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書名 | 著者 | 発行 | 備考 |
自然流 中原誠の実践名勝負 | 中原誠 | '99.11 | |
谷川浩司全集 平成九年度版 | 谷川浩司 | '99.9 | |
康光流四間飛車破り 居飛車穴熊VS藤井システム | 佐藤康光 | '99.2 | |
谷川浩司全集 平成八年度版 | 谷川浩司 | '98.11 | |
自然流 会心の一局 | 中原誠 | '98.11 | |
谷川浩司全集 平成七年度版 | 谷川浩司 | '98.7 | |
谷川浩司全集 平成六年度版 | 谷川浩司 | '97.12 | |
将棋記者 血涙二十番勝負 | 福井逸治 | '97.8 | |
実戦!スーパー四間飛車 | 小林健二 | '97.2 | |
谷川浩司全集 平成五年度版 | 谷川浩司 | '96.12 | |
森下の四間飛車破り | 森下卓 | '96.8 | |
谷川浩司全集 平成四年度版 | 谷川浩司 | '96.4 | |
自然流勝負の一手 | 中原誠 | '96.3 | |
谷川浩司全集 平成三年度版 | 谷川浩司 | '95.9 | |
森下の矢倉 | 森下卓 | '95.5 | |
書名 | 著者 | 発行 | 備考 |
自然流この一手 | 中原誠 | '94.12 | |
谷川浩司全集 平成二年度版 | 谷川浩司 | '94.10 | |
谷川浩司全集 平成元年度版 | 谷川浩司 | '94.2 | |
泥沼流振り飛車破り | 米長邦雄 | '94.1 | |
名局コレクション[2] 角換わり | オムニバス | '93.10 | |
名局コレクション[1] 現代矢倉 | オムニバス | '93.10 | |
屋敷伸之の将棋 茫洋 | 屋敷伸之 | '93.6 | |
小林健二の将棋 鍛錬千日・勝負一瞬 | 小林健二 | '92.8 | |
塚田泰明の将棋 遊心 | 塚田泰明 | '92.8 | |
大山康晴全集 | 大山康晴 | '91.5 |
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自然流 中原誠の実践名勝負 |
中原誠 東京書店 ISBN:4-88574-427-X 1999年11月 \1,500 191p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:B 解説:B 読みやすさ:C 中級〜有段向き |
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中原誠永世十段の自戦記。奨励会の修行時代から現代に至るまで、思い出の対局を10局ピックアップ。 正直、中途半端な印象が強い。“中原誠全集”というほどでもなく、名局集や中原流勝局集というわけでもない。第9局の対羽生戦は双方とも挑戦も降級も無関係で、“どうしても羽生戦を入れておきたかっただけ?”という感じ(ちなみに、意外にも中原と羽生はタイトル戦で対局したことがない)。解説も初級者向けと有段者向けが混在していて、対象棋力がハッキリしない。さらに盤面図・本文のフォントも見づらい。 ちなみに出版社は横書き・二色刷り棋書の多い東京書店だが、本書は縦書き・モノクロ。 中原の実戦集はいくつもあるが、本書はちょっと残念な一冊。(2003Aug09) |
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谷川浩司全集 平成九年度版 |
谷川浩司 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-8399-0082-5 1999年9月 \3,000 285p/22cm/H.C. |
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・グラビア=8p |
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パーフェクトシリーズ 康光流四間飛車破り 居飛車穴熊VS藤井システム |
佐藤康光 日本将棋連盟 ISBN:4-8197-0348-X 1999年2月 \1,200 222p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向け |
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全15局 ▲居飛車穴熊vs△四間飛車藤井システム=10局 ▲居飛車穴熊vs△四間飛車穴熊=2局 ▲四間飛車藤井システムvs△居飛車穴熊=3局 ◆内容紹介 本書は居飛車穴熊にこだわり、いろいろな四間飛車対策、戦いの急所を解説した。現在は、以前と違い簡単に駒組みを進められる時代ではない。序盤から激しい変化を秘めている場合も多く、細心の注意が必要だ。 |
