺の終盤の強さが際立っていて個人的には面白かったと思う。寄せの強さもさることながら、自陣二段目の歩打ちで受けたり、ラストを底歩で受け切って投了させたりというのはわたし好み。 本書の9局を並べれば、渡辺新竜王への興味が湧いてくると思う。日常の渡辺を見たい人は、渡辺明ブログへどうぞ。(2005May18) |
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第十六期竜王決定七番勝負 激闘譜 羽生善治 VS 森内俊之 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-04003-3 2004年2月 \1,700 170p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】羽生善治 【挑戦者】森内俊之八段 (奪取)
・「竜王戦を振り返って」(竜王 森内俊之)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 春の名人戦で羽生に4タテを食らった森内だが、それで何かに目覚めたらしい。この竜王戦では、なんと4タテ返しで奪取した。羽生の4タテ負けは史上初めて。ちなみに森内は、この後の王将戦で羽生を破り、さらにA級順位戦を史上初の9連勝で名人挑戦を決めている。 今期は非常にバラエティ豊かな戦型が登場する。内容も良く、見ごたえは十分。今までの「鉄板流」「激辛三兄弟」のイメージとは違う、ネオ森内将棋が見られる。 ただ、7局はあまりにも少なすぎる。せめて、まえがきに登場する鈴木、丸山、谷川との対局くらいは取り上げてほしかった。残念。 なお、「ページ数大幅ダウンで価格据え置き」は予想が当たってしまった(T_T) (2004Apr07) |
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第十五期竜王決定七番勝負 激闘譜 羽生善治 VS 阿部隆 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-03005-4 2003年3月 \1,700 269p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】羽生善治 (防衛) 【挑戦者】阿部隆七段
・「思い出に残るシリーズ」(竜王 羽生善治)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 格調高き「本筋」を好む、挑戦者・阿部(この話は観戦記中で何度か登場する)。第1局(千日手)を除くと、相矢倉と横歩取りで占められた本シリーズだが、いずれも奇襲・速攻めいたものはなく、どれも本格将棋だった。 いきなりの二連続千日手から始まり、全9局の大熱戦。序盤こそ2連勝とリードした羽生竜王だったが、あとの5局は星の上でも盤上でも押されまくりだった。特に最終局は終盤まで勝ちが阿部の手中にあり、大ピンチだった。あとがき(西条耕一)の「防衛の感想を聞かれた羽生。扇子を持つ手は震え、唇が曲がっていた。これほど取り乱した羽生を見たことがなかった」という言葉が全てを物語っている。結果としてなんとか三冠を維持、第一人者としての面目を保った羽生だが、恒例の3pコラムでも反省しきりだった。 第34期名人戦(中原vs大内)を彷彿とさせる展開だった、今回の第15期竜王戦。大内は再び名人戦の舞台に上がることはなかったが、阿部にリベンジのチャンスはあるのだろうか。順位戦A級にも手が届くところまで来ているし、可能性は十分あるだろう。期待したい。 なお、前期から表紙を大幅刷新した本シリーズだが、今期もいくつかの変更点がある。 (1)デザインがすこし変更。(「第1局」「第3譜」などが囲まれて目立つようになった) (2)コラム→エピソード。(基本的に同じ?) (3)ページ数大幅アップ、いままでで最厚。(今期のみの変更点?) (4)定価も密かにアップ…。(たぶん来期下がることはないでしょう(T_T)) (5)千日手局も掲載あり。(第14期のレビューでσ(^-^)が文句言ったからか?←時期的にも違うぞ)(2003Aug23) |
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第十四期竜王決定七番勝負 激闘譜 藤井猛 VS 羽生善治 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-02003-2 2002年2月 \1,600 206p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】藤井猛 【挑戦者】羽生善治四冠 (奪取)
・「十年前から」(竜王 羽生善治)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 前期、結局藤井システムを敗れなかった羽生だが、1年という時間で将棋界全体の藤井システム対策は着実に進歩した。といってもほぼ互角になった程度だが…今期は藤井の試金石。戦法の成否とともに、藤井の力が試された。 結果は前期の熱戦からは想像できないくらい、あっさりと羽生が奪取に成功した。もっとも、どの将棋も中終盤までは十分藤井に勝機があった。今期藤井が負けた将棋はいずれも終盤の失速によるもの。明らかな不調だった。しかし、藤井システムそのものが破られたわけでない。藤井は竜王を失ったが、今後も羽生にとって強敵であり続けるだろう。 ちなみに、伝説の“羽生の一手詰め見落とし”は挑戦者決定戦第1局で見られる。それにしても、挑決第2局。千日手指し直しとなったのだが、観戦記に千日手局の話が再三出てくるのに、その千日手局の掲載がないのは少々いただけない…。 なお、今期から表紙のデザインが一新された。少しだけ格調高くなった感じ。ただし背表紙はこれまでと同じスタイルなので、第1期から集めている人はご安心を。本棚に並べれば違和感ありません。(笑)(2003Aug18) |
