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モーニングKC ひらけ駒! (1)〜(6) |
[総合評価] B? (1巻まで) 絵:A ストーリー:? 構成:A キャラ:B |
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【著 者】 南Q太 | ||||
【出版社】 講談社 | ||||
発行:2011年3月〜 | ISBN: | |||
定価:570円 | 184ページ/18cm |
≪1巻≫ 2011年3月 [Kindle版] |
≪2巻≫ 2011年6月 [Kindle版] |
≪3巻≫ 2011年9月 [Kindle版] |
≪4巻≫ 2011年12月 [Kindle版] |
≪5巻≫ 2012年3月 |
≪6巻≫ 2012年6月 |
≪7巻≫ 2012年9月 |
≪8巻≫ 2013年1月 |
【本の内容】 |
〔第1巻〕 (1)憧れの将棋会館 (2)宝、将棋道 (3)宝の夢 (4)宝と将棋中年 (5)宝の恋 (6)将棋指しが負ける時 (7)宝の恩師 (8)ママが好きな棋士 (9)振り飛車の後藤君 (10)母めざめる ◆内容紹介 WE LOVE 将棋!! 将棋に夢中な、小学四年生・宝。将棋にミーハーな、宝の母。似ているようで、ビミョーに違う親子の目線。 「将棋=難しい」と思ってる人にこそ読んで欲しい、将棋愛あふれる新連載!! |
【レビュー】 |
将棋ファンの母子の日常を描いた将棋マンガ。『モーニング』(毎週木曜)に隔週連載。ちなみに著者は女性。 将棋マンガといえば、バトルや立身出世を中心としたものが多い。これは、必ず勝者と敗者に分かれるゲームの性質もあるし、名人やプロ棋士たちを頂点とする将棋界の構造による影響もあるだろう。そして描かれるキャラクターたちは、天賦の才を持つ者か、必死で努力する者であることが多い。 しかし本作品では、そういった側面をほとんど排し(少なくとも第1巻では)、非常にオーソドックスな将棋ファンの目線で将棋界を描いている。 〔登場人物〕(第1巻) 宝(たから): 第1巻表紙右側の少年。小学四年生。将棋にはまっている。将棋道場では初段、将棋教室では1級(第1巻時点)。成績はいまいち(漢字テスト0点の描写あり)、運動は苦手(ドッジボールで両手投げをしている)。おっとりしているが、集中力と芯の強さがある。 ママ: 第1巻表紙左側の女性。宝の母親。どちらかといえば「“観る”将棋ファン」だが、宝に影響されて“指す”方も始めつつある。結構負けず嫌いっぽい。 この母子と周りの人物が織り成す「将棋の日常」が描かれていく。なお、宝の家族構成は第1巻時点で明らかになっていないが、どうやら母子家庭の様子。 田丸昇九段: 将棋会館の1Fで宝親子とすれ違いざまにニッコリ。 アマのおっさん: 羽生世代と小学生名人戦でしのぎを削っていたらしい。 謎の奨励会員: 中学2年生。奨励会二段。マスク姿で人相不明。将棋サロン吉祥寺で、謎のひげ兄ちゃんと早指しバトル。 負けず嫌いのおじいちゃん: 将棋サロン吉祥寺の客。投了するのが嫌で、駒を散らかした。大人げない。 ヒロくん: 学童でボランティアをやっているときに、宝に将棋を教えた。アマ二段。 郷田真隆九段: 昔の将棋世界では「美青年」だった。ママは現在の深浦には萌えるが、現在の郷田には…。 藤井猛九段: 「鰻屋の鰻」「ファミレスの鰻」でひとネタかましてくれる。 後藤君: 宝と同じ将棋教室で学んでいる少年。純粋振飛車党。 1p目の扉絵(モーニングの新連載紹介でも使われた)では、ママのイメージが「綺麗だけど、ちょっと派手でうるさそう」、宝のイメージが「素直そうだけど、ちょっとだらしない」という感じだったが、表紙では同じ構図でイメージが変更されている。ママが「シンプルなオシャレで綺麗なお母さん」、宝が「おとなしそうでハニカミ屋さん」という感じになった。実際の内容は表紙のイメージの方が近い。 また、多くの将棋マンガでは、将棋連盟と奨励会以外は架空の設定が使われることが多いが、本作品では、実在の人物やモノが数多く出てくる。中でも棋書の描写は群を抜いている。 〔第1巻で登場した実在棋書〕 ※アカシヤ書店の棚のコマに載っていたものは省略。 『【決定版】駒落ち定跡』 『プロへの道』 深浦康市小伝。 『将棋・ひと目の手筋』 『将棋・ひと目のさばき』 『こども将棋 囲いの破り方入門』 『必殺 詰めと必死と寄せ300題』 将棋世界 『矢倉の急所 【4六銀・3七桂型】』 ※宝くんにはまだ早いです! 『将棋の必殺ワザ』 『めざせ名人!将棋で勝つための本』 『小学生将棋名人戦 公式ガイドブック』 『逆転の将棋』 ※加藤一二三著、なんと1976年刊!どこで手に入れた? 『将棋定跡集』 ※青野照市著、これも1979年刊! 『将棋実力養成 詰め将棋100選』 『永世竜王への軌跡』 『ぴょんぴょんしょうぎ』 週刊将棋 将棋マンガ各種(『聖』,『月下の棋士』,『しおんの王』など) 『1手詰ハンドブック』 『聖の青春』 ※これはママの本。 『みんなの将棋入門』 〔第1巻で登場した実在の場所、施設、商品、番組等〕 将棋会館、鳩森神社、将棋サロン吉祥寺、アカシヤ書店、囲碁将棋チャンネル、将棋カレンダー、携帯アプリ柿木将棋 〔第1巻で登場した実在の人物〕 田丸昇、深浦康市、羽生善治、女流トップ棋士各位、高橋和、上田初美、先崎学、郷田真隆、久保利明、渡辺明、藤井猛、阿久津主税 第1巻には、2011年3月までにモーニングに掲載された分が収録されているので、単行本と雑誌の乖離は少ない。単行本の特典として、話の合間にラフ画と著者のみにコメントがある。「本屋さんの将棋コーナーにはなぜかかならず一冊、囲碁の本がまじっていますね。」には激しく同意!逆(囲碁コーナーに将棋の本)はほとんどないんですよね。 今後の展開がどうなるか分からないが、これまでになかった「将棋日常マンガ」なので、ぜひ長く続いてほしい。『クッキングパパ』くらい長いといいな(笑)。(2011Apr24) |