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■なんでも棒銀

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なんでも棒銀
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将棋必勝シリーズ
なんでも棒銀
[総合評価] B

難易度:★★☆

図面:見開き4枚
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:A
初級〜上級向き

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【著 者】 森下卓
【出版社】 創元社
発行:2004年4月 ISBN:4-422-75102-6
定価:1,260円(5%税込) 208ページ/19cm


【本の内容】
※より詳しい内容紹介は個別ページを参照してください。
第1章 単純棒銀 ・▲2四歩早仕掛け(相掛かり5手爆弾)
・単純棒銀(相掛かり原始棒銀)
├(1)△8二飛(後手が引き飛車)
│ ├1.△2三歩▲同銀成
│ └2.△3四歩▲2三銀不成
└(2)△8四飛(後手が浮き飛車)
  ├1.▲2五銀と攻める
  └2.▲6八玉から持久戦
・復習問題=4問
28p
第2章 筋違い角棒銀 ・居飛車編
├(1)△6四歩・6二銀方(筋違い角棒銀 大成功)
└(2)△5三銀型(互角)
・向かい飛車編
・向かい飛車対策△6二銀
・復習問題=8問
52p
第3章 振り飛車穴熊への端棒銀 ・端を受ける穴熊への端棒銀
・端を受けない穴熊への端棒銀(+地下鉄飛車)
├(1)△3五歩(後手石田流の構想)
└(2)△6四歩(先手の攻撃陣をけん制)
・復習問題=10問
48p
第4章 先手三間飛車への棒銀 (1)△6三金型(高美濃を作る)
├1.△2二角型
└1.△5一角型
  ├a.△4三銀(飛交換狙い)
  └b.△5五歩(手筋の突き捨て)
(2)△5二金・1二香型(高美濃保留)
・復習問題=8問
32p
第5章 美濃囲いへの端棒銀 ・美濃への舟囲い端棒銀(対△三間飛車)
├(1)△8四銀と受ける
└(2)△9一香と受ける
・美濃への居玉端棒銀(対△四間飛車)
・金無双への端棒銀( 〃 )
・金無双への9筋突き越し型( 〃 )→右4六銀へ
・復習問題=10問
44p

◆内容紹介(創元社HPより)
『なんでも中飛車』に続く第2弾。本書は、実戦にすぐ生かせる棒銀の指し方を集めて解説した。「なんでも棒銀」とついているように、棒銀だけで相手のあらゆる戦法に対抗できるように構成されている、非常にユニークな内容。棒銀戦法は狙いがわかりやすく、しかも破壊力があるので、初級者から有段者まで人気のある戦法だが、とくにこの本はやさしくわかりやすく解説しているので、初心者のはじめての1冊として最適。


【レビュー】
棒銀戦法の定跡書。ただし級位者向け。

表紙のマルの中に「…奇襲的なものを集めました」とあるが、本書に載っている棒銀戦法は、比較的オーソドックスなもの(第1章・第4章)と奇襲的なもの(第2章・第3章・第5章)に分類できる。

第1章は相掛かり▲棒銀。一般的には「原始棒銀」と言われるもので、飛と銀の協力(+合わせ歩)でシンプルに飛車先を突破する例の解説がメイン。初級者は、とにかくこの「守り駒よりも多い駒数で攻めれば突破できる」「基本は安い駒が先鋒、大駒は後方」を覚えると良い。ただし、相掛かりはアマでの出現数自体が少なく、さらに後手番を持つような人で、単純に棒銀でつぶされる人はまずいないため、なかなか得意戦法にはしづらいだろう。なお、章末にはプロで流行している「棒銀で後手の陣形を制限し、一転持久戦に切り替える」という手法も紹介されている。

第2章は筋違い角棒銀。2筋突破の例と、8筋逆襲の例を紹介。筋違い角による1歩得と、飛+銀+角という戦力増強により、攻撃力は相当高い戦法だ。先手番なら筋違い角にできる機会は相当多いので、得意戦法にするのも面白い。ただし、玉を固めるのは難しいので、とにかく攻め将棋の人にオススメ。

第3章・第5章は対振り飛車の端攻め棒銀。攻めの構えはだいたい同じだが、囲いが穴熊・美濃囲い・金無双によって、力を溜めるか、すぐ切り込むか、一転して逆サイドを仕掛けるかなどの判断が変わる。「穴熊でも美濃でもやられるのなら金無双で」というのは、考えられる発想(特に級位者なら多そう)なので、金無双にまで言及してあるのは○。

第4章は対▲三間飛車。わざわざ振飛車が待っている7筋を仕掛けていくので、有段者以上ならまずダメと考えてしまう。普通の対△四間飛車に比べて振飛車側が2手多く指すことになるが、手得したほうが必ずしも有利…ではない。また、級位者なら細かい損得よりも、いつも得意な形で仕掛けられることのアドバンテージは大きい。

オビに「有段者の方は読まないでください。」とまで書いてあり(笑)、対象棋力を級位者に限定しているスタンスは、むしろすがすがしい。確かに有段者から見れば、相手の対応がぬるく感じる箇所もあったが、あからさまなココセは少なく、なかなかよくできた戦法書だと思う。特に端棒銀は参考になる筋も多かった。

ある程度指しこなせるようになると、本書の内容では物足りなくなってくると思うので、評価Bにとどめておくが、「なんでも三部作」(他は『なんでも中飛車』,『なんでも矢倉』)の中では一番オススメだと思う。(2008Jun28)



【関連書籍】

[ジャンル] 
棒銀
[シリーズ] 
将棋必勝シリーズ
[著者] 
森下卓
[発行年] 
2004年

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