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第十三期竜王決定七番勝負 激闘譜 藤井猛 VS 羽生善治 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-01004-5 2001年2月 \1,500 219p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】藤井猛 (防衛) 【挑戦者】羽生善治四冠
・「続・夜空ノムコウ」(竜王 藤井猛)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 ついにアイツがやってきた(第二期でも言ったような…)。最強の挑戦者、ド本命の羽生である。谷川、鈴木大に圧勝してきた藤井だったが、「羽生を倒してこその最強」と藤井本人も言っている。なによりも「羽生ならば藤井システムを崩せるのか?」と大きく注目された。また、秋に行われた王座戦五番勝負では羽生王座に藤井が挑戦し、「互いのタイトルと藤井システムの存亡を懸けた十二番勝負」という構図が出来上がった。 結局は羽生もうまい対策がなかったらしく、システムvs居飛穴模様は一番もなし。ただし、羽生が四枚美濃を採用した2局は藤井がしっかりと勝ち切った。羽生は不利と言われる後手棒銀で勝つなど、急戦で3つ勝ったものの、いずれも藤井システムを咎めたとは言えなかった。 藤井はフルセットで竜王を防衛。竜王三連覇の金字塔を打ちたてると同時に、谷川や羽生を七番勝負で打ち破ったことで、「藤井の信用」を手に入れた。 なお、王座戦の方は羽生が3-2で辛くも防衛した。結局、互いのタイトルは守りきり、星も6-6の痛み分け。羽生を始めとする居飛車党の棋士は、藤井システム対策が急務になってきた。(2003Aug13) |
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第十二期竜王決定七番勝負 激闘譜 藤井 猛 VS 鈴木大介 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-00005-8 2000年2月 \1,500 201p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】藤井猛 (防衛) 【挑戦者】鈴木大介六段
・「ブルーマウンテン」(竜王 藤井猛)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 竜王戦では初めての“振飛車党対決”になった。いや、全タイトル戦でも振飛車党どうしの番勝負は珍しい(少なくともσ(^-^)の記憶にはない)。鈴木は相振飛車には絶対の自信を持っているので(ちょうど七番勝負と同じころに相振飛車の定跡書『鈴木流相振り飛車』を出版している)、「藤井が相振りを受けるか、避けるか」で予想が割れた。 結局藤井は相振りを避け、全局居飛車側を持ったのだが、これが強かった。特にゴキゲン中飛車を先後とも急戦で破ったのが大きかった。挑戦者鈴木がやや不出来な面もあったが(第4局は鈴木の持ち味が存分に出ている)、大御所・谷川と新鋭・鈴木に圧勝したことで、藤井の力がフロックでないことを証明した。 今期はさまざまなタイプの振飛車が見られるので、どこにでも振る振飛車党の方は要チェック。(2003Aug02) |
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第十一期竜王決定七番勝負 激闘譜 谷川浩司 VS 藤井 猛 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-99017-1 1999年2月 \1,500 201p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】谷川浩司 【挑戦者】藤井猛七段 (奪取)
・「夜空ノムコウ」(竜王 藤井猛)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 驚くべきことが起こった。タイトル戦初登場の藤井が、なんとあの谷川を4−0で一方的に破ったのだ。しかも、4局とも谷川得意の“光速の寄せ”はなく、それどころか終盤戦そのものがほとんどなかった。谷川は“藤井システム”に対応できず、藤井システムを避けるために相振飛車や右四間も試したが、完全に跳ね返されてしまった。逆に藤井は大きく名を上げた。藤井が挑決で羽生を破っているのも注目。 今期は、初期のころの藤井システムがたくさん見られる。挑決や本選も含め、観戦記つきの棋譜はすべて振飛車戦なので、振飛車党の方はぜひチェックしておいていただきたい。特に第4局の藤井の指し方は、対右四間が苦手な人にはとても参考になるはず。(2003Jul27) |
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第十期竜王決定七番勝負 激闘譜 谷川浩司 VS 真田圭一 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-98013-3 1998年2月 \1,500 166p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】谷川浩司 (防衛) 【挑戦者】真田圭一六段
