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■将棋定跡最先端 居飛車編

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将棋定跡最先端 居飛車編
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将棋定跡最先端 居飛車編 [総合評価] B

難易度:★★★★☆

図面:見開き4枚
内容:(質)A(量)B
レイアウト:A
解説:A
読みやすさ:B
有段者向き

【著 者】 所司和晴
【出版社】 毎日コミュニケーションズ
発行:2005年12月 ISBN:4-8399-1948-8
定価:1,449円(5%税込み) 240ページ/19cm


【本の内容】
第1章 矢倉 (1)▲4六銀・3七桂・3八飛 ▲3五歩の変化
(2)▲4六銀・3七桂・3八飛 ▲5五歩の変化
(3)▲4六銀・3七桂・3八飛 △8五歩早突き型
70p
第2章 横歩取り (1)△8五飛対▲4八銀・3六歩 △5一金の変化
(2)△8五飛対▲4八銀・3六歩 △7四歩の変化
(3)相横歩取り△2七角の変化
(4)相横歩取り△8二角の変化
(5)相横歩取り△6四歩の変化
88p
第3章 角換わり
(後手一手損)
(1)早繰り銀の変化
(2)相腰掛け銀の変化
(3)先手棒銀の変化
52p
第4章 相掛かり
(引き飛車棒銀)
(1)△3三角の変化(相銀冠の持久戦へ)
(2)△1四歩の変化(後手ひねり飛車の狙い)
25p

◆内容紹介(MYCOMホームページより)
東大将棋ブックスを著した「定跡伝道師」こと所司和晴七段が最新研究を記した定跡書です。1巻目の本書は、、
矢倉(▲4六銀・3七桂型)、横歩取り(8五飛と相横歩取り)、角換わり(一手損)、相掛かり(引き飛車棒銀)を取り上げました。いずれもタイトル戦でよく現れる注目の戦型で、新しい変化や東大将棋ブックスの結論が変わった変化について、ていねいに解説しています。


【レビュー】
プロの最先端で戦われている相居飛車の戦型の定跡書。

相居飛車の中でも、矢倉と横歩取りは所司本人による「東大将棋ブックスシリーズ」でかなり詳しく書かれている。本書では、「東大将棋」で書かれなかった最新の変化と、新しく登場した戦型について、「東大〜」と似た形式で解説している。

第1章は「矢倉▲4六銀」、第2章後半は「相横歩取り」で、それぞれ下記の関連書籍がある。
  ・『矢倉道場 第一巻 4六銀
  ・『横歩取り道場 第二巻 相横歩取り

また、第2章前半「横歩取り△8五飛vs▲新山ア流」、第3章「後手一手損角換わり」、第4章「相掛かり▲引き飛車棒銀」は、最近流行している戦型。特に「新山ア流」と「一手損角換わり」は単行本初登場となる。(「相掛かり引き飛車棒銀」は『最前線物語』(2003)で触れられている)

各戦型を少し紹介しておこう。


<相矢倉▲4六銀3七桂・6五歩型>

【第1図】の▲6五歩では▲2五桂や▲5七角が多かった。▲6五歩は8筋を弱めずに待機し、△8五歩なら▲2五桂△4五歩▲同銀△1九角成▲5七角から後手玉のコビンを狙っていこうという作戦。


<横歩取り△8五飛vs▲新山ア流>

横歩取り△8五飛に対し、▲4八銀型・居玉・▲3六歩型の【第2図】が基本形。次に▲3七桂と素早く活用し、▲3三角成△同桂▲3五歩と後手の桂頭を攻めていくのが狙いの一つ。

なお、(旧)山ア流は▲8七歩を打たずに先手から角交換していく形で、新山ア流とは全くの別物。


<後手一手損角換わり>

横歩取りのような序盤で、【第3図】のように後手から角交換する。純粋に一手損なので、昔なら破門されそうな手。手損よりも「△8四歩型で保留」するのが大きいと見ている。相腰掛銀で△8五桂と跳ぶ余地があるため、▲7五歩の桂頭攻めがぬるくなったり、棒銀で▲8四香と打つ筋がなかったりと、さまざまな利点がある。

ただし、プロではいまのところ後手の勝率はあまり良くない。

なお、角交換のタイミングによってさまざまなパターンがある。


<相掛かり引き飛車棒銀>

相掛かりは、従来は▲2六飛と引いて後手の飛車先交換を牽制しつつ駒組みを進めていくのが常道だったが、あえて▲2八飛と引いて銀を繰り出していく。後手を棒銀受けの形に限定させ、作戦勝ちを狙う高等戦法。初級者向けの棋書に載っている「原始棒銀」とそっくりだが、思想は全く異なる。

「UFO銀」や「宮坂流棒銀」などとも呼ばれることがある。

解説のレベルは「東大〜シリーズ」に準拠していて、かなり細かい。ただ、東大シリーズでは図面が見開き6枚だったのに、本書では4枚で、かなり図面不足。スペースに余裕はあるので、この解説量なら6枚ほしかった。本筋図面を枠で囲うなど強調すれば、見づらさも軽減したはず。なお、定跡がまだ固まってない戦型ばかりなので、「○○でも一局」という書き方がかなり多い。


新山ア流・一手損角換わり・相掛かり引き飛車棒銀はここ1〜2年で流行し始めた戦型であり、詳解した本はほとんどない。ならば、狙いや思想を解説した基礎講座や、代表的な棋譜を追った歴史講座が欲しかった。

本書の場合は、いきなり先端の戦いが展開されていくので、初めて見た人はかなりの実力者でも「はにゃ?」という感じだと思う。

普段からプロの棋譜をよく研究していて、枝葉の変化や可能性を知りたい人にはちょうど良い。ただ、3年くらいでかなり陳腐化しそうな予感。(2006Jun08)


※第2章107pあたりで「どっかで見た形だなぁ?」と思って調べてみたら、プロ編入試験の▲佐藤天彦vs△瀬川晶司(2005/7/18)でした。途中までは実戦そのままの進行で、△5二香打以降は検討された内容のようです。



【関連書籍】
 『
将棋定跡最先端 振り飛車編
[ジャンル] 
居飛車総合
[シリーズ] 
[著者] 
所司和晴
[発行年] 
2005年

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