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マイナビ将棋BOOKS 将棋 平成新手白書 【居飛車編】 将棋は30年でどうかわったか? |
[総合評価] A 難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
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【著 者】 片上大輔 | ||||
【出版社】 マイナビ出版 | ||||
発行:2019年2月 | ISBN:978-4-8399-6853-3 | |||
定価:1,717円(8%税込) | 238ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
平成31年時点での流行作戦を解説した本。 プロ将棋では頻繁に「新手」が登場する。大きな新手が出れば、これまでの将棋の考え方を覆すこともあり、新手によって有力視される戦法・作戦はどんどん変遷していく。 本書では、なぜその新手が流行した(しなかった)のかを、具体的な指し手・歴史的な背景・その後の経緯を交えて解説していく。 内容的には最近(2014年〜2018年)の新手が中心。どこが変わったのか、なぜ変わったのかなど、「新手」の指し手そのもの以上に、「新感覚」「新大局観」などの「考え方(の変化)」に重点が置かれている。 各章・各テーマの内容を、図面を添えながら紹介していこう。(なお、分岐型の解説ではありませんので、チャートは作成していません) |
第1章は、「横歩取り系」。 横歩取りは、大雑把にいえば以下のような流行の変遷をたどっている。 (1) 1990年代までは、△8四飛型 (2) 2000年代は、△8五飛型が大流行 (3) 2010年代は、△8四飛型が再流行 (4) 2018年時点では、▲3六飛と引かない形が大流行(青野流、勇気流) |
1-1 青野流 ▲3四飛のまま、▲5八玉で玉の安定をコンパクトに済ませ、▲3六歩から右桂の活用を図る。飛の移動を省略しているので、攻めのスピード感がある。 初出は2002年(▲青野△谷川戦)だが、2012年▲飯島△森内戦での新手▲8八同銀が平凡ながら非凡な好手で、徐々に流行。 |
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1-2 最新の青野流 1-1の△2二銀を△5二玉に変更することで、△3二金のヒモ(△3一銀による)を維持し、5三の地点を守る。全体的な流行が△8四飛型になり、後手が△2二銀からの△4一玉型中原囲いにこだわる必要がなくなったため、この指し方も可能になった。 2011年初出。 2016年末▲阿部光瑠△佐藤紳哉戦で、△7六飛▲7七角△2六歩▲8四飛…の変化が登場。 2018年5月16日 ▲上村△大橋戦で、いきなり△2六歩が登場。 2018年には大流行し、先手の勝率が良かった。「後手の工夫と苦悩は続いている」(p19)状態。 |
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1-3 勇気流 佐々木勇気の新手。青野流で▲5八玉のところを▲6八玉とする。左金に玉のヒモが付く半面、右金のヒモはない。また、先手玉が△8六角や△9五角のラインに入っていることにも注意が必要。 2018年からはあまり指されなくなっているが、これは青野流の方に皆の目が向いていることが一因。(※もともと、勇気流は佐々木勇だけが星を稼いでおり、他の棋士は五分程度だったのも一因と思われます) |
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1-4 △2四飛ぶつけ △5二玉-△7二銀型で、△2四飛と飛交換を挑む。後手陣が飛の打ち込みに強い陣形であることが条件。 後手が2筋を攻めることができるということで、△8四飛型の再燃につながっている。 2013年 ▲畠山鎮△松尾戦で初出 (※2018年にはこの筋はあまり見られなかったように思う。△2四飛ぶつけが潰れたというよりは、先手がこの形よりも青野流に魅力を感じているから、と思われます) |