・「新たな目標に向けて」(竜王 谷川浩司)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 ひさびさに新進棋士が挑戦者に名乗りを上げた。茶髪の真田。いまでは茶髪は珍しくもなんともないが、当時の将棋界では結構話題になったようだ。外見はともかく、第1局では“筋悪の妙手▲4一金”が谷川を苦しめ、才能のあるところを見せた。しかしその後の3局は力負けの感があった。谷川を番勝負で倒すには、まだ少し経験不足だったか。 相居飛車党どうしの対決だったが、格上の谷川がいきなり陽動振飛車を見せたり(当時の谷川はときどき陽動振飛車を試していたそうだ)、いろいろな戦型が楽しめる勝負だった。わずか4局で終わってしまったのはちょっともったいない…(2003Jul24) |
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第九期竜王決定七番勝負 激闘譜 羽生善治 VS 谷川浩司 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-97023-5 1997年2月 \1,500 178p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】羽生善治 【挑戦者】谷川浩司九段 (奪取)
・「二つの出来事」(竜王・谷川浩司)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 1996年の冬に羽生は谷川から王将を奪取、七冠を達成した。「羽生フィーバー」が起こり、将棋を知らない人にまで羽生の名が響き渡った。しかしその後、羽生は調子を落とし、三浦に棋聖を奪われる。一方、王将を奪われた直後の谷川は絶不調の極みだったが、96年後半は絶好調、竜王戦にピタリ照準を合わせてきた。依然として六冠を保持する羽生だったが、下馬評では谷川有利。 その谷川、今シリーズでは魅せに魅せた。特に終盤の入り口から「光速の寄せ」を連発し、羽生も舌を巻くほど。好調時の谷川はホントに強い。今期掲載された将棋はいずれも谷川の内容が良く、「谷川名局集」といえるかも。戦型も多岐に渡っているので、多くの人が楽しめそうだ。 第八期でカットされていたコラムとランキング戦ハイライトが復活。以前のスタイルに戻った。やっぱり不評だったんだろうね…ただし、ページ数は過去最少なのに値上げされている(笑)。(2003Jul17) |
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第八期竜王決定七番勝負 激闘譜 羽生善治──佐藤康光 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-96021-3 1996年3月 \1,456 190p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】羽生善治 (防衛) 【挑戦者】佐藤康光七段
・「竜王位を防衛して」(竜王・羽生善治)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 3期連続で、羽生vs佐藤康。竜王戦は前竜王には大した特権はなく、単に1組からのスタートとなる。このシステムでリベンジ戦が続くのはすごいことである。羽生は勝率8割台、佐藤も7割台と調子を戻しての対決となった。相変わらず先手番でめっぽう強い両者だけに、いかに後手番で勝つかがシリーズの焦点に。結局、第5局で佐藤が精彩を欠いたのがそのまま響いて、羽生が竜王戦では二度目となる竜王防衛を果たした(初めて竜王を防衛したのは谷川)。 第1期から順に読んで並べてきたのだが、今回はなにか違和感が。よく見たら、コラムとランキング戦ハイライト(棋譜解説)がなくなっていた。第7期は羽生の七冠達成に向けてずいぶん盛り上がっていたのに…?第8期も七冠フィーバーは続いていたはずなのだが、盛り上がるどころかグレードダウンしてしまった。その分、評価を下げてます。(ちなみに、第7期竜王戦のあと、王将戦で谷川に敗れ七冠達成ならず。しかしその後、羽生は六冠を全て防衛し、第8期竜王戦のあとの王将戦で七冠を達成。) ページ数の都合もあるのだろうが、そういうところで手を抜かないでほしいなぁ…(2003Jul05) |
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第七期竜王決定七番勝負 激闘譜 佐藤康光──羽生善治 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-95012-9 1995年3月 \1,456 205p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】佐藤康光 【挑戦者】羽生善治五冠 (奪取)
・【インタビュー】竜王奪回、七冠を目指して 羽生竜王に聞く=4p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 一見、竜王・佐藤に前竜王・羽生が挑むリベンジ戦。しかし羽生は前年佐藤に敗れた後、名人を含む五冠を引っさげての登場。さらに羽生は勝率8割を維持していたが、佐藤は5割弱。今期はリベンジ戦というよりは、羽生七冠に向けての前哨戦という雰囲気に包まれた。本書でも、いつもの竜王獲得者のコラムがなく、代わりに七冠を期待する内容で占められた。(ちなみにご存知の通り、残る王将位は谷川に阻まれ、七冠誕生はさらに一年を待つことになる)) 七番勝負は前年の続きをやっているかのように、矢倉&相掛かりシリーズとなった。前回と同じ局面も現れるなど、両者の強烈な意地がぶつかりあう。しかしこの年の調子の差がそのままスコアに現れたか、羽生は4−2で竜王位を奪回。周囲の期待通り、七冠へあと一冠と迫った。 なお、行方四段が6組から挑決へ進み、さらに若い力の胎動を感じさせた。(2003Jun22) |
