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■将棋 絶対手筋180

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将棋 絶対手筋180
zoom
マイコミ将棋文庫SP
将棋 絶対手筋180
勝つために必要な将棋の鉄則
[総合評価] B

難易度:★☆〜★★

見開き1問
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解答の裏透け:B
解説:B
初心〜初級向き

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【監 修】 渡辺明
【出版社】 毎日コミュニケーションズ
発行:2011年6月 ISBN:978-4-8399-3927-4
定価:1,050円(5%税込) 384ページ/16cm


【本の内容】
序章 将棋のルール   10p
第1章 序盤絶対手筋60
(手筋1〜手筋60)
前進の歩1 角道
前進の歩2 飛先
矢倉
角換わり
ゴキゲン中飛車など
122p
第2章 中盤絶対手筋60
(手筋61〜手筋120)
銀の割り打ち
桂での両取り
継ぎ歩
たたきの歩
焦点の歩など
122p
第3章 終盤絶対手筋60
(手筋121〜手筋180)
垂れ歩
金底の歩
舟囲い攻略
穴熊攻略
詰み
詰めろ逃れなど
122p

◆内容紹介
手筋とは、先人の研究で分かってきたある局面、ある形での有効な指し方のこと。序盤から終盤までどのような手を指していけばよいか、その道しるべとなるもので、特に初級者の方は、基本手筋をたくさん知ることで棋力の大幅アップを図ることができます。
本書では将棋のルールに加え、渡辺明竜王監修の序、中、終盤の手筋がそれぞれ60問、計180問出題、解説されています。
入門から、勝つために必要な基礎知識まで一気に身に付けることができる画期的な一冊です。将棋上達の第一歩として、是非役立ててください。


【レビュー】
易しい手筋を次の一手形式で解説した本。

「歩がぶつかったら取る」「両取りをかける」─これらは、手筋と呼ぶにはあまりにも易しく、ちょっと将棋をかじったことがある人なら当たり前のように思える。しかし、本当の初心者の将棋を見ていると、序盤で歩をまったく突かずに自陣を固めていたり、歩がぶつかっても取らないのはよく見かける。

世の中にはたくさんの「級位者が上達するための本」が出ているが、それらを理解するにはすでに将棋の常識をある程度身につけている必要がある。超初心者には、将棋の常識以前の「超常識」的な手筋から「知る」ことが大切だ。

本書は、駒の動き方とルールを覚えた人が、次のステップに進むために読む本である。このような本は意外と少なく、近年では『攻める守る 将棋 駒の使い方ドリル』(飯野健二,池田書店,2009)くらいだと思う。

本書の内容を章ごとに紹介していこう。

序章は将棋のルール。一応、入門者にも対応しているわけだが、あまりにもザックリ過ぎるので、この章は不要だと思う。
初形/升目の符号/駒の動き/駒を動かす/駒を取る/成る/打つ/詰み/禁じ手/反則/引分

第1章は序盤の手筋。

前進の歩(角道を開ける、飛先を伸ばす)/歩の衝突/歩で角を殺す/駒の価値/成る/角頭を守る/垂れ歩/角には角/飛を振る/銀の好位置/玉の移動/序盤は奇数の歩を突く/美濃囲い/穴熊/etc.

「歩を突く」や「駒がぶつかったら取れる」といった、初歩の初歩から出題している。このレベルから出題した本はなかなかない。

また、本章では次のような戦型の序盤の超常識も扱っている。

相掛かり/3手目角交換/大野流向飛車/ノーマル振飛車/△石田流/矢倉/角換わり/一手損角換わり/横歩取り/ゴキゲン中飛車/▲中飛車/相振飛車/etc.

第2章は中盤の手筋。

両取り/敵駒を殺す/金は斜めに誘え/合わせ歩/ダンスの歩/突き捨ての歩/継ぎ歩/銀交換/銀を見捨てて飛先突破/棒銀の端攻め/押さえ込み/拠点の歩/十字飛車/タタキの歩/突き出しの歩/大駒を近づける/連打の歩/争点替え/突き違いの歩/攻められたところに飛を振る/焦点の歩/三歩突き捨て/引き角/角を捌く/飛を捌く/馬を封じる/垂れ歩/数の攻め/拠点に打ち込む/割り打ち/etc.

中盤の手筋は、易しい本もたくさん出ている。「駒の手筋の本」などを参考にしてみてください。

第3章は終盤の手筋。囲いの崩し方や、守る側の立場に立った受け方、最終盤の詰みや必至関係の手筋を出題している。

美濃崩し(高美濃,銀冠も含む)/舟囲い崩し/穴熊崩し/矢倉崩し/必至の手筋/詰み手筋/詰めろ逃れ/詰み逃れ/etc.

終盤の手筋については、専門の本もたくさん出ている。「寄せ・囲い崩しの本」を参照してほしい。

最近のMYCOMの級位者向けの本では、『将棋・ひと目の手筋』(週刊将棋編,渡辺明監修,MYCOM,2006)があったが、本書では「“ひと目の手筋”よりもひと目」の問題が満載である。前述の『攻める守る 将棋 駒の使い方ドリル』と併せて読めば、超基本の常識はバッチリだ。これだけで大きな成長を感じられると思う。

ただし、ルビがないので、小学低学年の方には対応できていないのが残念なところ。(2011Jul01)



【関連書籍】

[ジャンル] 
その他の手筋
[シリーズ] 
マイコミ将棋文庫SP
[著者] 
渡辺明
[発行年] 
2011年

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