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■美濃崩し200

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美濃崩し200
zoom
最強将棋レクチャーブックス(6)
美濃崩し200
[総合評価] S

難易度:★★☆
  〜★★★★

見開き2問
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解答の裏透け:B
解説:A
読みやすさ:A
中級〜有段向き

【著 者】 金子タカシ
【出版社】 浅川書房
発行:2010年12月 ISBN:978-4-86137-029-8
定価:1,470円(5%税込) 236ページ/19cm


【本の内容】
※各章の詳しい内容はわたしが読んで付けたものです。
第1章 片美濃崩し
─部分テクニック1
・▲6二X△同金▲7一角(銀)の筋(第1問〜第9問)
・▲4四角は好位置(第10問〜第11問)
・▲6一金をずらす(第12問〜第17問)
・▲6二X△7一金▲5三角の筋(第18問〜第25問)
・△6一金を攻める(第26問〜第28問)
・端攻め(第31問〜第34問)
・その他の攻め(第35問〜第40問)
・▲7一角(銀)からの詰み(第41問〜第52問)
・端(▲9三X)からの詰み・必至(第53問〜第56問)
・▲7四桂の筋(第57問〜第61問)
・▲8六香(第62問)
62問
第2章 本美濃崩し
─部分テクニック2
・▲7一角(銀)を狙う攻め(第63問〜第68問)
・垂れ歩(第69問〜第74問)
・二枚飛車(第75問,第81問)
・▲3四角は好位置(第76問〜第80問)
・端攻め(第82問〜第88問)
・▲5五角のライン+コビン攻め(第89問〜第97問)
・コビン攻め・継ぎ桂(第98問〜第102問)
・継ぎ歩(第103問〜第106問)
・コンビネーション(第107問〜第114問)
・△4三銀を目標に(第115問〜第118問)
56問
第3章 高美濃崩し
─部分テクニック3
・△6一金・△6三金を狙う(第119問〜第124問)
・端攻め、桂頭攻め、玉頭攻め(第125問〜第129問)
・金を剥がす(第130問〜第133問)
・コンビネーション(第134問〜第145問)
・銀2枚金1枚の高美濃(第146問〜第148問)
30問
第4章 銀冠崩し
─部分テクニック4
・一段飛車(第149問〜第158問)
・二段飛車(第159問〜第162問)
・玉頭攻め(第163問〜第168問)
20問
第5章 木村美濃・金美濃崩し
─部分テクニック5
・二段飛車,▲4四角(第169問〜第178問)
・一段飛車(第179問〜第180問)
12問
第6章 トドメのテクニック ・▲6二銀の基本形のあとの寄せ(第181問〜第188問) 8問
第7章 定跡テクニック ・四間飛車vs急戦の終盤戦(第189問〜第200問) 12問

◆内容紹介
大好評の『
寄せの手筋200』に続編が登場! 美濃囲い攻略の手筋が200問ぎっしり詰まった、美濃囲い特化仕様の一冊です。やさしい手筋から徐々にステップアップしていくスタイルは変わらず、ひとつひとつ解いていくことで自然と筋のよい寄せが身につきます。
美濃囲いには、片美濃・本美濃・高美濃・銀冠、さらに木村美濃や金美濃などさまざな形があります。それらたくさんの美濃囲いを「囲いのタイプ別」に分類し、さらに、実際の終盤で頻出する囲い崩しの手筋を種類別・レベル別に配列しました。こうした部分テニクックを体系的に学んだあと、最後に応用編として、自玉との兼ね合いを考える最終盤の練習、美濃崩しのテクニックが定跡の中でどのように生きているか、などを見ていきます。
また、攻めの方向を「ヨコ・タテ・ナナメ・端」と分類し、寄せのプロセスを視覚化しました。
たくさんの基本パターンを身につけ、その基本手筋をちょっと組み合わせるだけで、流れるような華麗な寄せを実現できます。

なお、本書は、1990年代に刊行された本(『
美濃崩し180』)を大幅に加筆・修正し、「決定版」として世に問うものです。


【レビュー】
美濃囲いを攻略する問題を集めた本。『美濃崩し180』(金子タカシ,屋敷伸之監修,高橋書店,1993)を加筆修正したもの。

名著『美濃崩し180』のバージョンアップなので、S確定。以上。 …………ではレビューにならないので(笑)、もう少し詳しく見ていこう。

美濃崩し180』は、いわゆる「金子三部作」の一つで※1、美濃囲い(銀冠や木村美濃も含む)を崩す手筋を一堂に集めたもの。美濃囲いを崩す問題を扱った終盤の本はいくつもあるのだが、美濃崩しに特化した本としてはほぼ唯一で、高い人気があった。おそらく、三部作の中ではもっとも品薄だったと思われる。

三部作の一つ『寄せの手筋186』では必至か詰めを狙う問題だったが、『美濃崩し180』ではとにかく「最も速い攻め」を問うものだった。つまり、優先順位は[詰み]>[必至]>[詰めろ・駒を剥がすetc.]となる。

わたしの場合、『佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所』(佐藤康光,日本放送出版協会,1995)で美濃崩しの基本的なことを覚え、『光速の寄せ(1) 振り飛車破りの巻』である程度の知識を備え、そして『美濃崩し180』で多くの知識を仕入れた。この段階は、わたしの将棋人生の中でもぐんぐん棋力が上がるのが感じられた時期だったと思う。

そして、本書『美濃崩し200』である。これは、前作『美濃崩し180』をベースに、問題を1割強追加したバージョンアップ版となる。問題や解説の高品質さはもちろんそのまま。