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1-5 横歩取り×美濃囲い 横歩取りで△6二玉も有力と見られるようになり、△7二銀型とセットで片美濃囲いを目指せるとなると、持久戦が視野に入るようになった。 2014年春 ▲豊島△YSS(電王戦)で注目度が急上昇。 △6二玉だけでなく、従来△4一玉or△5二玉としていた局面で、△2三銀や△3四飛など「玉の形を決めない手」も指されるようになった。また、青野流・勇気流対策としての△6二玉もある。 テーマ後に付いている「温故知新コラム」(p38〜39)によれば、△6二玉型は1983年(△吉田利勝)や1989年(△青木清)にも指されていた。30年以上経ってから、有力手として認識されるようになったようだ。 |
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1-6 横歩取らずの▲5八玉 先手が横歩を取らずに、▲5八玉と立つ。飛の位置を、後手に先に決めさせる意味合いがある。また△8四飛は角交換〜▲6六角〜▲8三歩の評価が進んで、先手良しの認識となっている。 2000年▲佐藤康光が初出。 2016年▲山ア△PONANZA戦がキッカケで再評価。 2016年▲都成竜馬△福崎文吾戦では▲7八金省略型が登場。⇒2016年叡王戦決勝三番勝負でも指された。 2016年▲西尾△澤田戦で、双方飛先交換保留+金上がり保留+▲5八玉△5二玉型も登場した。 わずかな違いでいろいろな形があるが、共通しているのが「先手番の利を生かすという観点でかなり有力な新手」(p47)となる。 |
第2章は、「相掛かり系」。 |
2-1 UFO銀 ▲引き飛車棒銀のこと。テーマ図の▲2七銀は、3六、2五、4五、4七〜5六など、あちこちにフラフラ動く様子がUFOの動きのようということで、この名が付いた。 長年、相掛かりでの先手の有力戦法だったが、2016年に後手が銀冠を目指す手が発見され、後手も戦えそうな認識になっている。 最近は、飛先を切るタイミングをずらすのが増加し、端歩の駆け引きも複雑化したため、UFO銀は減少傾向。 |
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2-2 現代相掛かりの基礎知識 2016年頃から、飛先の交換を遅らせるようになってきた。テーマ図では、互いに飛先を切らずに銀を上がっている。さらに、端歩を突いたり、玉を上がったりするケースもある。 相手の飛の位置を見てから、自分の飛の位置を決めるのが狙い。(※「コンピュータの影響」と表現されることも多いが、「将棋世界」1998年4月号の付録にて、佐藤紳哉四段(当時)が現在とほぼ同じ考え方で解説している。) |
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2-3 現代相掛かり(1)
早繰り銀 相掛かりでも早繰り銀が指されるようになってきた。▲3六歩のタイミングはさまざまで、端歩の突き合いなど類型は多い。一手損角換わりの定跡型や雁木など、他の戦型に似た形になることもある。 「4六銀型は好形で駒組み勝ちを目指しやすいという認識が広まりつつある」(p67)。 |
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2-4 現代相掛かり(2)
一歩損作戦 △3四歩以外の「横歩」を取らせる代わりに、銀などの進出を急ぐ作戦。当初は歩得した側が有利と思われていたが、徐々に認識が変わりつつある。 2012年▲山ア△三浦戦が初出。 2016年▲山ア△菅井戦が2回目。 |
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2-5 極限早繰り銀 初手から▲2六歩△3四歩▲2五歩と飛先を決め、△3三角▲7六歩△2二銀には角交換せずに、▲4八銀〜▲3六歩から早繰り銀にする。相掛かりから発展することもある。 2016年から増加傾向。 『史上最速の攻撃戦法 極限早繰り銀』(佐藤慎一,2018.01)も参照のこと。 |
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2-6 現代相掛かり(3)
