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■将棋・ひと目の必死

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将棋・ひと目の必死
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マイコミ将棋文庫SP
将棋・ひと目の必死
[総合評価] S

難易度:★★★☆
  〜★★★★☆

見開き1問
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解答の裏透け:B
解説:A
上級〜向き

【著 者】 金子タカシ
【出版社】 毎日コミュニケーションズ
発行:2011年3月 ISBN:978-4-8399-3852-9
定価:1,050円(5%税込) 384ページ/16cm


【本の内容】
序章 必死のパターン分類=11p
第1章 1手・3手の必死(1手=33問/3手=57問)
第2章 5手・7手の必死(5手=45問/7手=20問)
第3章 9手以上の必死(9手=8問/11手=4問/13手=1問/17手=1問/21手=1問)

◆内容紹介
必死問題集の決定版!!
本書は必死の第一人者、金子タカシによる名著『
ザ・必死』、『詰みより必死』から70問ずつを厳選し収録、さらに新題40問を加えて完成した必死問題集の最高傑作です。
序章では必死のパターンを5つに分類して詳しく解説しています。これを読みやさしい1手必死から解いていくことによって、どんどん必死の掛け方がわかってきます。
「長い詰みより短い必死」は勝率アップへの秘訣でもあり、明日からの実戦に必ず役に立つことでしょう。


【レビュー】
必至問題集。過去に出版された金子タカシの必至問題集2冊『ザ・必死』(MYCOM,1994/2003)と『詰みより必死』(MYCOM,1996/2003)から各70問を撰集し、新作問題40問を追加したもの。

序章で「必至の決まり型の分類」をしてあるのが秀逸(原著2冊も同様)。金子流の必至の分類は、次の5つ。

 A. 数的優位
 B. 二つ以上の詰めろ
 C. 受ける場所なし
 D. 両王手
 E. 切り返し

玉方の対応によっては、複数の属性が付くこともあるが、本書では基本的に1問につき1つになっている。他の必至本では、「どうやっても受けがないことを確認してください」などと書いてあることも多いが、本書ではこの工夫のおかげで「なぜ必至なのか」が論理的に明確に分かる。

金子タカシ特有(?)の精緻な解説も健在。変化もほとんど抜け・漏れがなく、やってしまいそうな失敗手順の解説もあり、必至になっている理由も非常に論理的な説明で、解説を読んだときの「納得感」がすごい。個人的なことを言えば、わたしは金子タカシの解説に惚れ込んだからこそ、将棋や棋書レビューを続けていると言っても過言ではない。

180問中140問は過去の本からの収録ということなので、対応表を作成してみた。



ちなみに『ザ・必死』『詰みより必死』からは『寄せの手筋200』(金子タカシ,浅川書房,2010)にも20問強ずつ収録されているが、『寄せの手筋200』に収録された問題の本書には入っておらず、重複はない。(正確には、下表のように3問の重複があるが、『寄せの手筋200』収録時に少し問題が改変されている)



本書の必至問題は、いわゆる「実戦形」が非常に多く、歩や桂香の配置が自然なものが多い。実際に実戦に出るかどうかは別だが、まったく同じ形でなくても、急所に自然に目が行くトレーニングになると思う。

なお、「ひと目シリーズ」として出版されているが、本書の問題は1手必至でも「基本問題」よりは一段階上のものである。各章の冒頭にも次のように書いてあった。

 第1章(1手・3手)冒頭:「本章の問題を「ひと目」でスラスラ解ければ、立派な有段者でしょう。
 第2章(5手・7手)冒頭:「本章を「ひと目」でスラスラ解ければ、高段者でしょう。
 第3章(9手以上)冒頭:「かなりの実力者でも「ひと目」で解くのは大変でしょう。


つまり、従来の「ひと目シリーズ」より難易度が高めなので要注意だ。ただし、「基本的な必至の形」を理解している人がたくさん問題を解いていくのにはとても有用。必至の初心者は、先に『寄せの手筋200』や『寄せが見える本【基礎編】』(森けい二,浅川書房,2004)に挑戦するのが望ましい。

わたしにとっては、大半は10年ほど前に解いたことのある問題だったが、もう一度解いてみた。すると、手数に関係なく1割くらい誤答してしまったが(詰み手順の長い問題は苦手です…)、過去にはほとんど解けなかったはずの5手や7手でもスラスラ解けるものも多くなっていた。この十数年間で必至問題の良書がたくさん出ているので、それらを解いてきた成果が出ているのだなぁと思う。そういえば、最近は実戦でもきれいな必至をかけて勝てることが多くなっている気がする。

180問+αで1000円強のお買い得価格、良問ぞろいで解説も良質、とかなりの良書なので、この一冊だけを見れば「買い」の一手である。ただし、原著の2冊をすでに持っている人にとっては、「40問で1000円」はちょっとつらいかも。わたしの場合は、原著を持っているものの、大半を忘れてしまっているので、特に支障はありませんでした。(2011Mar24)

※誤植・誤字等(初版第1刷で確認):
p132(第57問解説) ×「よって△1四玉だが」 ○「よって△1三玉だが」
p194(第88問解説) ×「1三の銀が取れなくては」 ○「1三の金が取れなくては」



【関連書籍】

[ジャンル] 
必至問題集
[シリーズ] 
マイコミ将棋文庫SP
[著者] 
金子タカシ
[発行年] 
2011年

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