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最強将棋21 四間飛車破り【急戦編】 |
[総合評価] S 難易度:★★★★☆ 図面:見開き4〜5枚 内容:(質)S(量)S レイアウト:A 解説:S 読みやすさ:A 有段〜高段者向き |
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【著 者】 渡辺明 | ||||
【出版社】 浅川書房 | ||||
発行:2005年4月 | ISBN:4-86137-009-4 | |||
定価:1,470円(5%税込) | 270ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||
◆内容紹介(表紙見返し「著者からひとこと」より) |
【レビュー】 |
△四間飛車vs▲急戦の定跡書。基本的には△4三銀型に対する居飛車急戦。 対四間飛車の急戦については数多くの棋書が出ている。最近だけでも、渡辺の師匠・所司六段の「四間飛車道場シリーズ」(急戦編は2001〜02)や、同じ最強将棋21シリーズの「四間飛車の急所シリーズ」(同じく2004〜2005)など、関係の深いところから出ているので、本書は非常に出しづらかったと思う。それでも出された本書は、かなり完成度の高いものとなっている。これがデビュー作とは思えないくらいだ。 まえがきにある「(振飛車側の)序盤のぎこちない動き」とは、早い△4三銀のこと。対急戦に強いのは△3二銀型である。それでも四間側が△4三銀と上がるのは、居飛穴を意識してのことだ。ならば急戦で破りましょうというのが本書の意図。△4三銀型に有効な3つの急戦策を、非常に詳しく解説している。 基本的に解説は1頁単位で区切られる(場合によっては2〜3頁)。頁の内容により、難度が[基本][上級][プロ級]と3段階で表示されているのが秀逸。 [基本]:数多くの定跡書にも書かれている変化で、まさに“基本”。とはいえ、[基本]を全てマスターできているならアマ四段は確実。 [上級]:古い定跡書には載っていないものの、ここ10年くらいで出てきた変化で、すでにプロ的には常識化しているもの。 [プロ級]:最新の実戦で現れたものや、難解な変化を含んでいて研究課題となっているもの。 [プロ級]の頁では、ときには最終盤まで徹底的に突っ込んで渡辺の研究がビッシリ書かれている。また、渡辺自身や他のプロの実戦譜も豊富に紹介。『振り飛車ワールド』の指定局面戦の内容も取り入れている。なお、渡辺明ブログの2005.3.9の内容(渡辺vs千葉戦)が文章中に出てきたのにはビックリした(p91)。わたしが本書を手にしたのが4月下旬なので、本当に締め切りのギリギリまで、最新の内容について執筆されていたことは驚きだ。それでいて、誤字脱字がかなり少ないことには感服(2〜3ヶ所あった)。 オビに「抜群の歯切れよさ!」とあるように、「先手よし」「先手勝ち」などの結論は非常に明快。ただし、「プロ的な研究と大局観のもとで、先手良し」というレベルのものも多いので、その辺は自己判断で。研究熱心な人は、本書の“居飛車党感覚”と「四間飛車の急所シリーズ」の“振飛車党感覚”を比較してみると、より相乗効果が得られるだろう。 正直、それほど期待していなかっただけに(渡辺先生ゴメンナサイ)、すごくお得な買い物をした気分である。 なお、ほとんどの頁はちゃんとした解説だが、「おもしろ部」があったので、引用しておく。(170p) |