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■とっておきの相穴熊

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とっておきの相穴熊
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とっておきの相穴熊 [総合評価] A

難易度:★★★★

図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
上級〜有段向き

【著 者】 広瀬章人 遠藤正樹
【出版社】 毎日コミュニケーションズ
発行:2007年10月 ISBN:978-4-8399-2622-9
定価:1,449円(5%税込) 224ページ/19cm


【本の内容】
第1章 相穴熊の基本的な戦い ・四間飛車基本1図 振り飛車5二金型
・四間飛車基本2図 振り飛車6一金型
・三間飛車基本図 守備金の寄せ方
40p
第2章 相穴熊における
終盤戦の考え方
・穴熊の特性 ゼットと速度計算
・相穴熊仮想A図 6八金、6二金型
・相穴熊仮想B図 7八金、7二金型
・相穴熊仮想C図 5六歩、5四歩型
28p
第3章 実戦における考え方 (1)定跡形からの仕掛け
(2)桂香を簡単に取らせない
(3)終盤の入り口からの速度計算
(4)飛車先の受け方
(5)負担になりそうな駒のさばき方
(6)強襲の成否1
(7)強襲の成否2
(8)有利な側の指し方と不利な側の指し方
(9)苦戦を強いられたときの考え
(10)後手の穴熊で狙う駒はどこか
(11)ビッグ4攻略法
(12)わかりやすい寄せ形を狙う
(13)逆転を許さない寄せの構図
(14)と金攻めを間に合わさない
(15)後戻りできない攻め合いでの考え方
(16)食い付ける形の認識
(17)大駒の働きの重要性
(18)手抜くべき場面とは
(19)形を決めて優勢から勝勢へ
(20)決めどころを逃さない寄せ
(21)一気の寄せと回り道の寄せ
(22)相手の駒の働きを抑える受け
(23)終盤戦の詰めろの掛け方と考え方
(24)攻め合いか受けきりか
(25)手数を稼ぐ受け
(26)ゼットを作る受け方
133p

・思い出の相穴熊戦
・参考棋譜

◆内容紹介
本書のテーマは相穴熊です。昔からの人気戦法ですが、藤井システムの勢いが一段落した現在、居飛穴の堅さに対抗する手段として注目を浴びています。
 振り穴を得意とするプロ棋士広瀬五段と、「アナグマン」と呼ばれるほど穴熊を得意としている遠藤アマ七段が、相穴熊の序・中・終盤それぞれのテーマ図に対してそれぞれの形勢判断と狙い筋を示し意見をかわしています。
 広瀬五段は
プロらしい鋭い着手と正確な速度計算を披露。いっぽう遠藤アマは時間の短いアマ大会で鍛えられた、実戦的な指し回しを随所に見せています。相穴熊を指しこなすコツが満載で、勝率アップ間違いないでしょう。


【レビュー】
相穴熊についてアマとプロのスペシャリストが語る本。

相穴熊という戦型は、わずかに居飛車が有利であると言われている。その理由は、「玉型が同じで堅さが同じなら、飛車先の歩が伸びている分だけ居飛車良し」というものだ。しかし実戦ではそう単純なものではなく、どちらかといえば「相穴熊に熟練した人」「相穴熊独特の感覚を持っている人」の方が勝ちやすい。序盤研究も大事だが、相穴熊感覚はもっと大事なのである。

本書では、その「相穴熊感覚」について、遠藤アマと広瀬五段(出版時)が語る。遠藤アマは「アナグマン」と呼ばれる穴熊スペシャリスト。プロとの対局も多く、何度も勝利を得ている。一方の広瀬五段は出版時若干20歳の若手の有望株。やはり穴熊のスペシャリストで、居飛穴側を持つことも結構多い。

第1章は、序中盤のテーマ図3つ。指し手の候補がいくつもある局面で、遠藤・広瀬が指したい手とその根拠を検証していく。テーマ図は結構メジャーな局面で、有段者の穴熊党なら「ああ、あれか」とピンと来るだろう。しかしそこまでの手順は載っていないので、分からない人は他書(『四間飛車道場 第七巻 相穴熊』など)で補う必要がある。よって本書の中では少し難しい。

第2章は、相穴熊終盤戦の基本的な考え方について。この章は対談形式ではなく、講座。筆者は週刊将棋の講座担当者と思われる。「ゼット」(絶対詰まない形)という超大事な感覚と、同じ玉型での急所について書かれた基礎講座なので、必ずこの章は読んでおくこと。(第3章を読むためには、第1章は読まなくてもよいが第2章は必須)

第3章は本書のメインで、実戦の中終盤をテーマに検討していく。読みがかなり必要ではあるが、感覚も相当大事にされていて、さながら『読みの技法』や「絶対感覚シリーズ」のようである。

第1章と第3章は基本的に対談形式。各テーマ冒頭1ページで、テーマ図とその状況説明が入り、その後だいたい遠藤が切り出す形でスタートする。遠藤が思っている大局観、読みを述べた後、広瀬が詳しい読みを披露して、テーマ図に対する大局観と指し方の指針に結論を出すというパターンになっている。

広瀬の読みの精密さは遠藤を上回っていることが多いが、遠藤もときどき広瀬を感心させるような発言をする。しかし、これは「広瀬>遠藤」という意味ではない。もちろん、プロの舞台で広瀬vs遠藤の相穴熊戦を行えば広瀬が勝ち越すと思われるが、遠藤の感覚はアマの舞台(短時間&一発勝負)に基づいたものであり、我々アマはむしろ遠藤の感覚の方が参考になるだろう。

対談形式なので、かなり読みやすいのは○。発言をそのまま載せているわけではなく、棋書での講座を意識して編集されているので、検討の臨場感はやや失われているが、読みやすさは抜群である。

本書と似たようなコンセプトの本で『秘伝 穴熊王』(美馬和夫,MYCOM,1995)があるが、本書の方が2人分の感覚と読みを味わえるし、個人的には好きだ。ただし、アマ二段〜四段くらいを狙った作りになっているので、ディープな読み合いを期待していた高段者には物足りない感じがするかもしれない。(2008Mar11)


【他の方のレビュー】(外部リンク)
棋書解説&評価委員会
14へ行け
三軒茶屋 別館
T's shogi blog
振り飛車日誌 どっと.NET
白砂青松の将棋研究室
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー




【関連書籍】

[ジャンル] 
穴熊
[シリーズ] マイコミ将棋ブックス
[著者] 
広瀬章人 遠藤正樹
[発行年] 
2007年

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