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森下の矢倉 | [総合評価] A 難易度:★★★★ 図面:見開き5〜6枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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【著 者】 森下卓 【推 薦】 米長邦雄 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:1995年5月 | ISBN:4-89563-633-X | |||
定価:1,942円 | 241ページ/21cm/H.C. |
【本の内容】 |
・自戦記編=138p(12局) ・棋譜解説編=97p(38局) ・【資料】全成績 ◆内容紹介(オビより…米長邦雄推薦の言葉) 自戦記の随所に現れる森下八段のエピソードが、実に彼らしくて面白い。現代矢倉の歴史が序盤研究の牽引車である森下八段の解説で分かりやすい。地道で自然。これが森下将棋の特性である。 |
【レビュー】 |
森下のデビューから平成6年ごろまでの、相矢倉の自戦記。1992年〜1994年の棋譜が最も多い。B2→B1→A級と連続昇級、そのまま名人挑戦まで行った「森下最盛期」である。 自戦記編では、1棋譜あたり10ページを使って、対局時の心情やその戦型に対する見解、そしてたまに恋の話(笑)なども書かれている。もちろん解説は申し分ない。棋譜解説編は、1棋譜あたり2ページ(濃い棋譜のときは4ページ)と簡潔にまとめてある以外は、自戦記編と遜色ない。自戦記編はもちろんのこと、棋譜解説編もちゃんとしている。 『森下の四間飛車破り』(1996)とは違って、残念ながら“全棋譜”ではない。それでも50局とボリュームたっぷり。当時は“森下システム”が矢倉の主流だった時代であり、本書の矢倉もほとんど森下システムor加藤流▲3七銀である。急戦矢倉はあまりない。なお、全棋譜ではないのに、負け将棋もいくつか収録されているところはいかにも森下らしい(笑)。 森下の棋風は、「自陣は厚く」「できる限り全ての駒を使う、特に右桂は必ず使う」という感じ。面白いのが「自陣桂が好き」なこと。「自陣桂が打てれば必勝」らしい(笑)。また、理想は「一本の筋を引いたように完璧に勝つこと」。この理想はσ(^-^)には真似できないが、棋風は参考になるところが多かった。 『森下の四間飛車破り』のときもそうだったが、わたしは森下の棋譜を並べると調子が上がる。手厚く、余して勝つのが好みの人には超オススメだ。(2005Jan26) |