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第六期竜王決定七番勝負 激闘譜 羽生善治──佐藤康光 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-94013-1 1994年3月 \1,456 206p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】羽生善治 【挑戦者】佐藤康光七段 (奪取)
・「竜王位を獲得して」(竜王 佐藤康光)=4p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 竜王・羽生、挑戦者・佐藤康光、挑決に森内。さらに立会人に島(笑)今期の竜王戦は、まさに“島研”に席巻された。島研では一歩先んじていた羽生に、佐藤が追いついてきた格好だ。この年は両者とも勝率8割超という快進撃振りで、しかも先手番での勝率はさらに高かったため、「どこかで後手番を制した方が主導権を握る」と言われた。事実、第5局で後手番で勝った佐藤が、大方の予想を覆して竜王を奪取。長く続くと見られた羽生時代に割り込む形となり、強い若手の戦いがいよいよ面白くなってきた。 当時の流行もあり、今期も相矢倉中心のシリーズとなった。わたしは個人的に羽生vs佐藤の将棋はすごく好みである。いろんなところで戦いが起こるので(もちろん地味な戦いになることもあるが)、次の展開が非常に楽しみなのだ。この七番勝負では期待通りの面白い戦いを見せてくれたと思う。 第7期は羽生のリベンジなので、今から並べるのが楽しみである。 なお、今期から対局日と対局場がはっきり書かれるようになった(今までは本文中に記述があったりなかったりだった)。(2003Jun12) |
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第五期竜王決定七番勝負 激闘譜 谷川浩司──羽生善治 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-93018-7 1993年3月 \1,456 206p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】谷川浩司 【挑戦者】羽生善治棋王 (奪取)
・「竜王位を手にして」(竜王 羽生善治)=4p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。今期は七番勝負のみを収録。 また羽生が帰ってきた。いくら強いとはいえ、トーナメント形式の棋戦でこうも勝ち上がってこれるのはすごい(一敗もできないわけではないが…)。今期は居飛車のオールラウンダー同士なので、横歩取りを除く相居飛車シリーズとなった。2連勝で谷川が先行し、羽生が3連勝で追い上げるという、奇しくも第2期と同じ展開で羽生が竜王を奪取した。 両者の調子は決してよくなかった。谷川は終盤でキレがないこともあったし、羽生にもミスがいくつかあった。両者ともお互いを意識しすぎていたのだろうか、わずかだが指し手に堅さを感じた。 気になったのは第2局(指し直し局)の観戦記。これは△矢倉中飛車で千日手になった末の指し直し局であるが、羽生が5手目に▲6六歩を突いたのを「なにやらいわくありげな」「」「策を凝らして」「意図が分からない」としきりに疑問視している。確かに従来は矢倉戦の5手目は▲7七銀だったが、すでに▲6六歩の方が主流になってきた時代である(矢倉中飛車などを警戒する意味)。分からないのなら、控室のプロ検討陣に訊くのが記者の務めだと思う。陣太鼓氏の文章はいつも読みやすいが、今期は内容の物足りなさに少々不満を感じた。(2003May25) |
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第四期竜王決定七番勝負 激闘譜 谷川浩司──森下 卓 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-92016-5 1992年3月 \1,262 206p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】谷川浩司 (防衛) 【挑戦者】森下卓六段
・「初防衛に成功して」(竜王 谷川浩司)=4p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。今期は七番勝負のみを収録。 四冠保持で最強の谷川に挑むのは森下。この頃は、居飛穴が猛威を振るって振飛車党が激減し、矢倉全盛期である。横歩取りはまだ流行していない。森下は矢倉の大家で、"矢倉森下システム"で高勝率を上げて勝ちあがってきた。 谷川が先手番で得意の角換わり腰掛銀を2局採用した他は、すべてガップリ四つの相矢倉。前期までは動きの速い将棋が多かったが、今期は全局が腰を落とした戦いになった。森下は一時は2−1とリードしたが、第5局で研究を打ち破られたのが響き、あとはやや淡白な内容で大魚を逃した。 矢倉・角換わり腰掛銀など、全ての駒が働く将棋が好きな人にはぜひ見てほしい一冊。 なお、「各組インフォメーション」は、今期からは当期の情報が載るようになった。(2003Mar24) |
