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NHK将棋シリーズ 渡辺明の居飛車対振り飛車T 〜中飛車・三間飛車・向かい飛車編〜 |
[総合評価] A 難易度:★★★☆ 図面:見開き3枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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【著 者】 渡辺明 | ||||
【出版社】 日本放送出版協会 | ||||
発行:2008年2月 | ISBN:978-4-14-016161-6 | |||
定価:1,050円(5%税込) | 215ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 | ||||||
主に動く振飛車vs居飛車の戦いを解説した本。 ゴキゲン中飛車が登場して早10年。その流行は衰えを知らず、居飛車党の棋士までが後手番用の戦法として採用するようになった。ゴキゲン対策もさまざまなものが現れたが、棋書の出版が追いついておらず、特に二段〜四段クラス向けに分かりやすく書かれた本が不足しているのが現状だ。『最新戦法の話』(勝又清和,浅川書房,2007)や『最前線物語(2)』(深浦康市,浅川書房,2006)などに書かれている内容ではどうしても理解しきれない部分もあると思う。また、石田流も鈴木新手や棒金対策の発達により復活を遂げており、「角交換を想定した力戦振飛車」は全盛の時代にある。 本書はそんなゴキゲン中飛車をはじめとした「動く振飛車」を非常に分かりやすく解説している。特に第1章の中飛車編は、中飛車vs居飛車の「互いの対策の歴史」を追う形で書かれており、構成も良い。
さらに解説も、指し方の狙い・思想から具体的な指し手まで、非常に明解。もともと渡辺は初著作の『四間飛車破り【急戦編】』からハイレベルな明解さで定評があるが、少し対象棋力のレベルを下げてもすごく解説が上手いと思った。ただし、あまり細かい変化には触れていないので、辞書的な使い方を求めている人には合わないだろう。
他にも第2章で三間飛車(+石田流)、第3章で急戦向飛車の解説をしているが、こちらの方は壮大な戦法史を追っているという感じではなく、ややボリューム不足かもしれない。解説はかなり良いけど。 |
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