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将棋世界BOOKS 三段コース問題集 |
[総合評価] B 難易度:★★★★ 見開き1問 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解答の裏透け:A 解説:A 上級〜有段向き |
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【編】 将棋世界 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2010年5月 | ISBN:978-4-8399-3581-8 | |||
定価:1,470円(5%税込) | 224ページ/19cm |
【本の内容】 |
序盤編(第1問〜第16問) 中盤編(第17問〜第57問) 終盤編(第58問〜第109問) ◆内容紹介 本書は、日本将棋連盟の月刊誌「将棋世界」掲載の人気コーナー「昇段コース」から、三段相当の「次の一手」109問を厳選収録したものです。 なぜこの手が正解で、この手ではダメなのか。正解手と他の候補手との違いを、丁寧にそして明確に解説しているのが、本シリーズの一大特長です。問題を解き進めていくうちに、将棋全般の考え方が次第に身に付いてきます。 本書は、基本的には初段前後からのステップアップを目指す読者を対象としておりますが、三段ともなりますと難易度の高い問題もあります。しかし解きっぱなしにしない「読む問題集」としてご活用いただければ、必ずや読者の上達必至につながるものと考えております。力をつけたい方にお勧めの一冊です! |
【レビュー】 |
次の一手問題集。「将棋世界」誌に掲載された「昇段コース」から、次の一手問題を撰集したもの。 〔==ここから== ※シリーズ共通です。〕 「将棋世界」には、毎月「昇段コース」として次の一手問題が載っている。これは「級位コース」「初・二・三段コース」「四・五・六段コース」の3つに分かれており、各4問ずつを出題。「週刊将棋」の次の一手問題とは違い、どのコースも1行ヒントのみで選択肢はない。 解答をハガキに書いて編集部に応募し、正解して点数が累積すれば、各段級の卒業証をもらえる。また、規定の金額(ref. 日本将棋連盟)を払えば、該当する段位の免状や級位認定状を取得することができる。なお、単行本版では『初段コース問題集』(将棋世界/編,日本将棋連盟/発行,2009.10)のみ免状申請可能になっていて、本書の問題を解いて免状申請することはできない。 本書の次の一手問題は、見開き1問1答で、ヒントは1行。解答には、正解手と他の候補手(1〜5つ)の解説と、「将棋世界」掲載時の正解率表示がある。解説は週刊将棋系の問題よりもずっと詳しく、考え方や注意点も書いてある。 解答の裏透け防止は、網掛けにより完璧。ただし、解答のタイトルは丸見えで字が読めてしまう。解答図・解説文も透けているので、鏡像文字が読めてしまう人は注意が必要だ。 〔==ここまで==〕 ここで「週刊将棋」の三段問題と比較してみよう。週刊将棋の三段問題は、ほとんどが終盤の問題であり、基本的には勝ちor勝勢がハッキリする局面であることが多い。また、「詰めろ逃れの詰めろ」や攻防の一手を放つ問題が多くなっている。 一方、本書の三段問題は序盤・中盤の問題がかなり多い。また、終盤問題でも「敵の攻め駒を一掃して良し」「手が続くので良し」など、ややあいまいではあるが実戦的な形勢判断を必要とするものが多い。もちろん、「詰めろ逃れの詰めろ」などもあり、非常にバラエティに富んだ力を鍛えやすくなっている。 本書の正解率のヒストグラムは下図のようになっており、40〜50%と70〜80%に2つの山があるのが分かる。 また、下表はわたしが解いてみた結果。恥ずかしながら不正解が多いが(汗)、正解率80%の問題で間違えたり、正解率20%以下の難問で簡単に正解したり、自分の棋力に妙な妖しさを感じた(笑)。また、No.43〜57でやたら誤答しているのは、眠かったか、焦って答えを出そうとしていたためと思われる。なお、「○問正解なら○段」のような棋力判定基準は本書にはない。 本書の中で正解率が高い(≒易しい)問題と、低い(≒難しい)問題を挙げておこう。下左図は、正解率88%のNo.60。下右図は、正解率3%(!!)のNo.49である。 正解率に大きな差があるが、実際の難易度はそれほど違うとは思えない。No.60の正解率が高いのは、ヒントと「いかにも次の一手」というのが大きそうだ。逆にNo.49の正解率が低いのは、有力な誘い手があり、正解手に派手さがなく、形勢の針が一気に傾くほどでもない…というところが原因のようだ。ほとんどの問題は、この2問と難易度が大きく変わらないと思ってかまわない。 次の一手問題集をたくさん解くことは、棋力upには結構有効だ。週刊将棋系の次の一手問題集に不満がある人は、本シリーズをぜひ試してみてほしい。 ※誤植・誤字等(初版第1刷で確認) p140 ×「▲6八銀と敵の攻め駒を捕獲…」 ○「▲6八金と敵の攻め駒を捕獲…」 |
【関連書籍】 |
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