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佐藤康光名人(当時)の自戦記集。『康光流現代矢倉』シリーズなどと同様に、佐藤の実戦を題材に、居飛穴vs四間飛車の戦いを解説している。 解説は、自戦記というより検討や変化の研究に重点が置かれていて、これまでの「康光流」シリーズと同様、中終盤の入口で優劣の結論を出して解説を打ち切ってある。四間側が居玉で攻める展開は載っていない。逆に言えば、居飛穴が居玉藤井システムをやらせていないといえる。どちらかといえば、居飛穴党必見の内容だ。先に巻末の棋譜を並べてから解説を読むといいだろう。(2002Mar30) |
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谷川浩司全集 平成八年度版 |
谷川浩司 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-8399-0079-5 1998年11月 \3,000 311p/22cm/H.C. |
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・グラビア=8p |
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PERFECT SERIES 自然流 会心の一局 最新自戦記を徹底解説!! |
中原誠 日本将棋連盟 ISBN:4-8197-0347-1 1998年11月 \1,200 223p/19cm |
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第1章 実戦次の一手編 第2章 実戦解説編(四間飛車vs位取り|相矢倉森下システム|中原流相掛かり|ほか) ◆内容紹介 羽生善治、谷川浩司、高橋道雄など七人のプロ棋士との対戦八局を解説した実戦集。最近の自戦譜から好局十局を選んだ参考棋譜や、実戦から選んだ「次の一手」二十題も収録する。 |
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谷川浩司全集 平成七年度版 |
谷川浩司 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-8399-0004-3 1998年7月 \3,000 317p/22cm/H.C. |
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・グラビア=8p |
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谷川浩司全集 平成六年度版 |
谷川浩司 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-677-1 1997年12月 \3,000 315p/22cm/H.C. |
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・グラビア=8p |
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将棋記者 血涙二十番勝負 |
福井逸治 三一書房 ISBN:4-380-97274-7 1997年8月 \2,300 287p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★ 図面:見開き2〜3枚 内容:(質)C(量)B レイアウト:B 解説:B 中級〜有段向き |
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毎日新聞の観戦記者・福井逸治の自戦記集。96年4月から97年3月まで毎日新聞夕刊に週一で連載された「福井逸治の『将棋教えて』」を撰集したもの。西川慶二六段の解説を織り交ぜながら、福井氏の自戦記が綴られている。『将棋教えて』は、免状三段の福井氏が初段〜四段くらいのアマチュアファンと一局指すという企画である。手合いは全て平手。持ち時間各1時間(切れたら一手30秒)は、アマとしてはかなり長めである。 アマの自戦記集は、意外と少なくない。しかしそのほとんどは、全国クラスで特殊戦法を操るアマ高段者のものか、文人が駒落ちでプロ高段者に挑戦するというものだ。アマ三段クラスの自戦記は非常に珍しいと思う。それは逆にいえば、三段クラスの将棋では金は取れないということだ。残念ながら本書の棋譜も質が非常に低く、変わった戦法を指しているわけでもないので、お金を出してまで(しかも2,300円!)見るものではないと思う。 また、「雁木は…攻撃力はあまり強くない」(121p)〔実際は破壊力抜群〕とか「(四間飛車の)7八銀型には△6四銀」(141p)〔あまり上手くいかないのが定説〕など、本文中の内容が怪しいものがあるので、有段者や上級者が読むとかえって弱くなりそうな気がする。 読み物としてはまずまず面白かった。C以上だと思う。新聞の夕刊に連載されたり、ウェブでの個人自戦記としてなら十分楽しめると思うので、読むときは割り切って読むべし。(2003Apr25) |
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実戦!スーパー四間飛車 |
