zoom |
プロの将棋シリーズ(5) 小倉流向かい飛車の極意 |
[総合評価] C 難易度:★★★☆ 図面:見開き4枚 内容:(質)B(量)B レイアウト:A 解説:B 読みやすさ:A 中級〜上級向き |
||
【著 者】 小倉久史 | ||||
【出版社】 毎日コミュニケーションズ | ||||
発行:2003年9月 | ISBN:4-8399-1235-1 | |||
定価:1,300円 | 224ページ/19cm |
【本の内容】 | ||||||||||||||||
◆内容紹介(MYCOMホームページより) |
【レビュー】 |
向飛車の定跡書。 本書の向飛車は、初手から▲7六歩△8四歩▲5六歩△8五歩▲7七角△5四歩▲8八飛が基本図。2手目△3四歩のときは、基本的には向飛車にできない(第3章のような手法はある)。基本図以下△6二銀▲6八銀△3四歩▲4八玉と進むのが「升田流向飛車」。しかしいわゆる「鈴木スペシャル」で△6二銀の変化が消滅し、その後の展開が大きく変わることになった。 この向飛車は、△8六歩の反発から派手な変化を見せつつ、「後手に△6四歩を突いてもらう」(p17)のが真の狙い。△6四歩を突くと、居飛車は持久戦にしづらくなる。また、急戦に対しては振り穴から袖飛車を狙う。 第2章(1)は『島ノート』の「鈴木スペシャル」。指し手は同じところまでで終わっていて(優劣がはっきりしたところまで)、解説量も同程度。ただ、『島ノート』で疑問手として検討された△4二玉を、本書では当然の一手のごとく処理されている。 第2章(2)〜(4)は、本書のメイン。作戦勝ちと決戦の両方をにらんだ展開となるので、小倉流を指しこなすにはここをしっかり読む必要がある。 第3章は、2手目△3四歩に対して、どうしても向飛車にしたいときに有効な手法。先手三間飛車にして石田流本組を見せ、△8五歩を決めさせてから▲8八飛と向飛車に振り直す。飛車の動きで一手損するので、後手番向飛車と同じ形になる。なお、『島ノート』の「小倉流△2三飛」は本章と実戦編の対泉戦で述べられているが、残念ながらこれも『島ノート』の方が詳しい。(本書の方が10ヶ月後発なのにどういうことよ…) 全体的に概論っぽい解説で、「そこから先が知りたい」というところで解説が途切れている感じだった。肝心なところでことごとく『島ノート』の方が詳しい、というのはとても残念。ただ、向飛車は棋書も少ないし、対象棋力からすればこれくらい(基本重視で難解なところはサラリと流す)でちょうどいいのかもしれない。(2007Sep07) |
【他の方のレビュー】(外部リンク) ・棋書解説&評価委員会 ・白砂青松の将棋研究室 ・9x9=81 ・Amazon.co.jp: カスタマーレビュー |