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サクサク解こう
詰将棋1手・3手200題 超初心者から1級まで |
[総合評価] B 難易度:★★★ 見開き4問 内容:(質)A(量)A レイアウト:A 解答の裏透け:A 解説:B 中級〜向き |
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【著 者】 森信雄 | ||||
【出版社】 実業之日本社 | ||||
発行:2006年12月 | ISBN:4-408-40349-0 | |||
定価:900円(5%税込) | 216ページ/18cm |
【本の内容】 |
第1章 超基本の1手詰=50問 第2章 サプライズ満載の3手詰=150問 ◆内容紹介 詰将棋や次の一手の創作には定評がある著者による詰将棋の入門書。初心者向けにも最適な1手詰50題、サプライズ満載の3手詰150題を収録。「解くこそ物の上手なれ」の詰将棋の世界を楽しく学べる一冊。 |
【レビュー】 |
1手詰・3手詰限定の詰将棋問題集。 出版社は違うが、『あっと驚く三手詰』(講談社,2000)『なめたらあかん三手五手』(講談社,2003)の続編で、ページレイアウトや解説量などはほぼ同じ。ただし同じ手筋で固めてあるわけではない。また、8問一組ではなく、『3手詰ハンドブック』(浦野真彦,日本将棋連盟,2005)のような4問一組の構成である。個人的には4問一組の方が良いと思う。 第1章は1手詰。「超基本の1手詰」とあるが、そこは森信雄である。『1から始める詰将棋』(週刊将棋/編,MYCOM,2007)や『将棋1手詰入門ドリル』(椎名龍一,池田書店,2007)に出てくるような「本当に易しい1手詰」ではなく、相当トリッキーな1手詰がほとんどだ。1問目(下図)から盤上の駒数が9枚もあるところからも、「普通の1手詰ではないな」というのが窺えるだろう。合い利かずでの「無駄な合駒は手数に数えない」という詰将棋のルールを利用しているので、中には有段者でも「ん!? これ詰んでるか?」と一瞬見まがうような詰み形も出てくる。 第2章は「サプライズ満載の3手詰」で、合い利かず・両王手・飛角香の限定移動などが頻出する。面白い筋がいっぱいでこれももちろんサプライズなのだが、本当にサプライズなのは「解けたと思って答を見たら違っていたとき」だと思う。「ええ!! なんで!? …………あ、そうか!!d(≧▽≦)ガッテン!!」となるのだ。これぞサプライズ(笑)。ただし、解説が少ないので誤答の理由を自分で見つける必要がある。 なお、普通の「捨て駒一発」系の問題も2〜3割織り交ぜてあり、読者が疲れすぎない絶妙なバランスになっている。 本書を解き始めて、いきなり1問目(1手詰,左上図)で間違えてしまった(汗)。うっかり▲4二龍としてしまったのである。別にパッと見で答えを見たわけではなく、10秒ほど考えたのだが…(滝汗)。もちろん、▲4二龍には△1一飛と肝心の馬を抜かれて不詰めである。この時点で「ああ、森信雄(の詰将棋)だった」と気合を入れ直したので、あとは全問正解…とはならず、今回もやっぱり数問は間違えた(涙)。モリノブ詰将棋はどうしてもパーフェクトができない……。 【わたしが間違えた問題】1,133,135,157,177 表紙の「超初心者から1級まで」は正直言ってウソ。「有段者でも楽しめる1手・3手詰」が正しいと思う。同じ1手・3手でも『1から始める詰将棋』とはまったく難易度が違うので要注意。(2008Apr21) 【初版の誤植】 問題102 解答 (誤)▲2三銀 (正)▲2三銀打 問題147 持駒 (誤)なし 金 (正)金 問題167 解答 (誤)桂打ちを作る (正)桂跳ねを作る 問題171 解答 (誤)△2五香と…詰まない (正)△2五香でも▲同角△2四玉▲3五金で駒余り詰み? 問題194 解答 (誤)▲2五龍が好手で。△同玉は… (正)▲2五龍が好手で、△同玉は… 問題197 問題図 ▲2六香までの1手詰のはず(ソフトで確認)。「後手の角の利きを遮断しつつ、香をどかして開き王手する」という作意を満たすには、△1一角を△1二角とすればよさそう。そのときは解答最終手は▲2三香成となる。 |