小林健二 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-669-0 1997年2月 \1,400 246p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段者向き |
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・自戦記21局
【コラム】駒組みに融通の利く立石流/中終盤は駒の位置が価値となる |
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小林健二八段(当時)の自戦記集。小林の自戦記本は『鍛錬一日・勝負一瞬』(1992)以来、5年ぶり。 小林は1994年の早指し選手権で優勝しており、そのときの勝局を中心に21局の自戦記が収められている。このときのメイン戦法が立石流四間飛車。本書にも4局ある。早指し向きの戦法なので、我々アマにはかなり参考になると思う。また、その他の四間飛車は玉をちゃんと美濃に入城させるものが多く、藤井システムよりも分かりやすいだろう。 全21局を並べて、棋譜の内容や解説も十分楽しめたが、一番参考になったのはにさりげなく書かれているページタイトル(の一部)。「熊金はがす手に悪手なし」(207p)「受けの基本は駒を打つこと」(230p)などは、日常なんとなく感じていたことを言葉にしてもらった感じで、歩二枚ほど強くなった気がした。探せば他にもあるだろう。実際、先日の職団戦ではこの格言を思い出して3連勝できた(笑)。(2004Jun26) |
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谷川浩司全集 平成五年度版 |
谷川浩司 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-662-3 1996年12月 \3,000 327p/22cm/H.C. |
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・グラビア=8p |
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森下の四間飛車破り |
森下卓 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-657-7 1996年8月 \1,942 270p/21cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き5〜6枚 内容:(質)A(量)S 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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・自戦記編=124p(12局) ・棋譜解説編=137p(68局) screenshot 1(自戦記編) screenshot 2(棋譜解説編) ◆内容紹介 「森下システム」は矢倉だけではなかった。穴熊に対する自信の戦法「銀冠森下システム」ほか、四間飛車破りの手厚い勝ち方を伝授。デビュー以来平成7年度まで、対四間飛車全80局を一挙掲載。 |
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森下のデビューからH7年末までの、対四間飛車全棋譜の自戦記。 全80局というたっぷりのボリュームと、しっかりした解説がグッド。自戦記編では、1棋譜あたり10ページを使って、対局時の心情やその戦法を選んだ理由などが書かれている。もちろん解説も申し分ない。棋譜解説編は、1棋譜あたり2ページと簡潔にまとめてある以外は、自戦記編と遜色ない。 戦績は森下の69勝11敗とかなりの高勝率(.863)。居飛車先手番は63局。舟囲い急戦・5筋位取り・玉頭位取り・左美濃・居飛車穴熊までほとんどの戦型を網羅している。特に注目は対四間穴熊の銀冠森下システムで、13勝1敗と驚異的だ。なお、右四間飛車は好みに合わないのか、全くなし。対藤井システムもない(時代的にも当然)。 筋が良く、手厚い勝ち方を好む人にはオススメ。無理気味の攻めや一手争いを目指す人にはあまり向いてないかも。(2002July24) |
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谷川浩司全集 平成四年度版 |
谷川浩司 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-654-2 1996年4月 \2,913 333p/22cm/H.C. |
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◆内容紹介 若手を迎え撃つ谷川の激闘六十二番。羽生善治、村山聖、郷田真隆とのタイトル戦全局を自戦記と解説で収録。 |
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自然流勝負の一手 |
中原誠 毎日新聞社 ISBN:4-620-31099-9 1996年3月 \1,359 221p/19cm |
