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最強将棋21 最新戦法の話 |
[総合評価] S 難易度:★★★★ 図面:見開き2〜4枚 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解説:S 読みやすさ:A 上級〜向き |
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【著 者】 勝又清和 | ||||
【出版社】 浅川書房 | ||||
発行:2007年4月 | ISBN:978-4-86137-016-8 | |||
定価:1,575円(5%税込) | 296ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
※青字は加筆部です。(文中タイトルに[NEW]の表示あり)
【巻頭】主要戦法の変遷(年表形式)=2p |
【レビュー】 |
総合定跡書。「将棋世界」2006年1月号〜10月号に連載された「これならわかる!勝又教授の最新戦法講義」を大幅修正、補足したもの。第7講〜第9講は書き下ろし。 「なんだこの序盤?」──最近、新聞の観戦記を読んでいてそう思ったことはないだろうか?ただの力戦形かと思っていたら、次週にまた変な序盤が……。 最近、特にこの10年、プロ将棋の序盤は異質化してきている。変な位置に飛車がいる、四間飛車なのに居玉で攻めまくっている、角道開けっ放し、後手が自ら手損……しかし、これらには、ちゃんと理由があるのである。 本書は、そういった「変な序盤の戦法」に対して、指されている理由や背景を順を追って解説。きっかけとなった一局の紹介、最新形への変遷、今後の予測…など。これまでも『最前線物語』など、最新戦法を解説した良書はいくつもあったが、このレベルまでアマチュアに配慮した本は久々だと思う。(勝又自身の『消えた戦法の謎』(1995)くらいか) 文体が実況講座のような感じなので非常に読みやすい!(注:これが「合わない」という人もいる)浅川書房お得意の「図面下キャプション(本書では“note”)」も効果的。レイアウトはまずまずだが、本文と図面が時々遠いことがあるが(もともと単行本用に書かれた原稿でないためか)、それほど気にならない。 さらに素晴らしいのは、著者自身の考えを述べただけでなく、分からない部分はその戦法のエキスパートや創始者にきっちりインタビューを行っていること!やはり、プロにも訊かなければ分からないことはたくさんあるのである。「私(著者)はこうだと思う」で済ませている棋書がほとんどの中、勝又ならではの仕事だ。『消えた〜』でもそういう要素はあったが、今回はさらに充実している。 ひとつ注意すべきは、本書を読んだからといって、すぐに一勝を期待できるようなものではない、ということ。網羅的に解説しているわけではないので、辞書的には使えない。あくまでも「背景、思想を学び、理解を深める」という本である。ただ、本書を読んでおけば、他の定跡書や棋譜並べなどでも理解度が格段に違ってくると思う。つまり、「即戦力ではなく、ポテンシャルを上げる本」である。 わたしの場合、横歩取り△8五飛にハマった時期があった。変化はいろいろ知っていたが、なぜ先手の陣形がいろいろあるのか、なぜ新山ア流が強力なのか、意味が分かっていなかった。また、石田流での左桂もただ漠然と跳ねていた。本書を読んだ後は、自分なりにいろいろ考えるようになった。変化を与えてくれた一冊に、感謝である。(2007Jun26) ※以下は、本文中に出てくる重要キーワードのメモ。 ・「スレットカード」:脅しの手。たとえば、藤井システムに対して▲3六歩と突き、急戦を見せて△6二玉を強要してから穴熊を目指すような手。 ・「後回しにできる手は後回しにする」:矢倉飛車先不突きの思想が全戦型に波及した。このフレーズは何度も出てくるので、本書にある戦型の根本に流れる思想であるといえる。 ・「現代の将棋は桂という駒の価値を再発見するような歴史をたどっているのかもしれません」(p25) ・「漠然とした評価から実地検証する時代へ」(p160) ※誤字・誤植等(初版および第5刷): パルテノンさんご指摘thx! p124下段 ×「▲6六歩▲5七歩成△同金左△5四銀」 ○「▲6六歩△5七歩成▲同金左△5四銀」 p138下段 ×「▲6一角成」 ○「▲6一馬」 p170上段 11図のnote ×「▲7六歩△3四歩▲6六歩△4四歩の局面」 ○「▲7六歩△3四歩▲6六歩△3三角の局面」 p275後ろから2行目 ×「先ほどの19図です。」 ○「先ほどの20図です。」 p276上図 ×「【19図は▲6八銀まで】」 ○「【20図は▲6八銀まで】」 p276上図note ×「19図から△3七歩は…」 ○「20図から△3七歩は…」 p276下図note ×「19図で△2八歩…」 ○「20図で△2八歩…」 |
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