空中戦 相掛かりで、横歩を狙って、一度切った飛先の歩を再度合わせていく手法が活発化。もともとは横歩取り戦でよく現れ、手筋としても昔からあるが、青野流や勇気流の流行によって「▲3四飛(△7六飛)は好位置」と見られることが増えてきた。 互いの玉の位置、右桂、飛の位置、端歩、実質的な手番によって、成否は分かれる。 |
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2-7 その他力戦 角道をしばらく開けずに戦う手法が少しずつ広がっている。 テーマ図は「嬉野流」。『奇襲研究所 嬉野流編』(天野貴元,2015.05)も参照のこと。 |
第3章は、「矢倉系」。 「普通の矢倉」は激減し、先後問わず急戦を目指す傾向にある。 |
3-1 ▲4六銀VS△4五歩 先手が▲4六銀型を目指すのに対して、△4五歩と即反発する。 第1流行期は1990年前後で、例えば『羽生の頭脳 5 最強矢倉・後手急戦と3七銀戦法』(羽生善治,1993.01)のp154〜にも載っている。いったんは「先手良し」の結論になり、「▲4六銀-3七桂は阻止できない」ということで、その後は矢倉といえばほとんど▲4六銀-3七桂型になった。 しかし、2013年〜2014年に、立て続けに新手が登場して、前提が崩れた。『矢倉△4五歩反発型の謎』(塚田泰明,2016.06)も参照のこと。 ただし、優劣不明のまま、プロの興味は▲3七銀戦法から遠のき、この戦法の出番がなくなってしまっている。 |
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3-2 左美濃急戦 2015年末に登場し、矢倉の地図を激変させた戦法。 「2筋の歩を交換されてもOK」「(場合によっては)2筋を突破されてもOK」と考え方が大きく変わった。また、攻めが「つながる」「切れる」の感覚も変わった。 『常識破りの新戦法 矢倉左美濃急戦 基本編』(斎藤慎太郎,2017.04)と『規格外の新戦法 矢倉左美濃急戦 最新編』(斎藤慎太郎,2017.09)も参照のこと。 この戦法を避けて、矢倉の5手目は▲7七銀が主流になり、△右四間はできなくなった。(※ただし5手目▲7七銀に有力とされていた△矢倉中飛車はあまり復活していない) |
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3-3 米長流と同型矢倉 米長流急戦矢倉は昭和からあるが、5手目▲7七銀とともに復活。後手が△6四歩を突けば先後同型(▲4七銀vs△6三銀)へ、△6四歩を突かなければ▲6六銀から▲急戦が基本。 この先後同型絡みで、△4三金左(▲6七銀左)の組み方が発生。初出は2017年9月。バランス重視で、駒が偏った金矢倉よりも角打のスキが少ない。 また、米長流から、左銀を6六〜5七〜4六と銀多伝のように組む指し方も出てきた。 さらに、△6四歩の後、同型矢倉以外の選択肢が多く出現している。 |
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3-4 極限早繰り銀 矢倉編 矢倉の出だしから、後手は2筋交換を受けず、早繰り銀を目指す。 類型は昭和からあるが、テーマ図の初出は2017年名人戦第2局▲稲葉△佐藤天彦戦。 先手が、後手急戦を警戒して飛先を伸ばしているにもかかわらず、後手が攻め合いを目指す。 角換わり系の極限早繰り銀との違いは、7七に来る駒が角か、銀か。矢倉系では、角交換は意識せず、△7五歩を防ぐ駒組みもある。 |
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3-5 ポンポン桂 矢倉編 矢倉系でも単騎桂跳ねの仕掛けが出てきた。 桂を取り切られなければ仕掛け成功といえる。微妙な形の違いで成否は変わる。 この仕掛けを防ぐために▲6六歩と突けば、後手急戦(左美濃急戦など)の狙いが復活する。 |
第4章は、「雁木系」。 先後どちらかが角道を止めて、△4三銀-3二金型の骨格を目指す駒組みを総称して「雁木系」と定義する。 |
