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■はめ手入門

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はめ手入門
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ベストセラーシリーズ〈ワニの本〉
ヘボ将棋に強い(1)
はめ手入門
[総合評価] B

難易度:★★★

図面:見開きMAX6枚
内容:(質)B(量)A
レイアウト:A
解説:A〜B
読みやすさ:A
中級〜上級向き

Not found at Amazon.co.jp

【著 者】 森けい二
【出版社】 KKベストセラーズ
発行:1976年10月 0200-011293-7617
定価:580円 237ページ/18cm


【本の内容】
序章 びっくりハメ手 ─アッといわせる“四大奇襲戦法”
1章 先手番!必勝法 ─序盤で勝ちを決める必死必殺の先制パンチ
2章 一発逆転の必殺わざ ─負け将棋をひっくり返す鬼手妙手の連続攻撃
3章 “大駒”タダ取り作戦 ─局面を一気に優勢にする“飛車・角”攻撃ゲーム
4章 堅陣破りのトリック ─敵玉に急迫する「王手!王手!」の急攻破壊工作


【レビュー】
次の一手解説集。

「はめ手入門」──怪しいタイトルである。各章のサブタイトルもものすごく怪しい。

はめ手とは、通常「相手を計略にかける手段」という意味で使われており、将棋では「相手が気づかなければ大成功になるが、相手が気づいて正しく対処されれば不利になる」という類の手である。

では、本書は奇襲作戦満載の本かといえば、そうではない。森は、はめ手を「それぞれの局面に対するねらい方」(p10)と定義しており、コツとして「ハメるには、直接手でなく、次の一手、すなわち三手目の好手をねらう」(p12)としている。

本書の中身は、正真正銘のハメ手も1割くらいあるが、その他は「有段者なら必須の手筋や考え方の解説」である。実実戦的に逆転を狙う方法や、開き直り方なども書かれているが、ハメ手ではない。

とすると、本書のタイトルは微妙だ。多くの級位者を魅き付けたかもしれないが、多くの人に敬遠されただろう。わたしも実際に読むまでは奇襲の本だと思っていた。名称と内容のミスマッチは、どちらかといえば損をした方が多いのではないだろうか。

というわけで、タイトルは怪しいが(文章もたまに怪しい(笑))、内容は至極真っ当に近い本である。ハメ手というよりは、ヘボ将棋では考え付かないようなさまざまな好手、妙手、考え方などを解説した本だといえよう。

各章の内容を紹介していこう。

序章「びっくりハメ手」
王手で捨て駒をして相手の攻め駒を抜く/継ぎ桂で美濃囲いを攻略/逆王手で逆転を狙う/etc.

第1章「先手番!必勝法」
本書の中ではもっともハメ手色の濃い章。

超急戦向飛車/早石田で△8六歩を誘う/早石田の成功例/ツノ銀中飛車の仕掛け方/タテ歩取りでの▲9七桂〜▲2五飛/etc.

第2章「一発逆転の必殺わざ」

逆王手/詰めろ逃れの詰めろ/王手で敵の攻め駒を抜く/中合い/最後のお願い/即詰み/Zの作り方/必至をかけて勝つ/1枚捨てて逃げ道を作る/終盤は駒得に目をくらますな/「軽い」と「重い」/入玉戦は大駒を狙う/詰めで端の銀捨てを考えてみる/不利なときは詰めてみろと開き直る/詰めの好手各種/etc.

第3章「“大駒”タダ取り作戦」
本当にタダ取りなのではなく、間駒を捌いて飛角を素抜いたり、大駒を封殺したりする手筋を解説。

飛の素抜き/飛香落ちでの角の素抜き/横歩取りのハマリ形/ヒネリ飛車の好捌き/飛車落ちのハメ手対策/etc.

第4章「堅陣破りのトリック」

美濃崩しの▲5五角〜▲7四桂を実現させる方法/王手で敵の攻め駒を抜く/舟囲い崩し/美濃崩しの一段飛車+▲6二銀/桂でこじあける/角で玉を間接的ににらむ/飛車落ち▲右四間の裏定跡/二枚落ちの決め手/下手に受けると敵の攻めが速くなる場合がある/鬼手のコツ/リズムよく突き捨てる/二枚落ちの飛車切りのタイミング/指し切って負けるよりも一手違いで詰まされる方が良い/etc.


本書は一応「次の一手本」であるが、解説は問題図と同じページからスタートする。テーマ図によって、解説の量が大きく変わってくるのが特徴。スペースの都合で省略、などという大人の事情は採らないところは好感が持てる。

一方、誤植は結構多い。近年出ている森の次の一手本も誤植が多いが、これは昔からなのね…。(2011Jun28)


※ときどき「棋力テスト」として、次の一手が5択で出題されている。どの選択肢を選んだかで棋力判定がされている。この選択肢の中に、まさか二歩のものが含まれているとは思わなかった。これは誤植ではなく、著者が意図的に設定したもの。「この手を選んだ人は筋がいいが、残念ながら二歩である」の旨が書かれている。気づかず引っかかりましたorz

※誤植・誤字等(初版で確認):
[全体] 「角成」「成桂」などは、すべて「角成り」「成り桂」のように送り仮名つきで表記されている。下記の修正案は、送り仮名付きは本書では正しいものとして記しておく。
p16 ×「玉手馬取り」 ○「王手馬取り」
p47 ×「手だし」 ○「出だし」
p50 ×「▲2角成り」 ○「▲2二角成り」
p93 ×「(D)▲7一飛成り」 ○「(D)▲1一飛成り」
p103 A-1図 ×△3三玉 ○△2四玉
p181 ×「▲4二銀成り」 ○「▲4二成銀」
p205 ×「△5一飛成り」 ○「△5九飛成り」
p212 ×「▲4三桂成り」 ○「▲4三成桂」 (2ヶ所)
p226 ×「△3八竜、▲1玉」 ○「△3八竜、▲1七玉」
p229 ×「そして△8四歩と」 ○「そして△8六歩と」



【関連書籍】

[ジャンル] 
次の一手問題集
[シリーズ] 
ヘボ将棋に強い
[著者] 
森けい二
[発行年] 
1976年

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