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珍しい一直線の戦い/会心の荒技が決まる/失着で痛い逆転負け/飛車切りのタイミングが悪かった/端にこだわりすぎて失敗/二転三転の終盤戦/寄せの構想が崩れる/詰めろ逃れの詰めろ/詰将棋のような寄せ/安全策が裏目に出る/〔ほか〕 ◆内容紹介 名人在位十五期の他、数々の永世資格をもつ将棋界の巨星・中原誠が、一局の勝負の決め手をわかりやすく解説する。一撃必殺の実戦教室。 |
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谷川浩司全集 平成三年度版 |
谷川浩司 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-638-0 1995年9月 \3,000 365p/22cm/H.C. |
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・グラビア=8p |
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森下の矢倉 |
森下卓/著 米長邦雄/推薦 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-633-X 1995年5月 \1,942 241p/21cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き5〜6枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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・自戦記編=138p(12局) ・棋譜解説編=97p(38局) ・【資料】全成績 ◆内容紹介(オビより…米長邦雄推薦の言葉) 自戦記の随所に現れる森下八段のエピソードが、実に彼らしくて面白い。現代矢倉の歴史が序盤研究の牽引車である森下八段の解説で分かりやすい。地道で自然。これが森下将棋の特性である。 |
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森下のデビューから平成6年ごろまでの、相矢倉の自戦記。1992年〜1994年の棋譜が最も多い。B2→B1→A級と連続昇級、そのまま名人挑戦まで行った「森下最盛期」である。 自戦記編では、1棋譜あたり10ページを使って、対局時の心情やその戦型に対する見解、そしてたまに恋の話(笑)なども書かれている。もちろん解説は申し分ない。棋譜解説編は、1棋譜あたり2ページ(濃い棋譜のときは4ページ)と簡潔にまとめてある以外は、自戦記編と遜色ない。自戦記編はもちろんのこと、棋譜解説編もちゃんとしている。 『森下の四間飛車破り』(1996)とは違って、残念ながら“全棋譜”ではない。それでも50局とボリュームたっぷり。当時は“森下システム”が矢倉の主流だった時代であり、本書の矢倉もほとんど森下システムor加藤流▲3七銀である。急戦矢倉はあまりない。なお、全棋譜ではないのに、負け将棋もいくつか収録されているところはいかにも森下らしい(笑)。 森下の棋風は、「自陣は厚く」「できる限り全ての駒を使う、特に右桂は必ず使う」という感じ。面白いのが「自陣桂が好き」なこと。「自陣桂が打てれば必勝」らしい(笑)。また、理想は「一本の筋を引いたように完璧に勝つこと」。この理想はσ(^-^)には真似できないが、棋風は参考になるところが多かった。 『森下の四間飛車破り』のときもそうだったが、わたしは森下の棋譜を並べると調子が上がる。手厚く、余して勝つのが好みの人には超オススメだ。(2005Jan26) |
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自然流この一手 |
中原誠 毎日新聞社 ISBN:4-620-31029-8 1994年12月 \1,165 220p/19cm |
難易度:★★★★ 図面:見開き2枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:B 解説:A 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
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・局面解説=70局 (強手で反撃/穴熊崩し/端攻めが厳しい/元気よく行く/自陣龍の受け/席上対局/過激だった/一瞬の逆転/意表の一手/渋さに驚く/終盤の寄せ合い/一瞬ヒヤリ/〔ほか〕) ◆内容紹介/本書は平成四年八月から、『サンデー毎日』誌上に連載中の「自然流この一手」をまとめたもの。名人在位十五期の他、数々の永世資格をもつ棋界の巨峰・中原誠が、実戦譜の中から選び出した「この一手」70局を収録。すべて実戦に現われた局面で、急所の面白そうな場面を選んで解説してある。 |
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谷川浩司全集 平成二年度版 |