4-1 後手角換わり拒否雁木 先手の角換わり志向を後手が拒否して雁木を目指す。 従来の雁木は、「後手は2筋歩交換を許す代わりに、居角で攻める」と考えられていた。 新しい雁木の考え方は、△6三銀型雁木でバランスを取り、「(駒組み後の)角交換を恐れない」「角活用のルートを作る」「桂損を恐れない」というもの。『コンピュータ発! 現代将棋新定跡』(suimon,2018.06)も参照のこと。 角換わりの出だしが▲8八銀ではなく▲6八銀が主流になり、テーマ図の出現は2018年以降はないが、後手が角換わりで戦えているためと思われる。 |
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4-2 後手角換わり拒否雁木 新型 角換わり模様で▲6八銀のときに、△4四歩と角交換拒否をする形。 テーマ図の初出は、2016年末の▲横山△千田戦。 ベースは△4三銀型で、右銀は6三or5三or5四と柔軟に。場合によっては3三の利きを増やす△4三金型も視野に入れる。 先手の展開もいろいろあり。(1)4八金型急戦、(2)3七銀型速攻、(3)右四間、(4)相雁木、など。 |
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4-3 後手積極雁木 角換わり拒否からではなく、最初から雁木を目指す作戦。例えば、▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩からの雁木。序盤は振り飛車の余地も残っている。 |
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4-4 雁木対策 速攻型 4-3の▲5六歩を▲6八玉に変更し、▲3六歩から3筋に速攻を仕掛ける。 「互いに角頭を攻める」⇒「先手は六段目の飛の横利きで受ける」「後手は居玉が相手の攻めから遠い」という戦いになる。 |
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4-5 先手雁木と相雁木 後手雁木が有力なら、先手でも雁木を目指してみるのは自然なこと。 ただし、先手雁木の場合は手詰まり模様からの打開策が必要となる。▲4六銀-3七桂-2六飛から▲3五歩の仕掛けは有力策の一つ。(※部分的には昭和の仕掛けである) 雁木で棒銀系の攻めを受ける時は、△3三金は一つの形。従来は悪形とされた形も、場合によっては好手と認識されるようになってきた。 |
第5章は、「角換わり系」。 |
5-1 旧型同型 富岡新手と塚田新手 長年戦われていた先後同型は、「42173(世に伊奈さんあり」の仕掛けから、富岡新手により「先手良し」の結論になった。 ただし、2014年2月に、先後同型に至る前に△9四歩を省略して△6五歩▲同歩△同桂の塚田新手が登場。さらに2015年12月に先手番で同じ仕掛けが指され、流行した。その後、角換わりは6二金-8一飛型に主流が移り、そもそも旧型同型を目指さなくなって、現在は結論がハッキリしないまま「消えた戦法」になっている。 |
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5-2 新旧対抗型 「△6二金-8一飛型(新型)」vs「▲5八金-2八飛型(旧型)」の対抗形。 テーマ図から△6五歩▲同歩△同桂▲6六銀△6四歩とちょっかいを出しておく。「新型」の方がやや優勢と見られているが、明確な結論は出ていない。 |
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5-3 新型同型 互いに「△6二金-8一飛」vs「▲4八金-2九飛」と新型を探る。銀交換から▲6三銀(△同金なら▲7二角の飛金両取り)が基本的な狙い筋の一つ。 初出は2017年で、特に2018年後半はたくさん指された。巻末の「新手アラカルト」にも、本テーマ執筆完了後の1ヶ月で5局指されたことが記されている。 |
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5-4 パスの技法 5-3の同型を避けるため、駒組みでわざと手損する。 例としては、以下のようなものがある。 ・△6一金を、△5二金→△6二金 ・△6一金を、△7二金→△6二金 ・△4二玉⇔△5二玉の往復 ・▲7九玉→▲6九玉→▲6八玉の迂回 ・腰掛け銀の往復 後手が△4四歩を突けば▲4五歩の仕掛け、突かなければ▲4五桂跳ねがあるが、互いにベストポジションで仕掛けるor仕掛けさせないために、あえて迂回する手法が試されている。(※出版時点の2019年2月ではやや煮詰まり気味の印象がある) |
