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初段に挑戦するシリーズ(12) 振り飛車破り 振り飛車なんかこわくない! |
[総合評価] A 難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)A(量)B レイアウト:A 解説:A 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
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【著 者】 青野照市 | ||||
【出版社】 創元社 | ||||
発行:1986年4月 | ISBN:4-422-75062-3 | |||
定価:850円 | 190ページ/18cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||||||
◆内容紹介 |
【レビュー】 |
▲居飛車急戦vs△振飛車の定跡書。 普通、居飛車急戦は振飛車の種類別に解説されている。すなわち、「四間飛車破り」「三間飛車破り」などが一般的だ。しかし、違う振飛車に対して似たような仕掛けをすることはかなり多い。似た仕掛けを覚えれば、急戦を理解しやすいのではないか。そういう提案をしているのが本書である。 本書は、対振飛車の居飛車急戦を仕掛け方で分類して解説した本である。 各章の内容を簡単に紹介していこう。 第1章は仕掛け方の分類。対振飛車の急戦は、大きく分けて(1)▲4五歩から角交換、(2)▲3五歩から角頭攻め、(3)▲3八飛から一歩交換、の3つがある。本章ではまずその概要を説明する。 第2章は▲4五歩からの仕掛けで、角交換〜飛車先突破が狙い。角がいなくなれば2筋の守りが薄い場合に有効で、▲3三角成△同銀になる形や△3二金型には無効。相手に浮き駒があるときに仕掛けるのがベストとなる。 〔この仕掛けが有効な振飛車〕(※1) ・△4三銀型三間飛車 ・△4一金型中飛車 ・△4二銀型三間飛車(※攻め方が違う) 〔第2章チャート(概略)〕 ・△4三銀型・三間飛車 ├▲4五歩に△4二飛 └▲4五歩に△3五歩 ・△4一金型・中飛車 ├▲4五歩に△同歩 ├▲4五歩に△4二飛 ├▲4五歩に△3二金 └▲4五歩に△5五歩 ・△4二銀型・三間飛車 ├△5筋不突きの変化 └▲5五歩△同歩▲4五歩 第3章は▲3五歩からの仕掛けで、薄い角頭を攻めるのが狙い。ナナメ棒銀で飛車先突破するのが第1の狙いだが、たいていは銀で角を圧迫するのが真の狙いになる。▲3五歩と▲4六銀(左銀)がセットになるが、相手の左銀の位置によってどちらを先にするかが変わってくる。なお、▲3八飛から入る鷺宮定跡も左4六銀戦法と関係が深いので、本章で解説されている。 〔この仕掛けが有効な振飛車〕 ・△3二銀型四間飛車(山田定跡、鷺宮定跡を使い分ける) ・△4三銀型四間飛車(▲4六銀〜▲3五歩) 〔第3章チャート(概略)〕 ・△3二銀型・四間飛車 ├△6四歩に山田流▲3五歩 |├△3三同銀に▲2四歩(失敗例) |└△3三同銀に▲7七角 | ├△6五歩 | ├△4一飛 | └△5四角 ├△5四歩に山田流▲9七角 └△5四歩に▲6八金直△6四歩▲3八飛(鷺宮定跡) ・△4三銀型・四間飛車 └△5四歩に▲4六銀△3二飛▲3五歩 ├△6四歩 ├△同歩(本文中) └△1二香 第4章は▲3八飛からの仕掛けで、▲3五歩から一歩交換してから桂を活用しておくのが基本線になる。(玉の守りが薄い)△3二金型振飛車に対して「損をせずに確実に攻め、玉の堅さで勝負」(p136)するのが良い。なお、攻めずに持久戦になると居飛車の作戦負けになりやすい。▲3八飛に△3二飛で対抗されるときは、ややつまらない攻め方とされている。 〔この仕掛けが有効な振飛車〕 ・△3二金型中飛車 ・△3二金型四間飛車 〔第4章チャート(概略)〕 ・△3二金型・中飛車 ├▲3八飛に△4五歩 ├▲3八飛に△6四歩 └▲3八飛に△3一金 ・△3二金型・四間飛車 ├▲3八飛に△5四歩 ├▲3八飛に△4五歩 └▲3八飛に△7四歩 第5章は対向飛車。本書の中ではオマケ的な章で、第2章〜第4章の仕掛けパターンに当てはまるものではない。 〔3筋位取り型中飛車〕 先手が向飛車を警戒して▲2六歩のまま飛先を保留している場合に、無理に向飛車にすると不利になるので(p177〜p178に解説あり)、序盤に△3五歩として石田流を見せ、▲2五歩を決めさせて向飛車にする作戦。先手は、△3五歩のために後手の囲いが遅れているのを咎め、3筋から速攻するのが有力。 〔升田式向飛車〕 後手がいったん△三間飛車に振り、石田流を見せて▲2五歩を突かせてから△向飛車に振り直す作戦。(※2)1手損が気になるため、「升田九段以外は指しこなせない」という著者の評あり。本節では、升田式向飛車の急戦封じを簡単に紹介している。
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