なお、完全上位互換というわけではなく、前作Chapter4の「実戦テクニック」(監修の屋敷伸之(現九段)の実戦譜が題材)はカットされている。また、攻めの方向(タテ、ヨコ、ナナメ、端)を示すアイコンが変更されている。

  タテ ヨコ ナナメ 複合(例)
美濃崩し180
『美濃崩し200』


本書と前作の問題対応表を作成してみたので、興味のある方はどうぞ。
●『美濃崩し200』 問題対応表(Excelファイル)



さて、本書の問題の場合、前述のように「最も速い攻め」を考えていくのだが、注意すべき点もいくつかある。本書の解説では面白いように美濃囲いが崩れていくのだが、受け方が「対応」したために、かえって攻めが速くなっている場合がある。※2

これはココセというわけではなく、囲い崩しの問題では次のようなことをいつも考えておく必要がある。

 ・受け方が全て手抜きをした場合、何手スキの攻めになっているのか?
 ・駒損を甘受された場合、かえって攻めにくくなることはないか?攻めが遅れることはないか?
 ・渡す駒は何か? 途中で攻め駒を素抜かれる心配はないか? ...etc


本書からいくつか問題を紹介してみよう。

第1問
●第1問

「一段飛車+▲6二X」の基本形。一段飛車が盤上にあり、ナナメ駒(角or銀)が持駒のとき、前に利く駒で△6一金の頭を叩き、△同金▲7一角(銀)を狙う。△6一金が移動すれば王手がかかりやすいという、美濃囲いの弱点を的確についた手筋である。
美濃崩しの中でも最も基本となる形であり、さまざまな手筋を用いてこの形に持ち込むこともあるし、▲7一角(銀)を含みにして端を攻めるなど、応用範囲も広い。
この手が入ると、美濃囲い側は粘りづらい形になる。また、▲6二銀と打ち込んだ状態がそのまま詰めろや二手スキになっていることが多い。これは第6章で検討されている。
基本ではあるが、この手筋を知らない人が自力で発見するのは難しく、教わらなければ指せない手だろう。逆にこの手筋を知っているなら、もう初級者ではない。
第18問
●第18問

左図から▲6二香△7一金(△同金は▲7一角)▲5三角!という手筋。次に▲7一龍△同金▲6一香成(両王手)が猛烈に厳しい。実戦ではなかなか実現しにくいが、この筋を含みに攻めることは結構多い。第114問のように複合的に決まると爽快。

ただし、▲6二香に△7一金と反応すると攻めが速くなっている場合があるので注意が必要だ。「手抜きの場合はどうか」も常に考えておきたい。
第31問
●第31問

左図から▲9五歩△同歩▲6二香△7一金▲9二歩△同香▲9一銀△同玉▲7一龍という手筋。同様の筋は何度も出てくるし、実戦でも使用頻度の高い手筋ではある。
ただし、この手筋を妄信してはいけない。場合によっては攻めにくくなる。確かに美濃囲いを崩しながら金を剥がしているのだが、後手玉を穴熊に潜らせた形になっているので、後続手段がなければ「わざわざZを作ってやった」ということになりかねない。この問題の場合、▲7一龍に△8二銀▲7二龍△7一銀打にさらに攻めを続けるなら▲7一同龍△同銀▲6一香成か?居飛車としては第32問の攻め方を選ぶ方が良いかもしれない。
第31問の形で使うというより、この手筋を応用した形で使いこなせれば、大きな戦力となるだろう。


「(穴熊を除いた)振飛車の囲い崩し」の本としては、間違いなく最高レベル。『寄せの手筋200』と併せて、何度も復習して頭に叩き込んでおきたい一冊。

※1 ^ 「金子三部作」の他の2冊は『寄せの手筋168』(金子タカシ,塚田泰明監修,高橋書店,1988)と『凌ぎの手筋186』(金子タカシ,塚田泰明監修,高橋書店,1990)。
※2 ^ 姉妹書の『寄せの手筋200』の場合は「詰めor必至」を問うていたので、場合によって攻めが遅くなるという心配はなかった。

※誤植・誤字(初版で確認)
 2015May10追記(パルテノンさんご指摘thx!)、第3刷(2013年10月1日)の情報追加(名無しさんthx!)

p32解答20 図の上の見出し ×「▲6二香成まで」 ○「▲6二成香まで」 〔第3刷で未修正〕
p40解答27 問題図と解答図で端歩の駒配置が違う(問題図では9筋の突き合いなし、解答図では9筋の突き合いあり) 〔第3刷では、問題・解答ともに▲9七歩・△9三歩になってる〕
p70解答図の駒配置 ×「▲6五角」 ○「▲5五角」 
名無しさんご指摘thx! 〔第3刷で未修正〕
p96解答81 ×「▲5二龍があるので」 ○「▲5二飛成があるので」 〔第3刷で未修正〕
p115 印刷不良(カスレ)がある。(わたしの版だけかもしれない)
p122解答107 図の上の見出し ×「7一龍まで」 ○「7一飛成まで」 〔第3刷で未修正〕
p124解答110 図の上の見出し ×「7一龍まで」 ○「7一飛成まで」 〔第3刷で未修正〕
p126 △「▲5三桂に△5一金」 ○「▲5三桂に△5一金寄」 〔第3刷で修正済み〕
p182解答164 図の上の見出し ×「8一龍まで」 ○「8一飛まで」 〔第3刷で未修正〕



【関連書籍】
 『
美濃崩し180
[ジャンル] 
寄せ・囲い崩しの手筋
[シリーズ] 
最強将棋レクチャーブックス
[著者] 
金子タカシ
[発行年] 
2010年

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