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■「将棋世界」誌の付録:2017年

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表紙 タイトル・著者・発行 内容 備考
二枚落ち新定跡 居玉突貫棒銀
野獣直伝! 居玉上等! 攻めて攻めて攻め倒せ!

泉正樹
2017.04
二枚落ちの下手の新戦法を解説した本。

二枚落ちの定跡といえば、二歩突っ切りや銀多伝などが有名である。これらはどちらも序盤で3筋と4筋の位を取ることが共通している。

もちろん、その指し方は棋理にかなったものであるが、二枚落ち特有の指し方でもあるため、違和感を感じている人も多いだろう。その違和感は、特に攻め将棋の人に多いようである。

そこで、飛香落ちなどで速攻作戦を提案してきた泉八段が、二枚落ちでも居玉で攻める新手法を発表したのが本書である。

この[居玉作戦]は、以下のような特徴がある。

角道を開けるのを保留し、飛先の歩を伸ばすのを優先。
 隙があれば飛先交換から横歩(5四歩)を取る。(表紙の局面)
 上手が慎重に指せば、銀多伝などで上手の左の金銀を固定させるのと同じ効果が出る。

玉は囲わず、居玉のまま。左右の金もなるべく動かさない。
 大駒の打ち込みには強いので、場合によっては飛車切りも考える。

3筋の位を早めに取る。
 銀桂の進出がスムーズになる。
 多くの場合、飛先交換よりも3筋の位を優先。
 本作戦では4筋の位はマストではない。

上手の出方によって、攻めを使い分ける。
 棒銀、1筋攻め、早繰り銀、カニカニ銀風など。
 (タイトルは「居玉突貫棒銀」だが、いろいろな攻め筋がある)


決して下手が従来定跡よりも楽に勝てる作戦というわけではない。プロを相手にこの作戦で完勝するなら、やはりアマ三段くらいの棋力が必要だろう。ただ、攻めっ気が強い棋風の人にはオススメの作戦だ。定跡が整備されていないので、手将棋を好む人にもオススメ。ぜひ試してみてください。

なお、エルちゃん(愛犬)の近況報告は健在だ(笑)。出題後にいきなりブッこんできたり、愛がハンパない。(2017Mar16)
初段 常識の手筋U
将棋センスをブラッシュアップ

及川拓馬
2017.03
初段向けの次の一手問題集。

No.1〜22 見開き2問、部分図
No.23〜29 見開き1問、部分図
No.30〜50 見開き1問、全体図


取り上げられているテーマは、すべて初段必修といえるようなもので、だいたい3手〜7手くらいがちゃんと読めれば解ける。

どのような手筋が出題されているか、一部を列挙しておこう(順不同)。

〔手筋〕
継ぎ歩/突き違いの歩/銀バサミの避け方/端攻め/端攻めの受け/合わせ歩/焦点の歩/角頭の受け/焦点の歩/垂れ歩/銀捨てからの飛金両取り/駒を取られそうでも逃げない/玉頭を押さえる/早繰り銀での敵玉位置の違い/四間vs棒銀の切り返し/横歩取りでの角の捕獲/大駒は近づけて受けよ/
〔戦法〕
角交換振飛車/石田流本組/角換わり/向飛車/相掛かり/相穴熊/四間飛車玉頭銀/角換わり腰掛銀/雁木/中飛車/矢倉



初段を自認する方なら、6割は解けてほしい。また、三段〜四段の自信がある方も、実戦では見逃すことも多いと思うので、どれだけ解けるか確認しておきたい。ちなみに私は2問ほど詰まってしまいました(汗)。(2017Feb13)
実戦次の一手
村山聖の振り飛車
村山聖九段が指した振り飛車の妙手を厳選。公式戦データ収録

久保利明/監修

一瀬浩司/編集協力
炬口勝弘/表紙写真
2017.02
故・村山聖九段の実戦から、振飛車の次の一手35問。

居飛車党のイメージが強い村山だが、振飛車も結構指している。本書に登場する振飛車は、向飛車、陽動振飛車、三間飛車、四間飛車、立石流、相振飛車、中飛車と非常に幅広い。

局面は超序盤から最終盤まで取り上げられているが、終盤の鋭い踏み込みは当然ながら、卓越した大局観も注目したい。振飛車党必須の「○○が捌ければ良し」だけでなく、「駒損でも、相手の○○の働きを悪くしているので良し」というパターンが何度か登場する。村山の振飛車を見ていると、「捌くだけが振飛車じゃないんだな」と思えてくる。

巻末には、村山の全公式戦データが掲載されている。データは、対局の日付、棋戦名、勝敗、対局者名。不戦敗も当然記録されているので、いつごろが体調不良がきつい時期だったのかが偲ばれる。(2017Feb04)
実戦次の一手
村山聖 魂の一手
順位戦を中心に村山聖九段珠玉の妙手を厳選。昇級の記収録

森信雄/監修

一瀬浩司/編集協力
中野英伴/表紙写真
2017.01
故・村山聖九段の実戦から、振飛車の次の一手35問。主に順位戦からの出題。

本書では、村山は基本的に居飛車側を持っている。大半が矢倉(と思われる)の将棋で、相掛かり・角換わりもある。一部の対抗形でも村山は居飛穴などを採用。1局だけ変則的な出だしからの相振飛車があった。

No.1〜4 1987年度C級2組(順位戦のデビュー年。C1へ昇級)
No.5〜7 1988年度C級1組
No.8〜11 1991年度C級1組(B2へ昇級)
No.12〜15 1992年度B級2組(B1へ昇級)
No.16    1993年度B級1組
No.17〜19 1994年度B級1組(A級へ昇級)
No.20〜22 1995年度A級
No.23    1996年度A級(B1へ陥落)
No.24〜27 1997年度B級1組(A級復帰)
No.28〜31 1992年度王将リーグ(唯一のタイトル挑戦したリーグ)
No.32    1998.02.28 NHK杯(vs羽生。『聖の青春』でも取り上げられた将棋)
No.33    1998.03.06 竜王戦1組(vs木村。絶局)


なお、将棋世界5月号に毎年掲載される「昇級 喜びの声」が、初昇級4回分が当時のそのままで掲載されている。(A級復帰時のものはない)

解説は約150字で、付録としてはかなり多め。ただし、局面もかなり難解なものが多いので、何度もページを繰る必要がある。(※電子版で2画面表示で見られる環境なら問題なし)

次号と併せ、ぜひ村山の妙技を味わってください。(2017Feb28)


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