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第三期竜王決定七番勝負 激闘譜 羽生善治──谷川浩司 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-91022-4 1991年3月 \1,165 182p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】羽生善治 【挑戦者】谷川浩司王位・王座 (奪取)
・「竜王位を獲得して」(竜王 谷川浩司)=4p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 ストップ・ザ・羽生の最右翼は当然谷川。第1期・2期は意外にも本選出場すらしてないが、この第3期は絶好調で名乗りを上げてきた。そして、この七番勝負が羽生vs谷川の初めてのタイトル争いとなった。さらに、竜王戦初のフル和服対決となった(笑)(タイトル戦で和服は当たり前のようだが、第1期・2期と島がスーツで通したため。なお、半日だけ和服を着た) 対局はまさに激烈。結果こそ1−4と一方的だが、内容はいずれも接戦で、3−2でもおかしくなかった。今期も相居飛車が多かった。ただし羽生はこの時点まで振飛車は無敗だったそうで、第5局は起死回生を狙って振ってきた。この第5局は名局の呼び声高く、一見の価値あり。 なお、今期は準決勝の棋譜が解説なしで添えられているが、これはちょっとアンマリ。前期よりページ数も少ないのだから、解説ぐらいつけても良かったのに。(2003Mar16) |
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第二期竜王決定七番勝負 激闘譜 島 朗──羽生善治 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-90025-3 1990年3月 \1,165 206p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【竜王】島朗 【挑戦者】羽生善治六段 (奪取)
・「竜王位を手にして」(竜王 羽生善治)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。 ついにアイツがやってきた。わずか19歳にして、将来名人確実とされる羽生善治。しかもこの年、勝率8割超。一方の島は前期4-0で米長を下したが、この年は勝率5割ちょっと。羽生はタイトル戦初挑戦ながら、下馬評でも圧倒的有利だった。 しかし島は容易に負けなかった。竜王戦に照準を絞り、「すべてはこの日のために」。羽生・森内・佐藤をたばねる"島研"の主宰、羽生の棋風も強さも十分に分かっている。米長と島の波長が合わなかった第1期と違い、今期はかなりの熱闘が繰り広げられた。矢倉を中心に相居飛車シリーズとなり、押したり引いたりの目が離せない戦いが続いた。 結局、持将棋を含め8番勝負で羽生が竜王位を奪取したが、島が防衛してもおかしくなかった。居飛車党にとっては、並べる価値のある八番勝負だと思う。振飛車党にはあまり関心がないシリーズかも?(ハイライトに「5筋位取り中飛車」と「棒銀vs四間飛車」が掲載されている)でも、いくら羽生が登場してるからって、いきなり165円も値上げしてるのはちょっとねぇ。(笑)(2003Mar10) |
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第一期竜王決定七番勝負 激闘譜 島 朗──米長邦雄 |
読売新聞社/編 読売新聞社 ISBN:4-643-89007-X 1989年2月 \1,000 189p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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島朗六段 (獲得) 対 米長邦雄九段
・「初代竜王位を手にして」(竜王 島朗)=3p |
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竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記のうち、七番勝負すべてと、決勝トーナメントから数局をピックアップ。また、ランキング戦などの注目勝負は、棋譜と簡単な解説が載せられている。 読売主催の十段戦を全面改装し、名人戦と同格のビッグタイトル"竜王戦"が誕生した。順位戦を勝ち抜いていく名人戦と違って、竜王戦ではその年に好調な棋士が挑戦者になる。今期は第1期なので、今期に限って準決勝が三番勝負、決勝が七番勝負となり、勝者が竜王になる。 このビッグタイトルに迫ったのは大豪・米長と、タイトル戦初挑戦の新星・島。その実績の差から、誰もが米長の順当勝ちを予想したが、結果はなんと島の4連勝。第1期にして、早くも"竜王戦ドリーム"の実現だった。4局とも矢倉戦だったが、ガップリ四つではない、動きの速い将棋だった。米長は若い島の将棋感覚にズレを生じていたようだ。なお、島は4局ともスーツで対局に臨むという、新人類ぶりを発揮している。 全体的に矢倉が多いが、準決勝で島が新阪田流向飛車を指しているのが面白い。敗れたが、途中まではかなり有力だった。一度並べてみてはいかが?(2003Mar08) |
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