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■将棋3手詰入門ドリル

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将棋3手詰入門ドリル
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将棋3手詰入門ドリル
簡単な問題から実戦形式まで、反復して「勝つ形」を覚えよう!
[総合評価] A

難易度:★〜★★

見開き2問
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解答の裏透け:A
解説:B
初心〜中級向き

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【著 者】 椎名龍一
【出版社】 池田書店
発行:2008年4月 ISBN:978-4-262-10143-9
定価:998円(5%税込) 287ページ/19cm


【本の内容】
・詰将棋=276問(1手詰/3手詰)
基本編(部分図,1手詰と3手詰のセット)=140問
実戦編(40枚の駒を使った実戦図)=136問

◆内容紹介
昨年出版しました『
将棋1手詰入門ドリル』が好評につき、更にステップアップとして、3手詰の問題集を制作しました。
将棋を覚えたての方は、1手詰から3手詰になっただけでグッと難易度がアップしてしまいます。ですから、本書は基本編の章で1手詰と3手詰の問題をセットにして、手順の過程を覚えていただこうという狙いを組み込みました。
次の実戦編は、全駒を使った実戦形式です。一瞬難しい、と思ってしまいますが、落ち着いて盤を見れば答えに辿りつく筈です。
終盤力がアップすれば自ずと棋力がアップします。是非本書を読んで、将棋の勝つ醍醐味を味わってください。


【レビュー】
3手詰め入門の本。

初心者が「詰み」の概念を理解したあと、最初のハードルが3手詰めだと思う。「自分がこう指す、相手はこう来る、そこで自分はこう指す」という、いわゆる「3手の読み」が必要になるからだ。これは将棋を指す上でもっとも基本となる部分であるが、これが難しい。例えば、単純に1手につき3通りの選択肢があるとすると、3手で3の3乗=27通り。これだけでも1手詰めよりもはるかに難しくなっているのが分かる。ちなみにわたしの妻(初心者)に単純な1手詰めを解かせると数秒でちゃんと詰めるが、3手詰めになった途端、簡単な並べ詰めでも30秒は考え込んでしまう。しかし、上級者はそれらの変化をしらみつぶしに読んでいるわけではなく、ちゃんとコツがあって急所に目が行くのである。

本書は、「最初のハードル・3手詰め」を初級者にもマスターできるように解説したものである。

まず第1章では、1手詰めと3手詰めの2問がセットになっている。例として第001問と第002問を挙げてみよう。
【第001問】1手詰【第002問】3手詰
第001問は1手詰め。当然、▲3二金と打って詰みだ。

第002問は3手詰め。▲2三銀△3一玉▲3二金までの易しい並べ詰めである。このとき、△3一玉の局面が第001問と同じであることにお気づきだろうか?そう、第001問は第002問の途中図なのである。

このように、上段の第1問をきっちり1手で詰めた後、下段の第2問を見て「どうすれば第1問の形になるだろうか?」と考えれば、割と容易に第1手を着手できるはず。これが「3手の読み」の基礎となり、力になるのである。ちなみに、普通の3手詰は正解(詰め上がり)が複数ある場合もあるのだが、本書のほとんどの問題は第1手が正解なら第2手の玉方の対応は1通りに限定されるように配慮されている。

第2章は、40枚すべての駒を使った実戦形。もうこれだけで初心者はクラクラしてしまうかもしれないが、ちょっとがんばってみよう。局面を正しく把握するだけでも相当なトレーニングになるのだから。問題自体は特に難しいものはほとんどなく、第1章と同様に第1手が正解なら第2手の玉方の対応は1通りに限定されており、易しい。ただ、たま〜に難しくはないが意地悪な問題もある。

次のように取り組んでいくといいと思う。
(1)まずは自玉・敵玉を見つけよう。
(2)次に、駒の配置を確認しよう。
 ・特に線駒(飛・角・香)の配置に注意。
 ・自玉に王手がかかっていないか、間接的ににらまれていないか確認する。
(3)味方の駒と敵の駒の利きを確認しよう。
(4)敵玉の動ける範囲を確認しよう。
(5)良さそうな王手をかけてみよう。
 ・詰まなかったら他の王手を考えてみる。

なお、第2章の問題は駒は余ってもよいし、最後に駒を取りながら詰ませてもよい。

指し将棋ではごく当たり前のことだが、「パズルとしての詰将棋」では駒余りは正解として認められていない(というより、駒が余らないように問題を作成する)。さらに詰みに関係のない駒は置かないことになっている。これは、詰将棋をパズルとしてブラッシュアップさせるためのルールなのだが、これが初心者にとって「強い人に薦められて詰将棋をやったけど、全然強くならない」と嘆く原因になっている。既存の3手詰本では、実戦で詰ます力がなかなか付きづらいのである。これはわたしも初心者のときにかなり感じていた。

本書なら、実戦詰み力の基礎を築くにはピッタリだ。この後に3手詰本に取り組めば世界も広がるし、詰将棋アレルギーになることもないだろう。(次にやるなら『3手詰ハンドブック』がオススメ)

本書の3手詰めは、「パズルや作品としての詰将棋」としてはまったく価値のないものかもしれない。しかし、「指し将棋の力をつけるための詰め将棋」としては、最高レベルのワークブックだと思う。(2008May22)



【他の方のレビュー】(外部リンク)
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー
山の医者 日々の祈り
将棋の棋書レビュー
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【関連書籍】
 『
将棋1手詰入門ドリル
[ジャンル] 
詰将棋
[シリーズ] 
[著者] 
椎名龍一
[発行年] 
2008年

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