zoom 裏表紙 |
郷田真隆の指して楽しい横歩取り すすんで飛び込む横歩取り |
[総合評価] B 難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 読みやすさ:A 上級〜有段向き |
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【著 者】 郷田真隆 | ||||
【出版社】 フローラル出版 | ||||
発行:2002年8月 | ISBN:4-930831-43-1 | |||
定価:1,300円 | 224ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
横歩取りの総合定跡書。 フローラル出版としては3冊目の棋書だ。2冊目の『ノックアウト四間飛車』では構成や写植で大きな不満があったが、本書ではかなり改善されている。ただし、図面上で2文字の駒(成桂など)が枠からはみ出していたり、“王手”が“玉手”と書かれていたりする(1ヶ所だけだが)のは相変わらず。 内容について、いくつかコメントしてみよう。 ・△4五角戦法については、『横歩取りガイド』(週刊将棋編,MYCOM,1988)や『羽生の頭脳 10 最新の横歩取り』(羽生善治,日本将棋連盟,1994)よりも変化がちょっと少ない。一方、他書で"これにて先手が受け切って良し"と解説が打ち切られているところで、その先まで書かれているのは親切だ。 ・「△3八歩〜△4四角」は著者のオススメ戦法。いわゆる「横歩取り素抜きトリック」のことで、これは『B級戦法の達人』(週刊将棋編,MYCOM,1998)にも10p掲載されている。内容はほとんど同じだが、本書の方が少し分かりやすい。 (2002Sep08追記)ほぼ同時期に出版された『定跡外伝2』(週刊将棋編,MYCOM,2002)では▲7七桂が対策の決め手とされているが、本書では▲7七桂△3三金で後手有望とある。 ・△3三桂戦法は定跡化が進んでいないのでなんともいえない。 ・△8五飛戦法は、他に詳しい棋書がたくさんあるので、そちらを参照したほうがいい。 横歩取り全般について書かれた本には『横歩取りガイドT/U』や『羽生の頭脳 9/10』がある。それらとの比較が気になるところだが、本書はさらにやさしく書かれていると思う。単に定跡をまとめただけではなく、ところどころに著者自身の見解があるし、新手の解説もある。『ガイド」』や『頭脳』を持っている人も、必読とは言い難いが、読んで損はないだろう。 全体的に急戦の変化については、丁寧にやさしく書かれていると思う。「東大将棋シリーズは難しくて分からない」という人には特にオススメだ。それにしても、相変わらずこの表紙はなんとかならんのだろうか(笑)。(2002Aug13,Sep08追記) |