谷川浩司 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-608-9 1994年10月 \2,913 357p/22cm/H.C. |
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・グラビア=8p |
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谷川浩司全集 平成元年度版 |
谷川浩司 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-593-7 1994年2月 \2,913 317p/22cm/H.C. |
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・グラビア=8p |
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泥沼流振り飛車破り さわやか自戦記書きおろし |
米長邦雄 日本将棋連盟 ISBN:4-8197-0206-8 1994年1月 \1,942 247p/22cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜有段向き |
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自戦記=21局 ◆内容紹介(「MARC」データベースより) 著者の実戦の中から、対振り飛車の方針として"玉頭位取り"に焦点を絞って選ぶ。局面を難しく、選択肢の多い方へと持って行く。難しくなればなる程、力の差が出て、最後は自分が勝つ。自信の泥沼流。 |
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米長邦雄永世棋聖の自戦記集。名人になったのを機に出版されたもの。対振飛車の玉頭位取り(6局)を筆頭に、さまざまな振飛車破りを自戦記で綴っている。 個人的な注目は第13局の対森安戦。戦型は“△四間飛車vs▲4五歩早仕掛け米長流”で、本局が米長流▲4六銀の第一号局である。現在では△7四歩より先に△6三金と上がる手が主流となったため、実戦で使える機会は少ないだろうが、知っておいて損のない一局だと思う。 “泥沼流”とは米長の棋風の愛称。泥沼流の特徴は「局面を難しく、選択肢の多い方へと持っていく。難しくなればなるほど、力の差が出て、最後は自分が勝つ」(102p)自信家の米長らしい棋風である。ちなみに“さわやか流”というのも米長。 超自信家の米長発言はいつもユニーク。 「升田先生とは六局指して六局しか勝てなかった」(8p) 「…あなたは私がどのくらい強い将棋かということがよくわかるはずだ」(25p) 「やっぱり、俺は強い。」(38p) 「ともに色男ナンバーワンを自負しており…」(39p) 「6五の位があまりにも大きすぎる。これは真部のチンポコよりも大きい。」(67p) 「ここは私の卓越した大局観をほめるべきだろう。」(72p)「…の局面で堂々と▲7五歩と突けるのは、まず私以外ではいるまい。」(123p) 「…私の才能の一端を示した一着で、どうしてこういう手が浮かぶのか、自分でも空恐ろしくなる。」(198p) etc...こんな自戦記を書けるのはおそらく米長だけだろう。好き嫌いの分かれるところである。わたしは好きだが… ちなみに、どの棋譜もなぜか序盤の10〜20手くらいが省略されている(第14局・第15局だけは初手から掲載されている)。定跡に少し明るい方ならそこまでの手順はだいたい予想がつくが、わざわざ省略するほどのこともない。謎。(2003Oct30) |
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名局コレクション[2] 角換わり |
中原誠ほか/著 週刊将棋/編 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-585-6 1993年10月 \1,456 213p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き6枚 内容:(質)B(量)C レイアウト:A 解説:B 上級〜有段向き |
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オムニバス形式の自戦記集。幅広い年代からスター棋士を選んだ感じだ。羽生、佐藤康光、丸山、米長あたりがいないのは不満だが…。面白いのが加藤。なんと敗局を選んでいる。さすが加藤(笑)。また、青野がかなりの割を食っていて、自戦記は載っていないのに、4局も敗局を載せられている(汗)。棋士によって解説や語り口が異なるので、注意して読んでみるとなかなか面白い。 しかし一流棋士ぞろいとはいえ、ちょっと13局では少なすぎる。自戦記13局だけなら、かなり低評価にするところだが、付録の角換わり進化論がなかなか良い。下手な定跡書よりも読ませてくれる。 ただ、どうせならその進化に沿った実戦をたくさん収録し、その中で秀逸なものを自戦記にしてくれるのが良かった。角換わりは横歩取り急戦と同様、類似の戦型になりやすい。似て非なる将棋をたくさん並べる方が感覚をつかみやすく、名局が光をより放つと思う。それなら相当な良書となったことだろう。(2002Dec05) |