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5-5 新型非同型 「△6二金-8一飛」vs「▲4八金-2九飛」型の対抗で、同型ではないもの。 以下のような例がある。 ・△6五歩位取り→先手は9筋の位を確保→後手は好所の△6四角を設置 (※△6五歩を嫌うなら▲6六歩だが、仕掛けの争点が発生する) ・▲2五歩保留(▲2六歩型)で▲4五銀とぶつける ・先手が▲4五歩と位を取る。 |
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5-6 ▲4五桂ポン 従来のような腰掛け銀ではなく、いきなりの桂跳ねで仕掛けが成立するケースが続出した。 後手はこれを警戒した駒組みをするようになり、角交換後の△4二銀は絶滅。右銀は△7二銀ではなく△6二銀へ。△4二玉型で(入城せずに)戦うケースも増えた。 特に注目されているのは、テーマ図のように、先手が駒組みを最小限にして▲4五桂と跳ねていく作戦。『神速!角換わり▲2五歩型 必勝ガイド』(長岡裕也,2018.12)も参照のこと。 |
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5-7 早繰り銀 テーマ図は、後手の早繰り銀に先手が腰掛け銀で対抗し、△7五歩▲6五歩△7六歩▲同銀△7三銀▲7七角としたところ。 出版時の2019年2月現在、角換わりの主役は腰掛け銀だが、早繰り銀も試されている。また、5-6のような桂ポン作戦の登場により、「角換わり三すくみ」の法則も変化しつつある。 なお、本節には載っていないが、2019年2月時点では▲5八玉型の早繰り銀をときどき見かけるようになっている。(巻末の「新手アラカルト」p231に記載あり) |
巻末付録は、「新手アラカルト」。本編で書けなかったもの、本編執筆後の動向などをまとめて掲載している。 ・2017年12月5日、羽生、永世七冠達成の一局(角換わり新旧対抗型) ・2018年12月3日、渡辺明、王将リーグプレーオフ(角換わり早繰り銀▲5八玉) ・2018年12月12日、藤井聡太が100勝達成で、印象に残ったのは2018年5月18日の船江戦(角換わり▲棒銀に△4五角!) ・2018年12月12日〜13日、竜王戦第6局▲広瀬△羽生(横歩取り▲青野流での▲5五飛!) ・2018年12月20日〜21日、竜王戦第7局▲広瀬△羽生(角換わり新型同型▲7九玉△3一玉) ・角換わり新型同型(5-3)の執筆後(2018年11月27日以降) |
〔総評〕 評価Aを付けましたが、まず最初に言わせてください。 「思ってたんと違ってた…(´・ω・`)」 タイトル名から期待していたものとは、ちょっと違う本でした。 「平成新手白書」というタイトルと、「将棋は30年でどう変わったか?」というサブタイトルからは、「平成の初期から末期までの約30年間の新手の変遷を解説した本」だろうと思い、横歩取り△8五飛、矢倉▲4六銀-3七桂、角換わり腰掛け銀同型なども含め、'90年代や'00年代の流行形や新手もガッツリ解説した本だろうと期待していていました(平成は1989年から2019年までなので)。[内容紹介]にも「平成に現れた「横歩取り・相掛かり・矢倉・雁木・角換わり」の新手を網羅的に解説」と書いてあるし。 実際は、「平成のラスト約5年(ほぼ2014年〜2018年)で流行した新戦法・新作戦を中心に解説した本」でした。どちらかと言えば『最新戦法の話・平成末期版』という感じでしょうか(今後の『振り飛車編』では、最初からそのつもりで読むことにします)。新作戦に対して、従来からの経緯や、変化した考え方にも触れてあるので、「最新戦法の話」だと思えば、文句なしのAとなります。 なお、本書は新作戦の全体像を広く浅くザックリと描いた感じですので、各戦法の詳細については、より詳しい本が出ていればそちらを参照しましょう。 |