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第五期竜王決定七番勝負 激闘譜 谷川浩司──羽生善治 |
[総合評価] C 難易度:★★★☆ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 中級以上向き |
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【編 者】 読売新聞社 | ||||
【出版社】 読売新聞社 | ||||
発行:1993年3月 | ISBN:4-643-93018-7 | |||
定価:1,456円 | 206ページ/19cm |
【本の内容】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【竜王】谷川浩司 【挑戦者】羽生善治棋王 (奪取)
・「竜王位を手にして」(竜王 羽生善治)=4p |
【レビュー】 |
竜王戦の観戦記。読売新聞に掲載された観戦記から主要なものをピックアップ。今期は七番勝負のみを収録。 また羽生が帰ってきた。いくら強いとはいえ、トーナメント形式の棋戦でこうも勝ち上がってこれるのはすごい(一敗もできないわけではないが…)。今期は居飛車のオールラウンダー同士なので、横歩取りを除く相居飛車シリーズとなった。2連勝で谷川が先行し、羽生が3連勝で追い上げるという、奇しくも第2期と同じ展開で羽生が竜王を奪取した。 両者の調子は決してよくなかった。谷川は終盤でキレがないこともあったし、羽生にもミスがいくつかあった。両者ともお互いを意識しすぎていたのだろうか、わずかだが指し手に堅さを感じた。 気になったのは第2局(指し直し局)の観戦記。これは△矢倉中飛車で千日手になった末の指し直し局であるが、羽生が5手目に▲6六歩を突いたのを「なにやらいわくありげな」「」「策を凝らして」「意図が分からない」としきりに疑問視している。確かに従来は矢倉戦の5手目は▲7七銀だったが、すでに▲6六歩の方が主流になってきた時代である(矢倉中飛車などを警戒する意味)。分からないのなら、控室のプロ検討陣に訊くのが記者の務めだと思う。陣太鼓氏の文章はいつも読みやすいが、今期は内容の物足りなさに少々不満を感じた。(2003May25) |