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将棋世界BOOKS 四段コース問題集 実力養成! |
[総合評価] B 難易度:★★★★ 見開き1問 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解答の裏透け:A 解説:A 上級〜有段向き |
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【編】 将棋世界 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2009年9月 | ISBN:978-4-8399-3333-3 | |||
定価:1,470円(5%税込) | 224ページ/19cm |
【本の内容】 |
序盤編(第1問〜第18問) 中盤編(第19問〜第52問) 終盤編(第53問〜第109問) ◆内容紹介 本書は将棋世界BOOKS第一弾となる、「次の一手」問題集です。 月刊誌「将棋世界」の人気コーナー「昇段コース」に掲載された問題から厳選した109問をまとめました。 「将棋世界」掲載時の豊富な解説を出来る限り収録して、正解手がなぜ良いのか、また他の候補手ではなぜダメなのかが、懇切丁寧に説明されているのが、本書の一大特長となっています。 四段問題集ですから決して簡単ではありませんが、解説をきちんと読んでいけば、知らず知らずに本筋の読み、プロの考え方が身に付いていくはずです。 実戦を楽しむ方には棋力向上のために、またプロの将棋をご覧になる方にはそれを理解するための実力養成ツールとして、ぜひ試していただきたい一冊です。 |
【レビュー】 |
次の一手問題集。「将棋世界」誌に掲載された「昇段コース」から、次の一手問題を撰集したもの。「X段コース問題集」シリーズの中では、なぜか一番最初に刊行された。 〔==ここから== ※シリーズ共通です。〕 「将棋世界」には、毎月「昇段コース」として次の一手問題が載っている。これは「級位コース」「初・二・三段コース」「四・五・六段コース」の3つに分かれており、各4問ずつを出題。「週刊将棋」の次の一手問題とは違い、どのコースも1行ヒントのみで選択肢はない。 解答をハガキに書いて編集部に応募し、正解して点数が累積すれば、各段級の卒業証をもらえる。また、規定の金額(ref. 日本将棋連盟)を払えば、該当する段位の免状や級位認定状を取得することができる。なお、単行本版では『初段コース問題集』(将棋世界/編,日本将棋連盟/発行,2009.10)のみ免状申請可能になっていて、本書の問題を解いて免状申請することはできない。 本書の次の一手問題は、見開き1問1答で、ヒントは1行。解答には、正解手と他の候補手(1〜5つ)の解説と、「将棋世界」掲載時の正解率表示がある。解説は週刊将棋系の問題よりもずっと詳しく、考え方や注意点も書いてある。 解答の裏透け防止は、網掛けにより完璧。ただし、解答のタイトルは丸見えで字が読めてしまう。解答図・解説文も透けているので、鏡像文字が読めてしまう人は注意が必要だ。 〔==ここまで==〕 実際に全問解いてみた感じでは、『三段コース問題集』(2010.05)とあまり難易度は変わらない感じがした。いや、むしろ本書の「四段コース」の方が少し易しい感じがあった。それは掲載されている正解率のヒストグラムからも感じられる。正解率50%以下の問題がほとんどないのである。(参考:『三段コース問題集』の正解率ヒストグラム) また、下表はわたしが解いてみた結果。直前に『三段コース問題集』を解いたときの結果よりも、高い正解率が出ている。 もちろん、特に終盤問題では「詰めろ逃れの詰めろ」、「逆王手」、「大駒の不成」や「起死回生の凌ぎ」など、実戦で出てきたらかなり難しいと思われる問題の比率が増えてはいる。この類の問題は、『三段コース問題集』ではほとんどなかった。 難易度があまり変わらないと感じた理由をいくつか挙げてみる。 (1) もともと一段差ではほとんど難易度は変わらないのかも? (2) わたしは『三段コース問題集』の次に解いたので、次の一手問題に少し慣れたから? (3) わたし自身が問題の難易度に合わせてしまっている? (4) いかにも「次の一手」っぽい問題の方が、慣れた人には解きやすいのかも? (5) 『三段コース問題集』は「初・二・三段コース」の最上位である一方、本書は「四・五・六段コース」の最下位であるため? (「将棋世界」掲載時に解いている層の棋力が元々違うため、正解率が高い?) いろいろ考えられるが、「これぞ」という理由は分からない。すみません。 なお、ヒントによって難易度が大きく下がる場合があるので、自分を厳しく鍛えたい人は、ヒントを見ないことで難易度の調整が可能だ。 良質な解説の問題集を求めている有段者の方にはオススメ。前述の「大駒の不成」のようにやや特殊な問題も出てくるので、「三段」と「四段」のどちらを選ぶかはお好みで。(2011Jan15) |
【関連書籍】 |
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