プレイブックス 逆転の将棋 ─秘密の受け・攻め・読み・捌き |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き1〜3枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:B 中級〜有段者向け |
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【著 者】 加藤一二三 | ||||
【出版社】 青春出版社 | ||||
発行:1976年 | 0200-115800-3822 | |||
定価:590円 | 252ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介(まえがきより抜粋) |
【レビュー】 |
一応、総合定跡書。居飛車・振飛車のいろいろな形の定跡を解説している。 「一応」と書いたのは、実は定跡解説部よりも<序章>の方が読み応えがあり、タメになるからだ。将棋上達のためにいろいろな指南が示されているので、<序章>だけでも読んでおくと良い。序章13項のタイトルを下に掲げておく。 (1)定跡にボー暗記は禁物 (2)初段になるなら“読み”最低十手いる (3)詰め将棋は解答から読んでもよい (4)上達に欠かせない特別練習法がある (5)戦法はまず一つに固執するといい (6)スランプには得意の戦法を捨ててみる (7)弱点を知るには得意形を聞く (8)指し手ミスはその精神状態が作る (9)“勝手読み”こそ将棋の大敵 (10)将棋は勝敗が決まっても終わりではない (11)これを忘れない“定跡は破られるもの” (12)歩の使いようが勝負の決め手 (13)駒の力関係を甘く見ると必ず負ける 定跡解説部は、やや戦型が偏っている。おそらく加藤が実戦でよく使っている戦法を中心にしたようだが、矢倉の大家・加藤がわざわざ矢倉を一切取り上げなかった理由は不明。それぞれの解説は加藤自身が実戦で出した変化を多く取り入れており、しかも分かりやすい。現代でもそこそこ使えそうなものが多く、有段者でも読んで損はない。もちろん変化は古いので、鵜呑みはしないこと。 なかなかいいことづくめの棋書だが、タイトル関係はいまいち。「逆転の将棋」となっているが、実際には苦しい将棋を逆転するような内容はほとんどない。また、各章のタイトルも「○○なヤツどっからでもこい」と凄そうな感じだが、実際はオーソドックスな戦法解説。実際に読むまでは逆転術のジャンルに入れてました。ゴメンナサイ。(2004Sep01) |