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■パワーアップ戦法塾

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パワーアップ戦法塾
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NHK将棋シリーズ
パワーアップ戦法塾
[総合評価] C

難易度:★★★☆

図面:見開き4枚
内容:(質)B(量)B
レイアウト:B
解説:B
読みやすさ:B
中級〜上級向き

【著 者】 豊川孝弘
【出版社】 日本放送出版協会
発行:2004年3月 ISBN:4-14-016122-1
定価:1,000円 224ページ/19cm


【本の内容】
1章 奇想天外おもしろ戦法 (1)対美濃・9筋集中砲火戦法
(2)4手目△7四歩戦法
(3)相掛かりビックリ銀戦法
(4)対矢倉一直線棒銀
(5)超急戦居飛穴つぶし
(6)浮き浮き飛車戦法
・力試し詰将棋(1)
52p
2章 マイペース痛快戦法 (1)角頭歩突き戦法
(2)速攻・ヒネリ飛車模様▲6五桂
(3)袖飛車戦法
(4)横歩取り△4四角戦法
(5)右四間飛車矢倉崩し
(6)ヒラメ戦法
・力試し詰将棋(2)
52p
3章 大まじめ本格戦法 (1)鳥刺し戦法
(2)地下鉄飛車戦法
(3)右玉戦法
(4)雁木戦法
(5)かまいたち戦法
(6)対四間飛車・富沢キック▲4五桂
・力試し詰将棋(3)
52p
4章 ロマン追求個性派戦法 (1)向かい飛車・居飛穴破り
(2)阪田流・筋違い角戦法
(3)升田式石田流
(4)ゴキゲン中飛車
(5)立石流四間飛車
(6)向かい飛車▲9六歩戦法
(7)自在飛車△3三角戦法
・力試し詰将棋(4)
62p

・【コラム】(1)詰将棋で終盤力を強化! (2)相対性理論 (3)富沢幹雄八段 (4)戦法は夢いっぱい

◆内容紹介(NHK出版HPより)
棋力アップには得意戦法を持つことです。本書は奇襲派から本格派まで、実戦ですぐに役に立つ25の戦法を初手から必勝といえる局面までを紹介します。まだ得意戦法が見つからない人、戦い方がマンネリ化してきている人には心強い味方です。


【レビュー】
奇襲戦法・ユニーク戦法の解説書。NHK講座「ファイター豊川のパワーアップ戦法塾」(1999年度後期)をまとめたもの。

指して楽しい個性的な25戦法を紹介。基本的に先手が勝ちになる展開を紹介。後手の作戦の場合は、先後逆表記で手前側(実際は後手)が勝ちになる。作戦を防ぐ方法や、互角にとどめる方法についてはノータッチ。

各戦法の解説は、[パワーアップ図(ハイライト図)]→[初手からの解説]→[エッセンス(まとめ)]という流れ。[パワーアップ図]は次の一手問題になっているので、本文を読む前に一考しておくと良い。[まとめ]は、戦法を指しこなすときのポイントが箇条書きで書かれている。

目次を読んでもよく分からない戦法がいくつかあるので、ピックアップして説明していこう。

●1章(1) 対美濃・9筋集中砲火戦法
対美濃囲い端棒銀。後手が無警戒すぎるとは思うが(△8二玉としなければここまで簡単には潰されない)、決まれば痛快で面白い戦法。

●1章(3) 相掛かりビックリ銀戦法
相掛かりからのタテ歩棒銀、またの名を飛尻出棒銀。浮き飛車▲2六飛の下(尻)から銀が出てくるのが名前の由来。複合的な狙いがあり、破壊力もある。『速攻!!相掛かり戦法』(屋敷伸之,高橋書店,1993)や『奇襲虎の巻』(神谷広志,MYCOM,1994/2003)『居飛車奇襲戦法』(井上慶太,創元社,2002)などにも載っている。

●1章(4) 対矢倉一直線棒銀
先手が矢倉模様を目指したとき、後手が居玉で棒銀に来る戦法。『矢倉急戦道場 棒銀&右四間』(所司和晴,MYCOM,2002)には載っていない変化がメインで、△9五銀に▲7五歩と受ける変化を解説。

●1章(5) 超急戦居飛穴つぶし
▲四間飛車で、後手が△1一玉と居飛穴に潜った瞬間に、▲2五桂と単騎跳ねする。先手は美濃囲いにすら組まず、藤井システムよりも激しい。

●1章(6) 浮き浮き飛車戦法
初手から▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲2六飛からの一歩かすめ取り作戦。『奇襲大全』(湯川博士,MYCOM,1989)にも「目くらまし一歩得作戦」として紹介されているが、本書では単に一歩得で満足するのではなく、後手の対応が(1)△3二飛 (2)△8四歩のいずれかによって作戦を変えていく。もちろん、一歩得を生かした戦いになる。

●2章(4) 横歩取り△4四角戦法
『B級戦法の達人』(週刊将棋編,MYCOM,1997)に載っていた、いわゆる「横歩取り素抜きトリック」。『郷田真隆の指して楽しい横歩取り』(郷田真隆,フローラル出版,2002)にも載っていた。本書ではその2冊よりも少し詳しく書かれていて、▲8七歩△7六飛▲7七銀△7四飛▲5六角という他書に載ってない対策も紹介されている。

●4章(6) 向かい飛車▲9六歩戦法
角道オープンの向飛車で、序盤になにげなく▲9六歩を突いておく。タイミングを計るとともに、どこかで(結構あとで)▲9七馬と引く手を作る深謀遠慮の構想。

●4章(7) 自在飛車△3三角戦法
いわゆる「4手目△3三角戦法」。選択次第でいろんな形に化ける戦法であり、本書では(1)立石流に組む形、(2)ひねり飛車風の変化、(3)向飛車への転進、などを紹介。


本書の内容は、片方が一方的に勝っているので公平な視点ではないものの、戦法の狙いを分かりやすく解説しているという点では良かった。ただ、非常に読みにくくてストレスがたまる。それは決して豊川のダジャレのせいではなく(※を参照)、図面配置のせい。図面の配置が「開始図→棋譜」でなく、「棋譜→結果図」という構成なので、開始図を探したり、前ページをめくり戻しながら何度も見直すという作業が頻繁に発生してしまっている。

文章は読みやすくて分かりやすいだけに、残念。ただ、他書よりも深く切り込んでいる箇所もいくつかあるので、読みにくさを我慢して読む価値はあると思う。(2010May08)

※ダジャレで知られる豊川だが、本書ではほとんどなかった。『メリケン向飛車』(横山公望,三一書房,1995)みたいにならなくて良かった…。と油断していたら、後半には高度な(?)ダジャレがちょこちょこあった。(例:p211「完封マサチューセッツ州」(完封→乾布摩擦→マサチューセッツ))
※誤植、誤字
p132 ×「結局3図(129ページ)で、」 ○「結局B図(131ページ)で、」
p169 ×「△8三歩と誤るのは」 ○「△8三歩と謝るのは」
p210 ×「非情な一手▲7五歩」 ○「非情な一手▲7五馬」



【関連書籍】

[ジャンル] 
奇襲・超急戦
[シリーズ] 
NHK将棋シリーズ
[著者] 
豊川孝弘
[発行年] 
2004年

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