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将棋必勝シリーズ 中飛車戦法 居飛車穴熊を撃退する! |
[総合評価] A 難易度:★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 杉本昌隆 | ||||
【出版社】 創元社 | ||||
発行:2002年9月 | ISBN:4-422-75083-6 | |||
定価:1,260円(5%税込) | 222ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
中飛車の戦法解説書。 30年〜40年ほど前の大山全盛期、ツノ銀中飛車は有力な戦法だった。守備力が高く、カウンター力も強いというのがその理由だ。しかし、居飛穴に組まれやすいという欠点があり、1980年代以降は廃れていった。現在、プロで最初からツノ銀中飛車を狙って指す人はほとんどいない。 本書では「居飛穴に組ませない」or「居飛穴に組まれても十分に対抗できる」という居飛穴対策のできる中飛車に絞って解説。 第1章は▲中飛車。5筋歩交換から8筋を逆襲する形、4六銀型から四間飛車に転ずる形(矢倉流?)、5筋位取りからの作戦勝ちなどを解説。いずれも軽い捌きよりは形の良さからパワーで押し組む感じで、攻めが比較的分かりやすいのが特徴。 第2章はいわゆるゴキゲン中飛車。急戦対策を除けば、なるべくじっくり駒組みするタイプが選ばれている。 中飛車は互いの選択肢が非常に広いので、なかなか本の通りの形にはならない。しかし本書では、思想・考え方・感覚を非常に重視した解説になっているのがいい。指し手もギリギリの綱渡りのような手はできるだけ避け、分かりやすい指し方が選ばれている。どの変化もほとんど中飛車良しで終わっているので、居飛車党の真の対策は書かれていないのかもしれないが、パッと見で分かるような居飛車の悪手はなかった。二〜三段以下なら自信を持って試していいと思う。四段以上の人には物足りないかも。 少し残念なのは、図面の誤植・脱字がかなり多いこと(初版で確認)。第二版以降の修正に期待したい。(2006Sep17) |