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■将棋入門の次に読む本

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将棋入門の次に読む本
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将棋入門の次に読む本
「もう一度基本を」という方にも最適!
[総合評価] C

難易度:
第1章・第2章 ★★
第3章・第4章 ★★★☆

図面:見開き4枚
内容:(質)B(量)B
レイアウト:A
解説:B
読みやすさ:A
初級〜中級向き

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【著 者】 沼春雄
【出版社】 創元社
発行:2008年4月 ISBN:978-4-422-75038-5
定価:1,260円(5%税込) 208ページ/21cm


【本の内容】
第1章 相掛かり棒銀(原始棒銀) ・相掛かり▲棒銀
 (1)△2三歩(かまわず▲同銀成で良し)
 (2)△3四歩(慎重に▲2三銀不成)
34p
第2章 対振り飛車棒銀・矢倉棒銀 ・対振り飛車棒銀(対△四間飛車)
 ▲3八飛△4五歩型
・矢倉棒銀
 角銀総交換型
48p
第3章 序・中盤の攻防 格言=32 67p
第4章 終盤・寄せの考え方 格言=25 51p

◆内容紹介
入門書で駒の動かし方をおぼえて、さあ、それでは次にどうするか。実際に将棋を指そうと思っても、どの駒をどう動かせばいいか、さっぱりわからない。そんな初心者のための、実戦入門書。まずは、初心者に向く棒銀戦法をわかりやすく解説。さらに序盤の駒組、中盤の戦い方、終盤の寄せを、おぼえやすい格言をつかって教える。本書をマスターすれば、ある程度の棋力をもつ相手にも勝つことができるはずだ。


【レビュー】
初級・中級向けの技術解説書。

「入門書は読んでルールも覚えたが、さて次に何をしたらよいものか…」と感じる初級者はかなり多いと思う。将棋は最初に1勝するまでが遠く、勝てなければ将棋も面白くないし、敗因分析も難しい。「実戦は、もう少し本を読んで力を上げてから…」という方も多いだろう。本書は、そういう「入門後」の人向けに書かれたものである。

第1章・第2章は3種類の棒銀戦法の解説。棒銀は、飛と銀の協力で飛車先突破(飛車を敵陣に成り込む)を目指す戦法で、初級者にオススメであるとともに、いろんな手筋を学ぶことができ、末永く使える戦法である。本書では相掛かり・対振り飛車・矢倉での棒銀を解説し、相手を投了に追い込む(=勝つ)までの展開を丁寧に解説している。

第3章・第4章は、格言の解説。格言は、将棋の考え方を分かりやすい言葉で示したもの。わたしの場合、格言をマスターしたころが、棋力の上昇が一番大きかったと思う。初級者や中級者が上達するには格好の題材だ(ただし、初級・中級者向けの格言本で現在普通に書店で買えるものはなぜか少ない…)。本書では、プロの実戦(著者の実戦も含む)を題材に、1つの格言を見開き2ページ完結で解説してある。

全体的に解説は丁寧で分かりやすいし、個々の内容はなかなか良いと思う。

しかし、本書のコンセプトはタイトル通り、「将棋入門の次に読む本」であるはずだ。第1章・第2章はコンセプト通りのものだが、敵陣突破後が急に難しくなったように感じられる一方、棒銀戦法をマスターするには中途半端。第3章・第4章は初級者(おそらく格言に接するのは初めてだろうと思う)にとってはプロの実戦は難しすぎる題材だ。実際、わたしが読んでちょうどよいか、ちょっと易しいというくらいの感じだったし、「この格言を解説するのにこの局面を使うの?」というものもある。「(1)部分図で基本解説→(4)応用図→(3)実戦図」という流れならこれくらいでちょうどよいが、「初級者が格言を覚えるにはちょっと…」というのが正直な感想だ。

本書の評価は人によって相当違うと思うが、わたしは「対象棋力がよく分からない」という本は評価を下げる。「入門書の次」というなら、著者も出版社も同じであるが『大人のための将棋再入門』(2003)の方をオススメする。(2008Jun25)


【他の方のレビュー】(外部リンク)
640PLUS
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー
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【関連書籍】

[ジャンル] 
総合書
[シリーズ] 
[著者] 
沼春雄
[発行年] 
2008年

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