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名局コレクション[1] 現代矢倉 |
中原誠ほか/著 (オムニバス) 週刊将棋/編 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-584-8 1993年10月 \1,456 216p/19cm |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き6枚 内容:(質)A(量)C レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:B 上級〜有段向き |
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自戦記=全15局
◆内容紹介(まえがきより抜粋) |
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オムニバス形式の自戦記集。A級や若手新鋭から矢倉の得意な棋士を選抜し、それぞれが自戦記を1〜2局書いている。 全15局はちょっと少なめ。一つ一つの自戦記のレベルは高いが、各々がバラバラに書いているため、やや散漫な感じがする。たとえば、▲加藤vs△丸山(担当:加藤)で加藤が快勝した戦型に対し、▲加藤vs△南(担当:南)では南が修正案を出して勝ってしまっている。比較してみると面白いのだが、名局を集めているはずなのに、A<Bの構図はちょっと不可思議。一方、森下システムの発想の原点となった▲淡路vs△森下と、森下システムの最前線(当時)である▲森下vs南の関係は、同一棋士(森下)による記述で統一感があって良いと思う。 なお、『名局コレクション[2] 角換わり』(1993)には「角換わり進化論」という戦法変遷の解説があったが、本書にはない。代わりに、各局末に「○○(棋士の名前)と矢倉」というコラムがあり、各棋士の別の棋譜をプチ解説している。悪くはないけど、「矢倉進化論」にしてくれた方が面白かったかな…?(2004Sep07) |
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屋敷伸之の将棋 茫洋 |
屋敷伸之 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-580-5 1993年6月 \1,748 247p/20cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き6枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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自戦記=22局 【エッセー】将棋はなんて難しいんだろう/僕の奨励会時代/僕の棋聖体験(1)/僕は結構飲むほうなんだ/僕の棋聖体験(2)/ギャンブラーがいっぱい/将棋には気分転換が必要だ/犬に噛まれたことがある/将棋界・噂の真相/茫洋 【参考資料】年度別成績(1988年度〜1992年度) ◆内容紹介(表紙より) 「もう一度、あの酔い痴れたときを取り戻したい」デビュー戦から棋聖獲得のころ、そして四間飛車を駆使する現在まで、みずみずしい感性で綴るユニークな自戦記。めまいとひらめき、青年棋士・屋敷の脈動。 |
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屋敷伸之六段(当時)の自戦記集。揮毫タイトル・自戦記シリーズの第三弾。タイトルが著者の一番好きな揮毫(扇子に書き入れる文字)になっている。「茫洋」とは「広々としていてとらえどころがない」という意味で、「ぼんやりしている」というニュアンスもあるようだ。屋敷は本書の自戦記でたびたび「ぼんやりとした手が好き」と述べていて、結構お気に入りの様子(現在はどうか知らないけど)。本書の指し手も、鋭い決め手やいかにも次の一手っぽいものは少なく、“茫洋”とした手が随所に見られる。 屋敷は史上最年少でのタイトル獲得で知られる(18歳6ヶ月)。いろいろな戦型を指しこなしていて、その中でもやや目立つのは横歩取り△3三桂と四間飛車。表紙に書かれている「酔い痴れたとき」というのは、屋敷が得意にしていた横歩取り△3三桂戦法のことらしい。「▲4八玉から囲ってくる構想をとがめにいく△4四歩。そしてさらに調子に乗るような感のある△4五歩。この手を指すときはあまりの気持ち良さに自分に酔い痴れていた。」(68p)「今は振飛車ばかり使っているが、また復活するときがあるかもしれない。もう一度、あの酔い痴れたときを取り戻したいと思うからである。」(74p)四間飛車の方はそれほど上手い感じはなく、終盤勝負の印象を受けた。 塚田版や小林版に比べると、投了図や指し手の解説があまりされていない。また快勝譜よりも「屋敷自身が印象に残っている将棋」を優先させているため、敗局や出来の良くない将棋も含まれているのが少し気になった。 なお、本シリーズはこの屋敷版で打ち止めとなった。結構いいシリーズになりそうだっただけに、ちょっと残念。余談だが、本書の担当者は、最近“浅川書房”を立ち上げた浅川浩氏である(当時は週刊将棋の編集者)。(2003Oct02) |
