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マイコミ将棋文庫SP 将棋・ひと目の寄せ 終盤で必ず生きる200問 |
[総合評価] A 難易度:★☆ 〜★★★ 見開き1問 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解答の裏透け:C 解説:B 中級〜上級向き |
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【編】 週刊将棋 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2008年7月 | ISBN:978-4-8399-2907-7 | |||
定価:1,050円(5%税込) | 416ページ/16cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||
( )内の数字は問題数です。
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
終盤の手筋の問題集。 本書は、「『寄せの手筋168』と『凌ぎの手筋186』を足して2で割って、難しい問題をカットして、解説をやや簡潔にした問題集」である。(長くてすみません) 第1章「ひと目の詰み」は、実戦で使えそうな詰み手筋を多く紹介。いわゆる「実戦型」ではなく、本当に実戦的な手筋ばかりだ。第30問のような、桂捨てで空間を作って詰ますような技が使えるようになると、将棋が面白くなってくるだろう。 第2章は基本的な必至問題。『寄せの手筋168』とほぼ同じ問題が多数出てくる。必至問題は、玉方の持駒にも注意。「金がないから必至」ということがよくある。 第3章は受けの問題で、『凌ぎの手筋186』に出てくるような、何を合駒するか、または玉を逃げるかという問題。特に合駒問題は、「横に利く駒(飛・金)」「斜め後ろに利く駒(角・銀)」「前に利く駒(歩・香・銀・金・飛)」「前に利かない駒(角・桂)」などに注意して読むと良い。基本的にこの章は「読み」がすべてなので、「ひと目」というフレーズが付くのは少しおかしいかもしれない。 第4章は「持駒が何なら詰むか」という、最近ときどき見られる問題。持駒の種類は三択で、答えが2つある場合もある(3つとも正解or3つとも不正解という意地悪なものはない)。この章も基本的に丁寧に読むしかなく、「ひと目」という性質のものではない。 第5章は攻防手で、逆王手や「詰めろ逃れの詰めろ」など。これくらいのレベルならまさに「ひと目」で見えるようになりたいものだ。 まとめると、第1章・第2章・第5章は「ひと目で見えるようになりたい問題」、第3章・第4章は「丁寧に読みを入れる訓練をする問題」である。 問題はすべて部分図。第1章「実戦の詰み」や第2章「実戦の必死」も実戦図(すべての駒を使った図)ではなく、一部の駒を使った(不要な駒を省いた)部分図である。 難易度は5段階で、★の数で表示。★1や★2は非常に簡単な問題であるが、★3のレベルはかなり幅広い。たとえば★3の第31問はとにかく王手すれば詰む5手詰めでかなり易しいと思うが、直前の★3の第31問は手順の組み合わせが複雑な9手詰めで。これがスラスラ解ければ軽く初段はあるだろうと思う。★4・★5は全体の1割以下で、三段以上を自負する人なら必ず読みきりたいところ。 1問目は頭金の1手詰めからで、最初の20問くらいはかなり易しい問題が続くので、初級者の人も「これなら解けそう」と思ってしまいそうだが、本全体としての難易度は5級から初段くらいが対象だと思う。 これくらいの対象棋力で終盤の手筋の本といえば『終盤の手筋 基本編』(週刊将棋/小川明久,MYCOM,1989/2003)があり、本書とコンセプトや構成がかなり似ている。解説は本書よりも詳細だったが、すでに絶版で中古価格も高騰しているので、本書を代わりに読めばよいと思う。 比較的易しめの問題集ということで、今回も私は全問正解を目指してアタックしたが、第192問(★5)だけは正解できなかった。(つД`) (2008Sep30) |
【他の方のレビュー】(外部リンク) ・将棋の棋書レビュー ・決めろ、ちゃぶ台返し!(将棋) ・Amazon.co.jp: カスタマーレビュー ・トマト王国 ・こどもと将棋をしよう!@柏 ・ビーケーワン |