zoom |
将棋必勝シリーズ なんでも中飛車 |
[総合評価] B 難易度:★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 初級〜上級向き |
||
【著 者】 森下卓 | ||||
【出版社】 創元社 | ||||
発行:2003年9月 | ISBN:4-422-75101-8 | |||
定価:1,200円 | 222ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||
◆内容紹介(表紙・オビより) |
【レビュー】 |
中飛車の総合定跡書。ただし級位者向け。「有段者お断り」のスタンスが、かえって潔くて好印象だ。 初めて書店で本書を見たとき、オビに「有段者の方は読まないでください。」と書いてあった。「どんなにザツな解説なんだろうか」と一瞬思ったが、いざ読んでみればさすがは森下。非常に分かりやすく、丁寧かつ簡明な解説でスムーズに読めた。 登場する局面は、中飛車側が主導権をとって攻めていくものが中心。難解な定跡や難しい変化(ゴキゲン中飛車での居飛車急戦型や、居飛車▲3八飛戦法など)にはあえて触れず、中飛車側にとって気持ちのいい手順で構成されている(ここが「有段者の方は読まないでください。」の部分なのだろう)。中でも、相中飛車の解説は読んでおいて損はない。 中飛車入門書としては非常にいい出来だ。なにか一つ得意戦法を持ちたい方にはオススメ。級位者なら十分通用するだろうし、有段者になっても本書の知識は役立つ。ただし、棋力が上がるにつれて本書の内容が物足りなくなるはずなので、あえて評価はBにとどめておく。物足りなくなった方は、本文中で紹介されている関連書籍(『初段に勝つ矢倉戦法』(森下卓),『相振飛車の定跡』(鈴木大介),『中飛車戦法』(杉本昌隆))にステップアップすると良い。(2004Jan21) |