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小林健二の将棋 鍛錬千日・勝負一瞬 |
小林健二 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-572-4 1992年8月 \1,748 252p/20cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き6枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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自戦記=28局 【エッセー】四間飛車党に捧げる/旅はたのし/私のスケジュール表/東京・名古屋・大阪/鍛錬一日・勝負一瞬 【参考資料】思い出の星取り表(第49期B級1組順位戦,1990年度)/通算成績(1992年3月末現在) ◆内容紹介(表紙より) 居飛車本格派、それも矢倉党だった小林は突如四間飛車等に転向したのは、プロとしての芸域を広げるほかに台頭する居飛穴への反発にあった。振り飛車党の夢を担う小林健二が明かすスーパー四間飛車、その勝ち切るまでのテクニック。 |
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小林健二八段(当時)の自戦記集。揮毫タイトル・自戦記シリーズの第二弾。タイトルが著者の一番好きな揮毫(扇子に書き入れる文字)になっている。「鍛錬千日・勝負一瞬」は、高校野球の名監督として知られる蔦文也氏の色紙の言葉から、小林が抜粋・アレンジしたもの。将棋界では小林オリジナルの揮毫である。「意味は読んで字のごとくで構わない。その都度、そのときの自分に置き換えて考えてもらえればいい」(253pより抜粋) 本書の将棋はほとんどが「四間飛車+美濃囲い」である(最初の方には小林式阪田流の棋譜もあった)。特に目を引いたのは、対居飛穴の端角戦法や、対4五歩早仕掛けの△2四同角型など。棋譜を並べてみて、「筋が良く“巧い”序中盤と、手厚い中終盤で、非常にバランスが良くて安定した印象」を受けた。藤井システムのような薄くて不安定な将棋は苦手で、「玉は美濃囲いにしっかり収まっている方が振飛車らしくていい」という方にオススメしたい。(2003Sep28) |
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塚田泰明の将棋 遊心 |
塚田泰明 毎日コミュニケーションズ ISBN:4-89563-571-6 1992年8月 \1,748 250p/20cm/H.C. |
[総合評価] |
難易度:★★★★ 図面:見開き6枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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自戦記=27局 【エッセー】奨励会時代/将棋との出逢い/遊心/王座のころ/これからの塚田将棋 【参考資料】破竹の22連勝/通算成績(1992年3月末現在) ◆内容紹介(表紙より) 「真剣勝負の中にも何処かで遊びの心を持っていたい」持って生まれた攻めの棋風とプロ意識。強く、しかも面白い将棋を指す最後の順位戦ブランド・塚田泰明の将棋と勝負、そして遊心。 |
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塚田泰明八段(当時)の自戦記集。揮毫タイトル・自戦記シリーズの第一弾。タイトルが著者の一番好きな揮毫(扇子に書き入れる文字)になっている。「遊心」は、「勝つことは大切だが、それが全てじゃない。将棋は楽しく指していい。そして自分がプロである以上、面白い将棋をファンの方に見せるのは当然のこと。どんな戦法でも、真剣勝負の中に遊びの心を持っていきたい」(120pより抜粋)という、塚田の思いの表れである。 まえがきより…「本書は、私自身としては初めての実戦集である。」って、もしもし、塚田さん?(汗)『攻めッ気100l 塚田の攻め将棋』(1989年、池田書店)って出てますけど?忘れちゃったんですか?それともゴース(以下略) それはともかく、本書は塚田の五段時代から八段時代まで(途中で王座獲得を含む)の勝局のうち、「攻める塚田」の特色がよく現れた27局を撰集している。そのうち相掛かりは17局(63%)で、それも派手で激しい将棋ばかりだ。ほとんどは塚田スペシャルとその変化形となっている。塚田スペシャルはプロでは破られた戦法だが、激しい攻め合いは並べてみて面白いものばかりだと思う。 その他の10局も、急戦だらけ。「とにかく先に攻めたい」という塚田と波長が合う人は、一度並べてみてください。(2003Sep25) |
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