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■超急戦横歩取り

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超急戦横歩取り
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将棋最強ブックス
超急戦横歩取り
[総合評価] B

難易度:★★★☆

図面:見開き4枚
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
中級〜上級向き

【著 者】 高橋道雄
【出版社】 創元社
発行:2011年8月 ISBN:978-4-422-75134-4
定価:1,365円(5%税込) 224ページ/19cm


【本の内容】
プロローグ     8p
第1章 ▲6五角戦法(△4五角戦法) ・解説
・覚えておきたい復習問題=8問
34p
第2章 相横歩取り戦法 ・解説
・覚えておきたい復習問題=8問
74p
第3章 ▲7七桂戦法(△3三桂戦法) ・解説
・覚えておきたい復習問題=8問
48p
第4章 ▲6六角戦法(△4四角戦法) ・解説
・覚えておきたい復習問題=6問
32p
第5章 ▲6九玉戦法(△4一玉戦法) ・解説
・覚えておきたい復習問題=4問
22p

◆内容紹介
横歩取りとは、序盤早々に先手が飛車の横利きによって、 3四の歩を取る指し方。 しかし実際は、後手がむしろ望んで歩を取らせるので、 後手の戦法といってよい。
本書は、横歩取りの中でもとりわけ激しく、 両者玉をまったく囲わずに戦う、 後手番の超急戦戦法のさまざまな戦法を解説した。
飛角桂が盤上を自在に舞い踊り、 王手がすぐにかかる中での戦いはスリル満点。 強気で戦い、相手から一勝を奪取しよう。


【レビュー】
横歩取りの定跡書。

横歩取りは、先手が飛先の歩を2四で交換したあと、その横の歩(△3四歩)を取ることから「横歩取り」という名前がついている。1歩得になるが、▲3四飛の形が悪く、飛が元の位置(2六or2八)に戻るまでに手数がかかる。後手は歩損のまま局面が収まってしまうと不利になるため、先手の形が整わないうちに1歩の代償を求めて動いていく。

本書では、そのような後手の動きの中でも、(△8五飛戦法などに比べて)より早く動いていく5つの作戦を解説した本である。

横歩取りは基本的に後手が主導権を求める戦法のため、本書ではすべて先後逆表示になっている。横歩取りの本で戦後逆表示になっているのは、わたしが知る限りでは『8五飛を指してみる本』(森下卓,河出書房新社,2001)だけだった。定跡を符号で覚えている人にはかなり読みにくいかもしれないが、実際に後手を持って指すことを考えるとかなり分かりやすく感じることも多い。一長一短である。

各章の内容をチャートを交えながら紹介していこう。なお、チャートの先後はすべて通常表示に戻してある。


第1章は、いわゆる△4五角戦法。戦法としてはすでに「後手無理筋」の結論が出されており、プロではまったく指されていない(女流戦では指されたのを見たことがある)が、驚きの奇手がたくさん登場し、先手が受け切るのはかなり大変。また、ごくまれにしか出会わないこの戦法の対策が万全な人は少なく、実戦的にはかなり“やれる”戦法である。ただし、「無理筋と分かっているのにこの戦法を採用」した感が相手にも伝わるため、メイン戦法とはしないほうがいいかもしれない。

この戦法が最も詳しく載っている本は、今のところ『横歩取り道場 第三巻 4五角戦法』(所司和晴,MYCOM,2002)で決まりである。本章の内容はほぼ全て『横歩取り道場』に含まれている。

基本的に本書では後手が不利になる変化は書かれておらず(他の章も同様)、「後手有利になる変化」または「実戦的には後手も十分にやれる変化」が書かれているので、先後公平に知りたい人は他書も大いに参考にすべし。



第2章は、相横歩取り。この戦法に詳しい本は『横歩取り道場 第ニ巻 相横歩取り』(所司和晴,MYCOM,2002)と『乱戦!相横歩取り』(北島忠雄,MYCOM,2011.02)だ。本章の内容はほぼ『乱戦!』に含まれているが、p88〜p89の変化だけはわずかに違いがあるようだ。



第3章は、△3三桂戦法。この戦法は、序盤の乱戦を回避した場合、相振飛車風のじっくりした戦いになる。本章では、急戦調の将棋になる変化をメインに解説している。

この戦法に詳しい本は『横歩取り道場 第六巻 3三桂戦法』(所司和晴,MYCOM,2003)。



第4章は、通常「△3八歩戦法」と言われている戦法。△4五角戦法に比べて変化は少ないものの、随所に“一発”が潜んでいる。また、互いに定跡を知っていた場合、派手なやり取りのあとにほぼ互角の手将棋になるところが他の超急戦系横歩取りと違うところ。p180以下の結果図に自信が持てて、自分だけの定跡のようなものがあれば、横歩取りはこれ一本で戦えるかもしれない。

棋書単行本での初出は『B級戦法の達人』(週刊将棋編,MYCOM,1997)で、他には『郷田真隆の指して楽しい横歩取り』(郷田真隆,フローラル出版,2002)などにも登場している。

また、本章後半の「新△3三角戦法」は、実は江戸時代からある定跡で、△3八歩戦法の原形。『続 横歩取りは生きている−上巻−』(沢田多喜男,将棋天国社,1988)で少し触れている。これを現代風にアレンジ。△3八歩戦法のように飛を素抜くことはできないが、△8六飛〜△7六飛〜△2六飛〜△2四飛と盤面を大きく使って飛交換する。これも主導権は完全に後手にあるので、p190以下の結果図に自信があれば採用してみたいところ。



第5章は、△4一玉戦法。これも江戸時代からある。3二金にヒモをつけただけで消極的、と従来は見られていたので、最近の実戦例は少ない。ただし、現代では展開によっては「△8五飛戦法」や「△8四飛+中原囲い」に合流することもできる。例えば、先手の手を見て、新山ア流の可能性がなくなってから△8五飛を目指すことも可能だ。

本章では、一気に超急戦になる変化、定跡から外れた力戦、先手良しの定説がある局面から後手ががんばる手順などを解説している。



最近の横歩取りの本は難しく専門的なものが多かったため、「楽しく勝つ」感じの横歩取り本は久しぶり。「正確に対応されると負けるが、正直言って勝ちやすい戦法」でガンガンいこうぜ!(2011Sep13)



【関連書籍】

[ジャンル] 
横歩取り
[シリーズ] 
将棋最強ブックス
[著者] 
高橋道雄
[発行年] 
2011年

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