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■逆転の5手詰

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逆転の5手詰(将棋連盟文庫)
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将棋連盟文庫
逆転の5手詰
[総合評価] A

難易度:★★★
  〜★★★☆

見開き1問
内容:(質)A(量)A
レイアウト:A
解答の裏透け:B
解説:A
中級〜有段向き

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【著 者】 中田章道
【出版社】 日本将棋連盟/発行 マイナビ/販売
発行:2012年2月 ISBN:978-4-8399-4609-8
定価:1,155円(5%税込) 416ページ/16cm


【本の内容】
・5手詰=計200問
第1章 2005年 3月号〜2005年12月号=50問
第2章 2006年 1月号〜2006年10月号=50問
第3章 2006年11月号〜2007年 8月号=50問
第4章 2007年 9月号〜2008年 6月号=50問

◆内容紹介
逆転の詰将棋シリーズ第2弾!!
中田章道七段による将棋世界不動の人気連載「実戦に役立つ5手7手詰」から5手詰の問題のみを200問厳選。解説を全面的に書き直した一冊です。中田詰将棋の魅力の一つである変化、紛れ手順の妙を分かりやすく解説した内容となっております。また、(1)100問ごとの正解数と(2)10問ごとのタイムトライアルの2つの方法で棋力が分かるようになっています。

連載40カ月分を凝縮した一冊、中田詰将棋のコクを存分に味わいたい詰将棋ファンのあなたも、終盤力も格段にアップさせたいあなたも、ぜひ手にとってまずは1問解いてみてください。


【レビュー】
5手詰限定の詰将棋問題集。「将棋世界」誌に連載されている「実戦に役立つ5手7手詰」から、40ヶ月分の5手詰を撰集したもの。

「たかが5手詰、されど5手詰」。5手詰というのは、まさに「たかされ」の手数である。5手詰の中でも易しいものなら、問題を見た瞬間にフラッシュのように正解が見えることがある(当サイトではしばしば「1秒で解ける」と表現している)。

一方、5手詰の中にはかなりの難問もある。本書の5手詰には一瞬で解けるようなものはほとんどない。仮に筋が見えたとしても、変化の検証のためにある程度の時間がかかる。その分、脳に負荷がかかり、読みのトレーニングとしてはちょうど良い。

本書は、「ダンベルまたは鉄アレイのような5手詰」がそろった詰将棋問題集である。



まず、本書は解説が全面的に書き直され、連載時に比べてかなり精緻になっている。通常の[正解手順]、[正解の解説]の他に、[【変化】]と[【紛れ】]が追加されている。

 【変化】
 2手目、4手目に玉方の応手が変わった場合の詰ませ方を解説。同手数の場合は、変化の方を答えても正解になる。ただし、「駒余り」と書いてある変化は不正解(p5の「詰将棋のルール(6)」に反する)。

 【紛れ】
 有力手の中で、不詰めのものを解説。


これら解説の精緻化により、読み切れなかったときや、どうしても解けなくて答を見てしまったときの「なんで?!」に、しっかりと応えている。



次に、問題の質のほうはどうか。5手詰集といえば、『5手詰ハンドブック』シリーズの浦野真彦八段や、『なめたらあかん三手五手』などの森信雄七段などが思い浮かぶ。それぞれ作品に個性があるが、わたしの印象はこのような↓感じだ。

・浦野:  軽快な捨て駒で退路を塞ぐ。駒の配置はコンパクト。盤面の右上に5x5以内でまとまっている。詰め上がりに安定感。
・森: トリッキーな動きが得意。線駒を少しだけ動かす、飛角を盤面いっぱいにブン回す、金がソッポに行く、など。
・中田:  捨て駒で質駒を作っておき、変化に備えるというパターンが多い。(浦野、森の詰将棋本にはあまり見られない特徴) 入玉形も多い。打歩詰め回避、合駒限定は少ない。



実際に全200問を解いてみた。ひと目で筋が見えるような問題は10問もなく、大半の問題は、完全に読み切ったと確信できるまでに20秒〜40秒くらいかかった。1分〜5分以上かかった問題も結構あったので、苦戦した問題番号を列挙しておく。太字はどうしても見えなくて断念した問題。

 第1章: 2, 4, 9, 18, 19, 23, 29, 30, 33, 39, 41, 44, 46 [13/50=26%]
 第2章: 56, 59, 61, 62, 64, 65, 66, 68, 72, 74, 78, 81, 92, 98, 100 [15/50=30%]
 第3章: 102, 104, 106, 108, 119, 120, 126, 127, 129, [9/50=18%] 後半は比較的サクサク解けた。
 第4章: 151, 152, 153, 162, 164,、179, 181, 186, 187, 188 [10/50=20%]


各章の冒頭にある棋力判定表によれば、9割正解で三段以上なので、なんとかギリギリ三段キープ(滝汗)。なお、棋力判定には「詰将棋ポイント」というものも導入されていて、三段以上の条件は「5問を15分以内に解くこと」。これも何とかクリアしたといえる…かな?

これまで出版された5手詰オンリーの本では、ウッカリで誤答した問題はあっても、断念した問題はほとんどなかった。本書の難易度は、5手詰の10段階でいえばLv.5〜Lv.10くらい。5手詰オンリーのカテゴリーでは間違いなくトップクラスだ。

ちなみに本書の詰将棋には難易度が☆の数(5段階)で表示されているが、☆2でも苦労したものもいくつもあるし、☆5でもスンナリ解けたこともある。難易度表示はあくまで目安とし、あまり気にしなくてよいだろう。気にしすぎると、☆1では「絶対に解かなくちゃ!」とプレッシャーがかかり、☆5では「もう答を見ちゃおう…」と小悪魔の囁きに悩まされることになる(笑)。



「サクサク解ける爽快感」や「ダイナミックな躍動感」を味わいたい人には本書は不向き。「脳みそに心地よい汗をかきたい」という人に薦めたい。(2013Mar01)


※誤字・誤植等(初版第1版で確認):
p382解答図 盤上の駒がすべて正しい位置から一段下にずれている。
(みつなりさんご指摘thx!)



【関連書籍】

[ジャンル] 
詰将棋
[シリーズ] 
将棋連盟文庫
[著者] 
中田章道
[発行年] 
2013年

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