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将棋必勝シリーズ 初段に勝つ矢倉戦法 |
[総合評価] A 難易度:★★★ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 森下卓 | ||||
【出版社】 創元社 | ||||
発行:2003年2月 | ISBN:4-422-75086-0 | |||
定価:1,200円 | 222ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
級位者を対象にした矢倉の解説書。 「プロの将棋では▲2六歩と突かない『飛車先不突き矢倉』が主流だが、狙いが難しいので、まずは飛車先を突く基本形を解説する。」(9p)とある。「まずは」と書いてあるが、本書は全編にわたって飛先を突くタイプの矢倉を扱っている。 基本的には、「相手の陣形に合わせた理想形の作り方」「理想形からの攻め方」を中心に解説。なるべく明快な展開と考え方重視の解説なので非常に分かりやすい。 先手勝ちになる展開がほとんどで、ほぼ互角になる変化はさらっと流してあるが、タイトルの「初段に勝つ」というテーマにはこれくらいがピッタリで、むしろすがすがしい。級位者で矢倉を覚えたい人は、『なんでも矢倉』よりも本書の方を強く推したい。 ※「▲4六銀戦法は、故灘蓮照九段が昭和40年代から指していた「灘流矢倉」が源流である」(113p)というのは知りませんでした。「▲4六銀と上がる形は斬新で、当時のプロでもその優秀さが理解されなかったようだ。」(同) ※有段者の将棋ではほとんど実現しないような「2六角-3六銀-3七桂型」などもあるが、実は道場初段クラスでは一方が漫然と駒組みしていることも多く、意外と出現する。 ※誤字・誤植: (2013Sep21追記、名無しさん、みつなりさんthx!) ・p136〜p137で、再掲第16図から第25図の間で後手の右桂がいつの間にか跳ねている。(△8一桂→△7三桂) この後p138で、後手は跳ねた△7三桂を生かして仕掛けているので、解説の整合性が取れない。 少なくとも第1版第6刷では、この問題は修正されている(第1版第4刷では既に修正されているそうです。(/さんthx!))。p137第25図は後手の右桂がまだ跳ねていない図になっており、同じp137の指し手に「△7三桂▲1八香」が追加され、次ページp138第26図は正しい図になっている。解説本文は変更なし。 |